営業のパイプライン管理とは? メリットや効果的に行うポイントを解説

公開日:2022-09-02 更新日:2022-10-14 by SEデザイン編集部

目次

20220827thumbnail_blog_word_03営業活動のフローを分かりやすく管理し、より効率的に行うためのマネジメント手法をパイプライン管理と呼びます。パイプライン管理は、今まで不透明だった営業活動を見える化することで、分析や改善ができると注目を集めています。 一方でパイプライン管理のことや、管理方法が分からない方も少なくないでしょう。パイプライン管理という用語の意味とメリット、行う際のポイントなどをご紹介します。

パイプライン管理とは

営業のパイプラインとは、営業活動で行う一連のフロー内容を指します。一般的な流れは、「アポイント獲得→初回商談・ヒアリング→提案→見積り・クロージング→受注」です。 パイプライン管理は、営業プロセスを可視化する役割を果たします。

別々に管理している各プロセスをひとつの流れで捉えて、指標に基づく分析・管理で、課題点や改善点を見つけやすくします。パイプライン管理を利用するのは、営業活動の効率化を図ることが目的です。

また、営業担当者が目標やモチベーションを持続して、目標を達成し続けるために活用される営業マネジメント手法でもあります。 そのため、各プロセスを具体的な数字で管理できるため、主観に頼らず客観的に状況の把握ができます。

パイプライン管理は、Excelやツールを使って管理します。ただしエクセルだと、リアルタイムで情報の共有ができません。パイプライン管理では、リアルタイムに情報共有ができるツールを利用するのがおすすめです。

パイプライン管理が注目される理由

営業部門が売上を上げ続けるためには、できる限り無駄を省く業務効率化や入社歴や経験歴の能力差をなくし、均一なパフォーマンスを出し続けられる環境が理想です。

しかし、多くの営業管理職が抱える悩みとして、それぞれの営業スタッフによって能力の差があり、営業チーム全体の営業力を底上げするのは難しいということです。 さらに、営業チーム全体の課題が不透明なので、目標を達成するための適切な施策を実施するのが難しくもあります。

そこで、営業チーム全体の課題を解決する方法として、パイプライン管理が注目されています。営業活動の質と量の管理をすると、「どのようなアプローチ(=質)」を、「どのくらいの頻度でどの程度(=量)」行えるかの管理が可能です。営業の効率化を図ることができ、より効率的に営業活動ができるとして、パイプライン管理が注目されています。

パイプライン管理を行うメリット

pipeline-management2パイプライン管理の活用は、営業活動の業務以外にもマーケティングにも活かせるのもメリットです。ここでは、パイプライン管理を活用することで得られる利点を見ていきましょう。

営業活動における課題を可視化できる

パイプライン管理は、営業活動をする上で発生した課題を可視化できるのが最大のメリットです。
従来の営業活動では、営業スタッフの活動や途中経過が不透明なのが大きな問題点です。失注した場合も、どのフェーズで何が理由で失注しているのかが把握できません。

一方、パイプライン管理を活用することで、案件の失注ポイントが明確になるため、どこに課題があるのかが分かりやすくなります。営業課題の分析をし、改善策を考えることで、受注できる確率を高められるでしょう。

個人やチームの営業目標管理がしやすくなる

パイプライン管理で数値を見える化することで、案件の透明性が高まるため、受注率など営業目標の予測や管理ができるのがメリットです。全ての案件が数値で分かるので、商談の進行状況まで見え、営業マネージャーの立場でも管理がしやすくなります。

各営業スタッフの強化すべき部分を、マネージャーがアドバイスしやすくなる効果も見込めるでしょう。 商談を始めてから受注獲得までの期間が明確になるので、将来的な売り上げの予測がしやすくなる効果も期待できます。各プロセスでの受注確率も見える化できるため、取り組んでいる案件が受注できるまでの期間を把握することも可能です。

また営業目標の予測がすぐに難しい場合でも、早期に対策することで、中・長期的な受注見込みが管理しやすくなるのも、パイプライン管理の特長です。

マーケティングに活かせる

施策ごとの営業プロセスにパイプライン管理を活用することで、チャンネルごとの成約を把握しやすくなります。
従来の方法では、受注に至っても流入経路がはっきりせず、どの流入経路から入ってきた案件が受注に至ったのか分かりませんでした。 一方で、パイプライン管理を活用すると、チャンネルごとの成約が分かります。チャンネルごとのアプローチの仕方が分かるので、注力すべき部分を明確にすることが可能です。

費用対効果が高いチャンネルにはリソースを投じ、費用対効果が低いチャンネルには分析・改善などの対策を講じることが可能となります。結果として、企業全体の営業活動の効率化や成約を伸ばすことにつながるでしょう。

