近年、コンテンツマーケティングが注目されています。
しかし、実施する際にどの程度の費用が発生するのかはあまり知られていません。また、投資した費用がどれくらいの効果をもたらすのかも気になるポイントだといえます。
本記事では、以下の内容に触れつつ、コンテンツマーケティングの基本的な費用の内訳や費用対効果について解説します。
- コンテンツマーケティングの概要
- コンテンツマーケティングにかかる費用の具体例、相場
- コンテンツ制作の勘定科目
- コンテンツ制作の外注先を選定する際のポイント
コンテンツマーケティングの費用について詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
コンテンツマーケティングの概要
コンテンツマーケティングとは、情報を求めるユーザーに向けて価値のある情報を発信する手法のことです。これにより、ユーザーに興味を持ってもらい自社のファンとして定着させ、商品やサービスへの興味や信頼を高めることが目的です。
具体的には、ブログ記事や動画といったオンラインメディア、セミナーやイベントなどのオフライン活動もコンテンツマーケティングに含まれます。本記事では、そのなかでもオンラインのコンテンツマーケティングについて解説します。
たとえば、SEデザインでは、企業のマーケティング担当者向けの情報を発信するMarkeDriveや生成AI関連サービスの情報を紹介するAIcatchというメディアを運営中です。
コンテンツマーケティングについてさらに詳しい情報は、以下の記事をご覧ください。
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コンテンツマーケティングにかかる費用の内訳
ここでは、コンテンツマーケティングを実施するにあたってどのような費用がかかるのか、詳しく解説していきます。
サイト構築費用
コンテンツを発信するためのベースとなるWebサイトの構築には、以下のような費用が発生します。
<ドメインとサーバー>
Webサイトのアドレスとして機能するドメイン名の取得費用やサイトのデータを保管・公開するためのホスティングサービスのセットアップコスト
<デザイン/開発>
サイトのデザインや機能を実装するための費用。Webデザイナーと開発者の雇用、またはCMS(コンテンツ管理システム)のコスト
戦略設計費
コンテンツマーケティングを成功させるためには、明確な戦略が必要です。そのためのターゲット設定や戦略策定にかかるコンサルティング費用も考慮しておきましょう。メディアの規模や内容によって、戦略の複雑さや要件が変わるため、それに応じた費用が発生します。
また、初期費用だけでなく、運用していくなかで分析・改善するための戦略も必要です。その際、社内に専門的な知識やリソースが不足している場合、外部のエキスパートに依頼することも考えられます。
制作
コンテンツマーケティングでは、定期的に新しいコンテンツを制作することで、より安定した集客を見込めます。動画やホワイトペーパーなどを作成する場合は、単発で費用が発生するケースも多いといえます。
コンテンツを提供する費用は次のようなものが代表的です。
<自社でコンテンツを制作する場合>
従業員の人件費(ライター育成、編集・ディレクションにかかる時間分の給与)
<外注する場合>
コンテンツ制作会社やフリーランスライターなどに依頼するコスト(ディレクター、ライター、デザイナー)
また、その他にも視覚的に分かりやすいコンテンツを作成するためには、記事内の画像添付が望ましいといえます。そのため、素材サイトのサブスクリプション費用が発生することもあるでしょう。
運用費
Webサイトを長期間運営するためには、次のような継続的な費用が発生します。分析・改善を行う場合は、コンテンツのプランニングやペルソナの設計などをもう一度実施するケースもあります。
<ドメインとサーバーの更新>
通常、年間または月間の費用として発生
<メンテナンスとアップデート>
セキュリティ対策、新機能の追加、デザインの更新などにかかる費用
<分析・改善>
月間の数値レポートの作成やアクセス数やユーザーの行動を分析するためのツールやサービスの費用
コンテンツマーケティングの料金相場
コンテンツマーケティングに関わる各項目の料金相場を理解することで、適切な予算を設定しやすくなるでしょう。ここでは、上記で取り上げた各項目ごとの料金相場を一覧表にまとめました。
サイトの規模やコンテンツの作成難易度によって変動したり、フリーランスに外注する・Web制作会社に依頼したりするかといったポイントでも変動します。そのため、目安として参考にしてみてください。
項目 |
料金相場 |
サイト構築費用 |
300,000円〜3,000,000円 |
戦略設計費 |
100,000円〜1,000,000円 |
記事制作 |
