インバウンドマーケティングに最適化された「HubSpot CMS」の機能と使い方
更新日:2025-02-06 公開日:2020-01-27 by SEデザイン編集部
昨今のデジタルマーケティングでは、企業から顧客に対して一方的に働きかける「アウトバウンドマーケティング」よりも、顧客が欲するコンテンツを提供して興味を喚起する「インバウンドマーケティング」が主流となっています。インバウンドマーケティングにおいて、オウンドメディアによる情報発信は有効な手段のひとつですが、ただ単に情報を発信するだけではなく、顧客が欲する情報に合わせて常に進化できる必要があります。
今回は、WebサイトやEメールを作成できるだけでなく、顧客情報を一元管理できる「HubSpot CRM」と連携して、顧客にとって最適なコンテンツを届けられる「HubSpot CMS」について紹介します。
CMSとは
CMSとは「Contents Management System」の略で、HTMLやCSSといったWebの専門的な言語を知らなくともWebサイトを構築、管理、更新ができるシステムのことを言います。WordPressやMovable TypeといったツールがCMSとしてよく知られています。
CMSは、従来のWebサイトの構築手法に比べ、次のような点で優れているため、コンテンツの更新やデザインの微調整など、更新頻度が重視されるオウンドメディアに適しているといわれています。
- 自社でコンテンツの制作から更新まで完結できる
- 複数の担当者、担当部署で管理ができる
- メールフォームやアンケートなどを簡単に構築できる
- PCだけでなくモバイル端末にも最適化されたWebサイトを自動的に生成できる
- デザイン変更が容易である
HubSpotのCMS(Content Hub)とは
「HubSpot CRM」との連携でインバウンドマーケティングに適したWebサイトを構築
「Hubspot Content Hub」は、単なるCMSとしての機能だけでなく、インバウンドマーケティングの統合型プラットフォーム「HubSpot CRM」の全機能も利用できます。そのため、管理している顧客(=コンタクト)ごとにパーソナライズしたコンテンツやフォームを、営業チームやマーケティングチームと連携して作成することが可能です。さらに、Hubspot Content Hubで公開したWebサイトからコンタクトの情報を収集し、CRMに自動で反映させることができます。
HubSpot Content Hubの機能紹介
「Hubspot Content Hub」には次のような機能があります。
Webコンテンツ作成機能
ブログ&コンテンツ作成ツール
インバウンドマーケティングに効果的なブログやランディングページのコンテンツを作成できます。また、PCだけでなく、モバイル端末などの複数デバイスに最適化されたレスポンシブデザインのランディングページを簡単に作成できます。
デザインマネージャー
用意されたテンプレートだけでなく、オリジナルのテンプレートやレイアウトスタイルを構築できます。
パーソナライズされたコンテンツの作成
コンタクトに関して保存されている特定の要件に基づいてパーソナライズされたWebサイトやランディングページ、フォーム、CTA、Eメールを作成できます。
細かなパーソナライズ
「HubSpot CRM」に収集されているあらゆる情報が利用することで、他のCMSに比べてより細かなパーソナライズが可能です。
フォームの作成と入力データの収集
ネイティブフォームやポップアップフォームなど、さまざまな種類のフォームを作ることができます。また、フォームに入力された情報をもとに、CRM内に新しいコンタクト情報を作成、あるいは既存のコンタクトに情報を追加できます。
ステージング環境
既存のウェブプレゼンス(Web上の企業の存在感)を変更することなく、最新のサイトを構築できます。コンテンツのステージング(テストを行うWebサイト環境)により、個別のステージング領域で安全に構築し、変更部分をテストして、新しいデザインをシームレスに公開できます。
効果的なテンプレートやモジュールのマーケットプレイス
目的に応じて予め用意されているランディングページ、ウェブサイトページ、Eメール、モジュールアセット(Webサイトなどで使う部品)を使用して、マーケティングの質を高めることができます。
セキュリティ対策機能
標準SSL証明書
Hubspot Content Hubで作成したWebページはSSLが標準的に搭載されているため、訪問者が安心してウェブサイトにアクセスできるようになるだけでなく、検索順位の上昇も期待できます。
コンテンツ配信ネットワーク
サイトの脆弱性に対する潜在的な攻撃件数を追跡できます。
セキュリティモニタリングおよび脅威検出
脅威からの攻撃に対して防御し、CMSでホストされているウェブサイト、ブログ、ランディングページを安全に保つことができます。
SEO及び各種検証機能
SEO&コンテンツ戦略
SEOツールで取り上げるべき内容を見極め、最適化することで、コンテンツ作成による成果を最大化することができます。
