HubSpotのワークフローとは?メリットや作成方法、事例を紹介
更新日:2024-10-11 公開日:2024-08-23 by SEデザイン編集部
HubSpotのワークフローは、マーケティングや営業のプロセスを自動化し、効率化を図るための機能です。HubSpotのワークフローにより、見込み客の育成、顧客との関係強化、タスク管理がスムーズに行えるようになるでしょう。
この記事では、HubSpotのワークフローのメリットや具体的な作成方法、活用事例をご紹介します。HubSpotのワークフローを活用して、ビジネスの成長を加速させましょう。
HubSpotの「ワークフロー」とは?
出典:HubSpot
HubSpotのワークフローとは、ビジネスプロセスの自動化を実現する機能のことです。HubSpotのワークフローを活用することで、マーケティング、営業、カスタマーサービスなど、多岐にわたる部門の業務効率化が促進されます。
HubSpotのワークフローでは、集計した顧客の行動やデータに基づいて、メール配信、タスク作成、データ更新などのアクションを自動的に実行できます。これらの機能により、人的リソースを最小限に抑え、チームの生産性向上と顧客体験の向上を同時に実現できるでしょう。
HubSpotの概要について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
HubSpotのワークフローの連携機能
HubSpotのワークフローは、ZoomやSlack、Google Sheetsなどの外部アプリと連携できます。
たとえば、Zoomウェビナーの参加者に自動でフォローアップメールを送ることが可能です。また、Slackで特定のアクションが発生した際に、そのトリガーに基づいて自動通知を送信できます。さらに、これらの重要な情報をチームメンバーにリアルタイムで共有できます。
HubSpotのワークフローを外部ツールと連携することで、情報共有の効率化、顧客対応の円滑化、チーム全体の生産性向上などの効果が期待できます。
HubSpotのワークフローの料金
HubSpotのワークフロー機能が利用できるプランの一覧は、以下のとおりです。
製品名 |
プラン |
月額料金(税込) |
Marketing Hub |
Professional |
106,800円~ |
Enterprise |
432,000円~ |
|
Sales Hub |
Professional |
12,000円~ |
Enterprise |
18,000円~ |
|
Service Hub |
Professional |
12,000円~ |
Enterprise |
15,600円~ |
|
Operations Hub |
Professional |
96,000円~ |
Enterprise |
240,000円~ |
HubSpotには無料プランもありますが、ワークフロー機能を活用するには有料プランの契約が必要です。
HubSpotのワークフローの便利な機能
HubSpotのワークフローでは、さまざまな便利機能を利用可能です。ここでは、HubSpotのワークフローのおもな機能を4つ紹介します。
- 再登録
- 遅延設定
- テスト
- スプレッドシート連携
それぞれの機能を詳しく確認していきましょう。
再登録
HubSpotのワークフローの「再登録」機能を使えば、すでにワークフローに登録されたレコードでも、特定の条件を満たすことで再度ワークフローに登録できます。
たとえば、一度メールを送信した顧客が、その後特定のページを閲覧した場合に、再度フォローアップメールを送信するといったトリガーを設定可能です。
再登録機能により、顧客とのコミュニケーションが継続的に促進され、より効果的なマーケティング施策を実行できるでしょう。
遅延設定
HubSpotのワークフローの「遅延設定」は、ワークフロー内のアクションの実行タイミングを調整する機能です。
たとえば「メール送信」アクションの前に「遅延」アクションを挿入し「7日間」と設定すると、メールは7日後に送信されます。
顧客のエンゲージメントを高めるには、自然な流れでコミュニケーションを継続する必要があります。そこで遅延設定を活用すれば、顧客へのフォローアップメールを送るタイミングや、一連のアクションの実行間隔を最適化できるでしょう。
テスト
HubSpotのワークフローには、2種類のテスト機能があります。
「基準のテスト」では、特定のレコード(コンタクト、会社など)がワークフローの登録条件を満たすかどうかを確認できます。「テスト機能」では、レコードがワークフローに登録された後の動きをシミュレート可能です。
テスト機能によって、メール送信やタスク作成などのアクションが正しく実行されるかを確認できます。
テストは、ワークフローの編集画面から実行可能です。テストメールを受信するには、配信カテゴリーへのオプトインや再登録が必要な場合があります。なお、if/then分岐を含むワークフローでは、レコードが通る分岐とその結果をプレビューできますが、実際のアクションは実行されません。
