顧客管理とマーケティング活動の基盤構築を支援

HubSpot導入支援事例

システム開発会社C社様

業界
IT・ソフトウェア,
企業規模
101~1000名,
事業内容
主にコンピュータ・ソフトウェアの設計や開発、業務パッケージの開発・販売・導入、業務コンサルティングなど、IT分野における多面的なサービスを展開
課題
  • 数年前にグループ数社を合併して以降、共通のマーケティング基盤が未整備の状態
  • 顧客情報や案件情報をアナログで管理しており、業務が非効率
  • SFAを利用しておらず、営業活動の進捗状況をリアルタイムでの把握が困難
成果
  • CRMとマーケティング基盤が統合され、情報の一元管理が可能になった
  • メルマガの管理・作成が容易になり、任意のリストやセグメントに対して効果的なメール配信ができるようになった
  • 営業活動のプロセスが可視化され、データに基づいた分析や活動が可能になった

目次

近年、多くの企業がマーケティングオートメーションの重要性を認識し始めていますが、その導入と効果的な活用にはさまざまな課題が伴います。今回、私たちが支援させていただいたのは、ソフトウェアの設計・開発や業務パッケージの提供を通じて、企業の業務効率化やIT活用を支援する、システム開発会社のC社様です。

本事例では、C社様へのHubSpot導入支援を通じて、顧客管理の効率化とマーケティング活動の強化がどのように実現されたかをご紹介します。

支援前の状況と課題

C社様は、10社以上のグループ会社を擁する企業グループの子会社の一つです。数年前、グループ内の数社が合併し、新たな事業体として再スタートを切りました。しかし、この大きな変化に伴い、いくつかの課題に直面していました。

課題1.合併後のマーケティング基盤の未整備

長年にわたり事業を展開してきたグループ各社には、それぞれ確立されたイメージがありましたが、新会社としての統一されたブランドイメージを浸透させる必要性が生じていました。さらに、新会社としての知名度向上や、合併によって生まれた新たな強みを市場にアピールすることが、喫緊の課題でした。

この状況に対処するため、C社様はまずメールマガジンの活用を検討し始めました。しかし、効果的な情報発信に不可欠なマーケティング基盤が整っていない状況でした。

課題2.非効率な顧客情報管理

C社様では、顧客情報の管理が体系化されておらず、特に新規顧客の情報はアナログな管理が主流でした。

情報は個人レベルで管理され、全社で共有すべき情報の選別も各担当者の裁量に委ねられていました。SIなどの業務形態上、現場のスタッフが顧客先で名刺を受け取る機会が多いにもかかわらず、それらの情報を効率的に集約するシステムが整っていませんでした

さらに、既存顧客の情報と新規に獲得したリード情報が別々に管理されており、包括的な顧客管理ができていない状況でした。こうした情報管理の体制により、顧客に関する重要な情報が社内に散在し、効果的なマーケティングや営業活動の障害となっていました。

課題3.デジタルツールの限定的な活用

マーケティングや営業活動においてデジタルツールが十分に活用されていない状況でした。SFA(営業支援システム)は導入されておらず、案件情報はExcelで管理されていたため、リアルタイムでの進捗把握ができていませんでした

さらに深刻なのは、マーケティング機会の損失です。Webフォームから得た情報はデータとして蓄積されず、通知メールとしてのみ処理されていました。その99%は営業メールとして扱われ、適切なフォローアップや分析がなされていない状況でした。

既存のメール配信ツールでは、一定期間開封がない受信者を自動的にリストから除外する仕様となっており、長期的な顧客関係の構築に支障をきたしていました。このような状況下では、潜在顧客の効果的な発掘や既存顧客との関係強化に向けた戦略的なアプローチは困難です。

そのため、デジタルツールを効果的に活用し、マーケティングと営業のプロセスを最適化することも急務でした。

私たちの提案と支援内容

C社様の課題に対し、私たちは以下のようなご支援をさせていただきました。

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支援1.HubSpotの戦略的な導入とカスタマイズ

C社様の課題を踏まえ、私たちはHubSpotのStarterプランの導入をご提案しました。導入にあたり、C社様の業務フローや既存のデータ構造を理解し、HubSpotの機能を最大限ご活用いただけるようカスタマイズした導入支援を行っています。

