検索ボリュームとは、「Google」や「Yahoo!」などの検索エンジンにおいて、ユーザーが特定のキーワードを1ヶ月間に検索する平均的な回数を示したものです。
Webサイトを運営する際には、Webサイトのフェーズに適した検索ボリュームのキーワードを選定し、コンテンツ制作を進める必要があります。
本記事では、検索ボリュームの調べ方や目安となる数値、おすすめのツールについてご紹介します。
【SEO対策】検索ボリュームとは
検索ボリュームとは、「Google」「Yahoo!」「Bing」などの検索エンジンにおいて、特定のキーワードが1ヶ月間にどれだけ表示されたかを示すものです。
月間検索ボリュームの大きなキーワードで検索結果の上位に表示させることができれば、次のような効果を得られるでしょう。
- より多くのアクセスを獲得しやすくなる
- CVにつながる可能性が高まる
- コンテンツの制作の方向性が決めやすくなる
ニーズの有無やトレンドをふまえてコンテンツを制作しやすくなるため、Webサイトの運営には必須の要素だといえます。
【無料あり】検索ボリュームの調べ方とおすすめのツール
ここでは、検索ボリュームの調査の具体的な調べ方とおすすめのツールについて紹介します。ツールを活用することで検索ボリュームが確認できるだけでなく、月間検索ボリュームの推移や競合サイトの施策、自社サイトの改善点を把握できるため、積極的に活用しましょう。
Googleキーワードプランナー
Googleキーワードプランナーは、Google広告を運用するためのツールですが、キーワード選定や検索ボリュームの調査に活用している企業も多くあります。
Googleキーワードプランナーの魅力は、Googleの莫大な検索データに基づいた情報を得られる点です。一部の機能は、登録すれば無料で使えるので、費用を抑えつつ、効果的なキーワード選定を行いたい方におすすめです。
費用 |
一部の機能が無料 |
公式サイト |
https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/ |
運営会社 |
グーグル合同会社 |
Googleキーワードプランナーの導入方法や使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。キーワードを見つけるためのポイントなども紹介しています。
キーワードプランナーに関する記事
ここでは、検索ボリュームの調べ方を簡単に説明します。
- キーワードプランナーを表示する
- 「検索のボリュームと予測のデータを確認する」を選択
- 検索窓に任意のキーワードを入力し、「開始する」をクリック
- 検索ボリュームが表示される
Ubersuggest
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)は、毎月の月間ボリュームや競合サイトのデータを表示するSEOツールです。無料のchrome拡張機能でも利用可能です。
特定のキーワードのほか、関連サジェストにおける月間ボリュームや難易度もチェックできます。
Ubersuggestは、有料版と無料版が提供されています。無料版は検索回数に制限があり、推移が一定期間のみの表示となっているため、本格的に導入したい方は有料版を検討しましょう。有料版には、以下の通り3つのプランがあります。
費用 |
パーソナル:月額 2,999 円 ビジネス:月額 4,999 円 エンタープライズ:月額 9,999 円 |
公式サイト |
|
運営会社 |
NEILPATEL社 |
Ubersuggestによる検索ボリュームの調べ方の手順は、次の通りです。
- Ubersuggest公式サイトを開き、検索窓にキーワードを入力
- 月間ボリュームが表示される
- キーワード候補の月間ボリュームも確認可能
aramakijake.jp
aramakijake.jpは、検索ボリューム別の検索数の調査や競合検索数の予測もできるツールです。
たとえば、競合サイトのURLとキーワードを入力し、「Check!」をクリックすれば、競合サイトがどのキーワードで月間どれくらいの流入を獲得しているのかを把握できます。
シンプルなデザインで使いやすいため、「新しいツールの導入に抵抗がある」「Web上での操作が苦手」という方におすすめです。
費用 |
完全無料 |
公式サイト |
|
運営会社 |
株式会社ディーボ |
aramakijake.jpを使用した検索ボリュームの調べ方は次の通りです。
- aramakijake.jp公式サイトを開いて、検索窓にキーワードを入力
- 検索ボリュームを確認する
ruri-co
ruri-co(るりこ)は、サジェストキーワードや検索ボリュームを確認できるツールです。気になるキーワードを検索窓に入力すれば、下記の情報を入手できます。
- 検索結果の類似率
- 順位獲得状況
- タイトルへのキーワード使用状況
