金融業界のおすすめマーケティング施策11選【トレンド・成功事例】

更新日:2024-09-27 公開日:2024-08-08 by SEデザイン編集部

目次

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金融業界のマーケティングは、多様化している顧客ニーズを的確に捉えることが重要です。一方で、金融業界を取り巻く環境は複雑であり、複数の異なるチャネル(顧客接点)の運用が必要とされています。


そこで本記事では、金融業界のマーケティングについて、重要性やトレンド、おすすめの施策などを解説します。マーケティングを通じて自社商品やサービスの認知度を高めたり、売り上げ拡大に貢献したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。


金融機関におけるマーケティングの重要性

まずは、金融業界におけるマーケティングの重要性を3つご紹介します。いずれも現代ビジネスにおける顧客・社会の変容によるものであり、3つの重要性を認識することが、金融業界のマーケティングを成功させる第一歩です。


多様化する顧客ニーズに合わせるため

加速度的に変化する顧客ニーズを捉えるためには、マーケティングを通じてタッチポイント(顧客接点)を増やし、適切なタイミングで適切な情報を届ける必要があります。また、マーケティングを通じて得られたデータは、顧客ニーズの動向を把握するために欠かせません。


「顧客ニーズが多様化している」とは、金融業界に限らずあらゆる業界で起きている現象です。これには、次のような3つの理由が考えられます。


  • 大量の情報に素早くアクセスできる環境ができた

  • その結果、さまざまなライフスタイルに触れる機会が多くなった

  • 自分の個性に合った商品・サービスを求めるようになった


たとえば、金融業界において近年顕著に現れている多様化といえば「決済手段(キャッシュレス)」です。従来は現金またはクレジットカードのみだった支払い方法が、現在はQRコードやスマホ決済など、多様な決済手段が生まれています。


このような決済手段の多様化は、「もっと自分に合った決済手段が欲しい」といったニーズを追い続けたことで生まれた結果であり、金融業界における顧客ニーズの多様化は今後も続くものと考えられます。


データドリブン経営を実現するため

データドリブン経営とは、「データを起点として意思決定を下せる経営体制」のことです。


金融業界では日々膨大なデータが生まれています。現代ビジネスにおいて、データ活用の重要性を認識している方は多いでしょう。一方で、データが「組織的に分断」されたままで、十分なデータ活用基盤を整えられていない企業は少なくありません。


総務省の調査資料によると、「経営企画・組織改革」においてデータ活用を行っている企業は全体の36.7%です。データ活用やDXが叫ばれるようになってから数年が経過しても、データドリブン経営を実現できている企業は半数にも及んでいません。


出典: 情報通信白書 令和2年版 第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築|総務省


データドリブン経営を大きく阻んでいる原因が、前述した組織的なデータの分断です。各部門で生成されるデータを収集・統合・管理する環境がなく、部門ごとにデータを管理する状況が続いています。


一方で、金融業界のマーケティングに取り組めば、この状況を打破できる可能性があります。マーケティングではデータの分析・活用が成否を分けるため、さまざまな施策を通じてデータ活用の基盤や文化を整えられます。これらを全社的に拡大することで、データドリブン経営の実現も可能となります。


バリューを高め競合優位性を保つため

前述した2つの重要性を理解しながら金融業界のマーケティングに取り組むことで、「企業独自のバリュー」を出せるようになります。


まず、多様化する顧客ニーズに追随するようマーケティングを実施すれば、多種多様な顧客データが生成されます。さらに、マーケティングを通じて得られた顧客データを多角的に分析すれば、将来的なニーズ動向やトレンドを把握できるようになるでしょう。


これらがデータドリブン経営と合わさることで、企業は顧客データを起点として意思決定を下せるようになり、より市場に適した商品・サービスを開発できます。


金融商品・サービスのコモディティ化が進む現代ビジネスにおいて、マーケティングを通じて得られたデータ・情報やデータ基盤が、バリューを高め競合優位性を保つための大きな武器になるのです。


