自社の魅力が伝わる導入事例ページのデザインを徹底解説

更新日:2025-03-18 公開日:2025-02-18 by SEデザイン編集部

目次

「導入事例ページを作成することになったが、どのように作るべきか分からない」
「他社の事例を見ているが、どれが良いデザインなのか判断できない」
このようにお悩みのマーケティング担当者の方は多いのではないでしょうか。

導入事例ページは、自社サービスの魅力を伝えながら、検討中の企業の背中を押すための重要なコンテンツです。しかし、デザインや構成などのコツを理解していなければ、サービスの素晴らしさが読者に伝わり切らない可能性があります。

本記事では、多くの企業の導入事例制作を手がけるSEデザインが、魅力的な導入事例ページのデザイン方法から運用のポイントまで初心者の方でも理解できるように解説します。導入事例ページの作成を検討しているものの、具体的にどのように進めるべきか分かないという方は、ぜひ参考にしてください。

導入事例ページ作成の流れ

デザインの前に、まずは導入事例の作成の流れを確認しましょう。いきなり作り始めるのではなく、想定読者に対して何を伝えたいのかを明確にしたうえでページを作成しましょう。

1.課題と想定読者の把握
導入事例の使用目的やターゲット層、掲載メディアを確認したうえで、読者に刺さる訴求ができるように導入事例の方向性を定めます。

2.構成・デザイン案の検討と確認
自社サービスの導入経緯や導入プロセス、成果などの基本的な流れを軸に、読者が理解しやすい構成案を作成します。また、デザイン案は取材先企業のブランドイメージに沿ったものを考えなければなりません。

3.取材前の情報共有
自社サービスの優位性や取材先企業の基本情報などを関係者間で共有し、導入事例で強調したいアピールポイントも明確にします。

4.取材スタッフの手配
最適なインタビュアーやライターを選定し、質問や進行案を作成します。また、この段階で、取材日程の調整も同時に行いましょう。

5.取材
1時間から1時間30分程度を目安に取材および写真撮影を実施します。取材の雰囲気が伝わるように、取材中の様子を撮影し、必要に応じて取材後に追加の写真撮影も行いましょう。

6.ライティング
取材内容をもとに原稿を作成します。

7.デザイン作成
PDF版を作成する場合は、InDesignやPowerPointなどを使って流し込みを行います。デザインを行う際には、ブランドイメージや視認性を考慮したレイアウトを心がけましょう。

8.顧客への提出・確認
原稿とPDFを取材先企業に提出し、必要に応じて修正依頼に対応します。

9.完成・データ納品
Web用データと印刷用PDFの納品を行います。印刷物を併せて納品するケースもあります。

導入事例ページを分かりやすくデザインする構成

読者が内容を理解しやすい導入事例を作成するためには、先に全体の構成を設計することが重要です。基本的な要素は以下の5つです。

  1. 企業情報
  2. 導入事例の概要と自社サービスの導入背景
  3. 自社サービスの選定理由
  4. 自社サービスの導入後の成果
  5. 今後の展望

とくに重要なのが、見込み客にとって最も知りたい部分である、自社サービスを選定した理由です。機能面やコスト面、サポート体制など、具体的な決め手を明確に示すことで、競合他社との違いや自社の強みが伝わりやすくなります。

自社サービス導入後の成果は「作業時間を30%削減」など、できるだけ具体的なデータで示すと説得力が増します。具体的な数値を聞き出せない場合は「体感的にどのくらい削減されたか」を聞くのがおすすめです。また、担当者の生の声をセリフ形式で掲載することで、より印象づけることができるでしょう。

ページ全体を通して意識したいのは、読者との共通点です。業界や企業規模など、読者が自社の状況と重ね合わせやすい情報を盛り込むことで共感を得られ、導入の検討度を高められます。また、ホームページに掲載されている一般的なメリット以上の価値を伝えられると、個別の導入事例ならではの説得力を持たせることができます。