Google Search Consoleとの連携
Google Search Console(GoogleのSEOツール)との連携でHubSpot内から直接Search Consoleの情報を閲覧することができます。
コンテンツアナリティクスビュー
コンテンツの成果についての各種レポートを作成することができます。
その他機能
99.99%の稼働時間
HubSpotのホスティングは稼働状態を99.99%保ち、ウェブサイト、ランディングページ、ブログのビジネスチャンスを逃がしません。
HubSpot Content Hubを使ってみよう
それでは、実際にHubSpot Content Hubを使ってWebサイトを構築していく流れを紹介します。
まずはHubSpot CMSにログインし、「マーケティング」→「ウェブサイト」→「ウェブサイトページ」と進みます。
下記のようなページが開きますので、右上の「作成」をクリックします。
テンプレートを選択する画面が表示されますので、作りたいページのイメージに近いものを選択します。
サムネイル上にマウスのカーソルを合わせると、詳細をプレビューで確認することができます。
テンプレートに収録されているものはシンプルなものが多いので、出来上がりのイメージが分かりにくい場合があります。その場合は「マーケットプレイス」タブからテンプレートを選択するのもいいでしょう。
有料のテンプレートが多いですが、中には無料で利用できるものも用意されています。
今回は、マーケットプレイスに収録されているものの中から無料のテンプレートを選択してみました。サムネイルをクリックすると以下のように詳細なテンプレートの特徴やデモページが表示されます。問題が無いことを確認して、右上の「無料でテンプレートを入手」をクリックします。
※有料のテンプレートの場合は決済用のページが開きます。
マーケットプレイスページの購入済みタブに先ほど選択したテンプレートが表示されます。
表示されているテンプレートの「準備完了」にマウスカーソルを合わせるとページ作成の選択が表示されますので、ページ作成を選択します。
ページ名を入力する画面が表示されます。ここで入力するページ名はウェブサイトのタイトルではなく、CMS上でウェブページを管理する名称なので、自分で管理しやすい名称を入力します。
ページ名を入力し「ページ作成」をクリックすると下図のような編集ページが開きます。
ページは「Heading And Subheading」「Contact Address」などの複数のモジュール(部品)で構成されており、それぞれのモジュールごとに編集が可能です。
修正したいモジュールをクリックすると編集用のウィンドウを表示されるため、そのウィンドウからコンテンツの修正や追加を行います。また、ページに含まれるすべてのモジュールを一覧表示し、そこから修正することもできます。
テンプレートを使ってのウェブページの制作になるので、文字や画像を入れ替えるだけで基本的なものを完成させることが可能です。テンプレートで不足しているモジュールも簡単に追加することができます。
「設定」タブでは、ウェブページのタイトルや公開先のURLを設定できます。独自ドメインで公開したい場合は、「ドメインを接続してください」をクリックして予め独自ドメインの接続設定を行っておきます。
※独自ドメインの接続設定処理後、実際に接続されるまで数時間から24時間程度の時間が必要です。
ページタイトル、メタディスクリプションなどは、フォームに文字を入力すると適切なアドバイスが表示されますので、それに従って入力します。
左上の「テストを実行」をクリックすると、同じコンテンツで複数のページバリエーションを作成できるため、A/Bテストなどを行うことが可能です。
すべての設定を完了すると「公開またはスケジュール」タブより今すぐ公開、あるいは公開予定日時をスケジューリングして公開できます。
以上がHubSpot Content Hubを使ったWebサイト構築の簡単な流れです。
このあと、CRM機能を使ってフォームなどのコンテンツを加えていくことで、より精度の高いインバウンドマーケティングが実行できるようになります。
最後に
今回はHubSpotのCMS「Content Hub」について、その機能と簡単な使い方を紹介しました。
単にWebサイトを制作するだけであれば、WordPressやMovable Typeといった無料あるいは低コストのCMSで十分です。
しかし、インバウンドマーケティングのためにオウンドメディアを構築するのであれば、HubSpot Content Hubのように多機能で、かつCRMと連携できるツールを利用することで、より効果的なインバウンドマーケティングが実現できます。
※HubSpotとインバウンドマーケティングがわかる「インバウンドマーケティング入門ガイド」はこちらからダウンロードできます。
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