MA、SFA、CRMツールの違いとは?それぞれの導入目的と機能を解説

公開日:2020-02-27 更新日:2022-06-10 by SEデザイン編集部

目次

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企業のマーケティング活動やセールス活動をより効率的に行うためにIT化が進み、「MA」「SFA」「CRM」といったITツールの利活用が進んでいます。その一方で、これらのツールはそれぞれ役割が違うにもかかわらず、混同されることが多く、自社にとって本当に必要なものはどれなのか、ついつい迷ってしまいがちです。

今回は、そんな「MA」「SFA」「CRM」それぞれの違いと役割について、明確にご理解いただけるように解説していきます。

MA、SFACRMの違いを一言で言うと?

以下のように、この3つのツールは明確に目的が違っています。

  • MA(マーケティング・オートメーション):
  • 見込み客(リード)発掘のためのマーケティング業務を効率化するツール。
  • SFA(セールス・フォース・オートメーション):
  • 見込み客(リード)に対する営業活動業務を効率化するツール。
  • CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネージメント):
  • 見込み客(リード)・既存顧客の管理を効率化するツール。

また、その目的の違いから、ビジネスのプロセスごとに最適なツールは変わります。

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次に、それぞれのツールの機能について詳しく掘り下げてみましょう。

MAの導入目的と基本機能

従来、企業のマーケティング活動においては定型的な業務を人力で繰り返し行っていました。MAツールは、そうした定型業務を効率化するだけでなく、webやメールを使ったマーケティングから得た複雑なデータを、大量かつ自動で処理化することにより、従来よりもさらに高次元のマーケティングを実現しました。

つまりMAとは、より受注に近い見込顧客(リード)をマーケティング部門が効率的に集め、営業部門に提供するために導入するツールだと考えればよいでしょう。

  • ■基本機能
  • 見込顧客の創出:
  • オウンドメディアとしてのLP(ランディングページ)作成、webサイト、ブログの作成、問合せフォームの作成、SEO(検索エンジン対策)、SNS管理など。
  • 見込顧客の管理、分類:
  • 見込み客の氏名や住所、流入経路、イベント参加情報などの個別情報をデータベース化し、スコアリングする機能が搭載されています。
  • 見込顧客の育成:
  • 顧客の購買意欲を高めるために、スコアリング結果をもとにしたステップメールや、SNSでのコミュニケーション、チャットの自動化などを行うことができます。

SFAの導入目的と基本機能

SFAツールでは、企業が利益を得るうえで核となる営業業務において、従来、個人のマンパワーで行っていた営業活動履歴の記録や商談履歴の記録、顧客情報管理などをデジタルデータ化することができます。さらに、それらのデータを部署全体のデータとして周囲に共有することが容易となり、過去の商談の成功例や顧客の過去の成約履歴などを参照し成約率を上げることが可能となります。

また、数値化されたデータから個々のセールスマンの強み弱みを可視化できるため、管理者がセールスマンへ助言を与えたり、適切な評価するための基準ともなります。つまり、SFAツールとは営業活動を視覚化し、効率的に営業活動を行うことで成約へとつなげるために導入するツールです。

  • ■基本機能
  • 顧客情報の管理:
  • 住所や氏名、役職など、顧客の個別情報をデータベース化して管理する機能が備わっています。最近では、名刺をスキャンするだけでデータベース化出来るSFAツールも増えています。
  • 案件の管理:
  • 受注までの案件情報を管理する機能で、従来の営業日報を効率化し、主に営業マネージャーによる案件情報の把握と個別案件に対しての適切な指示を行うために用いられる機能です。
  • 商談の管理:
  • 商談の進捗状況、問題点などを効率的に管理する機能です。商談の状況をデータ化することで適切なアクションを選択し、受注の確度を高めていくことができます。
  • 営業活動の管理:
  • 担当者の営業プロセスを管理する機能です。各担当者ごとのテレアポ数、訪問数、受注率などを数字で比較することで、優れている点と問題点を把握し、ステップアップのための助言、評価を行うのに役立ちます。
  • 売上の予実管理:
  • 担当別や部署別だけでなく、顧客別、商品別、サービス別で売上の予実管理が行えるため、より的確な売上予測を行うことができます。

