Googleアナリティクス4(GA4)導入の方法と旧GAとの違いを紹介

公開日:2022-07-20 更新日:2022-07-22 by SEデザイン編集部

目次

20220708thumbnail_jpeg_09Googleアナリティクス4は、2020年10月にリリースされたGoogleが提供する最新の無料アクセス解析ツールです。GA4は旧GAと比べると、計測の指標やレポート画面が大幅にバージョンアップされています。

使い方も大きく変わるため、旧GAからGA4へ移行すべきか悩んでいる方も少なくないでしょう。今回は、Googleアナリティクス4の特徴や移行手順をご紹介します。

新バージョンのGoogleアナリティクス4とは

Googleアナリティクス4(以下:GA4)とは、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールのことです。2020年10月にアップデートされた最新版で、2013年にリリースされたユニバーサル アナリティクス(以下:UA)に代わるツールとして登場しました。

UAが分析できるのはWebサイトのみですが、GA4ではWebサイトに加えてアプリにも対応している点が大きく異なります。さらに、Googleの機械学習を利用した予測機能の実装など、より深くまで分析可能になりました。

Googleアナリティクス4が登場した背景

GA4が登場した背景には、UAの分析指標では、ユーザーの行動を把握できなくなりつつあることが挙げられます。UAではWebサイトを基準とした分析ツールでしたが、しかし近年のスマートスピーカーやウェアラブル端末の普及により、計測単位がWebサイトだけだでユーザーの行動を正確に分析するのは難しくなりました。そのため、計測指標の変更と今後の拡張性を高めるために、まったく違う仕様としてGA4が登場しました。

Googleアナリティクス4の導入は必要か

現在UAを使っている方は、GA4に移行した方が良いのでしょうか。結論から述べると、GA4の導入は必須です。理由は、旧GAのユニバーサルアナリティクス(UA)が、2023年7月1日にサポートが終了するからです。2023年7月1日以降はUAが使えなくなるので、それまでにGA4を導入しましょう。さらにGA4では、導入前のデータは確認できないため、対前年比比較をされる方は早めに導入しておくのがいいでしょう。

またUAとGA4は操作の仕方が変わるため、慣れるまでは少し時間がかかる可能性があります。使い方に慣れるためにも、UAと併用可能なうちに導入するのがおすすめです。

Googleアナリティクス4の特徴

google-analytics4 (2)GA4には、従来にはなかった機能が新たに追加されて、バージョンアップされています。ここでは、GA4でできる主な機能をご紹介します。

データ計測の設定が容易にできる

UAでは個別設定だったデータのカウント機能が、GA4では「ON/OFF」の変更だけで実装できます。たとえば、設定できる計測には、以下のようなものがあります。

  • ページビュー数
  • スクロール数
  • 動画エンゲージメント(埋め込みのYouTube動画の再生数も計測できる)
  • 離脱クリック
  • ファイルダウンロード

上記のようなデータ計測の設定が簡単に設定できます。そのため、ユーザーの動きをより簡単かつ詳しく把握可能です。

BigQueryを無償で使用できる

これまで有料版の「GA360」で使えていた、ビッグデータ関連機能のBigQueryが、GA4では無料で使用できます。BigQueryとは、膨大なデータを超高速で処理できるサービスのことです。TB(1テラバイト=1,000GB)やPB(1ペタバイト=1,024TB)などのビッグデータも、BigQueryなら数秒から数十秒で処理が完了します。

GA4データとBigQueryを連携すると、既存データと合わせて解析できたり、表やグラフに可視化できたりするため、より深いところまで分析できます。なお、BigQueryの無料枠には、上限があるので注意してください。

ユーザーの行動を細かく分析できる

従来のUAは、直帰率や離脱率を中心にページで計測します。しかしGA4では、ページがないアプリなどでもカウントするように、計測基準がイベントに変わっています。

GA4から新たな指標として、「エンゲージメント」が加えられました。エンゲージメントでは、UAでは個別設定が必要だったユーザーの動きについての分析ができます。Webページのスクロールや滞在時間、動画視聴などの操作が自動で計測でき、UAより細かくユーザーの動きの把握が可能になりました。

Webサイトとアプリをまたがって分析できる

GA4では、「データストリーム」という機能によって、アプリとWebサイトの境をなくして分析できます。UAでは、同一ユーザーでもWebサイト側に1、アプリ側に1とカウントされていたのが、GA4ではアプリとWebサイトの両方で同一ユーザーと認識できるため、データがより正確です。

たとえば、ユーザーが検索エンジンからWebページにアクセスし、アプリをインストール後、何かを購入した場合、同一ユーザーと認識できます。ユーザーのWebページでの操作とアプリでの操作がひとつの流れで確認できるため、よりユーザーの動きが把握できます。

Googleアナリティクス4の計測単位、イベントについて

google-analytics4 (3)GA4のイベントとは、Webサイトやアプリ内でのユーザーの行動を計測する指標のことです。イベントに基づいて、データが表示されます。ここでは、GA4のイベントについてご紹介します。

自動で収集してくれるイベント

自動で収集してくれるイベントには、以下のようなものがあります。

  • ad_click:アプリで広告をクリックしたときに発生
  • app_store_subscription_convert:アプリで無料から有料サブスクリプションに切り替わったときに発生
  • first_visit:Webサイトへのアクセスなどが初めてのときに発生
  • in_app_purchase:アプリ内で購入したときに発生
  • session_start:Webサイトやアプリを利用したときに発生

自動で収集してくれるイベントは、上記の5つ以外にもあります。詳しくは「 [GA4] 自動的に収集されるイベント - アナリティクス ヘルプ 」で確認してみてください。