パイプライン管理を行うポイント

パイプライン管理を行い、成果を出すためには、管理方法を理解しておく必要があります。各プロセスの定義と達成条件を明確にし、失注の理由を分析した上で、仮説を立てていきましょう。 ここでは、パイプライン管理を行う際に、重要なポイントをご紹介します。

各プロセスの定義と達成の条件を明確にする

パイプライン管理は、営業プロセスごとに分解して、時系列に沿って状況を把握します。ヒアリングと初回訪問のプロセスは、同じ訪問でも明確には違うものだと理解しておきましょう。

プロセスにより達成の条件も異なります。 営業チーム全体で、各プロセスの「定義」・「達成」の判断条件を明確にすることが大切です。営業チーム全体で共有ができていないと、収集するデータがあいまいになります。条件が明確にすることで、理解の差異などが生じる事態を避けることができます。

たとえばヒアリングの場合だと、「特定の5つの質問の回答を得て、〇〇部長に提出すればヒアリングのプロセスはクリア」などのクリア条件を設定可能です。誰もが誤解しないように、できるだけ具体的な数字や個人名などを設定するのがコツです。

失注の理由を細かく分析しデータの仮説を立てる

失注に関しては、営業課題の分析やPDCAを回すなどして、データの仮説を立てることが大切です。失注など営業課題の分析と、データ分析とPDCAを回す方法をご紹介します。

失注など営業課題の分析

パイプライン管理のデータが蓄積されたら、営業プロセスごとに課題の分析を行うのが効果的です。
各プロセスの数値を確認して、原因となるプロセスを特定し、失注理由を明確にします。また営業課題の分析は、特定の人だけで行うだけでなく、営業チーム全員で確認することがおすすめです。全員で行うことで、チーム全体の方向性を合わせられ、営業活動の改善につながります。

データを分析しPDCAを回す

営業課題の理由を把握したら、なぜそのプロセスで失注が多いかの原因についても仮説を立てます。ボトルネックや原因の仮説を立てたら、細かく分析していくことが重要です。営業課題を分析・改善したら確認をして、また改善を行ってという一連の流れ「PDCAサイクル」を繰り返し回しましょう。

PDCAサイクルとは、計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Act)のプロセスを循環させながら、継続的に生産性の向上を図るための考え方のことです。 PDCAサイクルに当てはめてみると、営業課題の分析・改善策を立てる→計画を実行する→確認して改善を行うのを繰り返します。

PDCAサイクルを回すことで、営業活動を効率的にできます。さらに、PDCAサイクルを繰り返し回すにつれて、根拠をもった仮説が立てられるようになるので、より高い効果が得られるでしょう。

リアルタイムの情報共有を徹底する

パイプライン管理は、営業ごとのリアルタイムの情報を共有することで一層効果を発揮します。営業活動は日々状況が変化するため、すばやく正しい情報を把握することで、結果を出すために必要な管理が可能です。

リアルタイムでの共有は、社内の他の人間も分かりやすくなります。パイプライン管理の効果を最大限に得るためには、営業チーム全体でのリアルタイムの情報共有を徹底することを重視しましょう。

管理ツールを利用するなら、リアルタイム性の高いツールを使うのがおすすめです。エクセルのようなリアルタイム性の低いものではなく、複数名での共同編集やスマホからの編集ができたり、編集内容がすぐにグラフに反映したりするツールが便利です。

営業の負担が大きくなりすぎないようにする

パイプライン管理は、継続して記録を続けることで効果を発揮させることが出来ます。
そのため、営業スタッフの負担が大きくならないように、注意する必要があります。入力項目が多かったり、項目が細かすぎたりなどすると、入力が煩雑となり、正確に入力されない場合も考えられます。

入力を簡潔にするためにも、項目は細かくしすぎないのが重要です。また項目が多すぎると、データの分析も難しくなります。パイプライン管理は、問題の所在を把握することが大事なため、項目は必要なものだけを適宜決定しましょう。客観的かつ全体像が捉えられる程度で問題ありません。

また、入力画面が分かりやすく、営業訪問の合間にも、入力や管理ができるようなツールを選ぶのがおすすめです。パイプライン管理で重要なのは、正確なデータの蓄積です。

まとめ

pipeline-management3営業活動にパイプライン管理を導入することで、課題の可視化や営業目標管理のしやすさなどのメリットが得られます。一方でパイプライン管理をするには、今までになかった業務が新たに発生するため、負担が大きくなる可能性があります。

効率良くパイプライン管理を行うには、ツールを導入するのがおすすめです。

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