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パフォーマンスを最大化する"営業組織のデジタル化"のはじめ方

SEデザイン編集部
2020-09-25

パフォーマンスを最大化する"営業組織のデジタル化"のはじめ方_1

営業組織のデジタル化を進める理由としては2つの点があげられます。1つは、持続的に成果をあげていく営業組織を構築するには、営業活動の可視化が絶対条件となるからです。そして、可視化のためにはデジタルの活用が不可欠となります。もう1つは、顧客の購買行動や就業環境の変化に対応するために、デジタルを活用した営業活動によって生産性を高めることが求められるからです。

SEデザインが2020年7月28日(火)に開催したウェビナ―の内容をもとに、営業組織のデジタル化に必要なノウハウを解説していきます。

>>本コンテンツは、こちらから動画でもご覧いただけます。

Withコロナによる顧客環境のデジタル化

顧客環境の変化として、「インターネットによる顧客の購買行動の変化」「コロナ禍よる対面型マーケティングの見直し」「コロナ禍による顧客の就業スタイル変化」の3つがあげられます。

BtoBの購買行動の変化についてはコロナ以前から指摘されていますが、インターネットの普及によって、顧客は購買行動の57%を営業担当者とのコンタクトより前に終えていると言われています(Harvard Business Review「購買行動調査レポート」2014年)。パフォーマンスを最大化する"営業組織のデジタル化"のはじめ方_2

 

コロナの時代となってからは、展示会やセミナーなど対面型による見込み顧客の獲得活動が大きく制限されています。企業が対面型のイベントに代わる見込み顧客の獲得手段を見出していかなければならない一方で、顧客側も対面型に代わる有効な情報収集の手段を探している状態でもあります。

また、ビジネス環境そのものが急速にオンライン化の方向で進んでいるのも事実です。日本においては、緊急事態宣言後にリモートワークが急速に浸透し、今後もその傾向は続くものと推測されます。

営業マネージャーのよくある悩み

従来の訪問営業からの変革が、各企業の営業マネージャーには求められており、課題点を1つずつクリアしていくことが大切です。ここでは、営業マネージャーが抱えやすい悩みについて3つのポイントを見ていきましょう。

悩み①:結果管理依存

1つ目のポイントは、「なぜ売れたのかなぜ売れないのかが分からない」というものです。営業担当者が申告する見込みや結果を頼りにして、マネジメントしてしまうことは珍しくありません。

しかし、この方法に依存してしまうと「今月はなぜ売上があがったのか」「3ヶ月後はどのくらい売り上がりそうなのか」といった、売上の根拠や予測が立てられなくなってしまいます。そのため、事後的にいくら売り上げたのかという結果管理にのみ終始してしまうのです。

悩み②:営業会議依存

2つ目のポイントは、「今の営業進捗状況が分からない」というものです。これまではオフィスという空間の中で、電話や社内コミュニケーションを通じて直接・間接的に進捗状況の情報が入ってきました。

しかし、リモートワークの増加によって、従来型の情報共有を維持することが難しくなっています。結果的に細かい現状把握やフォローアップが難しくなっていると言えるのです。

悩み③:モチベーションの鼓舞に依存

3つ目のポイントは、「何をコーチングすればいいか分からない」というものです。結果管理に依存をしてしまえば、営業担当者個人が抱える課題が見えなくなってしまいます。

そのため、成果の出ていない担当者の現状を把握できず、何をコーチングすればいいのか分からなくなってしまいます。結果的に、「キミなら大丈夫だよ」「一緒にがんばろう」といったモチベーションの鼓舞に依存したマネジメントしかできなくなってしまうのです。

これら3つの悩みの根源は1つのことに集約されます。それは、営業プロセスの可視化ができてないからマネジメントができないというものです。

営業組織をデジタル化するワケ

営業組織のデジタル化を進める上で、本質的なことは以下の2点です。

  1. 持続的に成果をあげる営業組織づくりのためには、営業活動の可視化は絶対条件
    可視化にはデジタルの活用が不可欠である。
  2. 顧客の購買行動の変化、就業環境の変化に対応するためには、デジタルを活用した営業活動によって生産性を高めることが不可欠である。

