SEデザインが実施したアンケート調査によると、導入事例を参考にする人の割合は64%にものぼります。サービスやツールの導入を検討する際には価格やサービス内容に次いで参考にされている情報であり、いかに重要なコンテンツかがお分かりいただけるでしょう。
SEデザインは、年間100件以上、累計2,500件以上もの導入事例を制作しており、特にIT業界の知見や実績が豊富で、高い評価をいただいております。
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今回は、これまでの多くの経験に基づいて、ホームページや販促媒体、営業資料といった幅広い用途で使える導入事例インタビューを成功させるためのノウハウを徹底解説します。 インタビューを行う前に知っておくべき知識や当日の進行をスムーズにするための前準備、必ず聞くべき4つの質問などを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
導入事例インタビューのメリット
多くの企業のホームページには、「サービス導入事例」「お客様の声」などの、顧客のインタビュー記事が掲載されています。このような顧客の声を掲載することは、商品やサービスに関する説明では伝えきれないリアルな価値や魅力を知ってもらうのに役立ちます。 導入事例の掲載によって、具体的には下記のメリットが得られます。- 実際に購入・体験したユーザーに語ってもらうことで、自社商品やサービスの信頼性を高めることができる
- 自社の商品やサービスの魅力をリアルな言葉で伝えられる
- 潜在的なニーズを持つ顧客に、商品やサービスの価値を具体的に理解してもらえる
- 一度導入事例を作成しておくことでホームページだけでなくさまざまな販促媒体に活用できる
「ウチの商品はこんなところが魅力で、こんな方におすすめですよ」と販売者に説明されるより、「こんな悩みが解決した」「こんな対応をしてもらえた」など、ユーザーが発信する言葉に触れたほうが、導入検討者の共感を得られる場合が多いのです。
「これなら自社でも導入できそう」「この人と自分は似た悩みを持っているから、もしかしたら解決するかも」など、興味や関心を持ってもらうきっかけの一つとして大きな役割を果たします。
導入事例インタビュー成功のコツ
ここからは、導入事例のインタビューをスムーズに進行するためのコツをご紹介します。はじめてインタビューに挑戦する方も、これを読めばイメージがつかめるはずです。事前にどんなことを聞くのか説明しておく
導入事例インタビューを行う際は、事前に聞きたい内容を簡潔にまとめて共有しておくと、当日の進行が円滑になります。
話を聞かせてくれるお客様は、必ずしもインタビュー慣れしているとは限りません。そのため、ぶっつけ本番で質問を受けると、うまく話せなかったり、話すのに時間がかかってしまったりするケースもあります。
事前にメールなどで質問事項を送っておくと、顧客側も十分に準備ができるため、より質の高いインタビューが実現するでしょう。
また、すでに自社のホームページなどに他社のインタビューが掲載されている場合、こちらも同時に共有しておくことで、どんな記事になるのかイメージしてもらいやすくなります。
※関連コンテンツ:導入事例制作をスムーズに!事前準備で使えるテンプレートセット
予備のボイスレコーダーも準備する
ボイスレコーダーなどの記録用デバイスを用意せずにインタビューを行うと、メモやタイピングに気を取られてしまうため、話の流れが断続的になりインタビュー自体が盛り上がりません。
そのため、インタビュー中は相手から話を引き出すことに集中できるよう、ボイスレコーダーなどの録音機材の準備しておくことが肝要です。 またその際、予備のレコーダーも用意しておきましょう。
オンラインでインタビューを行う場合は、録画に加えて、レコーダーで録音もしておくと安心です。 せっかく良いインタビューができても、音声が不明瞭だったり、機材のトラブルによってデータが消えてしまったりすれば、元も子もありません。
スマートフォンの録音機能を使う際は、途中で着信などが表示されないよう、インタビュー中は「機内モード」にしておくといった配慮も必要です。
具体的なエピソードや数字を聞く
インタビュー中に気になった部分や、記事で大きく取り上げられそうな話題が出たときは、深掘りしてより具体的な話を引き出しましょう。
たとえば、「サービスを導入することで、これまでずっと抱えていた課題が解決した」という話が出た場合、課題に悩んでいたときや解決後の状況を、できるだけ数値で答えてもらえるようにしましょう。
具体的には、「業務が効率化できた」よりも「これまで3時間かかっていた業務が、30分で完了するようになった」や、「売り上げが上がった」よりも「このサービスを導入してから、ECサイト経由での売り上げが50%アップした」など、よりリアルに商品やサービスの魅力を伝えられるよう、大まかな数値を確認します。
このように、人数・時間・売上の変化・契約件数といった数値を大まかにでも聞いておくと、事例によりリアリティーを持たせることができるでしょう。
