ROASとは? 広告の費用対効果を計算する方法とROIやCPAとの違い

公開日:2022-08-26 更新日:2023-05-23 by SEデザイン編集部

目次

20220827thumbnail_blog_word_01「ROASを利用すると何が良いのかを知りたい」

ROASでは、投じた広告費のうち売り上げがいくらかの割合を表すので、広告経由の売り上げが分かります。ROASで算出した数値を見ることで、より売り上げをアップするために予算を増やすべき広告と、効果の少ない改善すべき広告の判断が可能です。

また、同じようなマーケティング用語にROIやCPAがあるので、それぞれの用語の意味や違う点を理解しておく必要があります。それぞれの違いや算出方法、良い点と悪い点、改善させるべきポイントをご紹介します。

マーケティングで使われる「ROAS」とは

ROASは、英語の「Return on Advertising Spend」の略で、マーケティング用語で「ロアス」と読みます。投資額のうち、売り上げがどのくらいあったのかをパーセンテージで示すことで、広告から売り上げがいくら発生したのかが分かります。

割り出されたパーセンテージが高くなるほど、広告の効果が大きいので、予算配分や入札価格を上げる際の判断材料に有効です。

割り出された数値が低い場合は得られる効果が低いので、問題点を洗い出して対策を行うことが大切です。成果があまり出ない広告には、売り上げにつながるような対策をするなど、施策の改善に役立ちます。

ROAS・広告費用対効果の計算方法

what-is-roas2ROASを算出する際は、「広告経由の売上額÷投資額×100(%)」の計算式を使います。たとえば、広告費100万円からの売り上げが200万円だった場合、以下のとおりです。

200万円÷100万円×100=200%

上記の場合、広告費1円から発生した売上額は2円だと分かります。ROASは、数値が高いほど広告からの売り上げが多いことを意味します。算出された割合が100%を超えていれば、使った投資額より売上額が多いということとなり、一定の効果が出たと判断できます。

一方で100%を下回ると、投資した広告費より売り上げが低いという意味となり、広告効果が低いと判断できます。

ROIやCPAとの違い

Web広告の運用に使われる費用対効果を調べるものには、ROAS以外にもROIとCPAがあります。
いずれも広告にかかるコストを算出するマーケティング用語ですが、それぞれ意味合いが異なるので違いを理解しておきましょう。

ROASとROIの違い

ROIは、英語の「Return On Investment」の略称で、投資額から発生した利益を割り出すことができます。ROASは、広告費に対する売り上げを示しますが、ROIは広告費に対しての利益率を表す点が異なります。
またROASの基準は100%ですが、ROIは0%です。ROIも、数値が高いほど効果が高いことを意味します。

一般的には、経営の指標となるROIを重視することが多い傾向にあります。売り上げか利益かのどちらを重視するかで、どちらを利用するかが分かれます。

ROASは売上額だけを表した指標として可視化できる一方、利益を表す指標ではないため注意が必要です。 またROIは、広告費に対する利益を算出する数値のため、長期的に見る際には向いていません。
そのため、成果が高い広告運用をするためには、ROASとROIの数値の向上を目指すことが必要です。

ROIの計算方法

ROIを算出する際は、以下の計算式を使います。

「(売上額ー売上原価ー広告に投資した額)÷ 投資額×100(%)」

たとえば、広告に投資した金額が100万円で、利益が150万円だった場合のROIは、次のようになります。

150万円÷100万円×100=150%

上記の例の場合、150%の利益が出ていることが分かります。割合がマイナスの場合は、損失が発生したという意味となります。

ROASとCPAの違い

CPAは英語の「Cost Per Acquisition」の略称で、獲得単価を表します。CPAもROASと同様に、広告の効果を示す指標のひとつです。

CPAでは、問い合わせや購入完了などの1件のコンバージョンを得るまでに投じた広告費算出することができます。 CPAは問い合わせや資料請求など、直接的に売り上げや利益に反映できないコンバージョン獲得の効果を把握する際に活用できます。

たとえば、コンバージョンが無料のお問い合わせや資料請求の場合や、すべてのコンバージョンの売り上げや利益が同じ場合は、CPAを使うのが最適です。

一方で、コンバージョンが売り上げに直結する場合は、ROASを使うのが良いでしょう。 ROASは割り出された数値が高いほど効果が高いことを示しますが、CPAは数値が低いほど広告の効果が高くなります。CPAを低くすることが広告運用としては効果的なので、クリック数を増やし、コンバージョンにつながる対策が必要です。

CPAの計算方法

CPAを算出する際は、「広告に投じた費用÷獲得したコンバージョンの数」の計算式を使います。
たとえば、100万円使った広告からコンバージョンが50件あった場合のCPAは、以下のようになります。

100万円÷50件=2万円

上記の例の場合、コンバージョンを1件獲得するまでに、広告費が2万円かかっていることを意味しています。コンバージョン数を増やすことで、1件のコンバージョンを獲得するまでの広告費を下げることで、利益を上げることに繋がります。

ROASのメリット・デメリット

what-is-roas3広告の費用対効果を活用するには、広く深い理解が欠かせないでしょう。メリットとデメリットを紹介いたします。

ROASのメリット

ROASのメリットには、過去の売り上げや将来の売上予測などのデータが取得しやすい点が挙げられます。売上に関するデータを把握することで、将来の売上予想を立てることができ、繁忙期に備えての準備ができます。