- 検索結果
競合サイトがどのキーワードで上位表示されているのかをすぐに把握できます。
費用 |
完全無料 |
公式サイト |
|
運営会社 |
CROCO株式会社 |
ruri-coを使用した検索ボリュームの調べ方は次の通りです。
- ruri-co公式サイトを開いて、検索窓にキーワードを入力し「調査」をクリック
- 利用規約を確認し、問題なければ「OK」をクリック
- 検索ボリュームを確認する
Ahrefs
Ahrefs(エイチレフス)は、世界で60万人が導入しているSEO分析ツールです。
月額12,500円(税込)から利用でき、検索エンジンの上位表示コンテンツや想定流入キーワード、ソーシャルメディアの反応なども把握できます。自社サイトの改善点や競合サイトの施策を見つけられる点も特徴です。
Ahrefsを活用すれば競合サイトの調査を実施や流入が見込めるキーワードの選定なども行いやすくなるため、効果的にコンテンツを追加できるでしょう。
費用 |
月額12,500円〜 |
公式サイト |
|
運営会社 |
株式会社フルスピード |
Ahrefsを使用した検索ボリュームの調べ方は次の通りです。
- Ahrefsにログイン
- 上部のメニューから「Keywords Explorer」を選択
- 任意のキーワードを入力し、「検索」をクリック
- 検索ボリュームが表示される
Ahrefsの使い方について、詳しくは以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。
Ahrefsに関する記事
【キーワード選定向け】検索ボリュームの調べ方3ステップ
各ツールでの調べ方について紹介しましたが、実際どのようにしてキーワードを決めるとよいのでしょうか。検索ボリュームを調べる際、以下の3ステップを踏みます。
- メインキーワードを選定する
- 複合キーワードをリストアップする
- 検索ボリュームを調査する
1.メインキーワードを選定する
はじめにWebサイト全体のテーマを決め、メインキーワードの選定を行います。
たとえば、通信系ジャンルのWebサイトを運営するなら「光回線」または「WiFi」などがメインキーワードとなるでしょう。金融系であれば「クレジットカード」あるいは「カードローン」、転職ジャンルなら「転職エージェント」などをメインキーワードとします。
メインキーワードは、検索エンジンで競合が多いビッグキーワードであるため、サイト立ち上げ当初から上位表示を狙うことは難しいでしょう。
しかし、メインキーワードを軸にした複合キーワードであれば、上位表示の獲得数を増やしていきやすいといえます。
2.複合キーワードをリストアップする
メインキーワードを軸として、複合キーワードをリストアップしていきましょう。
たとえば、無料のキーワードリサーチツール「ラッコキーワード」を使用した場合は次のように、複合キーワードや関連キーワードの一覧表を作成します。
検索窓にビッグキーワードを入力し、[Enter]または、虫眼鏡のアイコンをクリックします。
結果が表示されたら、右上の「全キーワードコピー(重複除去)」をクリックしてください。
隣のボタンから、CSV形式で全キーワードをダウンロードすることも可能です。
3.検索ボリュームを調査する
続いて、Googleが提供するツール「Googleキーワードプランナー」を使用し、先ほどラッコキーワードでコピーしたキーワードの検索ボリュームを調査します。
まず、Googleキーワードプランナーを開き、「検索のボリュームと予測のデータを確認する」を選択します。
検索窓にラッコキーワードでコピーしたキーワードを貼り付けて、「開始する」をクリックします。
結果が表示されたら、右上の「ダウンロードアイコン」をクリックしてください。
選択肢が4つありますが、「過去のプラン指標」の「CSV」か「Googleスプレッドシート」のいずれかを選択します。
Googleスプレッドシートの場合は、下記のように表示されます。
「Avg. monthly searches」と記載されている列が月間検索ボリュームです。
なお、列を黄色で示している「Competition」は日本語で「競争」を意味し、「低・中・高」の3段階で難易度が示されています。
検索ボリュームに応じたキーワードの選定方法
キーワードの選定は、Webサイトの成長段階に合わせて行うことが重要です。ビッグキーワードは大手サイトが競合になるため、小〜中規模なサイトを運営している場合は、ロングテールキーワードやミドルキーワードから戦略的にコンテンツ制作を進めましょう。
また、基本的にWebサイトは、下図のように「ピラミッド構造」で作られており、下層部の「スモールキーワード」を量産し、リンクを挿入して中層部の「ミドルキーワード」へと促します。
そして、中層部の「ミドルキーワード」から上層部の「ビッグキーワード」へと上下関係をつなげることで、検索エンジンのクローラーが構造を理解しやすくなるため、全体の評価アップが期待可能です。