以上の3つの重要性から、金融業界のマーケティングはあらゆる企業に欠かせないものと考えられます。


金融業界が知るべきマーケティングトレンド2024

金融業界のマーケティングを実施するために、今知るべきトレンドが2つあります。必ずしも「トレンドを取り入れるのが正解」とはいえません。しかし、それぞれの特徴・メリットを理解することで、マーケティング施策の幅を広げられます。


AI・マシンラーニングの活用

AI(人工知能)やマシンラーニング(機械学習)のマーケティング活用は、おもに次の領域で進んでいます。


  • データ分析とトレンドの予測

  • 商品・サービスのパーソナライズ

  • ソーシャルリスニング

  • インフルエンサーの効率的な選定


多種多様な商品・サービスを展開する金融業界において、こうしたAIやマシンラーニングを活用したマーケティングは、効率性を飛躍させるために欠かせない技術です。


たとえば投資商品を広く認知させるために、インフルエンサーとのタイアップを企画すると仮定します。この際に最も重要なのは「適切なインフルエンサーの選定」です。


インフルエンサーの選定ではフォロワー数だけでなく投稿内容やフォロワーの動向など、つぶさに観察しなければならず、膨大な時間を費やすことになります。


一方で、AIやマシンラーニングを活用すれば、自社の金融商品・サービスと相性の良いインフルエンサーを自動で絞り込むことができ、インフルエンサー選定にかかる時間を大幅に削減可能です。


このようにマーケティング施策によっては、AIやマシンラーニングの存在で効率性を飛躍させられるため、積極的に検討すべきトレンドだといえます。


CXMによる顧客体験の最適化

金融業界のマーケティングにおけるもう1つの大きなトレンドが、「CXM(カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント)」です。従来から提唱されてきた顧客管理手法であるCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)とは、次のような違いがあります。


 

CRM

CXM

目的

良質なカスタマーサポートを通じて顧客と良好な関係を築き、LTVを高める。

CX(顧客体験)の改善を図り、高い体験価値を継続的に提供することでLTVを高める。

戦略

顧客が抱えている課題を解決することに重点を置き、顧客の信頼を獲得する。

マーケティングで得られる顧客データとデータ基盤を通じて、顧客ニーズを素早く予測し対応する。


顧客との対話を重視するCRMに対し、CXMはデータ活用を通じて顧客の体験価値(認知から購買に至るまでのプロセスとその後)を向上させ、エンゲージメントを高めるのが大きな目的です。


「LTV(ライフ・タイム・バリュー)」を高めるという点ではCRMと目的が一致していますが、アプローチ方法が決定的に異なります。


CXMは従来の手法であるCRMに比べてロイヤルカスタマーを創出しやすいと考えられているため、金融業界のマーケティングにおいても積極的に検討すべきトレンドの一つです。


金融業界におすすめのマーケティング施策11選

それでは、金融業界におすすめのマーケティング施策11選をご紹介します。それぞれの概要、メリット・デメリット、施策をおすすめする金融企業を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。


コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、おもにデジタルコンテンツ(テキスト・画像・動画)を用いた施策のことです。


さまざまなコンテンツを通じてユーザーに価値ある情報を提供し、ユーザーからの信頼や共感を得て、商品・サービスの興味喚起や購入、ブランディングにつなげるといった目的があります。


また、コンテンツマーケティングは単一の施策を指すのではなく、次の複数の施策を組み合わせることで成り立つマーケティングです。


  • オウンドメディア

  • ホワイトペーパー

  • SEO対策

  • MEO対策

  • SNSアカウント

  • YouTube動画

  • デジタル広告

  • メルマガ

  • ウェビナー


「コンテンツマーケティングを通じて何を達成したいか?」により、取り入れるべき施策が異なります。次項から9つの施策の概要やメリット・デメリットを解説するので、自社のマーケティングに何が必要なのかを考えながら、ぜひご覧ください。


オウンドメディア

オウンドメディアとは、企業で保有するWebサイトのことです。ブログ記事などのコンテンツを定期的に投稿し、検索エンジン(GoogleやYahoo!など)での上位表示を目指します。


