テレワークなどの拡大にともなって昨今注目を集める「ウェビナー」。近年、セミナーの新しい開催方法として活用する企業も増えています。そこで当記事では、ウェビナーの開催手順やコツなどを紹介します。
ウェビナーとは何?
ウェビナーは「ウェブ(Web)」と「セミナー」を組み合わせて生まれた単語です。「Webセミナー」や「オンラインセミナー」とも呼ばれており、パソコンやスマートフォンとインターネット環境があれば、どこからでも気軽に参加できます。
スマートフォンの普及や通信技術の進歩、在宅勤務の推進によってウェビナーを活用する企業も増えており、参加者数も増加しつつあります。
ウェビナーを開催する4つのメリット
ウェビナーを開催するおもなメリットには、「集客対象の幅が広がる」「開催にかかる費用が少ない」「参加者側からの質問を受けやすい」「準備や片付けの手間が少ない」の4つがあります。
インターネットを介して開催されるウェビナーには場所の制限がありません。わざわざ開催地に行く必要もないため、気軽に参加できるのもウェビナーの魅力です。
ここでは、ウェビナーのメリットを詳しく紹介します。
1. 集客対象の幅が広がる
ウェビナーには場所の制約がないため、「集客対象の幅」を広げられます。従来のセミナーであれば、受講者に会場まで足を運んでもらう必要があり、近隣のターゲットしか集客できませんでした。
一方ウェビナーの場合、パソコンやスマートフォンさえあればどこからでも参加可能です。全国ひいては世界と、今まで対象にできなかったエリアでも集客が行えます。
2. 開催にかかる費用が少ない
ウェビナーは通常のセミナーに比べ、開催費用を抑えることができます。従来のセミナーの場合、参加者を収容できる会場を確保しなければならず、会場費や交通費、宿泊費など、さまざまな費用が必要でした。
前述のとおり、ウェビナーの場合は必要機材とインターネット環境があればどこでも配信でき、会場を確保する手間や費用もかかりません。交通費や宿泊費も削減できるため、開催費用を大幅に抑えられます。
3. 参加者側からの質問を受けやすい
ウェビナーではチャット機能でコミュニケーションを取るため、参加者が質問しやすいという点もメリットといえます。
従来のセミナーでは、主催者から質問を投げかけられても大勢の前での発言に抵抗感があるなど、質問をしづらい傾向にありました。一方ウェビナーの場合、参加者はチャット機能で気軽に質問できるため、主催者も質問を受けやすくなるはずです。
4. 準備や片付けの手間が少ない
会場という概念が不要であるウェビナーは、準備や片付けの手間が少ないのもメリットです。
従来のセミナーの場合、会場の手配のほか、受付や椅子、案内係などを準備する必要がありました。一方ウェビナーでは、これらの大がかりな準備や片付けをする必要がありません。手間が少ない点もウェビナーの利点といえるでしょう。
ウェビナーの開催手順はおもに6ステップ
ウェビナーの開催手順は大きく「ウェビナー開催の目的を明確にする」「目的と内容に合わせたツールを選定する」「適切な配信環境を整備する」「オンライン・オフラインで集客する」「リマインドによる出欠確認を行う」「ウェビナーの実施と振り返り」の6ステップです。
ここでは6ステップの内容についてそれぞれ紹介します。ウェビナーを成功させるためにも、しっかりと手順を理解していきましょう。
1. ウェビナー開催の目的を明確にする
ウェビナーを成功させるためには、開催の目的を明確にしなければなりません。ウェビナーの開催目的は講義や研修、説明会など企業によってさまざまですが、目的を明確にすることでウェビナーの進め方が定まり、効率よく話を進められます。
ウェビナーを開催することが目的とならないよう、何を伝えるために開催するのかを明確にしておくことが大切です。
2.目的と内容に合わせたツールを選定
ウェビナーツールは対社内用と対社外用で必要な機能が異なるため、目的と内容に合わせたツール選定が欠かせません。
たとえば、録画配信できる機能があるツールを選ぶと、議事録の変わりとして後から内容を見返すことも可能です。また、社外に発信する場合は、ウェビナー中にコミュニケーションが取れるチャット機能などがあるとよいでしょう。
料金や接続者数などもツールによって異なるため、目的を明確にしたうえで、予算にあったものを選んでください。
3. 適切な配信環境の整備
スムーズなウェビナーを行うためには、適切な配信環境も整備する必要があります。
ウェビナーの内容には問題がなかったとしても、映像や音声が途切れたり低画質だったりすると、参加者はウェビナーに集中できません。そのため、しっかりと適切な配信環境を整備することが大切です。配信環境を整備するうえでのポイントは大きく2つあります。
一つ目は有線LANの活用です。無線LANよりも通信状況が各段に安定するため、映像や音声が途切れにくくなります。二つ目は機材です。質のよい映像や音声を配信するためにも、カメラやマイクなどは高性能なものを揃えておきましょう。
