金融業界のマーケティング担当者の3割がAI活用|独自調査で見る実態とおすすめ施策11選

更新日:2026-06-10 公開日:2026-06-10 by SEデザイン編集部

目次

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金融業界のマーケティング担当者を対象にSEデザインが実施した独自調査(2024年、N=46)から、以下の実態が明らかになりました。

  • 金融業界のマーケティング担当者の約3割が生成AIを業務に活用中
  • 注力施策の1位はオンライン広告(41.3%)、2位はコンテンツ制作(34.8%)
  • コロナ後、オンライン施策の量が「増えた」と回答した担当者は6割超
  • オンライン施策の年間予算3,001万円以上が過半数(55.8%)

金融業界を取り巻く環境は複雑であり、複数の異なるチャネル(顧客接点)を組み合わせたマーケティングが求められています。

そこで本記事では、調査データをもとに金融業界のマーケティングの実態を整理したうえで、押さえるべきポイントやおすすめの施策11選、成功事例を解説します。自社のマーケティング戦略を見直す際の参考にしてみてください。

調査概要

本記事で紹介する調査データは、2024年6月〜7月にオンラインリサーチにて実施したアンケート調査にもとづくものです。

調査概要
項目 内容
調査テーマ 金融業界のマーケティング施策の実施状況に関する調査
調査目的 金融業界における、マーケティング業務でのAI活用状況や成果、その他マーケティング施策の状況や成果の実態を把握する
調査方法 オンラインリサーチ
調査期間 2024年6月28日(金)〜7月2日(火)
対象 男女20〜69歳、全国、会社員もしくは経営者・役員、金融業、マーケティング業務担当者
回収数 46

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回答者の属性は?

本調査の回答者46名の属性は以下のとおりです。50代が43.5%と最も多く、首都圏(1都3県)在住者が約6割を占めています。

回答者属性(N=46)
属性 内訳
性別 男性 87.0%/女性 13.0%
年齢 20〜29歳 2.2%/30〜39歳 21.7%/40〜49歳 21.7%/50〜59歳 43.5%(最多)/60〜69歳 10.9%
居住地TOP5 東京都 28.3%/神奈川県 13.0%/埼玉県 10.9%/大阪府 8.7%/千葉県 6.5%
職業 会社員 97.8%/経営者・役員 2.2%
業種 金融業 100%

 

金融業界のマーケティングの実態

SEデザインでは2024年6月、金融業界のマーケティング担当者46名を対象に独自調査を実施しました。ここでは、その調査結果をもとに金融業界のマーケティングの実態を解説します。

生成AIの活用状況 ─ 約3割が活用中、6割超が活用意向

financial-marketing-survey_06金融業界のマーケティング担当者における生成AIの活用状況を調査したところ、「活用している」と回答した割合は28.3%でした。「今後活用したい」(37.0%)と合わせると、6割超のマーケティング担当者が生成AIの活用に前向きな姿勢を示しています。一方、「社内で禁止されている」は10.9%にとどまり、「活用していない」は23.9%でした。

Q1. 生成AIのマーケティング活用率(単一回答、N=46)
回答 割合
活用している 28.3%
今は活用していないが今後活用したい 37.0%
活用したいが社内で禁止されている 10.9%
活用していない 23.9%

活用用途としては、「データ分析」が80.0%と最も高く、次いで「戦略立案・企画作成」が60.0%、「コンテンツ制作」が28.6%、「リサーチ」が17.1%と続きます(N=35、複数回答)。

Q2. 生成AIのマーケティング活用用途(複数回答、N=35)
活用用途 割合
データ分析 80.0%
戦略立案・企画作成・アイデア出し 60.0%
コンテンツ制作・発信 28.6%
リサーチ 17.1%

 

現在活用中の担当者(N=13)に具体的な活用範囲を尋ねたところ、「企画のブラッシュアップ」が69.2%で最多、「自社データの分析」が61.5%、「LP作成・改善」が53.8%と続きました。

