自社サイトのSEO対策を強化するためには、自社のサービスの競合サイトの分析は欠かせません。競合サイトの強みや弱みを知ることで、自社サイトの特徴や改善点が見えてくるでしょう。
この記事では、競合サイト分析の概要やメリット、競合サイトの選び方、必要な情報の種類などを解説します。
競合サイトの分析を行う目的とは
サービスサイトの構築や改善を進めていくうえで、他社との差別化をするために欠かせないのが「競合サイト分析」です。
「競合サイト分析」とは、自社サイトのライバルサイトの情報を分析することです。自社サイトに足りない点や自社の行うべき戦略の方向性が見え、Webサイトの改善だけでなくサービス製品の改良にもつながります。
また、他社の戦略やSEOの流入経路を知ることができるため、競合サイトの分析はWebサイトの改善だけでなく、競合他社に対抗したビジネス発展が期待できるでしょう。
競合サイト分析を行うメリット
競合サイト分析を行うことで得られる4つのメリットを紹介します。
メリット1. 自社の強み・発見につながる
競合サイトと自社サイトのデータと徹底的に比較することで、それぞれの強み・特徴を知ることができます。
例えば、自社のサイトと競合サイトの各々が運営するメディアを比較します。
競合サイトが提供するコンテンツの特徴を洗い出すことで、自社メディアで差別化すべき点を明らかにできます。自社サイトの強みを伸ばしていくことで、競合との差をさらに広げられるでしょう。
メリット2.自社が補うべきポイントの発見につながる
競合サイトと比較した際に発見した自社の改善点は、今後優先的に取り組むべき課題といえます。
競合サイトにあって自社サイトにないものを分析することで、自社サイトで補うべき分野や内容が発見できます。弱みや欠点を強化するために得た情報を分析することで、競合サイトよりも高い評価につなげ、自社オリジナルのコンテンツを目指しましょう。
メリット3.独自性の創出につながる
競合サイト分析をすることで、競合のマーケティング戦略を予想できるでしょう。競合サイトがどのような戦略でユーザーのニーズを満たしているのかを知ることで、自社サイトにも活かすことができます。
良いところを取り入れつつ、仮説検証を進めることで戦略の独自性につながります。
メリット4.ユーザーのニーズをリサーチできる
競合サイト分析をするうえで、ユーザーがどのようなニーズで競合サイトを利用するのかは重要な観点です。
ツールによってはユーザーの属性や年齢、性別などの細かな情報を分析できるため、積極的に活用しましょう。ターゲットを詳細に設定することで、より潜在的なニーズを発見できるはずです。
競合サイトを選ぶ方法
他社サイトのSEO対策を分析する場合、基本的に対象キーワードに対する検索上位サイトを競合とします。 このとき、誤ってリスティング広告を含めないよう注意しましょう。
対象となるキーワードは、まず提供しているサービスなど自社のテーマといえる「ビッグキーワード」を探します。
たとえば「コンテンツマーケティング」や「MAツール」などのひとつの単語がビッグワードです。検索する人が多いので、上位を取れれば流入数は伸びますが、その分狙っている企業が多いので難易度が高く、検索する意図も多岐にわたるためホットリードは取れない可能性が高いです。ただ、そのキーワードの検索結果から、競合サイトを見つけることができます。
次に「コンテンツマーケティング ツール おすすめ」のように、検索ボリュームが少なく、複数の単語を並べたものが望ましいです。これは「ロングテールキーワード」と言い、短期的には検索ボリューム数が少ない傾向にありますが、長期的に変動し続けるユーザーニーズを確保できる可能性が高いです。