導入事例ページを魅力的に見せるデザインのポイント

導入事例は、同じ内容でもデザインの仕方によって読者の印象が大きく変わります。ここでは、導入事例ページを魅力的に見せるデザインのポイントを見ていきましょう。

競合優位性を明確に示す

導入事例を読む多くの読者は、自社と競合サービスを比較検討している段階にいると想定されます。そのため、導入事例では競合にはない自社の強みを明確に示すことが重要です。以下では、競合優位性をアピールしづらい事例の対処法を紹介します。

差別化が難しいプロダクトの場合

競合が多く、プロダクトの特徴だけでは差別化が難しい場合、導入事例では「選んだ決め手」の部分を強調しましょう。最終的な選定理由として、自社の強みが自然と表れるケースが多いためです。

強みは機能面だけでなく、対応の早さや提案内容の的確さ、アフターフォローの丁寧さなど、企業によってさまざまです。

他社サービスからの乗り換え事例では「以前は対応のスピードに頭を抱えていたが、この会社は迅速に対応してくれる」といった具体的な比較を盛り込めると優位性をより明確に示せます。

プロダクトを持たない事業の場合

広告代理店やコンサルティングなど、プロダクトを持たない事業の場合は、提案力の高さと成果物の質が重要な評価ポイントです。このような事業の導入事例では、顧客が抱えていた課題と、具体的な提案内容や成果物の中身を強調しましょう。

とくに導入を検討している企業と類似した課題を解決した事例を示すことで、「自社の課題も解決できそうだ」という共感を得やすくなります。ただし、企業ごとに課題は異なるため、複数の事例を用意して幅広い読者から共感を得られるようにすることが重要です。

ビフォーアフターを強調する

ビフォーアフターを明確に示すことで、導入事例の訴求効果の向上が期待できます。たとえば「以前は月間5,000件の問い合わせ対応に4名のスタッフが必要だったが、導入後は2名で対応できるようになった」といった事例です。

このように具体的な変化を時系列・具体的な数値・データで示すことにより、見込み客は自社の状況と重ね合わせながらサービス導入後の未来を想像できます。

とくに、導入前と導入後の比較を画像や図で表現できれば、変化がより伝わりやすくなるでしょう。また、導入から課題解決までの過程を起承転結で示すことでストーリー性が生まれ、事例の信ぴょう性や共感ポイントを強調できます。

導入事例ページの事例

ここでは、初心者でも参考にしやすい事例を紹介していきます。これらの特徴やポイントを押さえることで、導入事例ページの作成に慣れていない方でも洗練された導入事例ページを作成できるようになるでしょう。

導入事例トップページのサイトデザイン

読者が求める導入事例へすぐにたどり着くためにも、トップページは検索性を重視したデザインにしましょう。多くの読者は「自社との共通点がある事例」や「目指したい成果が記載された事例」を探しています。

以下では、トップページに検索性を持たせた例を紹介します。

・AWS
キーワード検索、業種やセグメント(中小企業、スタートアップなど)での絞り込み機能を搭載
AWS公式サイト導入事例トップページ

・SAP
キーワード検索、ソリューション別・業種別・地域別・企業規模別での絞り込みでの絞り込み機能を搭載
SAP公式サイト導入事例トップページ

外資系企業に関しては、技術や国別などでも絞り込めるようにしているケースが一般的です。

なお、当社では、HubSpotの導入事例テンプレートを提供しています。当社でも活用している以下のテンプレートを、貴社向けにカスタマイズすることも可能です。
≫HubSpotを活用した導入事例ページ

個別の導入事例の記事ページのデザイン

個別の導入事例ページでは、読者が必要な情報に早くたどり着けるデザインが重要です。イメージしやすいように、SEデザインが手掛けたランドスタッド株式会社様の事例を挙げます。