Q3. 生成AIの具体的活用範囲(複数回答、N=13)
活用範囲 割合
企画・アイデアのブラッシュアップ 69.2%
自社データの分析・傾向の把握 61.5%
ランディングページの作成・改善 53.8%
メールテキストの作成 46.2%
SEO対策や改善案提案・キーワード提案 30.8%
他社サイトとの比較・分析・改善点の抽出 30.8%
記事コンテンツのアイデアや方向性検討と作成 23.1%
SNSの投稿作成 23.1%
ペルソナの作成やペルソナとの疑似ディスカッション 23.1%
広告コピー・バナーの作成と改善案提案 7.7%

 

成果が上がった業務としては、「データ分析」が61.5%と突出しており、「コンテンツ制作」23.1%、「戦略立案」15.4%と続きます。

Q4. 生成AIにより成果が上がった業務(単一回答、N=13)
業務 割合
データ分析 61.5%
コンテンツ制作・発信 23.1%
戦略立案・企画作成・アイデア出し 15.4%

 

効果実感については、「業務効率化」69.2%、「リード獲得数の増加」53.8%、「リードの質の向上」53.8%が上位に並びました(N=13)。

Q5. 生成AIによる効果実感(複数回答、N=13)
効果 割合
業務の効率化・工数削減 69.2%
リード獲得数の増加 53.8%
リードの質の向上 53.8%
データ分析の精度向上 23.1%
売上の増加 23.1%

 

 

コロナ後の施策変化 ─ オンライン施策の量が6割増

financial-marketing-survey_07コロナ禍を経て、金融業界のマーケティング施策はどのように変化したのでしょうか。調査では、オンライン施策の量について「増えた」と回答した割合が63.0%に達し、オフライン施策(39.1%)を約20ポイント上回りました。金融業界においてもデジタルシフトが着実に進んでいることがわかります。

Q6. コロナ後の施策実施状況(N=46)
回答 オンライン施策 オフライン施策
量が増えた 63.0% 39.1%
変わらない 19.6% 34.8%
減った 8.7% 17.4%

 

予算傾向 ─ オンライン施策に3,000万円超が過半数

financial-marketing-survey_08オンライン施策の年間予算について調査したところ、「3,001万円以上」と回答した割合は55.8%と過半数を占めました。オフライン施策でも「3,001万円以上」は37.8%あり、金融業界のマーケティング投資がオンラインに傾斜している傾向が見て取れます。

Q7. オンライン施策の年間予算(単一回答、N=43)
予算帯 割合
100万円以下 14.0%
101〜500万円 11.6%
501〜1000万円 9.3%
1001〜1500万円 4.7%
1501〜2000万円 2.3%
2001〜2500万円 2.3%
3001万円以上 55.8%
Q8. オフライン施策の年間予算(単一回答、N=45)
予算帯 割合
100万円以下 22.2%
101〜500万円 13.3%
501〜1000万円 6.7%
1001〜1500万円 11.1%
1501〜2000万円 4.4%
2001〜2500万円 2.2%
2501〜3000万円 2.2%
3001万円以上 37.8%

 

注力施策TOP5 ─ オンライン広告・コンテンツ制作が上位

「現在、最も注力しているマーケティング施策」を尋ねたところ(複数回答3つまで、N=46)、オンライン広告が41.3%で首位に立ち、コンテンツ制作やオウンドメディアがそれに続く形です。即効性の高い広告施策と、中長期的な資産になるコンテンツ施策をバランスよく組み合わせる金融企業が多いことがわかります。

Q10. 今年度の注力施策(複数回答3つまで、N=46)
施策 割合
オンライン広告(運用型・純広告等) 41.3%
コンテンツ制作 34.8%
オウンドメディア施策 28.3%
SNS運用 26.1%
メールマガジン配信 19.6%
放送広告(テレビ・ラジオ等) 15.2%
ウェビナー開催 13.0%
イベント出展(セミナー・展示会等) 13.0%
印刷広告(雑誌・新聞等) 6.5%
屋外広告(交通系広告・ビジョン広告等) 6.5%
プレスリリース配信 4.3%