サジェストキーワードや関連キーワードなども参考にし、ユーザーニーズを深堀りしたうえで探せば、より確度の高い競合サイトを見つけることができます。
競合サイトの分析でおさえるべき情報の種類
競合サイト分析求める分析データは、目的によって異なります。
SEO対策を目的として競合サイト分析を行う場合に抽出すべき5つのデータについて解説していきます。これらは、無料もしくは有料の調査ツールを使用することで調べられることがあります。参考までにご覧ください。
アクセス数
アクセス数は、どれだけのユーザー数が競合サイトに訪れているかの指標です。競合サイトのアクセス数が自社サイトと比べて極端に多い場合には、以下のような要因が考えられます。
- ユーザー層が違う
- 自社とは異なる流入経路を持っている(SNSや紙媒体など)
- 自社よりもコンテンツ数が多い
- 競合サイト独自の強みがある
自社のユーザーにおいて、SNSや検索エンジンなど自社のサイトがどの経路から訪れているかを分析することで、力を入れるべき施策を明確にできます。
流入経路
ユーザーがどの手段で競合サイトを認知したのかを知るうえで、流入経路を分析することも重要です。
オーガニック流入の場合は、先述したような検索エンジンを活用した競合サイトのチェックをすれば、どのようなサイトに自然検索から訪問しているかがわかります。
調査ツールを利用すれば、下記のような項目を調査することも可能です。
- 別サイトのリンクから流入
- ブックマークなどからの直接流入
- SNS流入
- 広告流入
競合サイトがどのような施策でターゲット層の獲得に成功しているかを分析することで、自社の施策を考える重要なヒントになるでしょう。
流入キーワード
流入キーワードは、競合サイトにアクセスしたユーザーがどのキーワードを検索してきたのかを分析します。SEO対策を目的として競合サイト分析を行うのであれば、流入キーワードの分析は徹底的に行う必要があるでしょう。
流入キーワードは、競合サイトで高い数値が出ているものと同じキーワードを狙わなければいけないというわけではありません。自社の強みを活かし、独自コンテンツを作り流入キーワードを増やしていくことが重要です。
滞在時間
滞在時間は、ユーザーが競合サイトのコンテンツに滞在した時間を表すものです。
滞在時間の長さは、ユーザーニーズを満たしているコンテンツであることを示す指標の一つです。競合サイトの滞在時間が長い場合、コンテンツ内にユーザーの興味や関心を引く要素があるといえます。
ただしコンテンツ記事の場合、必ずしも滞在時間が短いからユーザーのニーズを満たしていないとは言い切れません。キーワードによっては、少ない文字数のコンテンツが上位の記事になることもあるため、ほかの指標と比較しながら分析を進めましょう。
被リンク数
被リンク数とは、外部サイトから向けられるリンク数のことです。Googleの検索エンジンにおいて、被リンク数の多さは信頼性の担保となり、SEO対策で高い評価を受ける指標の一つです。
競合サイトに被リンク数が多い場合、コンテンツの種類や数、分類などを細かく分析し、その内容を参考にしながら自社サイトの改善を行いましょう。
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【無料版】おすすめの競合分析ツール
競合サイト分析にはさまざまな方法がありますが、無料で利用できる競合サイト分析ツール3つを紹介します。マーケティング担当者が、初めて競合サイトを実施する場合や、分析にコストをかけたくない場合におすすめです。
SEOチェキ!