CRMの導入目的と基本機能

CRMツールは、営業資産である顧客情報をデジタル化し、部署内あるいは会社内で共有し活用することを可能にしたツールです。

基本的な機能はSFAツールと似ており、SFAツールとCRMツールは、言い方は違えど同じものとして活用されることが増えてきています。しかし、SFAツールは成約へ至るための顧客情報管理であるのに対し、CRMツールでは既存顧客の囲い込みを目的として活用される点が異なっています。

  • ■基本機能
  • 顧客情報の管理:
  • 既存顧客の個人情報、商談履歴、担当者、案件情報、アフターサービスや問い合せ履歴などを統合的に管理することができます。
  • 顧客情報の抽出、分類:
  • 管理している顧客情報の中から、複雑な条件によるデータ抽出もできるため、顧客の購買履歴や購買傾向の分析から、自社の問題点を把握することにも役立ちます。
  • マーケティング機能:
  • webサイトやランディングページといったオウンドメディアやメールに対する反応を記録できるため、行動履歴に基づいたマーケティングに活用することができます。

以上が、各ツールの概要と基本機能です。

では次に、それぞれの代表的なツールを紹介しましょう。

主なMAツール

b→dash

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(画像出典:b→dashウェブページ

堤真一さんとおぎやはぎさんが出演するCMで一躍有名となったb→dash。従来のデータベース操作に必要なITやデータリテラシーがなくとも直感的に使える「データパレット」という業界初のテクノロジーを取り入れたMAツールです。MAツール導入にあたっての一番の障壁と言われるのデータベース作成が簡単に行うことができます。

  • 初期費用:0
  • 最低月額費用:50,000円~
  • 無料トライアル:なし

SATORI

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(画像出典:SATORI ウェブページ

SATORIは600社以上が導入する国産のMAツールです。SATORIの一番の特徴は、匿名リードにもアプローチ可能という点です。webサイトを使ったオウンドメディアのマーケティングにおいて個人情報が登録される確率は一般的に低いですが、匿名リードのアクセス履歴を蓄積して分析することで、ピンポイントで最適な広告を表示することを可能としました。

また、日本の企業に合ったUI(ユーザーインターフェイス)となっており、日本企業がよく使う機能は簡単に操作でき、逆にあまり使わない機能は省略することで、シンプルで使い勝手のよいMAツールです。

  • 初期費用:100,000
  • 最低月額費用:100,000円~
  • 無料トライアル:あり

主なSFAツール

eセールスマネージャー

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(画像出典:eセールスマネージャー ウェブページ

5,000社以上の導入事例があるeセールスマネージャーは国産のSFAツールで、外回り中心の日本の営業スタイルに合った作りとなっています。活動報告は屋外でスマホから入力するだけで、入力されたデータは全てのツールに反映されます。導入実績も多く、そこから得たノウハウを生かしたサポートが受けられます。

  • 初期費用:0
  • 最低月額費用:6,000円~
  • 無料トライアル:あり

Senses

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(画像出典:Senses ウェブページ

SFAツールでは比較的新しいSensesですが、すでに1,300社の導入実績があるツールです。一番の特徴は案件の進捗状況がカード式になっており、ドラッグアンドドロップで直感的に操作出来る点です。また、一部の外部サービスと連携でき、Gmailやカレンダーなど、様々な情報を一元管理することが可能です。

  • 初期費用:0
  • 最低月額費用:25,000円~
  • 無料トライアル:あり

主なCRMツール

Fullfree

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(画像出典:Fullfree ウェブページ

CRMの入門ツールとして人気があるFullfree(フルフリー)は、スタンドアロンでもクラウドでも利用できるツールです。無料で3,000件までのデータベースを利用できる点も魅力的です。