1記事あたり50,000円〜300,000円 |
運用費 |
月額50,000円〜100,000円 |
コンテンツ制作の勘定科目
経理の側面からすれば、コンテンツマーケティングにかかる費用の取り扱いに迷うケースも想定されます。
コンテンツ制作費用は、「広告宣伝費」の勘定科目で損金算入します。たとえば、自社の商品やサービスを宣伝するためのコンテンツを制作する場合は、「広告宣伝費」に該当するといえるでしょう。
また、ドメインやサーバーの費用は「通信費」「広告宣伝費」「支払手数料」の勘定科目を用いて仕訳できます。
コンテンツ制作費用 |
広告宣伝費 |
ドメイン費用 |
通信費、広告宣伝費、支払手数料 |
サーバー費用 |
通信費、広告宣伝費、支払手数料 |
コンテンツマーケティングの費用対効果
コンテンツマーケティングを始めるうえで、費用対効果は多くの人が気になるポイントです。また効果を最大化するためには、費用対効果を理解し、適切な投資を行うことが必要だといえます。
ここからは、コンテンツマーケティングにおける費用対効果の特徴について解説します。
効果が出るまでは時間がかかる
コンテンツマーケティングは効果が出るまでに時間がかかるため、短期間での成果を求めるものではありません。初期の段階では費用対効果が低いと感じるケースもあるでしょう。しかし、早い段階で見切りをつけてやめてしまわないことが大切です。
長く継続すればコンテンツ(コンテンツ内の記事数やSNSのフォロワーなど)が蓄積され、費用対効果が上がります。そのため、継続的な取り組みを通して、中長期でのROI(投資対効果)向上を目指しましょう。
費用に比例して高い効果が期待できる
質の高いコンテンツの制作には一定の投資が必要です。良質なコンテンツは読者からの信頼を獲得しやすく、一度公開した後も長期間にわたり効果を発揮します。
反対に、費用対効果を気にして費用を抑えすぎると、効果が上がらない可能性もあります。
コンテンツ公開後は、公開前よりも費用がかかりにくいため、初期投資が高かった場合でも、長期的には費用対効果が高くなるといえるでしょう。
目に見えにくい効果もある
コンテンツマーケティングの効果は、商品・サービスの売り上げ向上といった直接的な効果だけでなく、目に見えにくい部分にも表れます。たとえば、ブランドの認知度や信頼性の向上、企業イメージのアップ、顧客エンゲージメントの向上などにも良い影響を与えます。
継続的な取り組みを行い、これらの間接的な効果も最大化していきましょう。
コンテンツマーケティングで成果を上げるには
コンテンツマーケティングは、デジタルマーケティングの中で重要な役割を果たしています。しかし、コンテンツマーケティングだけを行っても、自動的に成果が出るわけではありません。
ここでは、コンテンツマーケティングで成果を上げるための注意点を詳しく解説します。
目的、ターゲットを明確にする
コンテンツマーケティングを行ううえで最も大切なのは、目的(KGI)を明確にすることです。たとえば、ブランド認知を高めたいのか、それともリード獲得が目的なのかをはっきりさせましょう。
次に、どのような顧客層をターゲットにするかを明確にします。これによって、その顧客層のニーズに合わせたコンテンツを作成可能です。
そして、目的に対して成果までの具体的なチェックポイント(KPI)を設定することで、目的達成に向けての進捗を定量的に管理できます。コンテンツマーケティングは、フェーズによって目標が変わることもあることから、定期的にKGI・KPIを見直しましょう。
中長期的な視点で運用する
SEOを利用したコンテンツマーケティングは、短期間での成果達成は難しいでしょう。キーワードによっては、結果が出るまで3カ月〜半年以上も時間がかかるケースもあります。そのため、短期的な成果よりも中長期的な成功を目指すための戦略を考えることが必要です。
長期的な計画に基づいてコンテンツカレンダーを作成し、その計画に沿って運用していきましょう。時間をかけてコンテンツが蓄積され、成果につながります。
量よりも質を重視する
情報が溢れている現代において、読者が求めているのは量よりも質です。多くの情報を提供するだけでなく、その情報の「価値」や「独自性」が非常に大切になってきます。
そのため、コンテンツを作成する際は、情報の価値や独自性を確保することを心がけましょう。質の高いコンテンツは、ユーザーのエンゲージメントを高め、目標の達成につながります。
分析・改善を繰り返す
コンテンツマーケティングの成果を上げるためには、継続的に分析し、その結果に基づいて改善を行うことが重要です。ただコンテンツを発信するだけでなく、どのような反応が得られているのかを検証し、それを基に戦略を練り直しましょう。
以下の項目は定期的に検証するとよいでしょう。
- アクセス数:
コンテンツにどれだけの人が興味を示したか - エンゲージメント:
記事の読了率や共有回数など、ユーザーのコンテンツとの関わりの深さ - コンバージョン率:
記事閲覧者のうち中で、実際にアクション(例:資料ダウンロードや商品購入)を取った人の割合
たとえば、あるオウンドメディアがリード獲得を目的に運営されているとします。
アクセス数が一定の割合で増加し、記事からの資料ダウンロード数が特定の件数を記録したと仮定します。
この結果を踏まえ、今後の目標は「ダウンロード数をさらに倍増させる」ために、具体的な成果向上のための方向性を設定することになります。
どのようなコンテンツやプロモーションがダウンロード数の増加に貢献したのかを詳細に分析し、その要因を強化する新たな戦略を策定するといった流れとなるでしょう。
外注を上手に活用する
社内でのコンテンツマーケティングの専門知識や経験が不足していたり、人的リソースが不足したりしている場合は、外部の専門家やサービスを利用してみましょう。
ノウハウが豊富な制作会社に依頼することで、質の高いコンテンツ制作や運用が可能となります。また、社内だけで考えるよりも、外部の視点を取り入れられるため、新しいアイディアやアプローチを探ることができるでしょう。
信頼性や専門知識を持ったパートナーとの連携は、長期的な成功を収めるために有効な方法だといえます。
コンテンツ制作の外注先を選定する際のポイント
高品質なコンテンツを制作するためには、外部のパートナーの選定が非常に重要です。ここでは、外注先を選ぶ際のおもなポイントを解説します。自社のリソースと相談しつつ、ノウハウが重複しないように会社を選定していきましょう。
- 業務範囲や費用は希望通りか
- 企業規模・実績は十分か
- マーケティングや業界の知識はあるか
- 納品物のクオリティが高いか
- 担当者やプロジェクト体制は安心できるか
業務範囲や費用は希望通りか
外注先がどのようなタイプのコンテンツ制作に対応しているのか、その業務範囲を明確にしておきましょう。また、希望するコンテンツ制作が予算内で行えるのか、予想外の追加コストが発生しないかを事前に確認します。コンテンツ制作だけでなく、戦略から分析までトータルでサポートしてもらえるかどうかも確認しましょう。
企業規模・実績は十分か
外注先の企業規模やこれまでにどのようなプロジェクトを手がけてきたかを確認します。過去のクライアントへの納品物や成果を参考にすることで、その企業の信頼性や実績を判断可能です。
マーケティングや業界の知識はあるか
コンテンツ制作だけでなく、それを効果的にマーケティングする能力も重要です。マーケティングのノウハウが豊富かどうかも選定のポイントになります。そのため、いつ・どのような規模でマーケティングを成功させたのかといった、実績の内容についてはよく確認しましょう。
また、自社の業界が専門的であれば、その領域の知識が豊富な担当者が望ましいといえます。
納品物のクオリティが高いか
事前にいくつかのサンプル作品を見て、品質を判断しておきましょう。また、変更や修正が必要な場合、柔軟に対応できるかどうか、その流れを確認しておくとトラブルの減少・スムーズな確認も可能です。
担当者やプロジェクト体制は安心できるか
コンテンツマーケティングにおける外注の成功の鍵は、双方向のコミュニケーションにあります。担当者とのコミュニケーションが円滑かどうかも判断ポイントです。
プロジェクトについて定期的な報告をお願いすることで、適切な方向性を保ちつつ作業を進めることができます。進捗報告会などを設け、定期的にフィードバックをすることも大切です。
さらに、外注先のスタッフ体制は十分か、外注先の二次外注先があるか、またその場合の管理方法や問題発生時の対応策なども詳細に確認します。
以上のポイントを踏まえて、自社のニーズやビジョンに合致した外注先を選ぶことで、効果的なコンテンツ制作が実現できます。
参考:コンテンツマーケティングの代行会社おすすめ12選|選び方や費用相場も徹底解説
まとめ:自社に最適な外注パートナーを見つけよう
この記事では、コンテンツマーケティングにかかる費用、成果を上げるための注意点、そして外注先選定のポイントについて解説しました。コンテンツマーケティングの実施には、次のように多岐にわたる費用が発生します。
- サイト構築
- デザイン/開発
- 戦略設計
- コンテンツ制作
- メンテナンスとアップデート
そして、成果を上げるためには、以下のような項目の適切な活用が必要です。
- 明確な目的とターゲットの設定
- 中長期的な視点
- 質を重視したコンテンツ作成
- 定期的な分析・改善
- 外部の専門家やサービス
外注先を選定する際には、業務範囲や費用、企業規模・実績、マーケティングや業界の知識などを考慮し、最適なパートナーを選択しましょう。
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