たとえば「2月は売り上げが下がるが、6月は上がる」と以前のデータから判断できたとしましょう。その場合、より多くの売り上げが見込める6月に向けて、該当の広告の予算を増やしたり、入札価格を上げたりなどの対策が行うことができます。

一方で売り上げが低い広告については、キーワードの変更・追加や広告文の修正などの改善が可能ということが分かり、効果を高めるための施策を講じることに繋ぐことができます。 また、ROASに使用する広告に投じた費用や、これまでの売上データは会社に残っているため、次期の売上額の予測に役立ちます。自社のデータを使いながら、効率的な広告戦略を長期間で組み立てる際にも活用できるでしょう。

ROASのデメリット

ROASは、知名度が低く広くは認知されていないことが弱点です。ROIの方が一般的なため、ROASについて知らない方も多く、認識違いが生じる可能性があることに注意が必要です。

さらに、ROAS単体では実際の利益が分かりません。ROASはあくまで売り上げの効果しか判断できないため、割り出された数値が良くても利益は赤字になる可能性も考えられます。売り上げと利益の両方を上げるためにも、ROASとROIを一緒に確認していくことが大事です。

ROASを改善させるポイント

ROASの数値を上げるためには、広告からの売り上げを伸ばす必要があります。売り上げを伸ばすためには、リピーターの増加を図り、CVR率や獲得数(CV)を上げたりなどの施策を行うのが効果的です。ここでは、ROASを改善させるポイントを4つご紹介します。

リピート購入率を上げる

リピーターの顧客のニーズに合ったコンテンツやサービスを提供し続けることで売り上げが伸びるため、リピート購入率を上げることがROASの数値も上げることに繋がります。

購入歴のある顧客に、商品やサービスの継続的な購入を促すことで、少ない広告費でも売り上げを伸ばすことができます。 継続的な購入には、顧客との間で地道に信頼関係を築くことが大切です。

購入直後のお礼メールや、定期的なお役立ち情報メールなどの発信が挙げられます。お役立ち情報には、ユーザーに合ったメルマガの発信や、ポイントやキャンペーンなどリピートを促進する仕組みの提供などが挙げられます。施策を継続的に行うことで、リピート購入率が上がっていくでしょう。

CVRを向上させる

ROASを改善する方法のひとつに、CVRを向上させることがあります。CVRとは「Conversion Rate」の略で、コンバージョン率を指します。

広告にアクセスした人のうち、コンバージョンに至った人の割合を示します。CVRが向上すれば、売り上げが伸びるチャンスが増えるので、結果的にROASの改善になります。

Web広告は、Webサイトにユーザーを誘導するだけでは、売り上げにつながりません。そのため、Webサイトにアクセスしたユーザーがコンバージョンに至るまでのアクションを意識した施策が必要です。

広告のCVRの改善策には、CTAやLP、入力フォームの改善などが挙げられます。 また、ユーザーが広告をクリックしてコンバージョンしたくなるような、画像やキャッチコピーなどクリエイティブを改善することも大切です。A/Bテストを行うことで、効果的な改善ポイントの把握が可能とます。

広告のターゲットを最適化する

広告から売り上げにつながっていない場合は、必要とするターゲットに広告が表示されていない可能性が考えられます。

売り上げにつなげるためには、ターゲットを的確に絞り、広告を最適なタイミングで表示させることが大切です。Web広告でのターゲティングを明確な形で行うことで、購入意欲の高い顧客に向けて、ニーズにあった広告を発信することがます。

広告のターゲットを最適化するためにも、まずは広告ごとのROASを比較してみましょう。配信の広告効果が高いターゲットを把握することで、表示させる相手の傾向や属性が見えてきます。ターゲットが多く利用する広告媒体の予算を増やすことで、適切な広告を表示させることができます。

クリエイティブの検討を続ける

クリエイティブとは、宣伝動画、バナー(デザイン、文言)、チラシ、LP(メインビジュアル、訴求文言、LPの全体構成)などといった、広告のために作られた素材全般のことです。

広告のターゲット設定が正しくても、ユーザーに刺さらないコピーやデザインでは、売り上げにつながる可能性が低くなります。広告のクリック率を上げるには、クリエイティブの質に影響されるため、常にクリエイティブのテストを繰り返しながら、クリック率を上げることを目指しましょう。 

クリエイティブは、ターゲットのニーズに気づけているのかを見極めることが必要です。クリック率が低い場合は、クリエイティブの導線設計に何らかの問題があることが多くあります。売り上げにつながるようにユーザーを導けているかどうかを繰り返し検討しましょう。

まとめ

ROASを利用することで、これまでの売り上げや今後の売上予測などのデータ取得ができます。ROASは、売り上げが把握できるため、将来の売上予想も立てやすくなりますが、常に改善させていくことが重要です。

SEデザインでは、さまざまなコンテンツマーケティングの支援を行っております。貴社に最適な施策やプランをご提案させていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

いますぐ使えるコンテンツ戦略マップ
SEデザインのマーケティング支援サービス

関連記事

コンテンツマーケティングで、
ビジネスの効果を最大化しませんか?

もっと詳しく知りたい方

ご質問・ご相談したい方