スプレッドシート連携
HubSpotのワークフローとGoogle Sheetsを連携すると、HubSpotに蓄積されたデータをGoogleスプレッドシートに自動的に送信できます。
たとえば、新しいリードの情報を営業チームが共有しているスプレッドシートに自動で追加したり、顧客のステータス変更をリアルタイムで反映したりと、さまざまな用途に活用できるでしょう。
スプレッドシート連携機能により、データの手動入力や更新にかかる手間が削減され、チーム間の情報共有が円滑になります。
HubSpotのワークフロー機能のメリット
HubSpotのワークフロー機能のメリットは、以下のとおりです。- 業務の自動化・効率化につながる
- 確度が高いリードを獲得できる
- リードナーチャリングの効果が向上する
- 顧客満足度の向上につながる
HubSpotのワークフローにはさまざまな便利機能があり、営業・マーケティング活動に大きなメリットをもたらします。
この章では、HubSpotのワークフローを活用することで得られるメリットを、より詳しく解説します。
業務の自動化・効率化につながる
HubSpotのワークフロー機能を活用することで、リードへのメール送信、タスク作成、リードスコアリングなど、これまで手動で行っていた作業を自動化できます。自動化の結果、担当者は煩雑な繰り返し作業から解放され、より高度な業務に注力できるようになるでしょう。
また、ワークフローが設定した条件に基づいて自動的にアクションを実行するため、人為的なミスや対応漏れの防止につながります。結果として、業務全体の効率化と生産性の向上を実現できるのです。
確度が高いリードを獲得できる
HubSpotのワークフローを使ってリードのスコアリングを行うことで、各リードの購入意欲や製品への興味関心度合いを数値化し、優先順位付けができます。
具体的には、Webサイトでのページ閲覧履歴、コンテンツのダウンロード、フォーム入力内容などのデータを分析し、スコアリングします。
営業担当者は高スコアのリードに絞った集中的なアプローチが可能になり、限られたリソースを最大限に活用できるでしょう。また、スコアリングの基準を継続的に改善していくことで、リードの質をさらに高め、営業活動の効率化とコンバージョン率の向上につながります。
リードナーチャリングの効果が向上する
HubSpotのワークフロー機能では、リードの属性や行動を分析して、一人ひとりに適したコンテンツを自動的に配信できます。
たとえば、Webサイトでの閲覧履歴や資料のダウンロード内容から、リードの興味関心を推測し、それに合わせたメールやコンテンツの提供が可能です。
その結果、リードのエンゲージメント向上につながり、購入意欲も高まっていきます。また、ワークフローを用いてリードナーチャリングのプロセスを自動化することで、手作業によるミスや漏れを防ぎ、効率的なリード育成と効果測定ができるようになるでしょう。
顧客満足度の向上につながる
HubSpotのワークフローを活用すれば、顧客一人ひとりの行動履歴やニーズに基づいたパーソナライズされたコミュニケーションを自動的に行えます。
たとえば、個別のニーズに応じた情報提供やカスタマーサービスの対応をタイムリーに行うことで、顧客は自分が大切に扱われていると感じ、信頼感が高まります。
また、ワークフローを用いることで、人的ミスの削減につながり、一貫性のある高品質なカスタマーサービスを提供できます。結果として、顧客との長期的な関係構築と満足度の向上が実現できるのです。
HubSpotのワークフローの作成方法
ここからはHubSpotのワークフローの作成方法および設定の流れを具体的に解説します。- オブジェクトの選択
- ワークフロートリガーの設定
- アクションの追加
- ワークフローの設定
- ワークフローの有効化
ここでは、「フォームを送信した際にサンクスメールを自動送信する」ワークフローを設定すると仮定して、ワークフローの作成方法を説明していきます。
1.オブジェクトの選択
HubSpotアカウントにログインし、[自動化] > [ワークフロー]に移動します。
ワークフローの新規作成
新しいワークフローを作成するには、右上の[ワークフローを作成]ボタンをクリックします。
「ゼロから作成」もしくは「テンプレートから」のいずれかを選択します。今回は「ゼロから作成」を選択しました。
オブジェクトの選択
以下のようなワークフローの作成画面が開いたら、左側のパネルでワークフローの対象となるオブジェクトを選択します。
オブジェクトとは、コンタクト、会社、取引、チケットなど、HubSpotで管理するデータの種類のことです。
代表的なオブジェクト |
詳細 |
コンタクト |
個々の顧客や見込み客に関する情報(氏名、メールアドレス、電話番号など)を管理する場合 |
会社 |
企業に関する情報(会社名、業種、従業員数など)を管理する場合 |
取引 |
営業活動の進捗状況(商談段階、金額、成約確率など)を管理する場合 |
チケット |