 

イベント施策の効果実感 ─ 約7割が効果を実感

financial-marketing-survey_19セミナー・イベント施策の効果について尋ねたところ、小計で7割超の担当者がイベント施策の効果を実感しています(N=45)。オンライン施策が増加するなかでも、リアルなコミュニケーションを伴うイベント施策は金融業界のマーケティングにおいて依然として有効であることが示されています。

Q9. イベント施策の効果実感(単一回答、N=45)
回答 割合
非常に効果を実感している 15.6%
ある程度効果を実感している 24.4%
効果を少し実感している 31.1%
あまり効果を実感していない 17.8%
全く効果を実感していない 2.2%
効果をまだ評価できていない 2.2%
イベント施策を行っていない 6.7%

金融マーケティングで押さえるべきポイント

金融業界のマーケティングを実施するにあたり、押さえるべきポイントが2つあります。それぞれの特徴・メリットを理解することで、マーケティング施策の精度を高められます。

AI・データ活用を前提とした施策設計

AI(人工知能)やマシンラーニング(機械学習)のマーケティング活用は、現在の金融業界において不可欠な要素となっています。おもに次の領域で活用が進んでいます。

  • データ分析と需要予測
  • 商品・サービスのパーソナライズ
  • ソーシャルリスニング
  • インフルエンサーの効率的な選定

2024年のSEデザイン調査でも、生成AIを活用中の金融マーケティング担当者は28.3%に上り、活用用途ではデータ分析が80.0%と最多でした。AIの活用はもはや先進的な取り組みではなく、施策設計の前提として組み込むべき要素だといえます。

多種多様な商品・サービスを展開する金融業界において、AIやマシンラーニングを活用したマーケティングは、効率性を飛躍させるための定石です。

たとえば投資商品を広く認知させるために、インフルエンサーとのタイアップを企画すると仮定します。この際に最も重要なのは「適切なインフルエンサーの選定」です。

インフルエンサーの選定ではフォロワー数だけでなく投稿内容やフォロワーの動向など、つぶさに観察しなければならず、膨大な時間を費やすことになります。

一方で、AIやマシンラーニングを活用すれば、自社の金融商品・サービスと相性の良いインフルエンサーを自動で絞り込むことができ、インフルエンサー選定にかかる時間を大幅に削減可能です。

このようにマーケティング施策によっては、AIやマシンラーニングの活用で効率性を飛躍させられるため、施策設計の段階から積極的に組み込むことが重要です。

顧客体験(CX)を軸にしたコミュニケーション設計

金融業界のマーケティングにおいて重要な考え方が、「CXM(カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント)」です。従来から提唱されてきた顧客管理手法であるCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)とは、次のような違いがあります。

CRM と CXM の比較
  CRM CXM
目的 良質なカスタマーサポートを通じて顧客と良好な関係を築き、LTVを高める。 CX(顧客体験)の改善を図り、高い体験価値を継続的に提供することでLTVを高める。
戦略 顧客が抱えている課題を解決することに重点を置き、顧客の信頼を獲得する。 マーケティングで得られる顧客データとデータ基盤を通じて、顧客ニーズを素早く予測し対応する。

顧客との対話を重視するCRMに対し、CXMはデータ活用を通じて顧客の体験価値(認知から購買に至るまでのプロセスとその後)を向上させ、エンゲージメントを高めるのが大きな目的です。

「LTV(ライフ・タイム・バリュー)」を高めるという点ではCRMと目的が一致していますが、アプローチ方法が決定的に異なります。

CXMは従来の手法であるCRMに比べてロイヤルカスタマーを創出しやすいと考えられているため、金融業界のマーケティングにおいても積極的に取り入れるべき重要な考え方です。

金融業界におすすめのマーケティング施策11選

ここからは、金融業界におすすめのマーケティング施策11選をご紹介します。2024年のSEデザイン調査で判明した注力施策の順位を踏まえ、効果的な施策から順に解説します。それぞれの概要、メリット・デメリット、施策をおすすめする金融企業を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