4. オンライン・オフラインでの集客
ウェビナーの参加者を増やすために、オンラインとオフラインを併用しながら集客を行います。
オフライン集客とは、ダイレクトメールやビラなどによる集客です。オンライン集客では、メールやネット広告、SNSなどをメインにするとよいでしょう。
ちなみに、閲覧履歴を活用してアプローチできるネット広告に、「リターゲティング広告」と呼ばれるものもあります。
詳細については以下のページをご覧ください。
リターゲティング広告のメリットとは?仕組み・設定方法をわかりやすく解説
5. リマインドによる出欠確認
開催日の1週間前や前日にリマインドメールを送り、出欠確認を行うことも大切です。ウェビナーは気軽に参加できるものではありますが、ドタキャンが多いといったデメリットがあるためです。
いくら集客ができても、参加者が当日に来なければ意味がありません。そのため、リマインドによる出欠確認を行うなど、アナウンスを徹底しましょう。
6. ウェビナーの実施と振り返り
ウェビナー終了後は必ず振り返りを行います。ウェビナーを実施する際は、講師とは別に機材の操作を担当するサポートスタッフを配置しておくと、スムーズにウェビナーを進められるでしょう。
実施後は録画機能を活用してウェビナーを振り返りながら、改善点を洗い出して次につなげることが大切です。
アンケート機能を活用すれば参加者の声も聞けるため、コンテンツの内容をより細かく評価したり分析したりできます。
ウェビナー開催の効果を高める4つのコツ
ウェビナーの開催効果を高めるためには、「入念なリハーサルの実施」「事前のアナウンスでモチベーションを高める」「視聴者を飽きさせないコンテンツを用意する」「ウェビナー実施後のフォローアップ」の4点が重要です。
ここではウェビナーの開催効果を高める4つのコツについて、その内容を詳しく紹介します。それぞれのポイントをおさえて効果の高いウェビナーを目指しましょう。
1. 入念なリハーサルの実施
ウェビナーを開催する際は、入念なリハーサルを実施しましょう。リハーサルを行うことで参加者側の視点をチェックできます。
視聴者の視点で事前にチェックすることで開催前に改善点を見つけられるため、より効果の高いウェビナーを開催できます。
リハーサルの有無がウェビナーの効果を左右するといっても過言ではないため、入念に取り組むようにしてください。
2. 事前のアナウンスでモチベーションを高める
前述のとおり、従来のセミナーよりもキャンセル率などが高いウェビナーでは、事前のアナウンスで参加者のモチベーションを高める必要があります。事前のキャンセルを防ぐためには、参加者が参加したいと思えるような工夫が重要なのです。
目次や講師の実績、参加特典を用意してアナウンスしておくことで、参加者のモチベーションも高まり、参加率アップにつながるでしょう。
3. 視聴者を飽きさせないコンテンツを用意
キャンセル率の高さと同様に、離脱率が高いのもウェビナーのデメリットです。離脱を防ぐためにも、視聴者を飽きさせないようなコンテンツを用意しましょう。
事前アナウンスで参加率を改善しても、ウェビナーのコンテンツ自体に魅力がなければ最後まで視聴してくれません。
「視聴者との会話を心掛けること」や「リアルタイム配信の場合は動画を挟むこと」など、視聴者が飽きないような工夫を心がけましょう。
4. ウェビナー実施後のフォローアップ
ウェビナーの実施後は振り返りだけでなく、視聴者へのフォローも実施し、参加者との距離感を縮めることが大切です。ウェビナー終了後はできるだけ早く視聴者にお礼などのフォローメールを送りましょう。
また、フォローメールにアンケートを添付しておけば、回収後に精度の高い振り返りを行うことができます。さらに、ウェビナーに関するサービスを添付して紹介したり、今後開催予定のウェビナーを告知したりすると、次回のウェビナー参加者を獲得しやすくなるでしょう。
ウェビナーツールによっては、フォローメールを自動送信してくれる機能が備わっているものあります。フォローメールを自動化しておけば送信の手間も減り、送信忘れも回避できるためおすすめです。
正しい手順でウェビナーを開催して効率的に情報を発信しよう
オンラインで開催するウェビナーは、場所の制約もなく気軽に参加できる反面、参加者が開催を忘れがちで不参加に至ってしまうなどのデメリットもあります。
そのため、ウェビナーを成功させるためには、リマインドによる再アナウンスを参加者に送るなど参加を促しつつ、内容を充実させる努力が必要です。効率的に情報を発信するためにも、正しい手順でウェビナーを開催しましょう。
SEデザインではオンラインセミナーの運用支援を行っております。ウェビナーの事前準備や企画に関してお困りの方はお気軽にご相談ください。