そして、デジタル化の本質を下支えしているのが「セールス・イネーブルメント」というアプローチなのです。

営業を促進させる仕組み「セールス・イネーブルメント」

セールス・イネーブルメントとは、営業組織を強化・改善するために包括的な視点から管理・実行される取り組みのことを指します。具体的には、より速く・効率的に成果をあげるためのテクノロジーであり、プロセスやコンテンツのことです。

>>セールスイネーブルメントについての詳しい解説はこちら

セールス・イネーブルメントは大きく分けて、インプットプロセスアウトプットの3つの要素で構成されます。

  • インプット:営業成果を高めるために必要となる知識やスキルの習得。営業トレーニングやマネージャーによるコーチングなど。
  • プロセス:インプットした知識やスキルによる営業活動。営業活動をサポートするコンテンツも含む。
  • アウトプット:営業成果(売上・新規顧客数・クロスセル/アップセル)

セールス・イネーブルメントの起点となるのは、常にプロセスに位置付けられます。営業活動を可視化して定量的に評価できるからこそ、適切なインプットを把握することができるというとらえ方です。

適切なインプットを通じた営業活動を行うことによって、営業成果が生まれてきます。プロセスを起点にしつつプロセスを中心に据えるのがセールス・イネーブルメントなのです。

「セールス・イネーブルメント」の6ステップ

セールス・イネーブルメントは、以下の6ステップの順番で進めていきます

  1. 営業活動の可視化し、定量的に活動の改善点を洗い出す。
  2. 打ち手を決定する。
  3. 打ち手の実行に必要なトレーニングやコーチングを施す(インプット)。
  4. デジタルツールやコンテンツの準備:活動の生産性を高める。
  5. 営業活動を行う。
  6. 営業成果を可視化して、次の打ち手につなげる。

6つのステップに沿った一連のサイクルによって、営業組織として成果を高めていくことができます。そして、セールス・イネーブルメントのプロセス全体をデジタル管理することで、営業組織の標準化につながり、継続的な成果をもたらします。

また、顧客とのコミュニケーションへのデジタル活用は、活動の効率化にもつながりより高い生産性をもたらすはずです。次に、デジタル化に役立つツールについて見ていきましょう。

デジタル化に有効なツール

デジタル化に有効なツールとしては、大きく分けて「取引管理」「顧客管理」「コミュニケーションの3領域があげられます。

取引管理において有効なツールとしては、まずSFA(セールスフォース・オートメーション)があります。

SFAには、営業担当者の活動を効率化するための機能や、個人・組織の営業活動の状況を可視化する機能が備わっています。Salesforceやeセールスマネージャーなど、国内外においてさまざまなツールがあるものの、SEデザインではHubSpot Sales Hubを利用しています。

次に顧客管理については、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)というツールを用います。これは顧客情報の一元管理を目的としたツールで、顧客がどのWebサイトを閲覧してどのような行動をとったのかや、自社の社員とどのようなコミュニケーションをとったかなどを可視化し管理できます。

コミュニケーションについては、顧客のステージごとに有効なツールは異なるものです。たとえば、インサイドセールスの領域でIP電話ツール、顧客との商談に入ったらオンライン会議ツールを利用し、リモートおよびオンラインで営業プロセスが完結できる仕組みをとるといった具合です。

SEデザインでは、各領域で以下のツールを使用しています。

  • ・営業のプラットフォーム:「HubSpot
    ・インサイドセールス:「Miitel
    ・オンライン会議ツール:「ZOOM
    ・チャット:「Slack」「Teams

個々のツールの使い勝手はさることながら、HubSpotと連携できる点からも利用しています。当社ではサイト制作・マーケティングからHubSpotを利用しており、そこで獲得した見込み顧客はCRMで管理されます。

インサイドセールスの担当者は、CRMの情報を参照してMiitelから架電します。またニーズが顕在化しているリードは、フィールドセールス(オンラインセールス)へパスされます。

フィールドセールス(オンラインセールス)は、ZOOMを利用して商談を進め、クロージングを目指します。営業組織のデジタル化には、取引管理・顧客管理・コミュニケーションの3つを一体的に取り組み、相乗効果を生み出す設計を行うことが大切です。

デジタル化、はじめの一歩

営業活動のデジタル化において最初に取り組むべきことは「営業活動の可視化」です。自社で行われている営業活動を可視化できれば、その活動を正しく評価することができます。