1. デジタル広告

2024年のSEデザイン調査では、注力度1位(41.3%)を獲得した施策です。

デジタル広告とは、検索エンジン・Webサイト・SNSなどで表示される広告のことです。「精度の高いターゲティング」が大きな特徴であり、希望するターゲットに広告を配信できるのが大きな特徴となります。

たとえば、Googleのリスティング広告を利用すると、検索エンジンを使って特定のキーワードで検索をしたユーザーに対し広告を表示できます。施策の即効性が高いため、オウンドメディアの弱点を補うためにも活用される施策です。

<メリット>

  • 精度の高いターゲティングで狙ったユーザーに広告を表示できる
  • 施策の即効性が高くWebサイトへのアクセスをすぐ集められる

<デメリット>

  • 入札形式で表示される広告が決まるため人気の高いキーワードは出稿単価が高騰しやすい

<こんな金融企業におすすめ>

  • オウンドメディア運営初期のアクセス獲得に活用したい
  • ニッチ市場の商品・サービスで特定のユーザーだけにアプローチしたい

2. コンテンツマーケティング

2024年のSEデザイン調査では、注力度2位(34.8%)を獲得した施策です。

コンテンツマーケティングとは、おもにデジタルコンテンツ(テキスト・画像・動画)を用いた施策のことです。

さまざまなコンテンツを通じてユーザーに価値ある情報を提供し、ユーザーからの信頼や共感を得て、商品・サービスの興味喚起や購入、ブランディングにつなげるといった目的があります。

また、コンテンツマーケティングは単一の施策を指すのではなく、次の複数の施策を組み合わせることで成り立つマーケティングです。

  • オウンドメディア
  • ホワイトペーパー
  • SEO対策
  • MEO対策
  • SNSアカウント
  • YouTube動画
  • デジタル広告
  • メルマガ
  • ウェビナー

「コンテンツマーケティングを通じて何を達成したいか?」により、取り入れるべき施策が異なります。以降で個別の施策について解説するので、自社のマーケティングに何が必要なのかを考えながら、ぜひご覧ください。

3. オウンドメディア

2024年のSEデザイン調査では、注力度3位(28.3%)を獲得した施策です。

オウンドメディアとは、企業で保有するWebサイトのことです。ブログ記事などのコンテンツを定期的に投稿し、検索エンジン(GoogleやYahoo!など)での上位表示を目指します。

これによりWebサイトへのアクセス数を増やすのが、オウンドメディアの基本的なアプローチです。その目的は、Webサイトを閲覧したユーザーから信頼や共感を獲得し、商品・サービスに興味を持ってもらうことにあります。

検索エンジンという巨大なネットワークを介してコンテンツを届けられるため、従来は接点を持てなかった潜在顧客層にもアプローチできるのが大きな特徴です。

<メリット>

  • 自社の商品・サービスを認知していない潜在顧客層にもアプローチできる
  • さまざまな施策と組み合わせれば商圏範囲を日本全国に拡大できる

<デメリット>

  • Webサイト運営を始めてから効果が出現するまで時間がかかる

<こんな金融企業におすすめ>

  • 中長期的に効果を発揮するマーケティング施策に取り組みたい
  • マーケティング施策を通じてブランディングも実施したい

4. SEO対策

SEO対策とは、Webサイトやその中で投稿したブログ記事コンテンツを検索エンジンで上位に表示させるための施策です。オウンドメディアと密接に関連する施策であり、オウンドメディア運営にはSEO対策が不可欠です。

たとえばオウンドメディアなどのWebサイトは、公開するだけで検索エンジンの上位に表示されるわけではありません。SEO対策を実施してWebサイトやコンテンツの価値を高め、検索エンジンのアルゴリズムやユーザーに「有益なWebサイト・コンテンツ」と認識させる必要があります。

