オウンドメディアとは?ホームページとの違いや始め方、事例を紹介

更新日:2024-10-24 公開日:2023-12-01 by SEデザイン編集部

目次

オウンドメディアとは?ホームページとの違いや始め方、事例を紹介インターネットの普及によってオンラインでの情報収集が一般的になり、オウンドメディアを活用した情報提供は、近年、より注目度が上がっているといえます。

しかし、オウンドメディアにはどんなメリットがあるのか、どうやってオウンドメディアを立ち上げればいいのか、とお悩みの方も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では下記の内容についてお伝えします。

  • オウンドメディアとはどのようなものか?
  • オウンドメディアのメリット・デメリット
  • どのようにオウンドメディアを始めればいいのか?
  • オウンドメディアの事例

これからオウンドメディアを立ち上げたいとお考えの方は、ぜひ参考にご覧ください。

オウンドメディアとは?

オウンドメディアとは?

オウンドメディアとは「自社で保有するメディア」のことです。デジタル媒体とは限りませんが、多くの場合は企業が自ら所有するブログや情報サイトなどのことを指します。

オウンドメディアを通じて、企業は独自のメッセージや情報を直接顧客に伝えることができます。これにより、第三者のメディアを介さずに、顧客とダイレクトにコミュニケーションを取れる点が特徴です。

オウンドメディアとホームページの違い

ホームページも自社で保有するメディアであるため、広義ではオウンドメディアといえます。
ただし、一般的には以下のように使い分けられている点は知っておきましょう。

  • ホームページ…会社概要、事業内容などの企業の基本的な情報を掲載

  • オウンドメディア…マーケティングを目的とし、自社の領域に特化した情報を定期的に発信

一般的にホームページは、会社の基本情報、事業内容、連絡先といった公式情報が中心です。
対照的に、オウンドメディアはマーケティングが主目的であり、業界のトレンドや製品の使い方、コラムなど、特定のターゲットに向けた有益な情報を定期的に提供します。

オウンドメディアも含むトリプルメディアとは?

オウンドメディアも含むトリプルメディアとは?

近年、SNSの種類も増加したことで、消費者と企業との接点が増加し複雑化しています。
そのため、企業は自社のサービス・商品を購入・利用する顧客に合ったコンテンツ発信が重要視されています。

企業がマーケティングに活用する3つのメディアの種類(オウンドメディア、アーンドメディア、ペイドメディア)を総合して「トリプルメディア」といいます。この3つのメディアをバランスよく組み合わせることで、より効果的なマーケティングが実現します。

ここでは、オウンドメディア以外の2つについてもみていきましょう。

アーンドメディア

アーンドメディア(Earned Media)は「信頼を獲得するメディア」という意味であり、ユーザーが発信するメディアのことを指します。

たとえば、個人ブログや掲示板、Q&Aサイト、レビューサイト、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSです。ユーザーが自発的に行う口コミや評価なども含まれます。

オウンドメディアは企業自ら発信するメディアです。対して、アーンドメディアは企業側がコントロールすることはできません。そのうえで、ユーザーの信頼が得られ自社の良い評価が拡散されれば、より多くの人に情報を届けることが可能です。

ペイドメディア

ペイドメディア(Paid Media)は「有料のメディア」という意味です。企業が費用を支払って広告やプロモーションを行う、他社が運用するメディアのことで、新聞広告やWeb広告(ディスプレイ広告、記事広告、SNS広告など)、テレビCMなどがこれに該当します。

ペイドメディアは費用を払うことで、一気に多くの人々に製品やサービス、ブランドの情報を届けられます。また、比較的短期間で効果が現れます。

▼トリプルメディアのそれぞれの特徴やメリット・デメリットは、こちらの記事で詳しく解説しています。
トリプルメディアとは?各メディアの特徴や運用のポイントを紹介

オウンドメディアの目的

企業がオウンドメディアを運用する目的はさまざまですが、目的に合わせて運用を行い、結果を分析し、改善していくことが大切です。

ここではおもな目的を3つ紹介します。

  • リード獲得
  • ブランディング
  • 採用力強化

リード獲得

オウンドメディアは、ニーズに応じた価値あるコンテンツを提供することで、見込み顧客(リード)を集める役割を果たします。たとえば、無料ダウンロードできるホワイトペーパーやハウツー記事、ウェビナーなどが挙げられます。

オウンドメディアであれば、リアルの営業活動ではリーチしきれない見込み顧客に対して役立つ情報を提供し続けることが可能です。この結果、認知度の拡大による新規顧客を獲得する機会が増え、売り上げアップが期待できるでしょう。

ブランディング

オウンドメディアは、デザインやコンテンツを自社でコントロールし、蓄積していける点も大きな特徴です。企業のメッセージを一貫性を持って発信できるため、企業のブランドイメージの強化を図れます