脱線した話も記録しておく
取材中に話が逸れたときや取材後の雑談などには、魅力的な話が潜んでいる場合があります。
レコーダーが回っている場面ではきちんと話さなくてはと思うあまり、緊張して普段通りの振る舞いができない方が多いものです。そのため、本筋とは別の話題が出る、取材がひと段落するといったリラックスできる瞬間こそ、取材相手の本音が出やすくなる可能性があります。
脱線した話も、記事に役立ちそうなことはしっかりと記録しておくことをおすすめします。取材が終わったからといってオフモードにならず、最後の瞬間まで話題を拾う心構えでインタビューに臨みましょう。
早めに記事を作成する
鮮度の高いコンテンツを作るためには、インタビュー後すぐに記事を作ることが重要です。
もちろん録音した音源で内容の確認はできますが、思い出しながら書くのと、取材の記憶が鮮明なうちに文字にしておくのとでは、言葉選びや作成のスピードに大きな差が出るでしょう。
インタビューを受けた側としても記事の仕上がりを楽しみにしている場合が多く、早く書き上げると信頼関係の構築にもつながります。
導入事例の4つのインタビュー形式(テンプレート付)
インタビューを記事にする際には、いくつかの形式があります。それぞれ特徴があり、読みやすさや内容の伝わりやすさなどに違いがあるので、自社の目的に合った形式を選びましょう。
Q&A形式
Q&A形式は、インタビュアーが質問を投げかけ、受け手がそれに回答するシンプルな構成です。自然な流れで読みやすいのがメリットです。サービスの使用感や導入して良かった点などを、臨場感をもって伝えることができます。
対談・座談会形式
対談・座談会形式は、複数の参加者が自由に意見を交換するスタイルです。お客様側からのサービス導入の決め手や感想だけでなく、自社の側からもサービスの特徴や導入にあたっての思いなどを伝えることができます。
両社の良好な関係性を自然な形で示せることもメリットといえるでしょう。
一人称形式
一人称形式は、インタビュイー自身が語るという形で記事を構成する形式です。質問や受け答えの部分がないため、要点を凝縮して示すことができます。具体的なエピソードや、導入した感想を、個人の言葉として語るので、読者にとっては共感や親しみを持ちやすくなります。伝えたいメッセージをダイレクトに伝えることができるのがメリットです。
三人称・ルポ形式
三人称・ルポ形式は、ジャーナリストや第三者的な視点で、客観的に事例を紹介する形式です。取材者がインタビューした内容を客観的にまとめるため、論理性が高くなり、読者はより広い視点で事例全体を理解できるでしょう。
要所でインタビュイーの発言を入れることで、より締まった文章にすることができます。
導入事例インタビュー事前準備テンプレート
導入事例インタビューの事前準備のためのテンプレートを準備しました。以下のリンク先から、インタビューの事前準備用テンプレートがダウンロードできます。スムーズなインタビューを成功させるために、ぜひご活用ください。
「取材依頼状」と「事前レポート」のすぐに使えるテンプレートセット
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導入事例インタビュー準備の流れ

同業他社Webサイトの導入事例ページをチェックする
導入事例インタビューページの作成に入る前に、まずはリサーチを行いましょう。自社と同じ業界の企業や、ホームページからの集客に成功している企業の導入事例のページをチェックし、構成や内容を確認します。
競合優良他社はもちろん、業種名などで検索して上位に表示された企業も参考にしてください。
インタビューしているユーザーや質問内容、記事で強くアピールしている点などを拾っていくと、自社で作るページを企画するヒントになるはずです。
自社ではどんなユーザーにインタビューをしたいか、また、商品やサービスのどんな魅力を訴求したいのか、インタビューや記事のイメージを明確化することが大切です。
企画を作成する
次のステップでは、リサーチで得た情報をもとに、自社で作成する導入事例ページの企画を作成します。まずは記事に盛り込みたい内容を決めるところからはじめます。 導入事例記事では、以下の内容を盛り込むとよいでしょう。
- 企業と担当者についての紹介
- 導入以前に抱えていた課題
- 商品やサービスに興味を持ったきっかけ、導入を決めた理由
- 導入による変化(使い勝手や成果など)
- 導入後の感想や社内の声 ・企業としての今後の取り組み
取材の依頼・交渉をする
取材の依頼や交渉は、営業担当者と協力して行うとスムーズです。ただインタビューを受けるだけでは相手側にはさほどメリットがないため、何かしらの謝礼や特典を用意しておくことをおすすめします。
有名企業やターゲット層に近い企業で、ぜひインタビューしたいというところがあれば、受注前の段階であらかじめ依頼しておくとよいでしょう。
「協力していただいたお礼として値引きさせていただきます」など、取材先の企業にも利益があると営業から伝えてもらうことで、交渉がしやすくなります。 インタビューの許可が降りたら営業担当に話をつないでもらい、改めてアポイントメントを取ります。