SEO対策については『【BtoB向け】これから始めるSEO対策・5つの基本ステップ』で詳しく解説しているので、本記事と合わせて参考にしてみてください。

<メリット>

  • Webサイトやそのコンテンツを検索エンジンで上位表示できる
  • Webサイト全体の価値が高まりさらに上位表示されやすくなる

<デメリット>

  • 専門的な知識・スキルが必要になるため経験者のノウハウが必要

<こんな金融企業におすすめ>

  • オウンドメディアを運営したい(SEO対策は必須)
  • 大手企業と戦わないマーケティングを実施したい

5. ホワイトペーパー

コンテンツマーケティングの中でも、リード獲得に直結する重要な施策です。

ホワイトペーパーとは、自社が保有するノウハウや業界動向など、ユーザーにとって価値ある情報をまとめた資料のことです。おもにオウンドメディアと組み合わせる施策であり、Webサイトを閲覧したユーザーの連絡先情報などを取得するフックとして活用します。

また、ホワイトペーパーは連絡先情報を取得するだけでなく、コンテンツとしての価値を高めることで、ユーザーから信頼や共感を得るという役割もあります。

ユーザーにとって情報価値の高いホワイトペーパーを作成すれば、確度の高いリード(見込客)を獲得できる可能性がある重要な施策です。

<メリット>

  • ホワイトペーパーをフックにユーザーの連絡先情報が手に入る
  • Webサイトに掲載するだけで24時間稼働する営業マンになる

<デメリット>

  • ホワイトペーパー作成に手間と時間がかかる
  • 顧客ニーズに合わせたホワイトペーパーが複数必要

<こんな金融企業におすすめ>

  • オウンドメディアを運営したい(ホワイトペーパーは必須)
  • 確度の高いリードを定期的かつ自動的に獲得したい

6. SNSアカウント

2024年のSEデザイン調査では、注力度4位(26.1%)を獲得した施策です。

SNSアカウントを運用し、コンテンツを継続的に投稿するのもコンテンツマーケティングの一種です。SNSアカウントはオウンドメディア運営と異なり、「ユーザーと直接コミュニケーションを取れる」のが大きな特徴となります。

ブランディング施策として有効的であり、SNSの特性を利用してコンテンツを広く拡散させられれば、費用対効果を高められるのも特徴です。

また、近年ではSNSを使って情報収集するユーザーも増えているため、商品・サービスの認知拡大の効果も期待できます。

<メリット>

  • アカウント開設は無料なので低コストで始められる
  • ユーザーの母集団が大きい(Xは月間6,000万人以上が利用)

<デメリット>

  • コンテンツの内容によっては炎上リスクがある

<こんな金融企業におすすめ>

  • ユーザー層を定めてマーケティングを実施したい

7. メルマガ

2024年のSEデザイン調査では、注力度5位(19.6%)を獲得した施策です。

メルマガとは、登録したユーザーに対してコンテンツを定期的に配信する施策のことです。メルマガ登録するユーザーは企業の商品・サービスに対して興味がある可能性が高いため、商談化しやすい特徴があります。

たとえば、オウンドメディアで検索エンジン経由のアクセスを集めつつ、メルマガに誘導して定期的なコンテンツ配信で購買意欲を高めるなどの組み合わせ施策が考えられます。

ただし、メルマガ登録したユーザーがメールを開封するとは限らないため、開封率を高めるための試行錯誤が欠かせません。

<メリット>

  • 自社の商品・サービスに興味があるユーザーにアプローチできる
  • 新商品・サービスの案内などにも利用できる

<デメリット>

  • メールの開封率が低いと費用対効果が大きく下がる

<こんな金融企業におすすめ>

  • 高額で購買プロセスが長期にわたる商品・サービスを扱っている

8. ウェビナー

ウェビナーとは、Web会議システムなどを利用してオンラインで実施するセミナーのことです。リアルで開催するセミナーとは異なり、日本全国から参加者を募りやすいのがウェビナーの特徴となります。