これによりWebサイトへのアクセス数を増やすのが、オウンドメディアの基本的なアプローチです。その目的は、Webサイトを閲覧したユーザーから信頼や共感を獲得し、商品・サービスに興味を持ってもらうことにあります。


検索エンジンという巨大なネットワークを介してコンテンツを届けられるため、従来は接点を持てなかった潜在顧客層にもアプローチできるのが大きな特徴です。


<メリット>

  • 自社の商品・サービスを認知していない潜在顧客層にもアプローチできる

  • さまざまな施策と組み合わせれば商圏範囲を日本全国に拡大できる


<デメリット>

  • Webサイト運営を始めてから効果が出現するまで時間がかかる


<こんな金融企業におすすめ>

  • 中長期的に効果を発揮するマーケティング施策に取り組みたい

  • マーケティング施策を通じてブランディングも実施したい


ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは、自社が保有するノウハウや業界トレンドなど、ユーザーにとって価値ある情報をまとめた資料のことです。おもにオウンドメディアと組み合わせる施策であり、Webサイトを閲覧したユーザーの連絡先情報などを取得するフックとして活用します。


また、ホワイトペーパーは連絡先情報を取得するだけでなく、コンテンツとしての価値を高めることで、ユーザーから信頼や共感を得るという役割もあります。


ユーザーにとって情報価値の高いホワイトペーパーを作成すれば、確度の高いリード(見込客)を獲得できる可能性がある重要な施策です。


<メリット>

  • ホワイトペーパーをフックにユーザーの連絡先情報が手に入る

  • Webサイトの掲載するだけで24時間稼働する営業マンになる


<デメリット>

  • ホワイトペーパー作成に手間を時間がかかる

  • 顧客ニーズに合わせたホワイトペーパーが複数必要


<こんな金融企業におすすめ>

  • オウンドメディアを運営したい(ホワイトペーパーは必須)

  • 確度の高いリードを定期的かつ自動的に獲得したい


SEO対策

SEO対策とは、Webサイトやその中で投稿したブログ記事コンテンツを検索エンジンで上位に表示させるための施策です。


たとえばオウンドメディアなどのWebサイトは、公開するだけで検索エンジンの上位に表示されるわけではありません。SEO対策を実施してWebサイトやコンテンツの価値を高め、検索エンジンのアルゴリズムやユーザーに「有益なWebサイト・コンテンツ」と認識させる必要があります。


SEO対策については『【BtoB向け】これから始めるSEO対策・5つの基本ステップ』で詳しく解説しているので、本記事と合わせて参考にしてみてください。


<メリット>

  • Webサイトやそのコンテンツを検索エンジンで上位表示できる

  • Webサイト全体の価値が高まりさらに上位表示されやすくなる

<デメリット>

  • 専門的な知識・スキルが必要になるため経験者のノウハウが必要


<こんな金融企業におすすめ>

  • オウンドメディアを運営したい(SEO対策は必須)

  • 大手企業と戦わないマーケティングを実施したい


MEO対策

MEO対策とは、おもにGoogleマップ上の地図検索にて、自社情報を上位表示させるための施策です。


Googleが提供する無料のPRツールである「Googleマイビジネス」に会社・店舗情報を登録すると、Googleマップ上で情報が露出されるようになります。


会社・店舗情報を登録するだけでなく、写真や動画でコンテンツを充実させ、口コミを集めることでGoogleマップからの評価を高めるのが一般的な施策方法です。


<メリット>

  • 「地域名+〇〇」などローカルキーワードで上位表示されるようになる

  • Googleマイビジネスで口コミを管理でき企業の信頼性向上につながる


<デメリット>

  • 定期的なコンテンツ投稿でGoogleマイビジネスを更新し続ける必要がある


<こんな金融企業におすすめ>

  • ローカルでの集客力をアップさせたい


SNSアカウント

SNSアカウントを運用し、コンテンツを継続的に投稿するのもコンテンツマーケティングの一種です。SNSアカウントはオウンドメディア運営と異なり、「ユーザーと直接コミュニケーションを取れる」のが大きな特徴となります。