Webサイトでとくに注目したいのが、「first_visit」と「session_start」で、ユーザーが初めてアクセスしたときに発生します。ただし、「first_visit」に関しては、1回目だけで過去にアクセスしたことのあるユーザーは計測されません。

簡単に設定できるイベント

前述の自動取得するイベントのなかには、自分で設定するものも含まれています。自分でオンオフを設定するイベントには、以下のようなものがあります。

  • page_view:ページが読み込まれるタイミング、または閲覧履歴のステータスが変更されるタイミングで発生
  • scroll:各ページの9割までスクロールしたときに発生
  • クリック:外部リンクをクリックしたときに発生
  • video_start:動画の再生が始まったときに発生
  • file_download:ドキュメントやファイル、動画、音声などのリンクをクリックしたときに発生

上記の5つのイベントは、設定画面から自分でオンオフの切り替えができます。自社のWebサイトに合ったものを選びましょう。

手動で実装できるイベント

自分で設定できるイベントには、Googleが定義したイベントを使うものと、自分でカスタムできるイベントがあります。自分で設定できるイベントには、以下のようなものがあります。

  • join_group:グループに参加したときに発生
  • login:ログインしたときに発生
  • purchase:購入が完了したときに発生
  • search:ユーザーが検索したときに発生
  • sign_up:会員登録をしたときに発生

Googleでは、オンライン販売向けとゲーム向け別に使用した方が良いイベントが紹介されています。自分で設定できるイベントについて詳しく知りたい方は、「 [GA4] 推奨イベント - アナリティクス ヘルプ 」をご覧ください。

カスタムイベントは、イベント名やパラメーターを自分の好きなように設定可能です。まずは、Googleが用意してくれているイベントをチェックして、ないものは積極的に追加しましょう。

Googleアナリティクス4の移行手順

GA4は、UAの管理画面からアップグレードできます。ここでは、旧来のUAからGA4に移行する手順を解説します。

ユニバーサルアナリティクス(UA)の管理画面から設定する

GA4のプロパティを新たに作る方法は、以下のとおりです。

  1. 1.Googleアナリティクスの管理画面の左下にある「設定」をクリックする
  2. 2.「設定」から「プロパティ」に進み、「GA4設定アシスタント」をクリックする
  3. 3.「新しいGoogleアナリティクス4プロパティを作成する」から「はじめに」をクリックする
  4. 4.「新しい Googleアナリティクス4 プロパティの作成」のポップアップが表示されるので右下の「プロパティを作成」をクリックする

プロパティを新しく作ったら、UAとGA4は設定なしでリンクされます。

データ保有期間を設定する

GA4のプロパティを作ったら、続いてデータの保有期間の設定をします。デフォルトで2か月になっているので、以下の手順で14か月に変更することをおすすめします。

  1. 1.設定画面からプロパティ列の「データ設定」クリック
  2. 2.「データ保持」を選択
  3. 3.「ユーザーデータとイベントデータの保持」で、イベントデータ保持を「14か月」に変更し保存

トラッキングコードを設定する

トラッキングコードとは、GA4でデータ計測するタグのことです。GA4で計測をするには、以下2種類のいずれかの方法で「タグ」を設置する必要があります。それぞれの設定方法は次のとおりです。

グローバルサイトタグ(gtag.js)で設定する方法

グローバルサイトタグ(gtag.js)で設定する方法は、以下のとおりです。

  1. 1.GA4にログインして、「管理」から「プロパティ」に進む
  2. 2.「プロパティ」から「データストリーム」をクリックする
  3. 3.「データストリーム」から対象サイトのURLをクリックする
  4. 4.「タグ設定手順」のなかにある「グローバルサイトタグ(gtag.js)」をクリックして、測定ID(トラッキングコード)をコピペする
  5. 5.トラッキングコードをコピーして、測定したいすべてのページの終了タグ</head>の直前に設置する

Webサイトのすべてのページに貼り終わったら、GA4が使えます。設定し終わったら、実際にデータが取得できるかを確認しましょう。

Googleタグマネージャー(GTM)で設定する方法

Googleタグマネージャー(GTM)で設定する方法は、以下のとおりです。

  1. 1.タグマネージャーのコンテナ内の「新しいタグを追加」をクリックする
  2. 2.タグを設定する画面に移動するので、「名前のないタグ」の欄にタグの名前を入力する
  3. 4.「タグの設定」を選んで、「Googleアナリティクス:GA4を設定」を選択する
  4. 5.トラッキングコードをコピーして、G-から始まる「測定ID」の欄に貼り付ける
  5. 6.「タグの設定」から「トリガー」をクリックする
  6. 7.「トリガー」から「All Pages」にチェックを入れて、画面右上の「保存」をクリック
  7. ※「測定ID」は、GA4の「管理」→「プロパティ」→「データストリーム」→「対象サイトのURL」内にあります

GTMでトラッキングコードを設定したら、データの取得は「リアルタイム」レポートから確認できます。自分でWebサイトにアクセスして、数字がカウントされているか確認しましょう。

まとめ

旧来のUAは、2023年7月1日にサポートが終了すると公式アナウンスがされています。サポートが終了すると使えなくなるため、Googleアナリティクスを使い続けるなら、GA4の移行が必須です。

ただし、GA4は旧来のUAと使い方が違うので、慣れるまで時間がかかる可能性があります。今ならUAとGA4を併用できるので、早めに導入するのがおすすめです。GA4への移行は、手順どおりに進めればそこまで難しいことはありません。UAが終了する前にGAに慣れておくためにも、早めに導入してみてください。

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