BtoBビジネスにおいて、導入事例は顧客の信頼獲得と営業効果向上に欠かせないツールです。SEデザインは、外資系IT企業様を中心に、年間150件以上、累計2,500件以上もの導入事例を制作してきました。
今回は、ディレクターとして数多くの導入事例を手がけているSEデザインのT・KとK・Aの2名にインタビューを実施し、導入事例が持つ本質的な価値から、実際の効果、そして制作のポイントまでを掘り下げました。
事例は読み手にとって「失敗を避けるための最高の教材」
――導入事例には多くのメリットがあると思いますが、まず読み手にとっては、どのような価値があるのでしょうか?
T・K:
導入事例が持つ一番の価値は、「失敗を避けるための教材」だと考えています。特に、導入を検討している企業にとって、他社が成功している事例は大きな安心感を与えるものです。「この製品・サービスをこのように使えばうまくいきそうだ」という確信を持ちたいという心理が働くので、事例は選定の後押しになるのです。
K・A:
数千万、数億円規模の大きな投資が伴う案件であればあるほど、事例から得られる事前情報はより重要になります。同じ業界・業種の企業が実際に導入してうまくいったという事実は、経営層をはじめとした社内を説得する材料としてもかなり強力です。「他社もこれで成果を出している」という安心感は、検討を一歩前に進めるきっかけになります。
――事例は検討企業にとって、失敗しないための参考資料であり、社内関係者への説明材料にもなるということですね。
作り手にとって取材は「本音を聞き出せる場」
――導入事例は、製品・サービスの導入を検討している企業にとって資料としての価値が高い一方で、事例を作る側(ソリューションを提供する企業)にとってのメリットはどのようなものですか?
T・K:
まず見落とせないのが、取材を通じてクライアントの本音を聞き出せるという点です。事例制作の過程で得られるフィードバックや今後の展望などが、新たなアイデアや提案につながることがよくあります。
また、製品・サービスの改良に活かされることもあります。
たとえば、取材元企業のエンジニアの方が事例取材に同席することがあります。彼らはお客様から、サービスの使い勝手や改善点などのリアルな声を聞きたいようです。「ここでは前向きな回答でなくても今後に活かせる話が聞けた」と、エンジニアの方からお礼の連絡をいただいたこともありました。
――製品・サービス提供側にとって取材の場は、ユーザーに直接話を聞ける貴重な機会なんですね。
事例が問い合わせや商談のきっかけに
――数値的な効果測定が難しいコンテンツだと思いますが、これまで数多く事例を制作してきたなかで、クライアント(事例の作り手側)からはどのような反応をいただいていますか?
T・K:
「事例公開後にお問い合わせが増えた」「お客さまが想定していたこととマッチした事例によって、商談につながった」などという話はよく伺います。「あの事例のおかげで新規受注を獲得できた」というフィードバックをいただけたときは、ディレクター冥利に尽きる思いでした。
K・A:
導入事例制作はリピート率が高く、「継続的に事例制作をご依頼いただいている」=効果が高いツールと認識いただけていると認識しています。「他社で制作した事例はあまり効果が出なかったが、SEデザインに依頼したものは反響が大きかった」というお声をいただいたこともあります。
目的を明確にし、情報を引き出し、ストーリーを描く
――導入事例をより効果的なものにするために、お二人が事例制作において重視していることは何でしょうか?
K・A:
まず、“何のためにその事例を作るのか”をヒアリングするようにしています。「どのようなお客様(ターゲット)に向けて発信するのか」「この事例でどんな成果を目指しているのか」を明確にしておくことで、伝える内容の優先順位が整理しやすくなります。
T・K:
取材に協力してくれるお客様が、負担を感じないような配慮も必要ですね。スケジュールや質問内容を事前に共有し、当日どう進行するのかを明確にしておけば、インタビューを受ける側も安心して話しやすくなります。
それから、事例を形にする際はただ情報を羅列するのではなく、読者の心に響くストーリーを組み立てることが大切です。
――「読者の心に響くストーリー」というのは、どのようなものでしょうか?
T・K:
全てが順調に進んだ話だと、読者にはリアリティが伝わりにくいですし、読み物としての面白みもありません。どんな課題があって、それをどうやって乗り越えたのか。導入の背景や解決策を具体的に描くことで、読者に「自分たちも同じようにできるかもしれない」という共感を与えることができます。
――「課題を乗り越えた成功ストーリー」として描くことで、読者の共感を呼ぶわけですね。そうなると、どれだけ情報を聞き出せるかもポイントになりそうですね。
K・A:
そうですね。具体的なストーリーを描くためにも、クライアントとのブリーフィングで事前に取材先のお客様の情報を引き出すことを心がけています。
情報共有ができていないと、取材でお客様に、基本的なことから質問しなければなりません。できる限りの情報を事前に把握しておけば、ポイントを絞った良い質問がしやすくなります。
――「この事例を何のために作るのか」「誰にどう感じてほしいのか」をベースに、どのようなストーリーを描くべきか、そのためにどのような情報が必要か、を考えていく、ということですね。
初めての導入事例制作もご相談ください
本記事では、導入事例の本質や、効果的な事例制作のポイントなどをご紹介しました。導入事例は、読者にとって「自分たちの課題を解決できるかもしれない」という安心感と具体的なヒントを与える貴重なコンテンツです。一方で、制作には取材や構成、読者目線のストーリー構成など、複数の専門的な要素が必要になります。
SEデザインでは、年間150件以上、累計2,500件以上の導入事例を制作してきました。
「導入事例をどのように作ればよいのか分からない」
「自社の事業内容を理解してアピールする方法が見つからない」
などのお悩みをお持ちであれば、ぜひ一度ご相談ください。
貴社のビジネス目標を丁寧にヒアリングし、最適な導入事例を作り上げるお手伝いをさせていただきます。