月間の平均検索ボリュームに明確な定義はありませんが、下記の数値を参考にしましょう。
呼称 |
検索ボリューム目安 |
フェーズ |
詳細 |
ビッグキーワード |
1万回以上 |
ミドルキーワードで上位表示が増えてきたとき |
・合計記事数が150記事以上 ・月2万PV以上 |
ミドルキーワード |
1,000〜1万回未満 |
アクセスが増えてきたとき |
・合計記事数が100〜150件未満 ・月5,000〜2万PV程度 |
スモールキーワード |
100〜1,000回未満 |
サイトを立ち上げてすぐ |
・合計記事数が100記事未満 ・検索流入はほとんどない |
サイトを立ち上げてすぐ:スモールキーワードを優先
Webサイトを立ち上げてすぐの段階では、100〜1,000回ほどの月間検索ボリュームのキーワードを個別記事ページで対策しましょう。
Webサイトの運営開始時期は、アクセス数ゼロの状態が続き、基本的に検索エンジンのクローラーが巡回しにくい傾向にあるといえます。
また、ビッグキーワードやミドルキーワードのコンテンツを制作しても、上場企業や運営歴の長いサイトを上回るのは難しいため、スモールキーワードを優先的に作成することを推奨します。
たとえば、「転職 30代 女性 スキルなし」「転職 30代 女性 子持ち」などのキーワードでコンテンツを制作し、徐々にアクセス数を増やして、サイト全体のパワーを高めていくという考え方が大切です。
アクセスが増えてきたとき:ミドルキーワードに挑戦
ロングテールキーワードで制作した記事にアクセスが集まってきたタイミングでは、約1,000〜1万の検索ボリュームがある「ミドルキーワード」に挑戦しましょう。
ビッグキーワードほど難易度は高くないものの、ジャンルによっては一定の競争が生じます。
例を挙げると、「転職 年末調整」などがミドルキーワードにあたります。記事数が100〜150記事、月間PV数は5,000〜2万PVほどあり、サイトの評価が高ければ、上位表示を狙えるでしょう。
ミドルキーワードで上位表示が増えてきたとき:ビッグキーワードに挑戦
ミドルキーワードで上位表示が増えてきたタイミングでは、最終フェーズとしてビッグキーワードでコンテンツを制作します。月間検索ボリュームが1万回以上あるビッグキーワードは、競合サイトも上位表示を目的としているため、難易度が非常に高い点が特徴です。
難易度は高いものの、上位表示を獲得できれば大量の流入が見込まれるため、サイト運営における問い合わせ件数や成約率の向上などといった本来の目的を果たすことができるでしょう。
たとえば、転職ジャンルなら「転職 エージェント」「転職 サイト おすすめ」、金融ジャンルであれば「おすすめ クレジット カード」「学生 クレジット カード」などが挙げられます。
検索ボリュームを確認する際の選定ポイント
検索ボリュームだけを重視したコンテンツ制作では、失敗するリスクがあります。
検索エンジンの上位表示を獲得できたとしても「成約率が低い」「時期的な問題で検索数が一気に減ってしまった」という失敗事例も少なくありません。
ここでは、キーワードを選定する際のポイントについてみていきましょう。
自社のビジネスとの関連性の高いキーワードを選定する
自社のビジネスとの関連性を重視してキーワード選定をしましょう。
たとえば、パソコンの修理業者が修理の依頼を受けたい場合に、「パソコン 選び方」「パソコン 最新モデル」といったキーワードを選定していると、成約につながりにくいでしょう。
「なぜユーザーはこのキーワードを検索したのか」といった検索意図を常に問い、自社のサービスや製品に興味を持つユーザーに向けたコンテンツを制作することも大切です。
季節や時期的要因も踏まえて検討する
トレンドとなる言葉や季節が大きく関与するキーワードを選定する場合は、注意が必要です。
企業のサービスや製品によっては、一時的なアクセスを狙う場合もあります。しかし、年間を通して長くサイトを運営するには、季節や時期的要因も考慮し、キーワード選定から言葉選びまで考慮しましょう。
まとめ:ツールを活用して検索ボリュームを調べよう
検索ボリュームとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、ユーザーが1ヶ月間に特定キーワードを検索した回数を示す数値です。検索ボリュームが大きいほど、多くのユーザーの関心度が高く、上位表示されることで流入数も大幅にアップするといえます。
しかし、競合サイトもビッグキーワードでの上位表示を狙うことから、難易度が高くなります。Webサイトのフェーズに合わせて、適切な検索ボリュームのキーワードを選定し、その都度、戦略を構築しましょう。
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