ランドスタッド株式会社様の導入事例ページ

アイキャッチ画像とともに会社情報やロゴを配置し、その下に自社サービス導入前の課題や選定理由、導入後の効果の要約を掲載している点が特徴です。

支援内容は箇条書きで端的に示しています。本文は目次を設けて全体像を把握しやすくし、各見出しには1枚ずつインタビュー時の写真を中央寄せで配置しました。

このように情報を整理して表示することで、文字数が多くなりがちな導入事例でも、特に読んでほしい部分を読んでもらえるようになります。

PDFやPowerPointなどのデザイン

導入事例をPDFやPowerPointで制作する場合、A4用紙1枚に情報を収めると過不足が出にくいためおすすめです。SEデザインではPDF用のテンプレートを用意しており、これを活用することで、魅力的なデザインの導入事例を簡単に作成できます。

SEデザインのテンプレートを活用した導入事例ページのサンプルを見てみる

なお、PowerPointで導入事例を作成する場合は複数ページにまたがるケースが多いため、デザインはページ間の一貫性を保てるようにしましょう。PowerPointで導入事例を作成するコツは下記の記事で解説しているため、PowerPointを使用する予定の方は併せてご覧ください。

導入事例ページを効率的に制作・運用するコツ

導入事例ページの制作や運用には多くの時間と労力がかかりますが、いくつかのコツを押さえることで効率化が可能です。ここでは、運用コストを最小限にするための導入事例を作成・維持するポイントを解説します。

テンプレートを活用する

導入事例ページの制作では、デザインやフォーマットを統一することが大切です。

多くの読者は複数の導入事例ページを比較検討するため、フォーマットが統一されていないと読みづらさを感じてしまいます。また、ページごとにインタビュアーやライターが異なる場合、品質にばらつきが生じる可能性もあります。

一方、必須項目や構成のテンプレート化により一定水準の品質を保ち、かつ短時間で制作することが可能です。

部門間で連携を図り運用を仕組み化する

導入事例ページの作成には顧客企業の協力が不可欠なため、営業部やマーケティング部など、部門を横断した連携が求められます。具体的には、導入企業への依頼方法や校正方法、進行スケジュールなどを仕組み化し、作業の抜け漏れやばらつきを防ぐ必要があります。

とくに、営業担当者の理解と協力を得られる体制を構築し、導入事例ページをスムーズに制作できる環境を構築することが重要です。バリエーション豊かな事例数を早く用意できるため、多くの読者に対して自社サービスの魅力を訴求しやすくなります。

先に用意する導入事例ページ数の内訳を考えておく

導入事例ページを作成する際は、企業規模や業種による偏りが出ないよう注意が必要です。読者は「自社との共通点」や「期待する成果」の観点から事例を選ぶため、特定の業界や規模に偏っていると「自社に合う事例がない」と判断されてしまう可能性があります。

そのため、企業の形態や課題、期待する成果などの軸で分類パターンを初めに整理し、どのような事例を制作すべきか決めておきましょう。

魅力的な導入事例ページをデザインしよう

自社サービスの魅力が伝わる導入事例を作るには、構成やデザインの基本を把握し、読者が求める情報を分かりやすく提示することが重要です。特に、導入の背景や選定理由、具体的な成果を明確に示し、読者は自社の状況と重ね合わせながら導入後の未来を鮮明に想像できます。

また、さまざま業界や企業規模の事例を用意し、簡単に検索できる仕組みを整えれば、読者は求めている情報へすぐにたどり着けるようになります。そして、テンプレートを活用して品質にムラが出ないようにすることや、部門間で連携して運用を仕組みかする仕組み作りも重要です。

しかし、自力では魅力的な導入事例ページを作成するのが難しいケースもあります。SEデザインでは、年間150件以上、累計2,500件以上の導入事例を制作しており、とくにIT業界の事例制作の実績が豊富です。貴社の魅力が最大限に伝わる導入事例ページの制作をサポートいたしますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。

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