ブランディング施策として有効的であり、SNSの特性を利用してコンテンツを広く拡散させられれば、費用対効果を高められるのも特徴です。


また、近年ではSNSを使って情報収集するユーザーも増えているため、商品・サービスの認知拡大の効果も期待できます。


<メリット>

  • アカウント開設は無料なので低コストで始められる

  • ユーザーの母集団が大きい(Xは月間6,000万人以上が利用)


<デメリット>

  • コンテンツの内容によっては炎上リスクがある


<こんな金融企業におすすめ>

  • ユーザー層を定めてマーケティングを実施したい


YouTube動画

YouTubeは国内だけで月間7,000万人以上が利用する巨大プラットフォームです。近年ではBtoC・BtoBを問わず、YouTubeチャンネルを運営してコンテンツマーケティングを実施する企業が増えています。


動画の膨大な情報量を持つコンテンツであり、1分間の動画はテキストの数千倍の情報量があるとも言われています。短時間でさまざまな情報を伝達できるため、複雑な商品・サービスを伝えるのにも最適です。


また、動画コンテンツをYouTube上に投稿するだけでなく、オウンドメディアに掲載してWebサイトの価値を高めることもできます。


<メリット>

  • 商品・サービスの価値を分かりやすく伝えられる

  • 二次利用しやすくWebサイト掲載や営業資料としての活用もできる

<デメリット>

  • 動画コンテンツの制作に手間と時間がかかる


<こんな金融企業におすすめ>

  • 商品・サービスの内容が複雑なので分かりやすいコンテンツにしたい

  • オウンドメディアのブログ記事コンテンツを動画化したい


デジタル広告

デジタル広告とは、検索エンジン・Webサイト・SNSなどで表示される広告のことです。「精度の高いターゲティング」が大きな特徴であり、希望するターゲットに広告を配信できるのが大きな特徴となります。


たとえば、Googleのリスティング広告を利用すると、検索エンジンを使って特定のキーワードで検索をしたユーザーに対し広告を表示できます。施策の即効性が高いため、オウンドメディアの弱点を補うためにも活用される試作です。


<メリット>

  • 精度の高いターゲティングで狙ったユーザーに広告を表示できる

  • 施策の即効性が高くWebサイトへのアクセスをすぐ集められる


<デメリット>

  • 入札形式で表示される広告が決まるため人気の高いキーワードは出稿単価が高騰しやすい


<こんな金融企業におすすめ>

  • オウンドメディア運営初期のアクセス獲得に活用したい

  • ニッチ市場の商品・サービスで特定のユーザーだけにアプローチしたい


メルマガ

メルマガとは、登録したユーザーに対してコンテンツを定期的に配信する施策のことです。メルマガ登録するユーザーは企業の商品・サービスに対して興味がある可能性が高いため、商談化しやすい特徴があります。


たとえば、オウンドメディアで検索エンジン経由のアクセスを集めつつ、メルマガに誘導して定期的なコンテンツ配信で購買意欲を高めるなどの組み合わせ施策が考えられます。


ただし、メルマガ登録したユーザーがメールを開封するとは限らないため、開封率を高めるための試行錯誤が欠かせません。


<メリット>

  • 自社の商品・サービスに興味があるユーザーにアプローチできる

  • 新商品・サービスの案内などにも利用できる


<デメリット>

  • メールの開封率が低いと費用対効果が大きく下がる


<こんな金融企業におすすめ>

  • 高額で購買プロセスが長期にわたる商品・サービスを扱っている


ウェビナー

ウェビナーとは、Web会議システムなどを利用してオンラインで実施するセミナーのことです。リアルで開催するセミナーとは異なり、日本全国から参加者を募りやすいのがウェビナーの特徴となります。


