ジェネレーティブAIの導入メリットと活用事例の紹介

公開日:2022-10-07 更新日:2024-02-22 by SEデザイン編集部

目次

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人工知能技術の進歩により 、AI活用の機会は増加の一途を辿っています。最近注目されている「ジェネレーティブAI」 もまた、AIと人間の関係を捉え直す契機になるとして、専門家たちの関心を集めています。

本記事ではジェネレーティブAIとはそもそも何なのか、そして私たちの活動にどのような影響を与えるのかについて、メリットや活用のポイントと併せ てご紹介します。

ジェネレーティブAIとは

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ジェネレーティブAIは、AIにサンプルデータを読み込ませることで、自発的に新しいプロダクトデザインを設計するだけでなく、要件に応じた最適な条件の製品開発を推進できる新しいAI技術です。

従来の設計業務におけるAI活用は、生成条件が自由すぎるために、現実的なアイデアを創出することが難しいとされてきました。 しかし最近では、AIに膨大なデータを読み込ませたり、生成条件を詳細にコントロールしたりすることが可能になり、独創的なアイデアを創出することが可能となっています。

ジェネレーティブAIは、近年ではジェネレーティブデザインとしての運用事例が目立ちます。ジェネレーティブデザインとは、特に製品設計の領域におけるジェネレーティブAI活用を指すものです。

ジェネレーティブAIの技術には汎用性があるため、いずれは医療やWebデザインなど広範な領域での活躍も見られるようになるでしょう。

ジェネレーティブAI導入のメリット

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ジェネレーティブAIを設計業務に導入することで、多様なメリットが期待できます。どのような利点が得られるのか、代表例を見ておきましょう。

業務効率化につながる

ジェネレーティブAI活用の大きなメリットは、業務効率化につながる点です。AIによって自動設計を実現するので、人間がゼロから設計を行う必要がなくなります。

生成したいくつかの候補から有用なものをピックアップし、人間が手直しをするだけで納品できるようになるため、短納期で複数のプロジェクトを進められるようになります。

品質の均一化に貢献する

AIは膨大なサンプルデータを踏まえた設計を行うので、設計品質の安定性にも優れています。

人間であれば個人の健康状態や気分、状況によって品質・納品スピードにムラが出ることもありますが、AIは環境さえ整っていれば常にクオリティをキープし、一定の生産力を維持できるのが強みです。

クリエイティブなプロジェクトを実現する

ジェネレーティブAIの面白いところは、人間では思いつかないような創造性を発揮することがある点です。AIは常に学習データと設計要件に忠実なデザインを生成するので、固定観念にとらわれることはありません。

この後に事例もご紹介しますが、前提となる要件をクリアしながら、ユニークなデザインを次々と生成できるため、似たり寄ったりにならない個性の追求をサポートします。

ジェネレーティブAIの活用事例

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ジェネレーティブAIはすでに国内外の組織で導入が進んでおり、社会に大きなインパクトを与えつつあります。どのようなデザインが実現しているのか、事例を基に 確認しておきましょう。

現代自動車

韓国の大手自動車メーカーである現代自動車は、3D CADソフト事業者大手のAutodeskと提携し、「歩く自動車」のコンセプトデザインを発表しています。

走るはずの自動車が「歩く」のは不思議に思えるかもしれません。しかし、自動車が歩けるようになることで、段差を乗り越えられるなどの自動車の新しい可能性を開拓できる点で注目を集めました。

「歩く自動車」のコンセプトデザイン設計においてはジェネレーティブAIが採用され、強度や重量、コスト、製造上の複雑さ、サステナビリティーといった条件をうまくクリアできる斬新なアイデアの創出が現在進行形で行われています。

アロマビット

アロマビットでは、「匂い」に焦点を当てた製品開発を行っています。同社の「ニオイ可視化センサー」を使ったプロダクトコンセプトモデル「AROMAROID」は、3Dプリンティングとジェネレーティブデザインを活用して設計しました。

ジェネレーティブデザインによって、有機的で流線形のデザインを生成し、コンセプトデザインに落とし込むことで、複雑さと優美さを兼ね備えたデザインを実現しています。

KYOSOテクノロジ

設計領域で活躍するKYOSOテクノロジは、ジェネレーティブデザインと金属3Dプリンタで技術課題を解決する新サービスの提供を進めています。

「GDオプティエーション」と名付けられた同サービスは、従来の工法では困難とされてきた軽量化や強度アップといった課題の解消に活躍できるのが強みです。

ジェネレーティブAIを用いた最適化設計と、金属3Dプリンタを使った高度な積層造形技術や切削加工を組み合わせ、設計から試作品製造までをワンストップで行います。これにより、ユーザーのリードタイムを短縮することや、一体化設計技術を提供することが狙いです。

ジェネレーティブAIを有効活用しよう

クリエイティブな業務は人間の仕事とされてきましたが、ジェネレーティブAIの進化はそんな人間の活躍機会を奪うものとされることもあります。しかし、ジェネレーティブAIはあくまで人間のクリエイティブを支援する技術であり、最終的な意思決定は人間の判断に委ねられます。

パラメーターのコントロールや設計要件の策定も人の手によって行われる以上、AIをうまく活用する技術を身につけることが大切です。

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