また、ブランドのストーリーや価値観を共有し、顧客に深い印象を与えることで、顧客ロイヤルティーの醸成も期待できます。

採用力強化

オウンドメディアは、企業文化や働き方、ビジョンなどを伝える場としても活用されています。

社員インタビューや1日の流れ、企業が掲げる価値観やミッションを公開することで、求職者に対して企業の魅力を伝え、採用のミスマッチを防ぐ効果も期待できるでしょう。さらに、優秀な人材を引きつけ、採用コストを削減できる可能性もあります。


以上のように、オウンドメディアは直接的なマーケティング目的だけでなく、ブランディングや人材確保といった企業全体の戦略に対しても貢献できるツールです。
それぞれの目的に応じてコンテンツ戦略を練り、効果的にオウンドメディアを活用していくことが重要です。

オウンドメディアのメリット・デメリット

オウンドメディアのメリット・デメリットここからは、オウンドメディアのメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。

オウンドメディアのメリット

オウンドメディアのメリットはおもに3つです。

コンテンツが資産になる

オウンドメディアでは、定期的にコンテンツを作成することで情報が蓄積していくため、記事や動画などのコンテンツが企業の資産となります

たとえば、SEO記事を制作したら、その内容をSNSで発信したり、メルマガで配信したり、ホワイトペーパーにしたりするなどの横展開も可能です。

広告費を削減できる

オウンドメディアはペイドメディアのように広告費がかからないため、その分コストを抑えながらマーケティング活動を展開できます。

リスティング広告などのWeb広告は、コストがかかり効果も一時的です。しかし、オウンドメディアでは制作費はかかりますが広告費ほど多額ではなく、効果が長期的であることから、長い目で見るとコストパフォーマンスが良いといえるでしょう。

検索流入が期待できる

オウンドメディアは、情報が充実していけばSEO上有利になり検索上位に表示されるケースがあります。

企業名や製品名を知らないユーザーにも、検索で上位表示された記事から知ってもらえる可能性が高まります。つまり、まだ自社の製品やサービスに触れていない潜在的な顧客層にもリーチできるということです。

検索エンジンからの流入増加は、新規顧客獲得につながる大きなメリットといえます。

オウンドメディアのデメリット

オウンドメディアには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。ここでは、オウンドメディアのデメリットを3つみていきましょう。

効果が出るまでに時間がかかる

オウンドメディアを立ち上げてから、コンテンツが増えて安定的に集客できるようになるまでは、数ヶ月〜数年といった長い時間が必要です。キャンペーンなど短期的な成果を求める場合には、この点がデメリットと考えられるでしょう。

Web広告とは違い、長期的な視点で運用することが大切であることを社内でも共通認識として持っておく必要があります。

社内リソースが必要になる

オウンドメディアの運営には多くの社内リソースが必要とされます。特に、コンテンツを計画、作成、公開する過程では、ライターや編集者、デザイナーなどの専門のスタッフが不可欠です。

これらのリソースの確保が困難な場合、外部の制作会社に一部の作業をアウトソースする方法もあります。また、スモールスタートで始めて効果が見えたら徐々にリソースを増やすというアプローチも有効です。

運用と改善に手間がかかる

オウンドメディアが自社の成果につながっているかどうかは、定期的に確認する必要があります。たとえば、サイトの訪問者数やユーザーの行動、コンバージョン率(CVR)などは定期的に分析しましょう。このようなデータ分析は、改善点や新たな戦略を見つけるためにとても重要です。

SEOアルゴリズムの変更やプラットフォームのアップデートがあれば、コンテンツやサイト自体も継続的に運用する必要があります。また、顧客や読者からのフィードバックを収集し、それに基づいてサービスを改善するプロセスも必要です。

このように、オウンドメディアでは数値の分析、改善というPDCAを回す必要があります。

オウンドメディアの立ち上げ方

オウンドメディアの立ち上げ方

ここからは、オウンドメディアの立ち上げ方について、以下の8つのステップで概略を解説します。

  1. 目的・KPIを決める
  2. コンセプトを設定する
  3. ペルソナを設定する
  4. 必要なコンテンツを決める
  5. サイトを制作する
  6. コンテンツを制作する
  7. 運営体制やレギュレーションを整備する
  8. 効果を測定し、改善していく

1. 目的・KPIを決める

オウンドメディアの運営を始める前に、まずは明確な目的を設定することが重要です。

たとえば、目的が企業ブランドの認知度向上なのか、見込み顧客の獲得なのかによって、オウンドメディアの戦略が変わります。目的を明確にすることで、全体の戦略立案やコンテンツ作成に方向性を持たせることができます。

目的に応じて、KPI(Key Performance Indicators)を設定すれば、成果を具体的に測定できるようになります。KPIとしてよく設定されるのは、サイトの訪問者数やリード獲得数、コンバージョン率などです。

▼オウンドメディアのKPI設計の立て方について、さらに知識を深めたい方はこちらの記事も参考にしてください。
オウンドメディアはKPI設定が大事!成功するための正しい設定方法をご紹介