カスタマーサポートの問い合わせや依頼(内容、ステータス、担当者など)を管理する場合 |
オブジェクトを選択することで、ワークフローに登録できるレコードの種類が決まります。たとえば、「コンタクト」オブジェクトを選択した場合、ワークフローの対象はコンタクトレコードのみとなります。今回は「コンタクト」を選択しました。
オブジェクトを選択したら、画面中央の「空白のワークフロー」を選択した状態で「次へ」をクリックします。
2.ワークフロートリガーの設定
Step1を終えると、以下のようなワークフローのエディター画面に移行します。
トリガーの種類を選択
HubSpotのワークフローのトリガー設定は、ワークフローが開始される条件を定義する重要なステップです。「トリガーを設定」ボタンをクリックすると、左側のパネルに登録トリガーの選択肢が表示されます。
【登録トリガー】
- イベントの発生時
特定のイベント(例:フォーム送信、ページ閲覧、メール開封など)が発生したときにワークフローを開始する - フィルター条件への適合時
特定の条件(例:特定のプロパティ値、リストメンバーシップなど)を満たすレコードがワークフローに登録されたときにワークフローを開始する - スケジュールに従う
設定したスケジュールに合わせてワークフローを開始する
今回は、「フォーム送信」という特定のイベントが発生したときにワークフローを開始させたいので、「イベントの発生時」を選択しました。すると、以下のような条件を設定する画面に切り替わります。
イベントトリガーを選択
トリガーのベースになるイベントが一覧で表示されるので、「フォーム送信」を選択します。グループ1の中に「フォーム送信」というイベントが追加されました。
複数のトリガーを設定することも可能です。その場合は、AND条件またはOR条件で組み合わせて設定します。イベントトリガーには、標準トリガーとカスタムイベントトリガーがあります。
標準トリガーはHubSpotが提供するイベントで、カスタムイベントトリガーは自分で設定するイベントです。フィルター条件には、プロパティ値、リストメンバーシップ、アクティビティ履歴など、さまざまな条件を設定できます。
トリガーの詳細設定
具体的なトリガー条件を指定することもできます。たとえば、トリガーを特定のフォームのみにする場合は、グループ1の中の「条件を追加」をクリックし、URLパスやフォーム名、ページ名などを指定します。
保存
トリガーの設定が完了したら、[保存]をクリックして設定を保存します。
3.アクションの追加
HubSpotのワークフローのアクションとは、トリガー条件が満たされた際に実行される具体的な行動のことです。
ワークフローエディターで、先ほど登録したトリガーと「終了」の間にある「+」アイコンをクリックすると、アクションを選択できます。
アクションは、コミュニケーション、CRM、マーケティング、データ処理の4つに分類されます。
アクションの種類 |
詳細 |
コミュニケーション |
Eメール送信、WhatsAppメッセージ送信、アプリ内通知送信など、顧客とのコミュニケーションに関するアクション |
CRM |
Eメール配信登録ステータス管理、Salesforce ToDo作成、コンタクト削除、タスク作成など、CRMデータの管理に関するアクション |
マーケティング |
マーケティングコンタクトのステータス設定、広告オーディエンスへの追加/削除、静的リストへの追加/削除など、マーケティング活動に関するアクション |
データ処理 |
Webhook送信、カスタムコード、データ書式設定など、データの処理に関するアクション |
今回は、フォーム送信者にサンクスメールを送信したいので、「Eメールを送信」というアクションの設定について解説します。
【「Eメールを送信」アクションの設定例】
- 「コミュニケーション」から「Eメールを送信」アクションをクリックし、「新規Eメールを作成」をクリックします。
- Eメールの件名、本文、送信者などを設定します。
- 必要に応じて、パーソナライゼーショントークンを使用してメールの内容をカスタマイズします。
- 画面右上の「確認および公開」ボタンをクリックして、設定を保存します。
なお、アクションはドラッグ&ドロップで順番を入れ替えたり、削除したりできます。
4.ワークフローの設定
HubSpotのワークフローの設定では、アクションの実行日時を細かく指定できます。たとえば、特定の曜日や時間帯にメールを送信したり、キャンペーン期間中のみワークフローを有効にしたりできます。
これらの設定は、ワークフローエディターの[設定]タブで行います。アクションの実行条件を絞り込むために、if/then分岐を設定することも可能です。また、アクションの実行タイミングを調整するために、遅延の設定もできます。
5.ワークフローの有効化
HubSpotのワークフローを作成したら、最後に有効化しなければなりません。有効化することで、設定したトリガー条件が満たされた際に、ワークフローが自動的に実行されるようになります。
【ワークフローの有効化手順】
