ソーシャルリスニングとは?やり方やメリット、使用ツールを紹介

公開日:2023-08-16 更新日:2023-08-16 by SEデザイン編集部

目次

現代社会では、ソーシャルメディアが情報発信の中心的存在となっており、企業のマーケティング活動において重要な要素になっています。特に「ソーシャルリスニング」と呼ばれる手法は、企業がマーケティングを効果的に行ううえで重要な要素です。

今回は、ソーシャルリスニングの概要や具体的なメリット、活用ステップ、推奨ツールについて詳しく解説します。市場ニーズを明確化したいと考えている方は、ぜひお役立てください。

ソーシャルリスニングとは?

ソーシャルリスニングとは、TwitterやInstagram、Facebookなどの代表的なソーシャルメディア(SNS)を活用した「自然発生した情報を収集する」施策です。

ブログや掲示板、レビューサイトなどから得られた情報を集約し、その分析結果をビジネス戦略に反映するための手法として活用されています。

ソーシャルリスニングでわかる情報

ソーシャルリスニングでは、専用ツールを活用するのが一般的です。ツールにはソーシャルメディアからの情報収集、分析機能、そしてレポーティングなどがあります。

これにより口コミのトレンド分析、性別・年代・地域による発言傾向の分析、評判分析、関連語分析、影響力のあるユーザー情報の表示などの可視化が可能です。

最新の言語アルゴリズムやAI技術を用いることで、感情のような定性的な情報も取得することができ、ユーザーインサイトを深堀りできるでしょう。

ソーシャルリスニングが広まってきた背景

ユーザーの声を聴く代表的な施策としては「アンケート調査」が主流でした。アンケート調査は、ユーザーの声を直接聴く一般的な手法です。

対象属性のサンプルを集め、企業または調査会社が提供する質問項目に対する回答を収集していきます。回答者は調査協力者として選ばれ、謝礼が提供されるケースもあるため、回答内容は信頼性が高いのが特徴です。

一方、ソーシャルリスニングは広範囲でマクロな視点から市場やユーザーの声を集める手法で、結果的に顧客インサイトやトレンドの変化の発見につながります。多様なニーズが存在する現代社会では、ユーザーに寄り添ったマーケティングが重要視されていることから、ソーシャルリスニングが注目されるようになりました。

ソーシャルリスニングで得たデータは、リスク管理や商品開発などのビジネスプロセスで効果的に活用できるでしょう。

ソーシャルリスニングのメリット

企業のマーケティング施策でソーシャルリスニングを行うメリットは、次のとおりです。 

  • 顧客や潜在層の声を聴くことができる
  • プロモーション効果を測定できる
  • リスク予測につながる

以下より、個別にみていきましょう。

顧客や潜在層の声を聴くことができる

ソーシャルリスニングを通じて、ユーザーがSNSで発信している生の声を集めることが可能です。

従来のマーケットリサーチ手法では、顧客が体裁を気にして正直な意見を述べられないことがありました。しかし、ソーシャルリスニングを用いることで、よりリアルなユーザーの声を聴くことができます。これが商品やサービスの開発に対する重要なヒントとなるのです。

プロモーション効果を測定できる

ソーシャルリスニングはキャンペーンや広告の効果測定にも利用できます。ユーザーからのフィードバックをリアルタイムで把握することで、施策の反映や今後の方針検討ができるでしょう。

またユーザーの発言から、自社や自社の商品・サービスのイメージも推定できます。ブランドイメージの乖離がある場合は、その認識の違いを解消するための施策を実行可能です。

リスク予測につながる

ソーシャルリスニングは危機管理にも役立ちます。自社や自社商品・サービスに対する指摘や風評被害につながる可能性のある発言をチェックすることで、リスク対策をすることが可能です。

たとえば、ソーシャルリスニングを行うことで「製品の不具合や品質問題の早期発見」なども実現できるでしょう。

ソーシャルリスニングを用いると、ユーザーがSNS上で投稿する製品やサービスに関するフィードバックや不満をすばやく把握可能です。これらの情報から、新製品の不具合や品質問題などのリスクを早期に発見し、スピーディな対応を実現できるでしょう。

