CMSとは?活用のメリット・デメリットや種類をわかりやすく解説

公開日:2023-08-09 更新日:2023-08-24 by SEデザイン編集部

目次

CMSは、企業がオウンドメディアを運用・管理するためのシステムです。コンテンツマーケティングが盛んに行われる現在においては、ますます重要度が上がっているツールといえます。

しかし、CMSには多様な製品が存在するため、「どれを選べばよいのかわからない」という方もいるでしょう。

そこで今回はCMSの概要やメリット、デメリットに加え、具体的なシステムの種類を紹介します。CMSに関する理解を深めたいとお考えの方は、ぜひお役立てください。

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)とは?

CMSとは「コンテンツ・マネジメント・システム」の略称です。直訳すると「(Webサイトの)構成要素を一括で運用するシステム」といえます。

CMSを導入することで、Webサイトの専門的な知識を持たない人でも、新規ページの作成や既存ページの更新が可能です。企業組織のコンテンツマーケティングにおいては、便利なツールでしょう。

CMSの代表的な機能

一般的に、CMSは以下のような機能が備わっています。

機能

説明

コンテンツ作成・編集

テキストの入力、編集、書式設定などが可能

メディア管理

画像、動画、PDFファイルなどのメディアコンテンツの管理機能。ファイルのアップロード、削除、リサイズなどが可能

ユーザー管理

CMSを使用するユーザーの管理機能。アクセス権限の設定や、ユーザーごとの役割の割り当てなどが可能

テンプレート管理

サイトの見た目を決めるテンプレートの管理機能。多くのCMSでは、さまざまなデザインのテンプレートを選択できる

ページ管理

Webサイト内の各ページの管理を行う機能。ページの追加、削除、編集などが可能。ページの階層構造や、ページ間のリンクなども管理できる

SEO対策機能

SEO(検索エンジン最適化)をサポートする機能。メタタグの設定、URLの最適化、XMLサイトマップの生成などを行える

細かい機能は製品や利用プランによって異なります。そのため、導入する製品選びの際には、「自社のCMSの導入目的にあった機能」を持つツールを選択しましょう

CMSの導入しているサイト/していないサイトの違い

CMSを利用しているサイトとCMSを利用していないサイトの違いを説明している画像CMSを利用しているサイトでは、コンテンツの投稿やサイトのデザイン変更も、プログラミングの知識なしに実現できます。画像のアップロードやアイキャッチの設定、ページタイトル、メタディスクリプションの設定なども、直感的に操作可能です。

一方で、CMSを利用せず、ゼロから開発しているサイトでは、ページごとにデザインが大きく変わるサイトなど、自由にレイアウトや構成を作ることができます。一般的には、HTMLやCSS、PHPなどプログラミング言語を使って構築されているため、専門的な知識が必要です。

CMS導入のメリット

企業のコンテンツマーケティングでCMSを導入するメリットは、以下のとおりです。

  • 専門知識がなくてもWebサイトの追加・更新ができる
  • Webサイトのページ更新を分業・内製化できる
  • スマホ・PCのマルチデバイスに対応できる

次項より、個別にみていきましょう。

専門知識がなくてもWebサイトの追加・更新ができる

CMSを導入することで、ブロックエディタなど簡単に編集が可能であることを示す画像CMSを導入すると、システムデータベースに保存されているテキストデータを編集するだけでWebサイトの更新が可能となります。

HTMLに関する知識も、制作会社への依頼も必要ありません。社内で更新・追加を完結できるようになれば、コストや工数の削減が見込めるでしょう。

ユーザーに対して情報をスピーディに提供できるようにもなるため、CMSではない場合1週間かかる作業が、1時間で完了する場合もあります。

Webサイトのページ更新を分業・内製化できる

CMSを導入することで、特定の人材に依存することなく運用できることを示した画像CMSではアカウントごとに各ページの編集・承認権限を割り当てて、運用できます。ページごとに管理担当部門だけが直接ページの更新・追加できるようになれば、オウンドメディア運用の分業体制を構築可能です。

そのため、社内のエンジニアやマーケターなど特定の人材に依存することなく運用できるでしょう。デジタルマーケティングを行ううえでは、細やかなWebサイトの効果検証・改善が必須です。CMSではすでに存在しているテンプレートを使用するため、新しいページの追加や改修も難しくありません

CMSを導入することで運用フローをスリム化し、Webに関わる全ての担当者自身が更新作業ができるようになれば、自社サイトの改善スピードも向上します

スマホ・PC・タブレットのマルチデバイスに対応できる

CMSを導入することで、マルチデバイスに対応が可能であることを示す画像CMSを使えば、ユーザーの使用デバイスに対応したテンプレートに画像やテキストデータを適用させることが可能です。具体的には、PCやスマホだけでなく、タブレットサイズ向けのWebページを表示する仕組みを簡単に構築できます。

CMS導入のデメリット

CMSの導入には、多くのメリットが存在しますが、同時にデメリットもあります。具体的には、以下のとおりです。

  • 導入までに時間がかかる
  • CMS操作の習熟も求められる
  • カスタマイズの難易度が高い

それぞれ詳しく解説していきます。

導入までに時間がかかる

すでに自社サイトを運用している場合は、CMSへの移行作業が必要となります。専門的な作業となるため、外部専門家に依頼(委託)することもあり得るでしょう。

特に初めてCMSを導入する場合、CMSの特徴を理解する必要があるため、導入までに予想以上に時間がかかる可能性があるでしょう。これは、サイトのボリュームにかかわらず、全てのCMS導入者に共通のデメリットといえます。