Web会議システムのプランによっては、同時に数百人のユーザーに映像を配信できるため、大規模なウェビナーも気軽に実施できます。


また、パソコンやスマートフォンを利用して参加するのが前提なので、ウェビナー終了後のWebアンケートに誘導しやすいなどの特徴もあります。


<メリット>

  • 低コストで大規模なウェビナーを開催できる

  • 日本全国から参加者を募って商品・サービスをアピールできる


<デメリット>

  • リアルのセミナーに比べてコミュニケーションが取りにくく参加者が離脱しやすい


<こんな金融企業におすすめ>

  • ユーザーとのコミュニケーションを重視したい

  • 高額で購買プロセスが長期にわたる商品・サービスを扱っている


セミナー・イベント

金融業界では、BtoC・BtoBを問わずセミナー・イベントによる集客も効果的です。リアルで開催するセミナー・イベントはユーザーと直接コミュニケーションを取れるため、施策効果を肌で実感できる特徴があります。


ユーザーの反応を確認しながらセミナー・イベントの内容を徐々にブラッシュアップすれば、より大きな施策効果を得られるようになるでしょう。


<メリット>

  • ユーザーと直接コミュニケーションが取れるため商品・サービスの訴求力が高い


<デメリット>

  • セミナー・イベント会場の確保などにウェビナー以上のコストがかかる

  • 参加ハードルが高いため参加者が想定よりも集まらない可能性がある


<こんな金融企業におすすめ>

  • ユーザーとの直接的なコミュニケーションを重視している


金融業界におすすめのコンテンツマーケティングとは?

金融業界のマーケティングとして、改めておすすめしたいのが「コンテンツマーケティング」です。


コンテンツマーケティングは、オウンドメディアやホワイトペーパーなど複数施策を組み合わせ、目標達成に向けて継続的なコンテンツの配信を行う施策となります。


実は、複雑な商品・サービスが多く、ユーザーの信頼獲得が重要な金融業界において、相性の良いマーケティング施策がコンテンツマーケティングです。


ここでは、金融業界がコンテンツマーケティングに取り組む5つのメリットをご紹介します。


メリット1. 広告に頼らずCPAを下げられる

出稿するほどコストがかかる広告に対して、コンテンツマーケティング(特にオウンドメディア)はストック型のマーケティングとして、CPA(顧客獲得単価)を下げられる可能性があります。


たとえば、Googleのリスティング広告において100万円の広告費をかけても、広告の表示・クリック単価によってCPAの限界値が決まります。


一方、コンテンツマーケティングは広告出稿などが要らず、検索エンジンなどから継続的な集客が行えます。そのため、Webサイトへのアクセス数やコンバージョン数が増えるほどCPAは下がり、広告のCPA以下まで低下させることも可能です。


CPAが下がれば利幅が増えるため、より多くの資金をマーケティングに投資できるなど、良いサイクルを生み出せるのが大きなメリットです。


メリット2. 成約確度の高いリードを獲得できる

オウンドメディアなどのコンテンツマーケティングを通じて獲得したリードは、成約確度が高い傾向にあります。


なぜなら、企業が発信するコンテンツを「有益」と判断し、企業自体や商品・サービスに対して関心の高いユーザーがホワイトペーパーダウンロードや問い合わせを行い、リードに転化するためです。


コンテンツマーケティングを通じて信頼や共感といった感情をすでに獲得しているため、商談において確かな手応えを感じられます。


メリット3. 潜在顧客層にアプローチできる

コンテンツマーケティングはさまざまなコンテンツを通じて、潜在的にニーズを抱えているユーザーにもアプローチできます。


たとえば、「子供にスポーツをさせたい」と考えているユーザーの心理やニーズを把握し、それに対応するコンテンツを制作すると仮定します。コンテンツの中ではユーザーの一般的な疑問を解消しつつ、「スポーツにけがはつきもの→子供のけがを保障してくれる保険がある」といった流れで誘導すれば、ユーザーの潜在ニーズを掘り起こせるでしょう。