現在の多くのCRMツールは、MA機能やSFA機能も備えたものが主流ですが、あくまで顧客管理に機能を絞っていることも特徴です。顧客管理における項目名などの任意変更など自由にカスタマイズできる領域が多く、自社のニーズにも柔軟に対応できます。

  • 初期費用:0
  • 最低月額費用:0

フリーウェイ顧客管理

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(画像出典:フリーウェイ顧客管理 ウエブページ

フリーウェイ顧客管理は1,000データ、ユーザー数3名までは無料のCRMツールです。設計してから約1時間で使用できるシステムを目指しているとおり、既存のCSVデータ、Excelデータも取り込めるため、初期導入の負担も比較的少ないです。顧客管理だけではなく、データベースをカスタマイズすることで社員名簿や在庫管理なども作成できるのが特徴の一つです。

  • 初期費用:0
  • 最低月額費用:0

MASFACRMを網羅した統合型ツール「Hubspot」

MA・SFACRMツールの違いを解説しましたが、どれか一つだけではなく、複数のツールを導入・運用することケースも少なくありません。複数のツールを同時に運用するには、データの連携が重要になってきます。最近ではMAツールとSFAツール、CRMツールの機能を統合したツールも登場しており、データの連携と一元管理を可能にしています。

そんな中でおすすめしたいが、HubSpotというツールです。完全無料のCRMツールを土台としてマーケティングツール、セールスツール、カスタマーサービスツールを無料から利用することができます。当然ながら、すべてのツールはHubspot社が提供しているため、MA、SFA、CRMの機能がシームレスに連携しており、データ連携で悩む必要はありません。

新規CTA

HubSpot無料版の主な機能を以下のとおりです。

  • 1.CRM機能
  • 顧客(コンタクト)や顧客企業の情報を一元管理できます。また、コンタクトのウェブサイトなどでの行動(アクティビティ)の記録し、確認することができます。また、アクティビティを含めた多くの条件をもとにリストを作成できるため、適切なターゲティングを行うことができます。
  • 2.MA機能
  • Hubspotでは、無料版でもメールを毎月2000件送信でき、HTMLメールも作成可能です。さらに、リードマーケティングに必要なフォームについても、埋め込み型のフォームからポップアップのフォームまで作成することができます。また、それらを分析できるレポート機能もついており、ダッシュボードから結果を確認することができます。
  • また、広告も連携させることが可能で、Google広告(旧:アドワーズ)やFacebook広告に加え、Instagram広告LinkedIn広告にも連携させることが可能です。
  • 無料版でもチャットボットを利用もできるため、その点も人気の理由のひとつです。
  • 3.SFA機能
  • 営業支援ツール(SFA)の機能である商談・取引や担当者のタスク管理、顧客とのコミュニケーションをスムーズに行うための機能が揃っています。電話のログも記録できるだけでなく、メールについてもGmailOutlookとの連携することで、コミュニケーションを一元的に管理することができます。
  • 4.カスタマーサービス機能
  • 本記事で解説したMA、SFA、CRMだけでなく、カスタマーサポートなどの業務で活用できる機能も利用できます。顧客からの問い合わせを「チケット」として登録し、その進捗を管理することができます。また、対応が完了したチケットに関するレポートや、サポート担当者の生産性に関するレポートも作成することができます。

各機能の詳細、導入方法は「無料のHubSpot CRM?HubSpot CRMの機能と使い方を徹底解説」もご参照ください。

インバウンドマーケティングが主流となり、今後ますますIT技術で効率化したこれらのツールの必要性が上がってきます。自社にとって最適なツールは何か、将来のビジネス展開も視野に入れつつ自社に合ったツールを導入しましょう。

新規CTA
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