CMS操作の習熟も求められる

CMS導入後は、操作方法や機能の学習に時間が必要です。自社内に複数の担当者がいる場合、全員がCMSの操作を覚えるための時間をより多く確保する必要があるでしょう。

ただし、これはCMS導入初期のデメリットであり、慣れてくれば問題にはならないものではあります。

カスタマイズの難易度が高い

CMSはテンプレートを活用したコンテンツ制作がメインとなります。そのため、特殊な機能・デザインでカスタマイズを行いたい場合、自由度が限られてしまうことがあります。

CMSの多くは、ユーザーフレンドリーで直感的なデザインを提供していますが、その反面、特定のニーズに対応するためのカスタマイズは難しいのが現状です。

製品によってはオプションとして備わっているものもありますが、カスタマイズを行うには専門的な知識や追加プランの契約も必要でしょう。

CMSの種類

CMSのシステムには、次のような種類があります。

  • オープンソース型
  • 商用パッケージ型
  • フルスクラッチ型

以下より、個別に解説します。

オープンソース型

オープンソースとは、CMSのプログラム本体のソースコードが一般に公開されているシステムのことです。代表的な例として、サーバー費はかかるものの、無料で使用できるWordPressなどが当てはまります。

特徴としては「ライセンス料金がかからないため低コストで運用できる」「Web検索をすれば関連情報がたくさんヒットする」などがあります。特にWordPressは世界的に最も多く使用されているCMSで、豊富な情報やプラグインが存在します。

しかし、オープンソースはセキュリティの脆弱性がデメリットです。アップデートやプラグインの追加を怠ると「突然悪意を持った第三者からサイバー攻撃を受ける」「ウイルスに感染してしまう」といったリスクも高まるでしょう。また、細かなカスタマイズを行うには専門知識が必要であるため、大量のページを持つサイトには向かないなどのデメリットも存在します。

商用パッケージ型

商用パッケージ型CMSは、システムベンダーが「商品として」提供しており、公式サポートや保証がある点が特徴です。中規模から大規模なWebサイトに対応できる製品が多く、サーバ管理はベンダー側が行うためセキュリティ面でも信頼性があります

一方でライセンス費用が発生するため、オープンソースに比べて導入・運用コストが高くなる点がネックです。多くの場合、導入するWebサイトの規模に応じて、必要費用がアップしていく仕組みになっています。

パッケージ型製品の例として、Adobeが提供するエンタープライズ向けCMS「Adobe Experience Manager (AEM)」が挙げられます。同製品は、MA(マーケティングオートメーション)と連携する機能など、オープンソースでは実装が難しい機能がはじめから備わっているのが特徴です。

フルスクラッチ型

フルスクラッチ型CMSは、特定のWebサイトの要件に完全に合わせて開発されたものです。いちから開発するため、自社のマーケティング手法に最適化された運用が可能ですが、その分、開発や保守、運用のコストが高くなってしまいます。

CMSの変更を考えるときに、既存のシステムからの移行が難しくなる点もネックです。以上の理由から、フルスクラッチ型は金融機関や医療機関のサイトなど、特定のニーズと予算がある企業に向いています

CMSはマーケティングツールとしても活用可能

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CMSは「Webサイトの運用を効率化するためのツール」として位置づけられることも珍しくありません。しかし、デジタルマーケティングに注力する企業が増えた近年では、CMSを「マーケティングツールとして活用する」流れが生まれ、今後はそれが主流になるといわれています。

ツールによっては、アクセス解析機能や、BtoBマーケティングでも欠かせないリードスコアリング機能を搭載しているものもあります。MAやSFA、CRMとの連携によって、より営業活動における受注確度アップにつなげられるのです。

このように、さまざまなツールとCMSを連携すれば、ユーザーごとに最適化されたWebページを表示させることが可能です。CMSは、進化し続けるマーケティングツールとして自社の事業に大きく役立つことでしょう。

CMSと合わせて活用できる「CRM」「SFA」「MA」については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも併せてご参照ください。

・マーケティングに不可欠なCRMとは?その用途と目的、導入に際しての準備について徹底解説!
・SFAとは?CRM・MAとの違いは?導入メリット、注意点をわかりやすく解説
・マーケティングオートメーション(MA)とは?定義、役割、機能を解説

まとめ

CMSは、企業のコンテンツマーケティングを加速させる有意義なシステムです。自社のビジネス特性や規模に加え、予算や使用目的などを勘案することで、適切なシステムの選定ができます。

CMSは日々進化し、その利用方法も多様化しているため、常に新しい情報を取り入れることが大切です。CMSは単なるサイト管理ツールだけでなく、効果的なマーケティングツールの一つでしょう。


SEデザインでは、CMS機能を持つオールインワンツール「HubSpot」の導入支援サービスを行っております。ほかにもさまざまなコンテンツマーケティング支援を行っており、出版社を前身に持つ編集力・企画力が強みです。オウンドメディアの立ち上げや記事制作、事例制作などをご検討中の方はぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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