可能であれば、取材当日も営業担当に取材に同席してもらうとよいでしょう。インタビュアーが知り得ない部分をフォローしてもらえたり、取材相手の緊張が和らいだりと、円滑な進行が期待できます。
事前に質問内容をインタビュイーに送る
取材のアポイントメントが取れたら、質問内容をまとめて事前にインタビュイーに送付しましょう。その際、当日聞きたいことの根幹となる質問や、数値による回答が必要な質問を選定し、相手に負担をかけない程度の質問数に絞ることが大切です。
また、事前に簡単な回答を記入して返信してもらえるようにすると、当日のインタビューがよりスムーズに進行します。
回答によって、当日の質問内容が精査できるため、「事前回答で〇〇と答えてくださっていた部分ですが、具体的にはどんな状況だったのでしょうか?」のように、より踏み込んだ話ができ、インタビューの内容に厚みが出るでしょう。
インタビュイー側としても、当日に向けて話す内容を用意できる、数値公開の可否などを社内であらかじめ確認しておける、といったメリットがあり、双方が準備を整えたうえでインタビューに臨めます。
インタビューで聞くとよい4種類の質問

商品・サービス導入前の悩み
お客様が、自社の商品やサービスを導入する前に抱えていた悩みや課題について具体的に聞き出せると、導入後の効果がより伝わりやすくなります。
質問を簡単に終わらせてしまいがちな部分ですが、導入前の様子をインタビュアーがしっかりイメージできるまで聞き込むことが大切です。 どの時期に、どんなことに悩んでいて、いつから商品やサービスを探していたのか、などを引き出しましょう。
また、悩みに関してはそれまでかかっていたコストや手間などを数値やエピソードで提示してもらうことで、記事化した際に読者にリアルにイメージを伝えることができます。
「サービス導入前は業務に毎日2時間かかっていた」「業務が自動化されるまでは業務について把握している従業員が少なく休暇が取りづらかった」などの実体験に基づく顧客の言葉は、記事のリアリティーを増し、同じ悩みや課題を持つユーザーが読んだ際に共感を得やすくなるでしょう。
商品を選んだポイント
商品を選んだ際の決め手がどこだったかも詳しく聞きましょう。まずは、商品を知ったきっかけやそのときの第一印象、他社のどのソリューションと比較していたのかを質問し、そのうえで自社の商品やサービスを選んだポイントを聞きましょう。
ユーザーが商品を選ぶ際に重視した点を記事内で明らかにすることで、「自社の商品またはサービスはそのポイントをおさえている」というアピールができます。比較検討段階のユーザーの興味や関心をより高めることができるでしょう。
商品・サービス導入後の成果
導入後の成果についてのくだりはインタビューの肝となる部分であるため、具体的に聞き出すことができれば記事の説得力が高まります。
コスト削減や時間効率のアップ、生産性の構造、売上増加など、数値的な変化を語ってもらいましょう。 数値にするのが難しい場合は、「業務にかかる時間は、感覚でこれまでの何割ぐらいになったと思われますか?」などの答えやすい形で聞いてみてください。
また、どの程度の使用期間で成果が出たかや、商品の使い心地などについても聞いておくと、潜在顧客により強くアピールができる記事を作成できます。
そのほか、導入前は予想していなかった商品の意外なメリットや、インタビュイー以外の社員から上がった好意的な声なども拾っておくとよいでしょう。
お客様の今後の目標
インタビューの最後に、お客様が今後ビジネスで取り組んでいきたいことや目標を聞いて、記事に盛り込みましょう。
導入事例の作成に協力してくれた顧客がPRできる場を設けることで、良好な関係の構築にも役立ちます。 その際、自社の商品やサービスも話に盛り込んでもらえると、なおよいでしょう。
たとえば、「サービスの導入によって生産性が向上したので、生まれた時間を活用して今後は〇〇の分野にも注力していきたいです」のように語ってもらえると、収まりのよい記事になります。
まとめ
導入事例インタビューは、自社のホームページをはじめとするさまざまな販促ツールに活用できるコンテンツです。
入念に準備をしておくことで、イメージに沿ったインタビューを行うことができますが、導入事例作成に時間や人的リソースを割けないという場合や、安心して任せられるプロに任せたいという場合は、SEデザインが提供する導入事例制作のサービスをおすすめします。
私たちSEデザインは、40年以上にわたり外資系大手IT企業のコンテンツマーケティング支援を行ってまいりました。特にIT業界の導入事例制作においては、豊富な実績と深い業界理解、そしてITに関する高度な知見を持ち合わせています。また、「お客様のお客様」と数多く接することで、顧客のペルソナを深く理解していることも私たちの大きな強みです。
豊富なマーケティングの経験やノウハウを活かし、その会社ならではの魅力的な導入事例の作成を行います。顧客が社内稟議に通す際の判断材料としても活用できる、質の高いコンテンツ制作をサポートします。