ソーシャルリスニングの手順

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ソーシャルリスニングは、以下の手順で実施しましょう。

  1. 収集したい情報を明確化する
  2. キーワードを選定し、データ収集する
  3. 収集したデータを基に自社事業に活かす

各手順について、順番に解説します。

1. 収集したい情報を明確化する

ソーシャルリスニングを始める前に、まず具体的な目的を設定します。たとえば「キャンペーンの反応を把握したい」「業界のトレンドを理解したい」などです。

ただ単に情報を集めるだけでは、コストに見合った効果を得られないこともあるため、目的を明確にし、分析を行うことが重要です。

2. キーワードを選定し、データ収集する

ユーザーが発信する情報は多種多様であるため、取得したい情報を得る上では「適切なキーワードの選定」が必須といえます。たとえば、サービス名や会社名、業界名、競合名などです。

キーワードを適切に選定しなければ、余計な情報が混入し、正確な調査が難しくなる可能性があります。

キーワードが決まったら、ソーシャルリスニング用ツールを使って、データを収集します。もし選定したキーワードで必要な情報が得られない場合は、再度キーワードを見直しましょう。

3. 収集したデータを基に自社事業に活かす

分析は、発言の件数を数えるだけではなく、それらを「ポジティブ」「ネガティブ」「ニュートラル」に分けるなど、さまざまな切り口で検討することができます。

さらに定量的なデータだけでなく、定性的な背景や原因も探るようにしましょう。ソーシャルリスニングで得られた情報は、自社が発信している情報が社会にどのように届いているかを表す指標でもあります。

ソーシャルリスニングを通じて得たデータを次の計画に反映することで、広報やマーケティング活動のみならず、商品・サービス開発などさまざまな取り組みに役立てましょう

ソーシャルリスニングで利用可能なツールの例

ソーシャルリスニングでは、SNSでの調査に加え、以下のようなツールも併用すると効率的です。

  • Googleトレンド【無料】
  • Boom Research
  • Social Insight
  • 見える化エンジン

各ツールの詳細について、個別に紹介します。

Googleトレンド【無料】

Googleトレンド」は、特定のキーワードのインターネット上での検索トレンドを表示できる無料のツールです。地域、期間、カテゴリーなどを指定して検索トレンドを調査できます。

Googleトレンドを使うことで、自社のブランド名や特定の製品、または関連キーワードの検索頻度を確認可能です。これにより、そのキーワードに対する一般の関心度や時期による変動、地域による差異などを把握できるでしょう。

Boom Research

株式会社トライバルメディアハウスの提供する「Boom Research」は、ソーシャルメディアのデータを収集・分析する専用ツールです。

Twitterやブログなどのクチコミから自社や競合のブランド名、特定のキーワードに関連する投稿を自動的に収集し、それらの内容を分析します。それにより、自社製品やサービスに対するユーザーの反応や意見、業界のトレンドをリアルタイムで把握可能です。

Social Insight

株式会社ユーザーローカルが提供する「Social Insight」は、TwitterやInstagramなどあらゆるSNSの予約投稿やキャンペーンの自動化、口コミ分析のツールです。

「投稿のパフォーマンス(例:いいねやコメントの数など)」「フォロワーの傾向や行動パターン」「最適な投稿タイミング」など幅広いSNSのコンテンツを詳しく分析できます。

分析データを用いると、SNSでのマーケティング戦略の効果をより具体的に測定でき、改善点を見つけられます。

見える化エンジン

株式会社プラスアルファ・コンサルティングが展開している「見える化エンジン」は、インターネット上の顧客の声や感情の変化などの情報を「見える化」することで、ビジネスの意思決定をサポートするツールです。

同ツールを使えば、ソーシャルメディアだけでなくコールログやアンケートなどのさまざまな情報源からデータ収集・分析が可能です。

広範な情報源から得られたデータを活用すれば、市場の動向やユーザーの意見を深く理解できるでしょう。

まとめ

ソーシャルリスニングは、ユーザーの本音を収集し、広告の反響を計測し、危機を予測できるため、自社の事業展開の成功確率アップにつながる取り組みです。

情報の明確化、適切なキーワードの選定、得られたデータのビジネスへの応用という、具体的な活用ステップを把握することで、ソーシャルリスニングを戦略的に実施できます。

さらに、各種ソーシャルリスニングツールを駆使し、効果的なマーケティング施策、顧客ニーズに合った商品やサービスの提供を実現しましょう。


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