メタディスクリプションは、記事タイトルと並んでユーザーのクリック率を上昇させるための重要な要素です。それはBtoBのオウンドメディア運用においても例外ではなく、施策の効果を上昇させるためには適切なメタディスクリプションの設定が欠かせません。
本記事では、メタディスクリプションの概要や設定方法、効果的なディスクリプション作成のための勘所を解説します。
メタディスクリプション(meta discription)とは?
「メタディスクリプション(meta discription)」とは、ページコンテンツを100文字程度の文章にまとめた「概要」「要約」のことです。
GoogleやYahoo!のような検索エンジンの検索結果ページ(SERPs)に表示される、各ページタイトル下の説明文がメタディスクリプションに該当します。下図の赤枠がメタディスクリプションです。
メタディスクリプションは、検索エンジン上では「スニペット」とも呼ばれます。いずれも「説明文」を指していますが、メタディスクリプションが「HTMLタグの名称」であるのに対し、スニペットは「検索エンジン上での名称」である点が異なります。
メタディスクリプションは、次のように、デバイスによって最適な文字数が異なることを理解しておきましょう。
- PCでの閲覧には約100文字が適している
- スマートフォンでの閲覧には60文字程度が適している
スマートフォンに適した文字数がPCよりも少ないのは、スマートフォンの画面が小さいために、長いテキストが完全に表示されない可能性があるからです。
ユーザーは、検索結果に表示されたタイトルだけでWebページの内容が判断できない場合、メタディスクリプションを見てそのWebページを見るかどうかを判断しています。
そのため、メタディスクリプションにより、ユーザーはWebページの内容を瞬時に理解できるでしょう。
適切なメタディスクリプションの設定で得られる効果
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適切なメタディスクリプションを設定することで得られる効果としては、「アクセス流入の改善」と「クリック率の向上」が挙げられます。
アクセス流入の改善
メタディスクリプションを設定する際に使用するmetaタグは、Googleが公式にサポートしているものです。価値あるコンテンツであるとGoogleが判断した場合、記事が検索結果上位に掲載され、アクセス流入の増加につながるでしょう。
そのため、メタディスクリプションを適切に設定することも、ページ情報を検索エンジンに伝える手段といえます。
さらに、Google公式では以下のように説明されています。
“Page-level meta tags are a great way for website owners to provide search engines with information about their sites”
日本語訳)ページごとのmetaタグは、Webサイトのオーナーがサイトに関する情報を検索エンジンに伝えるための手段です
メタディスクリプションの設定は検索順位には直接的に影響しません。しかし、設定していなければ検索エンジン側もユーザー側も各ページの情報を正しく認識できない可能性があります。
それを避けるために、メタディスクリプションは設定しておくのが望ましいといえます。検索エンジンに正しくページ内容を伝達することで、クローラーから評価を受けた際に記事が上位に上がり、結果としてアクセス流入の改善が期待できるでしょう。
クリック率の上昇
検索エンジンの検索結果一覧には、自社サイトだけでなく競合サイトと並んで掲載されます。そこでメタディスクリプションにサマリー(要約) を盛り込み、ユーザーの興味関心を引くことができれば、自社サイトをクリックしてもらえる確率は高まります。
特に、メタディスクリプションに検索ワードが盛り込まれていた場合、その部分が太字でハイライトされるので、さらなるクリック率の上昇が期待できます。
メタディスクリプションには直接的なSEO効果はない
メタディスクリプションはアクセス流入の改善やクリック率の上昇といった効果が期待できるものです。しかし、検索順位に直接的な影響を与えるわけではありません。
Googleの公式ブログにおいても、メタディスクリプションを含むメタタグは検索順位を決める要素として使用しないと、次のように明言しています。