- ワークフローエディターの右上にある[確認および公開]ボタンをクリックします。
- 表示されるダイアログボックスで、[有効にする]をクリックします。
これでワークフローが有効化され、設定した条件に基づいてアクションが実行されるようになります。
HubSpotのワークフロー設定時の3つのポイント
HubSpotのワークフローを運用する際は、より効果的に活用するためのポイントがいくつかあります。以下で、HubSpotのワークフロー設定時のポイントを3つ紹介します。- ワークフロー運用の目的を設定する
- 定期的にワークフロー設定を見直す
- 複雑なワークフロー設定にしない
順番に確認していきましょう。
ワークフロー運用の目的を設定する
HubSpotのワークフローを設定する際は、まず運用目的を明確にすることが重要です。どの業務を効率化したいのか、どの部分を自動化することで最も大きな効果が得られるのかを具体化しましょう。
たとえば、リードのスコアリングやナーチャリング、営業担当者への割り当て、カスタマーサポートチケットの自動振り分けなど、自動化したいアクションを列挙してください。
目的設定をすることで、HubSpotのワークフローの運用方針が明確になり、より高い効果が発揮されるでしょう。
定期的にワークフロー設定を見直す
複数のワークフローを設定していると、不具合や予期せぬ動作が発生することがあります。
たとえば、アクションの重複や誤ったトリガーを設定してしまっているケースです。これを防ぐためには、定期的にワークフローの動作状況を確認し、必要に応じて設定の修正や改善を行うことが重要です。
複雑なワークフロー設定にしない
複雑なワークフローを設定してしまうと、その後のメンテナンスや修正が難しくなるリスクがあります。特に、ワークフローの設定者が退職したり異動した場合、後任者が設定フローや作成した意図を理解するのに苦労するかもしれません。
また、複雑な条件分岐や多数のアクションを設定すると、編集時のミスが発生しやすくなります。そのため、シンプルで理解しやすいワークフローを設定しておき、必要に応じて見直すことが大切です。
HubSpotのワークフローの活用事例
ここでは、HubSpotのワークフローを活用した事例をいくつか紹介します。ぜひ参考にしていただき、役立ててみてください。
マーケティングでの事例
HubSpotのワークフローは、マーケティング業務の自動化に広く活用されています。
たとえばリードナーチャリングでは、ウェブサイト訪問者や資料ダウンロードした人に対して、その行動に基づいて段階的にメールを送信し、製品への興味関心を高められるでしょう。
また、リードの行動や属性に基づいてスコアリングを行い、セグメントごとに最適化されたコンテンツを配信することで、リードの質を効率的に高めるナーチャリングを実現できます。
営業活動での事例
HubSpotのワークフローを営業活動に活用することで、リードの管理と商談の進捗管理を効率化できます。
たとえば、条件に合致したリードを自動的に営業担当者に割り当てることで、迅速にアプローチできるようになり、リードとのより良い関係構築につながります。
また、商談ステージの変化に応じて、次のアクションを自動的に設定することで、タスクの作成や関連部署への通知など、円滑な商談管理を実現できるのです。
カスタマーサポートでの事例
HubSpotのワークフローは、カスタマーサポートの効率化にも役立ちます。
たとえば、顧客からの問い合わせに対して、自動的に対応状況を更新したり、適切な担当者に割り当てたりできます。また、問い合わせ内容に応じたエスカレーションの設定をすることで、迅速な問題解決が可能です。
さらに、製品やサービスを利用した顧客に対して、自動的にアンケートを送信し、満足度やフィードバックを収集することで、サービス品質の向上が実現できるのです。
まとめ:HubSpotのワークフロー機能を活用して業務を効率化しよう
HubSpotのワークフロー機能は、マーケティング、営業、カスタマーサポートなど、さまざまな業務プロセスの自動化と効率化に役立ちます。ワークフローを適切に設定することで、業務の生産性向上、リードの育成、顧客満足度の向上などを実現できます。
HubSpotのパートナーである弊社SEデザインでも、HubSpotのワークフローを活用して業務効率化を図っています。たとえば、資料ダウンロード後のサンクスメールの送信や、サービス申込があった場合のフラグ設定、あるデータのGoogle Sheetsへの連携、SQL経路の設定など、さまざまなワークフローを設定しています。
SEデザインでは、HubSpotの導入から運用までを一貫してサポートしております。ワークフローの設計や、ナーチャリング戦略設計、オウンドメディアの構築、など貴社に合わせたきめ細やかな支援を提供いたします。HubSpotを最大限に活用し、業務の効率化や顧客満足度の向上を実現するためにも、ぜひ一度ご相談ください。
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