スケジュールやタスクを効率的に管理できるツール「Trello」。ガントチャートを使うことでタスク管理作業の無駄を減らすことができ、世界中で多くの人に利用されています。
当記事ではTrelloの概要やガントチャートを作成するメリット、導入方法などを解説します。
Trelloとは何?
Trello(トレロ)とは、無料のタスク管理ツールです。2011年に開発され、日本ではその5年後の2016年にサービスがスタートしました。
Trelloは無料でありながら、タスク管理だけではなくToDoやスケジュール管理までも行えるマルチツールで、日本でも多くの企業やフリーランスなどが使用しています。利便性、操作性のいずれも高いことから、そのユーザー数は世界で2,000万人以上にのぼります。
Trelloでガントチャートを作成する3つのメリット
Trelloでガントチャートを作成するおもなメリットには、「タスクの期限を時系列で確認できる」「ツールを集約できる」「Trelloの内容を自動で反映できる」の3つがあります。それぞれどのような特徴があるのかを見ていきましょう。
タスクの期限を時系列で確認できる
タスク期限の設定はTrello単体でも行えますが、時系列による設定はできません。しかし、ガントチャートを作成すれば時系列による設定も行えるため、プロジェクトメンバーが多い場合の進捗管理で便利に利用できます。
視覚的にスケジュールやタスクの期限を把握できるので、プロジェクト管理が煩雑で困難な場合の解決策にもなるでしょう。
ツールを集約できる
さまざまなツールを集約できる点も見逃せません。Trelloでガントチャートを作成すればタスク管理とガントチャートを1つにまとめられます。従来のようにツールを分ける必要がなく、管理コストや新しいツールを覚えるための学習コストを必要としません。
Trelloをすでに導入しているという場合にはすぐに利用を開始できるため、ぜひ利用を検討してみてください。
Trelloの内容を自動で反映できる
Trelloの内容をガントチャートに自動反映できる点もメリットの一つです。Trelloとガントチャートを連携しておくと、スケジュール追加や変更などの内容が自動的にガントチャートに反映されます。
Trelloの操作だけで追加や変更も完結するため、ツールごとに打ち込む手間が減るだけでなく、情報の誤入力を防ぐことにもつながるでしょう。
Trelloにおけるガントチャートの導入ステップ
Trelloにおけるガントチャートの導入は、3ステップで完了です。ここでは、各ステップにおけるそれぞれの操作内容について紹介します。
1. Google Chromeを起動
まずはGoogle Chromeを起動します。最初にGoogle Chromeを起動する理由は、Trelloで利用するプラグインがGoogle Chromeの拡張機能だからです。
この拡張機能はIE(Internet explorer)やFirefoxでは利用できません。普段Google Chromeを利用していない場合には、ブラウザを変更する必要があります。Google Chromeをインストールしていない場合は、インストール作業から開始してください。
2. Elegantt for Trelloの追加
Elegantt for Trelloとは、Trelloでガントチャートを作成するために必要なGoogle Chromeのプラグインのことです。
Trello単体だけではガントチャート作成ができないため、Elegantt for TrelloをGoogle Chromeに追加する必要があります。
【拡張機能にElegantt for Trelloを追加する方法】
- Chromeウェブストアにアクセスし、Elegantt for Trelloと検索してください。
- 検索結果からElegantt for Trelloを選択し、「Chromeに追加」から「拡張機能を追加」ボタンを押します。
3. Trelloのボードにアクセス
最後にTrelloのボードにアクセスします。
タスクカードの上部にある「Elegantt」をクリックしましょう。クリックすると「アカウントを利用することを許可しますか?」と表示されるため、「許可」を選択して連携させてください。反映されるとガントチャートの作成・利用ができるようになります。
Elegantt for Trelloの設定ステップ
Elegantt for Trelloの設定は「新しいボードを作成」「リストを追加する」「新たなカードを追加」「ガントチャートの生成」の4ステップで完了します。
それぞれのステップで必要な作業を詳しく見ていきましょう。
1. 新しいボードを作成
最初の設定ステップは「新しいボードの作成」です。
- 1. ホーム画面左上にあるボードリストから「新しいボードを作成」を選択してください。
- 2. ボードのタイトルや背景などの詳細を設定すると新しいボードが立ち上がります。
管理するプロジェクトが膨大な場合には、プロジェクトごとにボードを作成するとより効率よく管理できるでしょう。
2. リストを追加する
次のステップは「リストを追加する」です。
- ボードの左端に表示にされている「リスト追加」をクリックしてください。
- リスト作成画面表示後、必須項目の設定を行えばリストの追加が完了です。