”表示するスニペットに description meta タグを使用する場合でも、Google のランキングでは description meta タグは使用されません。”
しかし、メタディスクリプションの重要性が低いということにはなりません。
メタディスクリプションは次のような要素から、検索エンジンではなく検索ユーザーの利便性を高めるために重要だからです。
- ユーザーに、ページの内容を簡潔に伝えられる
- ユーザーが、求める情報に簡単にたどり着きやすくなる
- サイト全体のユーザーエクスペリエンスが向上する
ユーザーがコンテンツに対して信頼を置き、高い評価を得ることができれば、結果としてSEOにも間接的な好影響があると考えられるでしょう。
直接的な効果はなくても、ユーザーを意識して作成することがSEO対策になるのです。
メタディスクリプション作成のコツ
メタディスクリプションを作成する際に意識したいポイントは、大別すると以下の3点です。
- 文字数は60~100字前後におさえる
- 記事内容を短く端的に伝える
- どのような悩みが解決できるのかを伝える
- 記事を読むターゲットを意識する
自社で作成するメタディスクリプションの質を上げるためにも、これらについて理解しておく必要があります。
文字数は60~100字前後におさえる
メタディスクリプションの文字数は、60〜100文字程度にとどめましょう。
その理由はPC・スマホの両デバイスの検索結果で表示される文字数に上限があるためです。それ以上になると、説明文が途中で途切れてしまいます。
ただ、この限界値も変動する可能性があります。
Googleは2017年12月に250字まで拡大しましたが、2018年の5月に再び120字程度へ戻しました。2024年2月現在のSERPsでは、スニペットに表示されるメタディスクリプションは、60文字~100文字のようです。
そのため、ここで提示している文字数はあくまでも参考とし、定期的にSERPsを確認して文字数を設定しましょう。
記事内容を短く端的に伝える
Webコンテンツのユーザーは基本的に流し読みをする傾向があります。冗長な文章は読み手側の労力を必要とするため、ユーザビリティーが低下してしまいます。
ユーザビリティーについて研究したヤコブ・ニールセン氏の調査によると、ユーザビリティーのテストに参加した人の79%がどのページを開いても流し読みをしており、逐語的に読んでいた人は16%しかいなかったという結果が出ています。
つまり、大多数のユーザーはWebコンテンツを文字通りには読まず、大まかに見ているといえるでしょう。
この行動パターンを踏まえ、メタディスクリプションでは必要な情報を端的にかつ魅力的に伝える必要があります。コンテンツの重要なキーワードを含めつつ、ユーザーが一目で内容を理解できるように文章を構築しましょう。
どのような悩みが解決できるのかを伝える
多くの場合、ユーザーは特定の課題や問題を解決する方法を検索しています。
そのため、メタディスクリプションでは「このコンテンツはあなたの問題を解決します」というメッセージを明確に伝えることが重要です。具体的にどのような価値を提供するのか、どのような疑問に答えるのかを明示しましょう。
ユーザーのどのような悩みが解決できるのか伝わることで、結果としてクリック率の上昇にもつながります。
記事を読むターゲットを意識する
ディスクリプションを適切に使用する場合、Webコンテンツがどのターゲットに向けたものかを考えることも重要です。
たとえば、BtoBの記事でおもなターゲットユーザーが30代男性であれば、情報収集は勤務時間中に社用PCで行うことが多いと推測できるため、メタディスクリプションはPCでの表示を優先した文字数にするとよいでしょう。
一方、BtoCの記事で20代女性がターゲットであれば、プライベートの時間にモバイルで情報収集することが多いと考えられるため、メタディスクリプションはモバイル表示を意識する必要があります。
2021年にドイツのSISTRIX社が発表した調査によると、日本ではPCでの検索が約25%、モバイル検索が約75%の割合と報告されています。そのため、日本ではスマホでの表示を優先的に考える必要がありますが、ターゲットに合わせたメタディスクリプション設計が重要となるでしょう。
メタディスクリプションの例文・テンプレート
この記事のメタディスクリプションを例に、良いメタディスクリプションと悪いメタディスクリプションの例を挙げて解説していきましょう。