Web会議システムのプランによっては、同時に数百人のユーザーに映像を配信できるため、大規模なウェビナーも気軽に実施できます。

また、パソコンやスマートフォンを利用して参加するのが前提なので、ウェビナー終了後のWebアンケートに誘導しやすいなどの特徴もあります。

<メリット>

  • 低コストで大規模なウェビナーを開催できる
  • 日本全国から参加者を募って商品・サービスをアピールできる

<デメリット>

  • リアルのセミナーに比べてコミュニケーションが取りにくく参加者が離脱しやすい

<こんな金融企業におすすめ>

  • ユーザーとのコミュニケーションを重視したい
  • 高額で購買プロセスが長期にわたる商品・サービスを扱っている

9. セミナー・イベント

2024年のSEデザイン調査では、イベント施策に対して約7割の担当者が効果を実感していると回答しています。

金融業界では、BtoC・BtoBを問わずセミナー・イベントによる集客も効果的です。リアルで開催するセミナー・イベントはユーザーと直接コミュニケーションを取れるため、施策効果を肌で実感できる特徴があります。

ユーザーの反応を確認しながらセミナー・イベントの内容を徐々にブラッシュアップすれば、より大きな施策効果を得られるようになるでしょう。

<メリット>

  • ユーザーと直接コミュニケーションが取れるため商品・サービスの訴求力が高い

<デメリット>

  • セミナー・イベント会場の確保などにウェビナー以上のコストがかかる
  • 参加ハードルが高いため参加者が想定よりも集まらない可能性がある

<こんな金融企業におすすめ>

  • ユーザーとの直接的なコミュニケーションを重視している

10. MEO対策

MEO対策とは、おもにGoogleマップ上の地図検索にて、自社情報を上位表示させるための施策です。

Googleが提供する無料のPRツールである「Googleマイビジネス」に会社・店舗情報を登録すると、Googleマップ上で情報が露出されるようになります。

会社・店舗情報を登録するだけでなく、写真や動画でコンテンツを充実させ、口コミを集めることでGoogleマップからの評価を高めるのが一般的な施策方法です。

<メリット>

  • 「地域名+〇〇」などローカルキーワードで上位表示されるようになる
  • Googleマイビジネスで口コミを管理でき企業の信頼性向上につながる

<デメリット>

  • 定期的なコンテンツ投稿でGoogleマイビジネスを更新し続ける必要がある

<こんな金融企業におすすめ>

  • ローカルでの集客力をアップさせたい

11. YouTube動画

YouTubeは国内だけで月間7,000万人以上が利用する巨大プラットフォームです。近年ではBtoC・BtoBを問わず、YouTubeチャンネルを運営してコンテンツマーケティングを実施する企業が増えています。

動画は膨大な情報量を持つコンテンツであり、1分間の動画はテキストの数千倍の情報量があるとも言われています。短時間でさまざまな情報を伝達できるため、複雑な商品・サービスを伝えるのにも最適です。

また、動画コンテンツをYouTube上に投稿するだけでなく、オウンドメディアに掲載してWebサイトの価値を高めることもできます。

<メリット>

  • 商品・サービスの価値を分かりやすく伝えられる
  • 二次利用しやすくWebサイト掲載や営業資料としての活用もできる

<デメリット>

  • 動画コンテンツの制作に手間と時間がかかる

<こんな金融企業におすすめ>

  • 商品・サービスの内容が複雑なので分かりやすいコンテンツにしたい
  • オウンドメディアのブログ記事コンテンツを動画化したい

金融業界におすすめのコンテンツマーケティングとは?

金融業界のマーケティングとして、改めておすすめしたいのが「コンテンツマーケティング」です。

コンテンツマーケティングは、オウンドメディアやホワイトペーパーなど複数施策を組み合わせ、目標達成に向けて継続的なコンテンツの配信を行う施策となります。

実は、複雑な商品・サービスが多く、ユーザーの信頼獲得が重要な金融業界において、相性の良いマーケティング施策がコンテンツマーケティングです。

ここでは、金融業界がコンテンツマーケティングに取り組む5つのメリットをご紹介します。

メリット1. 広告に頼らずCPAを下げられる

出稿するほどコストがかかる広告に対して、コンテンツマーケティング(特にオウンドメディア)はストック型のマーケティングとして、CPA(顧客獲得単価)を下げられる可能性があります。