リストはタスクに表示され、プロジェクトや担当者ごとに分けるなどさまざまな活用方法があります。案件の進捗管理に用いる場合は、「作業中」「完了」「保留」といったステータス名にするとよいでしょう。
3. 新たなカードを追加
次はリストに「新たなカードを追加」します。リストの下にある「カード追加」をクリックするとカード作成画面が表示され、新たなカードの作成が可能です。
カードの名称がそのままタスク名として反映されるため、誰が見ても分かりやすい名称に設定すると管理しやすいでしょう。カード追加によってタスクが細分化されれば全体の進捗も追いやすくなり、タスク管理が効率化します。
4. ガントチャートの生成
ここまでのタスク設定を完了したら、最後に「ガントチャートの生成」を行います。画面上部にある「Elegantt」をクリックすると、ボード内にガントチャートが生成されます。
縦がタスク、横が時系列で表示されており、ガントチャート上でドラッグ&ドロップするだけの簡単操作でタスク期間の操作が可能です。再度「Elegantt」をクリックするとガントチャートが終了します。
Trelloのガントチャートにある4つの基本機能
Trelloには基本的な機能として、「ラベルによるタスクの色分け」「自動計算による進捗率の管理」「タスクの詳細設定」「月や週などの表示単位の変更」といった4つの機能が備わっています。チームを取り巻く環境やプロジェクトの状況に合わせて上手に活用すれば、タスク管理の効率化を図ることができるでしょう。
ここでは、それぞれの機能について詳しく説明します。
ラベルによるタスクの色分け
基本機能の1つに「ラベルによるタスクの色分け」があります。
タスクの色分けはさまざまなことに活用できますが、なかでも作業分類や作業者ごとにタスクを色分けすると、状況を視覚的に把握しやすくなるのでおすすめです。色分けすることでタスクの状態を瞬時に判断でき、これまで随時確認していた内容を色のみで判断できます。
ラベルはボード右上のボードメニューを表示から 「 もっと見る→ラベル」か、各タスクの詳細画面の「ラベル」で編集できます。
企業で利用する場合には、色分けに関するルールを設けることでより綿密なタスク管理が実現でき、タスクのやり残しや割り振り漏れなどの防止にも役立つでしょう。
自動計算による進捗率の管理
進捗率を自動計算によって管理することも可能です。この機能では進捗状況を数値化してくれるため、具体的な判断材料や基準として利用できます。
チャート上の詳細画面にある「PROGRESS」という項目で設定が可能です。進捗率は0~100%で10%ずつ表示されます。
ただし、実際の進捗率とは多少のズレが生じるため、数値だけで判断せずにあくまでも目安として活用するとよいでしょう。左から右へタスクを移動するだけで進捗率が更新されるので、各担当者が毎回進捗を入力する手間を省くことができます。
タスクの詳細設定
タスクの詳細設定も便利な基本機能の一つです。チャート上にあるタスクバーをクリックすると、ボップアップ内にタスクの詳細設定が表示されます。
タスクの詳細設定においては以下のような設定が可能ですので、それぞれの項目を必要に応じて使い分けましょう。
- PROGRESS(進捗率)
- PLANNED DATE(予定)
- LEAD(推進者)
- VISIBLE(表示)
「PROGRESS(進捗率)」は上述のとおり、タスクの進捗の進度を表す項目です。チャート上で直接ゲージを伸ばして手動設定することも可能です。
「PLANNED DATE(予定)」ではタスクの期間を設定できます。こちらもチャート上で直接ドラッグ&ドロップして設定することもできます。
「LEAD(推進者)」はタスク担当者の表示、「VISIBLE(表示)」はガントチャート上でのタスク表の有無を設定する項目です。
月や週などの表示単位の変更
月や週、日といった表示単位の変更も可能です。ガントチャート画面の右上にある「表示単位」をクリックすると「日単位」「週単位」「月単位」が表示されます。そこで任意の単位を選択すると、簡単に表示を変更できます。また、チャート全体を確認したいという場合には、「Project」をクリックすると全体の把握ができるため活用してみてください。
Trelloにはこのほかにもさまざまな機能があります。状況や目的に合わせて独自の使い方を模索してみましょう。
Trelloのガントチャートでタスク管理を効率化
Trelloのガントチャートはタスク管理を効率化し、管理業務におけるミスを防ぐための便利なツールです。
Trello単体ではガントチャートを利用できませんが、Google Chromeの拡張機能であるElegantt for Trelloを追加することで簡単にガントチャートを利用できます。3ステップで簡単に導入でき、導入後も複雑な操作を必要としないため、初めてガントチャートを利用する方にもおすすめです。
また、時系列でのタスク期限の確認やツールの集約、内容の自動反映といったTrelloのガントチャート独自の特徴は、これまでほかのガントチャートを使用していた方にとってもメリットとなるかもしれません。
煩雑なタスク管理に時間や手間を取られている方や、管理業務の効率化を図りたい方は、ぜひこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。