「SEOチェキ!」では、サイト調査・検索順位チェックなど、SEOに役立つさまざまなツールを無料で利用できます。競合サイトのURLと、必要に応じてキーワードなどを入力すれば簡単に分析が可能です。初めて競合サイト分析を行う人でも、使いやすいツールです。
Ghostery
「Ghostery(ゴーストリー)」は、Webサイト上の広告やトラッキングを全てブロックし、サイトの読み込みの高速化を実現する無料のChrome拡張機能です。
他社サイトのトラッカー情報、検索エンジンの結果のトラッカープレビューなど競合サイトの分析に活用できます。
Page Speed Insights
「Page Speed Insights(ページスピードインサイト)」はGoogleが提供する、Webサイトのページ表示速度や評価を確認できる無料ツールです。サイトのパフォーマンスは採点形式で表示されるため、わかりやすいのが特徴です。また、サイトの表示速度を上げるために改善できる項目も表示されるため、分析結果を参考に自社サイトの改善ができます。
【有料版】おすすめの競合分析ツール
無料版の分析ツールでは必要な情報が得られない場合や、情報量が物足りない場合があります。ここでは、有料版の競合分析ツールについて紹介します。
Gyro-n
「Gyro-n(ジャイロン)」株式会社ユニヴァ・ジャイロンが運営しているWebサイト改善ツールです。
ユーザーの流入であるSEO対策、MEO対策から離脱を防ぐEFO対策まで行い、コンバージョンへ結びつけることができます。検索順位のチェックや競合サイトの順位状況、SEO評価の内部診断など多岐にわたります。
ご利用料金はお問い合わせが基本ですが、Gyro-n EFOに限って無料トライアルで利用することも可能です。
SEMrush
「SEMrush(セムラッシュ)」はSemrush inc.が運営している、競合調査からレポート作成に必要なGoogleツールの連携まで、マーケティングに関わる業務をサポートする一つのツールです。
競合調査が充実しており、WebサイトのテクニカルSEO、コンテンツ、広告、SNSなど幅広く分析できるのが特徴です。
月額約119ドルから利用できる3つの有料プランのほか、14日間の無料トライアルもあるので、まずは試しに無料で利用してみるとよいでしょう。
similar web
「similar web(シミラーウェブ)」は株式会社Similar web が運営する、日本語にも対応している総合マーケティング分析ツールです。その中でもデジタルマーケティングインテリジェンスでは、アクセス概要、訪問前後のサイト、検索トラフィック、ソーシャルトレフィック、ディスプレイ広告、訪問ユーザーなど、競合サイト分析方法が充実しています。
有料版ではさまざまなニーズに適した柔軟なプランが用意されているほか、無料版も利用可能です。
Keywordmap
「Keywordmap(キーワードマップ)」は、株式会社CINCが運営している競合分析ツールです。基本的なSEO分析、コンテンツ設計やリスティング広告の分析、ユーザーニーズ調査など幅広く利用できます。
規模や要望に応じて、ライト、スタンダード、エキスパートの3つからプランを選べます。費用に関しては問い合わせが必要ですが、7日間の無料体験利用が可能です。
Ahrefs
「Ahrefs(エイチレフス)」はAhrefs社が提供している、被リンク数やキーワード調査を重点的に分析できるツールです。世界60万人に導入されており、競合サイトの被リンクや想定流入キーワードのほか、上位表示コンテンツ、SNSの反応なども把握できます。
プランは4つで月額約99ドル〜利用可能ですが、年額支払いの場合は2カ月分が無料となります。
GRC
「GRC」はSEOツールラボが運営するSEOキーワードの順位分析に特化したツールです。
自社や競合も関係なく調査ができ、分析データは蓄積されグラフにして見ることもできます。視覚的に分析結果を理解しやすいため、初めて競合サイト分析を行う方にもおすすめです。
GRCは無料版と有料版がありますが、無料版には登録できるサイト項目に制限があります。有料プランは5つあり、月額495円から利用可能です。
競合サイト分析を効果的に活用しよう
競合サイト分析では、目的に応じて必要な情報を選び取り、データを読み解く必要があります。単純に数値を見るだけでなく、そこから自社の補うべき点や競合サイトから学ぶ点を導き出し、自社サイトの改善に努めましょう。
競合サイト分析は、あくまで自社サイトをより効率的かつ効果的に運営するための手段に過ぎません。あまりに競合を意識し過ぎて、コピーサイトになってしまっては意味がありません。
競合サイト分析を通じて、ユーザーが求める情報を提供できる自社サイトにしていきましょう。
SEデザインでは、SEO記事制作やオウンドメディアの構築をはじめとしたコンテンツマーケティング支援を行っており、出版社を前身に持つ編集力・企画力が強みです。集客やリード育成にお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。