たとえば、Googleのリスティング広告において100万円の広告費をかけても、広告の表示・クリック単価によってCPAの限界値が決まります。

一方、コンテンツマーケティングは広告出稿などが要らず、検索エンジンなどから継続的な集客が行えます。そのため、Webサイトへのアクセス数やコンバージョン数が増えるほどCPAは下がり、広告のCPA以下まで低下させることも可能です。

CPAが下がれば利幅が増えるため、より多くの資金をマーケティングに投資できるなど、良いサイクルを生み出せるのが大きなメリットです。

メリット2. 成約確度の高いリードを獲得できる

オウンドメディアなどのコンテンツマーケティングを通じて獲得したリードは、成約確度が高い傾向にあります。

なぜなら、企業が発信するコンテンツを「有益」と判断し、企業自体や商品・サービスに対して関心の高いユーザーがホワイトペーパーダウンロードや問い合わせを行い、リードに転化するためです。

コンテンツマーケティングを通じて信頼や共感といった感情をすでに獲得しているため、商談において確かな手応えを感じられます。

メリット3. 潜在顧客層にアプローチできる

コンテンツマーケティングはさまざまなコンテンツを通じて、潜在的にニーズを抱えているユーザーにもアプローチできます。

たとえば、「子供にスポーツをさせたい」と考えているユーザーの心理やニーズを把握し、それに対応するコンテンツを制作すると仮定します。コンテンツの中ではユーザーの一般的な疑問を解消しつつ、「スポーツにけがはつきもの→子供のけがを保障してくれる保険がある」といった流れで誘導すれば、ユーザーの潜在ニーズを掘り起こせるでしょう。

ユーザーが置かれている現状や、抱えている悩みなどを理解できれば、コンテンツマーケティングで潜在顧客層にアプローチするのは難しくありません。

メリット4. ブランディングの一環になる

コンテンツマーケティングにはブランディング効果もあります。たとえばオウンドメディアを運営し、検索エンジンにおいて、特定のテーマで多数のコンテンツが上位表示を獲得していると仮定します。

当該テーマについて情報収集しているユーザーには、検索エンジンに同じWebサイトが何度も表示されるため、「当該テーマについて専門性の高い企業」と無意識に認識される可能性が高いでしょう。

また、業界の動向情報などもコンテンツとして発信すればファンがつきやすくなり、ブランディング効果を一層高められます。

メリット5. 中長期的に効果を発揮してくれる

コンテンツマーケティングは中長期に効果を発揮するため、マーケティングの費用対効果を高められる可能性があります。

たとえば、ブログ記事コンテンツが検索エンジンで上位表示されると、その状態が長期間維持されるケースがあります。

これが月間1万件以上検索されるキーワードなら、コンテンツ1つで数千アクセスを稼げるでしょう。しかも、一度上位表示されると検索順位が下がりにくいため、同程度のアクセス数を毎月獲得できるかもしれません。

実際にブログ記事コンテンツ1つで年間数万アクセスを集めるケースもあり、中長期的に効果を発揮するのはコンテンツマーケティングならではのメリットだといえます。

金融業界のコンテンツマーケティング成功事例

実際にコンテンツマーケティングを実施し、成功している金融企業の事例を3つご紹介します。

りそなBiz Action(りそな銀行)

りそなBiz Action」はりそな銀行が運営するオウンドメディアです。おもに経営者向けのコンテンツを配信しており、次のキーワードで検索エンジン上位を獲得しています。

  • 会社 資産運用(月間 1,600vol.)
  • パワーナップとは(月間 320vol.)
  • 人材 登用(月間 320vol.)