以下は、この記事のメタディスクリプションです。
このメタディスクリプションは、次の要素を意識して作成しています。
- 情報の明確さ:記事の内容が一目で分かるように、テーマと目的が簡潔にまとめられています。
- キーワードの組み込み:関連するSEOキーワードが自然な形で文中に含まれています。読者が検索したキーワードは太字で表示されるため、ユーザーの目を引くことができます。
- オリジナリティ:サイト全体のコピー&ペーストの一般的な説明ではなく、掲載する記事オリジナルのメタディスクリプションになっています。
- 適切な文字数:検索エンジンで完結な文章を表示させるため、120文字以内に収めています。
対して、次のようなメタディスクリプションはどうでしょうか。
この例は、以下の要素からメタディスクリプションとしては悪い例と判断できます。
- SEOキーワードを盛り込みすぎている:読者にとっての意味や価値はなく、ただSEOキーワードを羅列しているだけです。
- ページの要約がされていない:何についての記事で、読者にどのような利益をもたらすのかが全く説明されておらず、情報が不十分です。
- 文字数が少なすぎる/多すぎる:文字数が多すぎると検索結果ページから省略され、少なすぎると情報が不足してしまいます。いずれにせよユーザーの関心を引くことができません。
良い例、悪い例を参考に、前述した「メタディスクリプション作成のコツ」を意識しながら作成することで、ユーザーにとって魅力的なメタディスクリプションを作成しましょう。
メタディスクリプション作成する上での注意点
Webページを検索エンジンで引き立たせるためには、効果的なメタディスクリプションの作成が不可欠です。しかし、その作成過程で陥りがちな落とし穴がいくつか存在します。
ここでは、メタディスクリプションを作成する上での重要な以下3つの注意点についてみていきましょう。
- 記事ごとにメタディスクリプションを変える
- キーワードをメタディスクリプションに入れすぎない
- 絵文字や記号は使っても効果はない
記事ごとにメタディスクリプションを変える
各Webページに固有の内容と目的があるため、メタディスクリプションもページの内容を正確に反映し、個別に作成しなければなりません。
メタディスクリプションが重複した場合、違いを判別しづらくなることから、ページの正確な内容がユーザーに伝わりづらくなります。そのため、ページごとにわかりやすい固有のディスクリプションを設定することが大切です。
重複するメタディスクリプションがないか確認するために、Screaming Frog SEO Spiderなどの無料ツールを使用してWebサイトの全ページをチェックしましょう。また、Google Search Consoleの「HTMLの改善」からも、重複しているメタディスクリプションを確認できます。
キーワードをメタディスクリプションに入れすぎない
SEOを意識してキーワードを詰め込み過ぎた場合、見栄えが悪くなるなど逆効果となる可能性があります。
キーワードを無理に詰め込むのではなく、訪れるユーザーにとって価値があり、興味を引く内容にしましょう。ユーザーが直面している問題やその解決策に焦点を当て、キーワードは自然に文中に組み込むことをおすすめします。
その中で、メタディスクリプションに共起語を盛り込んでいくという工夫であれば、問題ありません。共起語とは、検索キーワードとよく一緒に使われている単語のことです。キーワードに関連する語句を用いることで、テキストが自然に読まれる可能性が高まるでしょう。
絵文字や記号は使っても効果はない
記号と絵文字はメタディスクリプションに使用しても問題はありません。しかし、検索結果画面に表示される際には、記号や絵文字などは不要な情報として無視され、表示されないため“記述する意味”もないといえます。
実際、Googleのジョン・ミュラー氏はTwitterで、ユーザーから「メタディスクリプションで記号(例:⇒)を使っても問題ないのか」 と質問された際に、以下のように解答しています。
“Sure, but often we just ignore & drop them”
日本語訳)問題ありませんが、多くの場合それらは無視され、表示もされません。
@JohnMu ▷ Hi John. Is it OK to use symbols like this ⇒ in the meta title or meta description? Regards, Dave.
