AWS Summit Japan 2025 参加レポート

更新日:2025-07-15 公開日:2025-07-15 by SEデザイン編集部

目次

AWS Summit_01AWSが主催する国内最大級のクラウドカンファレンス「AWS Summit Japan 2025」が、2025年6月25日・26日に幕張メッセで開催されました。 

生成AI、クラウドインフラ、セキュリティ、マイグレーションといった注目テーマを軸に、160以上のセッションと270以上の展示が展開され、延べ4万人を超える来場者が最新トレンドに触れました。 

本記事では、セッション構成や展示の全体像を通じて、AWS Summitで見えた「いま、企業が向き合うべきクラウド活用の潮流」をお届けします。 

AWS Summitとは

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「AWS Summit Japan 2025」は、アマゾン ウェブ サービス(AWS)が主催する日本最大級のクラウドカンファレンスです。 2025年6月25日・26日の2日間、幕張メッセで開催され、延べ4万人以上の来場者を集めました。 

本イベントは、AWSの最新技術やクラウド活用のベストプラクティスを学ぶことを目的に、企業のIT担当者やエンジニア、経営層、マーケターまで幅広い層に向けて構成されています。 

今年は例年にも増して規模が拡大され、以下のような多彩なプログラムが展開されました。 

  • 160以上のセッション(公式・事例・パートナー等) 
  • 270以上の展示ブース(AWSおよびパートナー企業による最新技術や導入事例の紹介) 
  • ハンズオンやワークショップ型イベント(Jam・GameDayなど) 
  • オンデマンド配信にも対応したハイブリッド開催

テーマとしては、生成AIを中心に、データ活用、クラウドインフラ、セキュリティ、マイグレーションといった実務直結型の話題が多数取り上げられており、企業の“次の一手”を模索する人にとって多くのヒントが得られるイベントとなっていました。 

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基調講演・セッションについて

AWS Summit Japan 2025では、2日間を通じて160を超えるセッションが実施され、クラウド技術の最新動向から具体的な導入事例、実践スキルまで幅広い学びが提供されました。ここでは、セッションの構成と注目の内容について整理します。 

基調講演:ビルダーと描く新たな価値創造

初日の午前中に行われた基調講演では、「ビルダーと描く新たな価値創造」をテーマに、AWSを活用して課題解決を実現した6社の事例が紹介されました。 

AWS Summit_04-1AWSからはOracle Database@AWS、Amazon Elastic VMware Service(EVS)、AWS Transformといったモダナイゼーション支援の新サービスが紹介され、既存資産を活かしながらクラウド移行を加速させる姿勢が強調されました。 

日本市場に対しては2兆2600億円規模の投資計画や大阪リージョンの開設といった長期的な支援姿勢も明言され、企業の価値創造を支える基盤として、より深い関係構築を目指す姿勢が印象に残る内容となっていました。 

さらに、米AIスタートアップAnthropicによる日本オフィス設立の発表も行われ、今後の生成AI市場における日本の存在感の高まりが印象付けられました。 

AWS主催セッション:レベル別に設計された公式プログラム 

AWS社員によって行われる公式セッションは、参加者のスキルに応じて初級・中級・上級の3段階にレベル分けされており、参加者が自分の習熟度に応じて選べるようになっていました。 

テーマは、生成AI、データ分析、クラウドインフラ、セキュリティ、マイグレーションなど多岐にわたり、AWSの最新機能や技術活用のベストプラクティスが紹介されました。 

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その他のセッション:事例と実践知を共有 

AWS以外の主催によるセッションも豊富で、より現場に近い視点からの知見を得ることができました。 

事例セッション

約50の事例セッションがありました。業務における生成AIのユースケースや課題解決のプロセスなど、企業による導入プロセスが詳しく語られていました。 

パートナーセッション 

AWSパートナー企業が登壇し、導入支援の工夫やユースケース、業種特化のソリューションなどを紹介。セキュリティ、コスト最適化、ガバナンスといった実務的なテーマも数多く取り上げられていました。 

実践的なハンズオン型プログラムも人気 

会場で特に目を引いたのが、実践的なスキルを競い合うワークショップ型のセッションです。「AWS Jam」や「AWS GameDay」といった、AWSのサービスを使ってリアルタイムに課題を解決していく体験型プログラムで、技術者を中心に多くの参加者が詰めかけ、活気に満ちていました。 

「AWS Jam」では、チーム対抗形式で、与えられた課題に対して参加者が知識とスキルを持ち寄りながら、AWSマネジメントコンソールなどを活用して問題解決に挑戦されていました。笑顔や真剣なまなざしが入り混じる現場の様子からも、楽しみながら学べる学習体験として非常に好評だったことがうかがえました。 

また「AWS GameDay」は、よりゲーム性の高い形式で、突発的なトラブルやクエストをこなしながら、AWSサービスの理解度と応用力を試す内容でした。イベントエリアの一角には、参加者の熱気と緊張感が漂っており、会場を歩いているだけでもその盛り上がりが伝わってきました。 