2.コンセプトを設定する

オウンドメディアが何を提供するのか、どのような価値観を持つのかを明確にする必要があります。メディアを通じて自社が目指すイメージ、ターゲットとする読者の興味やニーズなどを反映し、メディアのコンセプトを決めましょう。

コンセプトを決定することで、それに沿った一貫性のあるコンテンツを作ることができます。これが、ブランドイメージを形成し、読者との信頼関係を築く基盤となります。

3.ペルソナを設定する

ペルソナは、メディアのターゲットとなる架空のユーザープロフィールのことです。次のような項目を具体的に設定し、これに基づいてコンテンツ戦略を練ります。

  • 年齢
  • 性別
  • 職業
  • 興味
  • 行動パターン

ペルソナが明確であれば、具体的な「誰」に対して語りかけるべきか明確になり、どのようなコンテンツが求められているのか、どのような言語やトーンでコミュニケーションを取るべきかがイメージしやすくなります。

▼ペルソナの作り方について更に知りたい方はこちらの記事も参考ください。
ペルソナの作り方【サンプル付き】〜インバウンドマーケティングの視点から解説

4.必要なコンテンツを決める

オウンドメディアで配信するコンテンツの種類を決定します。SEO記事だけでなく、ホワイトペーパーや導入事例、Q&A、製品・サービス紹介、社員インタビューなどさまざまなコンテンツが考えられます

SEO記事は集客に有用な方法です。しかし、それ以外のコンテンツも増やすことで、ユーザーの満足度を高め、コンバージョンにつなげることができるでしょう。

これらを整理した「コンテンツマップ」を作成すると、コンテンツのバランスと戦略を視覚的に把握できるため、便利です。

5.サイトを制作する

ドメインの取得から始め、サイトのデザインと開発を行います。CMS (コンテンツ・マネジメント・システム)を使えば、プログラミングの知識がなくてもサイト作成や更新が可能です。

CMSツールの例としてはHubSpotが挙げられます。
直感的に使えるCMSとしての機能だけでなく、無料で使えるHubSpot CRMとも連携し、CMSが収集したユーザーの行動ログをCRMへ同期することも可能です。オウンドメディアの制作、管理、分析、マーケティング・セールス活動へのデータ活用を一貫して行えます。

▼無料のHubSpot CRMについては、以下の記事で解説しています。

無料のHubSpot CRM〜HubSpot CRMの機能と使い方を徹底解説

6.コンテンツを制作する

設定された目的、コンセプト、ペルソナに基づき、コンテンツを制作します。SEOを考慮する場合、検索で上位表示を目指すキーワードを選定して内容を構成することが重要です。

また、業界のトレンドや自社の専門知識を活かしたE-E-A-Tを意識した記事を作成することで、Googleの評価だけでなく読者に付加価値を提供します。読者の興味を惹くコンテンツをさまざまな角度から考えてみましょう。

▼読者に対してさらに魅力的なコンテンツの作り方の基本である「E-E-A-T」については下記の記事をご参考ください。

E-E-A-T(旧E-A-T)とは?構成要素や対策方法に関して徹底解説

7.運営体制やレギュレーションを整備する

オウンドメディアの運営には、ディレクターや編集者、ライター、デザイナーなどさまざまなスキルを持ったメンバーが関わります。スムーズな運営のためには、これらのメンバー間でのコミュニケーションが重要です。

運営ガイドラインやレギュレーションを設け、誰が何をするのか、どのようなスケジュールで動くのかを明確にします。

8.効果を測定し、改善していく

定期的にKPIを確認し、目的に対する効果を測定します。効果が出ていない場合、その原因を分析して改善策を立てます。成功している点、改善が必要な点を明確にし、それを次の施策に活かしていきましょう。

オウンドメディアの成功事例

事例として、SEデザインが運営するオウンドメディア「AIcatch」を紹介します。

このメディアのコンセプトは、「これからのテクノロジー分野、X-techを知るために役立つさまざまな情報を発信するメディア」です。国内外のITのトレンドや、最新AI情報、DXの事例などの情報を掲載しています。

ターゲット読者が知りたい情報をわかりやすく届けることで、2023年7月は前年と比較してセッション数が177%上昇しました。

画像

※関連コンテンツ:BtoB業界向けオウンドメディア成功事例10選

まとめ

この記事では、オウンドメディアの基本概念、ホームページとの違い、そして立ち上げの際の具体的なステップについて解説しました。

オウンドメディアは顧客獲得からブランディング、さらには採用力強化にいたるまで、多方面でのメリットがあります。ただし、成功するためには戦略的な計画と継続的な運用が必要です。この記事の知識を活用し、自社のマーケティングを成功に導きましょう。

自社だけで運営するのが負担となる場合は、コンテンツマーケティング支援をする企業にお問い合わせいただくことをおすすめします。

SEデザインでは、オウンドメディアの構築や、SEOコンテンツ、ホワイトペーパー、導入事例の制作など、さまざまなサービスを展開しています。オウンドメディアの構築や運営にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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