具体的には、CRMとマーケティング機能を統合することで、顧客情報の一元管理と、それに基づいた効果的なマーケティング活動が実施できる基盤を整えました。また、メールマガジンの管理・作成機能の設定のサポートや疑問解消、機能紹介を重点的に行い、任意のリストやセグメントに対して柔軟にメール配信ができる環境を構築するためのご支援を行いました。

これらの取り組みにより、C社様の課題解決に直結する形でHubSpotを導入することができました

支援2.段階的な導入支援とスキルアップサポート

約1ヶ月間ご支援し、講習会と計4回の定例ミーティングを実施しました。
初めに行った講習会では、HubSpotの全体像とCRMの基本的な使い方、マーケティング関連機能の概要をご説明しました。また、C社様が活用する機能にアジャストした初期設定シートに基づいて実際の設定作業を進めていただきました。

その後の定例ミーティングでは、初期設定の進捗確認や機能の具体的な使い方、疑問点の解消に焦点を当てました。

C社様のご担当者様が開発現場のご出身だったこともあり、データベースの扱いに関する理解が早く、HubSpotの仕組みについての説明をスムーズに進めることができました。その分、実際に行いたいマーケティングアセット関連機能の説明に時間を割き、実践的なデモを交えながら理解を深めていただきました。

C社様の理解度に合わせた段階的な導入支援により、HubSpotの機能をしっかりと把握したうえで、ご活用いただけています。

支援後の成果や変化

HubSpotの導入支援を行ったことで、C社様のマーケティング活動に大きな変化が表れました。ここでは、主な成果と変化をご紹介します。

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成果1.統合的な顧客管理基盤の確立

HubSpotの導入により、CRMとマーケティング基盤が一つにまとまった環境が整備され、これまで分散していた顧客情報を一元管理できるようになりました。既存のリード情報をHubSpotに集約させたことで、これまでのアナログ作業から脱却し、顧客管理の効率化を実現しています。

さらに、獲得したリード情報を顧客フェーズや属性などに応じて任意のリストに振り分けて管理できるようになり、より細やかな顧客対応が可能になりました。顧客管理基盤の確立により、社内での情報共有と活用がしやすくなり、顧客に対するより効果的なアプローチが実現しました。

成果2.効果的なメールマーケティング実施環境の実現

メールマーケティングに関しても大きな成果が得られました。

メールマガジンの管理と作成が容易になり、任意のリストやセグメントに対して柔軟にメール配信ができるようになりました。これにより、顧客とのコミュニケーションを戦略的に行えるようになり、新たなビジネス展開に向けた知名度向上と強みのアピールを効果的に進められる基盤が整ったといえます。

また、HubSpotではメール配信の効果測定が可能であるため、開封率やクリック率などのデータに基づいた改善が行えるようになりました。これらの成果により、C社様のマーケティング活動の効率化と成果拡大に貢献しています。

成果3.マーケティング活動の拡大と自動化

HubSpotを導入したことで、今後、ウェビナー活動などの新たなマーケティング施策にも取り組みやすくなっています

また、フォームからの問い合わせ情報を自動的にCRMに取り込み、適切なフォローアップを行える体制が整ったほか、MA(マーケティングオートメーション)機能により、顧客の行動に応じた自動的なフォローアップメールの配信も可能になります。

これらの変化により、C社様はより効率的かつ戦略的なマーケティング活動を展開できるようになりました。

プロジェクトを振り返って

本プロジェクトを通じて、適切なツールの導入と効果的な運用支援が、企業のマーケティング活動と顧客管理を大きく改善できることを実感しました。

短期間の支援でしたが、C社様の高い理解力とツールへの適応力、そして積極的な姿勢と学習意欲の高さにより、HubSpotの導入をスムーズに行うことができました。私たちの提案に対しても迅速かつ柔軟に対応いただき、共に目標に向かって取り組んだことが、本プロジェクトの成果につながったのだと思っています。

今後も、C社様のビジネス成長に合わせて、HubSpotの活用範囲を拡大し、より高度なマーケティング戦略の立案と実行をサポートしていく予定です。HubSpotは単なる顧客管理ツールではなく、企業の成長戦略を実現するためのプラットフォームでもあると思っています。

MA(マーケティングオートメーション)の導入や効果的な顧客管理にお悩みの企業様がいらっしゃいましたら、SEデザインまでお気軽にご相談ください。貴社の成長戦略を一緒に検討し、実現に向けてサポートさせていただきます。

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