圧倒的な存在感を放った「生成AI」関連セッション 

160件ほどあるセッションのなかで、生成AI関連が61件と圧倒的多数を占めていました。続いて、マイグレーション(32件)、クラウドインフラ(23件)、データ(21件)、セキュリティ(15件)などといったテーマが展開されていました。 

展示エリアの構成と特色

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AWS Summit Japan 2025の展示エリアは、AWS ExpoとPartner Solution Expoの2つに大きく分かれ、あわせて270を超えるブースが並んでいました。それぞれのエリアには、AWSの最新技術や導入事例、業界ごとの活用ノウハウが凝縮され、参加者は自社の課題や関心に応じた情報を効率よく収集できる場となっていました。 

AWS Expoエリア

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このエリアでは、技術と遊び心が融合した展示や、実践的な学びが得られる体験コンテンツが多数展開されていました。 

「AWS Builders’ Fair」では、AWSの技術を使ったアイデア作品が展示されており、「Cloud Sushi - もしも AWS が寿司屋を開店したら」「動画に隠れたニャーゲットを探せ!」といったゲーム感覚のコンテンツが人気を集めていました。技術の堅さだけでなく、AWSの柔軟な可能性を感じられる楽しい展示となっていました。

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「AWS Village」では、AI、データ、クラウドインフラ、マイグレーション&モダナイゼーション、クラウドネイティブ、セキュリティといった6つの技術カテゴリごとにブースが設けられ、それぞれの最新トピックやプロダクトに触れることができました。 

「Industries Pavilion」では、製造、金融、流通など、業種ごとの課題解決に向けたAWSソリューションの事例展示もあり、自社の業態に近い活用ヒントを得ようとする来場者で賑わっていました。 

このほか、「AWS体験ラボ」では実際にAWSサービスを操作できるハンズオン体験が提供され、合計60以上に及ぶ「ミニステージ」では短時間で効率よく知識をインプットできるセッションが絶え間なく行われていました。 

Partner Solution Expoエリア

パートナー企業の出展エリアには、130社以上が参加し、各社の最新ソリューションや顧客事例、実践的なノウハウが紹介されていました。 

このエリアは、AWSを取り巻くエコシステム全体の広がりを実感できる場所でもあり、「生成AI支援」「FinOps」「SaaSとの連携」「セキュリティ最適化」など、来場者のニーズに直結したテーマが多数展開。 

中には実際の製品デモや、短いシアターセッションが行われているブースもあり、立ち寄るだけでも具体的な活用イメージが湧く工夫がされていました。 

AWSパートナーとの対話や新たな提携のきっかけを求めて、各ブースには絶えず人が行き交い、実務担当者だけでなく意思決定層の姿も目立つ活況ぶりでした。 

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参加メンバーからの感想

AWS Summitを訪問したメンバーに、印象に残った展示・ブースなどを聞いてみました。

PagerDutyさんのブースでは、ガラポンを使った抽選会を行っており、かなり列ができて賑わっていました。景品はPagerDutyマスコットのペイジーのぬいぐるみなど、素敵なノベルティが配布されていました。 呼び込みも熱心に行っており、まるでお祭りのような楽しい展示となっていました。
フォージビジョンさんは、ノベルティとして有名ラーメン店の「山岡家」とコラボしたお箸を配っていた点が面白かったです。ちなみに山岡家はフォージビジョンさんでAWSを導入しており、その点も顧客とパートナーの良い関係性が垣間見えました。ちなみに、麺を茹でるフローにAWSが使われているんだそうです。
Anthropicさんでは、誰もが注目する生成AIにおいて、実際にデモ画面を見せながら最新のソリューションを真っ向から解説しており、その注目度以上の人だかりができていた印象です。
New Relicさんでは、AWS運用に関する講演や、抽選などを実施しており、絶えず人だかりができていました。 ノベルティでもらったバスソルトがかわいかったです。
LangGenius(Dify) さんのブースは、注目のAI技術ということで、常に人が集まっていた印象です。デモ画面の紹介は、多くの人が足を止めてみていました。

まとめ・所感

今回のAWS Summit Japan 2025は、セッション数・展示数ともに過去最大規模での開催となり、生成AIを中心とした技術トレンドの実用フェーズ入りを強く感じさせるイベントでした。 

展示エリア、セッション会場、ワークショップスペースなど、どのエリアにも人が溢れ、「自社の課題を解決するための具体的なヒント」を求めて来場していることがひしひしと伝わってきました。 

特にパートナー展示やミニセッションでは、クラウドネイティブな視点と業務要件をどう橋渡しするかといった実務的なテーマが多く扱われており、「単なる技術の話」では終わらない、現場目線の解像度が印象的でした。 

また、AWS GameDayやJamといった体験型コンテンツの盛況ぶりからも、「自分の手を動かしてAWSを深く理解したい」という来場者の意欲の高さが伺えました。

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