— Dave Leusink (@daveleusink) May 1, 2017
そもそも記号や絵文字を多用したメタディスクリプションは、ユーザー視点でも読みづらく、「稚拙である」と判断されかねません。それを踏まえると、使用は避けるのが賢明でしょう。
メタディスクリプションの2つの設定方法
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メタディスクリプションの設定方法としては、「HTML上に記述する」以外に、「プラグインを使用する方法」が挙げられます。以下より、使用頻度の高いCMSであるWordPressで設定する場合を仮定して、それぞれ説明します。
設定方法1.HTML上に記述する
メタディスクリプションを直接HTMLソースに書き込んで設定する場合、まずHTMLファイルを専用のエディタで開き、HTMLファイルのheadタグ内にmetaタグを記述します。
そのうえで、metaタグでname属性に【description】、contents属性にディスクリプションを記述すれば反映されます。記述例としては、以下のとおりです。
たとえば、以下のように記述します。
設定方法2.CMS(WordPress)のプラグインを使用する
メタディスクリプションの設定方法として、WordPressの外部プラグインを使用する方法もあります。
「All in one seopack」「Yoast SEO」などの専用プラグインを導入すれば、メタディスクリプションの設定機能を使用できます。
各機能でエディタなどに表示される「各ページの説明文」部分にディスクリプションを記述するだけで、メタディスクリプションを設定することが可能 です。
また、プラグインを使用しなくても、WordPressのテーマで設定できることもあります。
たとえば、WordPressの無料テーマ「Cocoon」では、管理画面の投稿を作成するページで、記事を作成した下にメタディスクリプションの設定欄が表示されます。その欄に説明文を記入することで、プラグインを使用せずメタディスクリプションを設定可能です。
ただし、この方法はテーマを変更すると設定したメタディスクリプションが消えてしまうので、変更予定がある場合は注意が必要です。
メタディスクリプションを確認する方法
メタディスクリプションは、WebページのHTMLソースコードで確認できます。この情報を見るには、Google Chromeでページを表示させ、右クリックして出てくるメニューから「ページのソースを表示」を選択しましょう。
<HTMLソースコードの表示方法>
- Windows:【ctrlキー + Uキー】
- Mac:【option + command + U】
自社サイトだけでなく、基本的にはどのサイトでもソースコードの確認が可能です。
メタディスクリプションが反映されない時の対処法
メタディスクリプションを設定しても、検索結果画面のスニペットに反映されず意図しない文章が表示されるケースもあります。この原因について、Google公式の以下の見解が参考になります。
“Google will sometimes use the <meta name="description"> tag from a page to generate a snippet in search results, if we think it gives users a more accurate description than would be possible purely from the on-page content”
日本語訳)Google では、ページ上のコンテンツのみから取得できる情報よりもページの概要をユーザーに正確に説明できると判断した場合、ページの <meta name="description"> タグを使用して、検索結果におけるスニペットを生成することがあります。
つまり、メタディスクリプションを設定したからといって、必ず反映されるわけではないということです。
上記のとおり、Googleは“ページ情報を適切に説明している”と判定したディスクリプションをスニペットに反映させます。そのため、設定したディスクリプションが検索結果に反映されない場合は、内容の見直しを行いましょう。
まとめ:メタディスクリプションを適切に設定し、検索エンジンとユーザーに分かりやすいサイトにしよう
メタディスクリプションは、ユーザーと自社サイトの「最初の接点」となりやすい検索結果の画面において、各ページの内容を伝える重要な役割を果たします。適切なメタディスクリプションの設定は、クリック率の上昇に貢献しますので、「ただ の説明文」と軽んじる訳にはいきません。
検索キーワードやベネフィットを効果的に盛り込んだディスクリプションを各ページで作成し、より多くのユーザー獲得を目指しましょう。
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