改善点や伸ばすべきポイントが分かり、適切な施策を打てるようになるでしょう。可視化すべき営業活動とは、「組織全体で個々の顧客の活動が見えること」「営業担当者の受注までの営業プロセスを可視化すること」の2つを指します。

営業プロセスを可視化するためには、営業パイプラインの作成が欠かせません。営業パイプラインとは、営業プロセス(アポイントから受注まで)のすべての段階を定義し、見込み顧客の具体的な行動をきっかけに、その営業プロセスが順に移動していく様子をビジュアル化させたものです。

営業パイプラインは、次の5つのステップによって作成します。

  1. 営業プロセスを分解して、複数のフェーズに分ける。
  2. 分解したプロセスに顧客の購買行動、意思決定プロセスの視点を反映させる。
  3. 各フェーズにおける活動を定義する。
  4. 各フェーズのゴールを設定する。
  5. 各フェーズの通過率、日数を設定する。

営業プロセスを分解するにあたっては、「アポイント獲得」「商談」「提案/見積」「フォロー」「受注」など、複数のフェーズに分けます。次に、顧客の購買行動や意思決定のプロセスを反映させていきます。

この2番目のステップが営業パイプライン作成においてはとても重要ですので、時間をかけて丁寧に行いましょう。作業は以下の8つ程度の工程に分解できます。

  1. 課題の認識
    見込み顧客が自社に解決すべき課題があることを認識した、購買行動の起点です。
  2. 課題および解決策の調査、情報収集
    課題の認識後、課題そのもの、その課題の解決策について調査、情報収集をしている段階です。
  3. 課題および解決策の定義
    調査、情報収集を通じて、自社の課題を定義して、解決策の方向性が固めていく段階です。
  4. 解決策(発注先)の比較・検討
    複数の解決策を比較、検討している段階です。
  5. 解決策(発注先)の絞り込み
    検討した解決策を絞り込み、担当者の中では解決策が固まりつつある段階です。
  6. 解決策(発注先)の決定
    意思決定者である上司の承認や、同僚、関係部署からの賛同をとりつける段階です。並行して、発注する事業者への契約金額や導入スケジュール等の調整も行われます。
  7. 社内承認(稟議等)
    内部の調整を終え、稟議の承認を待つ段階です。
  8. 契約(注文書の発行)
    稟議が通り、発注する事業者へ注文書を発行する段階です。

顧客の意思決定プロセスを反映させたものが、営業パイプラインとなります。意思決定のプロセスとしては、「提案機会の特定」「価値の合意」「意思決定者と合意」「契約内容の合意」などがあげられます。

実際の作成にあたっては、営業チームでのミーティングや顧客へのヒアリングなどを行った上で作成することが大切です。営業プロセスの分解が完了したら、各フェーズの活動を定義していき、フェーズごとのゴールを設定しましょう。

ゴールの設定としては「商談機会の特定」フェーズを例にするなら、「顧客の課題が言語化され定義できている」「その課題を半年以内に解決したいと思っている」「提案を行うことに合意している」などがあげられます。そして、営業パイプライン作成の最後のステップとして、各フェーズでの通過率・経過日数を設定しましょう。

営業パイプラインを完成させた後には、実際に運用をして営業活動を可視化していきます。運用を進めていくと、次のような点が見えてきて必要なアクションを起こせるはずです。

  • ・提案フェーズから受注までの受注率、日数が予測できるので、平均受注額との情報と合わせれば、現時点での数カ月後の受注予測ができる
    ・各フェーズの通過率から、営業プロセスにおける組織の改善点が分かる
    ・各フェーズの組織と個人の通過率から、個人の営業プロセスにおける改善点が分かる
    組織と個人に適切なマネジメントが行える
    適切なインプット(研修やトレーニング)が行える
    ・自社にとって、本当に必要なデジタルツールが見えてくる

営業組織を強くするセールス・イネーブルメントは営業活動の可視化から始まります。可視化においてSEデザインでは、HubSpot Sales Hubを利用しており、HubSpot CRMでは営業パイプラインの作成、運用が無料で始められます。

営業によるパフォーマンスを最大化するためにも、営業活動のデジタル化を進めてビジネスの成長・拡大につなげていきましょう。

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