ユーザーが置かれている現状や、抱えている悩みなどを理解できれば、コンテンツマーケティングで潜在顧客層にアプローチするのは難しくありません。


メリット4. ブランディングの一環になる

コンテンツマーケティングにはブランディング効果もあります。たとえばオウンドメディアを運営し、検索エンジンにおいて、特定のテーマで多数のコンテンツが上位表示を獲得していると仮定します。


当該テーマについて情報収集しているユーザーには、検索エンジンに同じWebサイトが何度も表示されるため、「当該テーマについて専門性の高い企業」と無意識に認識される可能性が高いでしょう。


また、業界のトレンド情報などもコンテンツとして発信すればファンがつきやすくなり、ブランディング効果を一層高められます。


メリット5. 中長期的に効果を発揮してくれる

コンテンツマーケティングは中長期に効果を発揮するため、マーケティングの費用対効果を高められる可能性があります。


たとえば、ブログ記事コンテンツが検索エンジンで上位表示されると、その状態が長期間維持されるケースがあります。


これが月間1万件以上検索されるキーワードなら、コンテンツ1つで数千アクセスを稼げるでしょう。しかも、一度上位表示されると検索順位が下がりにくいため、同程度のアクセス数を毎月獲得できるかもしれません。


実際にブログ記事コンテンツ1つで年間数万アクセスを集めるケースもあり、中長期的に効果を発揮するのはコンテンツマーケティングならではのメリットだといえます。


金融業界のコンテンツマーケティング成功事例

最後に、実際にコンテンツマーケティングを実施し、成功している金融企業の事例を3つご紹介します。


りそなBiz Action(りそな銀行)

りそなBiz Action」はりそな銀行が運営するオウンドメディアです。おもに経営者向けのコンテンツを配信しており、次のキーワードで検索エンジン上位を獲得しています。


  • 会社 資産運用(月間 1,600vol.)

  • パワーナップとは(月間 320vol.)

  • 人材 登用(月間 320vol.)


りそなBiz Actionは比較的検索ボリュームの少ないキーワードで上位表示を獲得しています。いわゆる「ロングテールキーワード戦略」により、効率的に上位表示とリードを獲得していると考えられる事例です。


日興フロッギー(SMBC日興証券)

日興フロッギー」はSMBC日興証券が運営するオウンドメディアです。日興フロッギーは「記事から株が買える」というユニークなWebサイトであり、月間数十万のアクセスを獲得しています。


ユーザーの疑問を解消する一般的なブログコンテンツだけでなく、経営者インタビューや、メルマガなど複合的にコンテンツを展開し、ユーザーの情報価値・体験価値を高めている点は大変参考になります。


コンテンツマーケティングの施策全体を通じて一貫性が保たれているため、高いブランディング効果を発揮していると考えられます。


MONEY PLUS(マネーフォワード)

MONEY PLUS」はクラウド会計ソフトのマネーフォワードが運営しているオウンドメディアです。経済アナリストやファイナンシャルプランナーなど、「お金の専門家」によるコンテンツ投稿を積極的に行っています。


ユーザーは「どの記事もプロによって作られている」という安心感があるため、経済メディア分野において高い信頼を獲得している事例です。


コンテンツの専門性を高めるために専門家による監修・寄稿は効果的なので、コンテンツマーケティングで検討すべき戦略の一つだといえます。


まとめ

金融業界のマーケティングは決して単純ではありません。たとえばコンテンツマーケティングにおいては、施策の組み合わせ方次第でマーケティングの費用対効果などが大きく変化します。


そこで、金融業界のコンテンツマーケティングトレンドを把握するためにも、以下の資料をぜひご覧ください。

※関連コンテンツ:ユーザーが今読みたいコンテンツがわかる!コンテンツマーケティング最新トレンド 金融業界編


金融業界におけるコンテンツマーケティングの基礎から最新トレンドまで解説しており、今取り組むべき施策の全体像を把握できます。商品・サービスの認知拡大、ブランディング、競合優位性確保などのためにも、金融業界のマーケティングについて最新情報をぜひキャッチアップしてみてください。

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