りそなBiz Actionは比較的検索ボリュームの少ないキーワードで上位表示を獲得しています。いわゆる「ロングテールキーワード戦略」により、効率的に上位表示とリードを獲得していると考えられる事例です。

日興フロッギー(SMBC日興証券)

日興フロッギー」はSMBC日興証券が運営するオウンドメディアです。日興フロッギーは「記事から株が買える」というユニークなWebサイトであり、月間数十万のアクセスを獲得しています。

ユーザーの疑問を解消する一般的なブログコンテンツだけでなく、経営者インタビューや、メルマガなど複合的にコンテンツを展開し、ユーザーの情報価値・体験価値を高めている点は大変参考になります。

コンテンツマーケティングの施策全体を通じて一貫性が保たれているため、高いブランディング効果を発揮していると考えられます。

MONEY PLUS(マネーフォワード)

MONEY PLUS」はクラウド会計ソフトのマネーフォワードが運営しているオウンドメディアです。経済アナリストやファイナンシャルプランナーなど、「お金の専門家」によるコンテンツ投稿を積極的に行っています。

ユーザーは「どの記事もプロによって作られている」という安心感があるため、経済メディア分野において高い信頼を獲得している事例です。

コンテンツの専門性を高めるために専門家による監修・寄稿は効果的なので、コンテンツマーケティングで検討すべき戦略の一つだといえます。

まとめ

金融業界のマーケティングは決して単純ではありません。2024年のSEデザイン調査からも、多面的な取り組みが求められている実態が明らかになりました。

  • 金融業界のマーケティング担当者の約3割が生成AIを業務に活用中、活用用途はデータ分析(80.0%)が最多
  • 注力施策の1位はオンライン広告(41.3%)、2位はコンテンツ制作(34.8%)
  • コロナ後、オンライン施策の量が「増えた」と回答した担当者は6割超
  • オンライン施策の年間予算3,001万円以上が過半数(55.8%)
  • イベント施策に対して約7割の担当者が効果を実感

コンテンツマーケティングにおいては、施策の組み合わせ方次第でマーケティングの費用対効果が大きく変化します。本記事で紹介した11の施策や成功事例を参考に、自社の状況に合ったマーケティング戦略を検討してみてください。

金融業界のマーケティングに関するよくある質問

Q. 金融業界で最も注力されているマーケティング施策は?

2024年にSEデザインが金融業界のマーケティング担当者46名を対象に実施した調査では、「オンライン広告(運用型・純広告等)」が41.3%で最も高く、次いで「コンテンツ制作」34.8%、「オウンドメディア施策」28.3%、「SNS運用」26.1%、「メールマガジン配信」19.6%と続きます(複数回答3つまで)。即効性の高い広告施策と、中長期的な資産になるコンテンツ施策を組み合わせている企業が多い傾向です。

Q. 金融業界のマーケティングに生成AIは活用されている?

同調査では、金融業界のマーケティング担当者の28.3%が「生成AIを活用している」と回答しています。「今後活用したい」(37.0%)と合わせると、6割超が活用に前向きです。活用用途はデータ分析(80.0%)が最も多く、次いで戦略立案・企画作成(60.0%)、コンテンツ制作(28.6%)と続きます。効果実感としては、業務効率化(69.2%)、リード獲得数の増加(53.8%)、リードの質の向上(53.8%)が挙げられています(2024年SEデザイン調べ)。

Q. 金融業界のマーケティング予算の相場は?

2024年のSEデザイン調査によると、オンライン施策の年間予算では「3,001万円以上」が55.8%と過半数を占めています。オフライン施策でも「3,001万円以上」は37.8%あり、金融業界のマーケティング投資はオンラインに傾斜しつつも、全体的に高い水準にあることがわかります(2024年SEデザイン調べ)。

Q. 金融業界のマーケティングでコンテンツマーケティングが有効な理由は?

金融商品・サービスは内容が複雑で、ユーザーの信頼獲得が購買判断に大きく影響します。コンテンツマーケティングは、価値ある情報を継続的に発信することでユーザーの信頼や共感を獲得し、成約確度の高いリードを生み出せる点が金融業界との親和性が高い理由です。また、CPA(顧客獲得単価)の低減、潜在顧客層へのアプローチ、ブランディング効果など、複数のメリットを同時に得られます。

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