「業務の効率を改善して社員の負担を減らしたい」
「有料の業務支援ツールを導入したいが、利用に不安がある」
HubSpotは、顧客管理(CRM)を基盤に、マーケティング・営業・カスタマーサービスなどを一元管理できるプラットフォームです。基本機能を無料で使い始められる点や、部門をまたいで同じ顧客データを見られる点が特徴です。
ただし製品構成は変化が続いており、現在は6つの製品とAI機能で構成されています。この記事では、HubSpotの位置付け、6つの製品、料金体系の考え方、導入メリットと注意点、使い方をご紹介します。
HubSpotとは?
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この記事の要点 ・HubSpotとは、Smart CRMを基盤に、マーケティング・営業・カスタマーサービスなどを一元管理できるカスタマープラットフォーム ・製品は6つ(Marketing Hub/Sales Hub/Service Hub/Content Hub/Data Hub/Revenue Hub)。Operations HubはData Hub、Commerce HubはRevenue Hubへ移行している ・無料で始められるが、無料ツールには上限がある。有料はシート単位の課金で、AI機能の利用にはHubSpotクレジットが関係する |
「HubSpot」とは、HubSpot社が提供するAI搭載のカスタマープラットフォームです。顧客管理を担う「HubSpot Smart CRM」を共通の基盤として、その上にマーケティング、営業、カスタマーサービス、コンテンツ管理などの製品が乗る構造になっています。
この構造がHubSpotの中心的な特徴です。部門ごとに別のツールを使うと顧客データが分断されますが、HubSpotでは同じ顧客データを各部門が共有した状態で業務を進められます。
導入企業は、2026年3月31日時点で299,458社、135か国以上にのぼります。
出典:HubSpot「カスタマープラットフォーム」/HubSpot 2026年第1四半期決算
インバウンドマーケティングとの関係
HubSpotは、インバウンドマーケティングという考え方を提唱してきた会社です。
インバウンドマーケティングとは、有益なコンテンツや顧客支援を通じて見込み客・顧客との長期的な関係を築いていく成長のアプローチです。売り込む「プッシュ型」とは逆に、顧客に見つけてもらい、信頼を積み上げていく形をとります。基本の段階はAttract(惹きつける)/Engage(信頼関係を築く)/Delight(満足してもらう)の3つです。
ただし、HubSpotの現在の位置付けはインバウンドマーケティングのツールにとどまりません。前述のとおり、Smart CRMを基盤にした統合プラットフォームへと範囲が広がっています。
また2025年9月に、HubSpotは「Loop Marketing」という新しいプレイブックを発表しました。これはインバウンドマーケティングを置き換えるものではなく、AI検索の普及や購買チャネルの分散に対応するため、顧客起点の考え方をAI活用・パーソナライズ・マルチチャネル展開・継続的な改善で補完する位置付けです。
HubSpotの6つの製品

HubSpotは、共通基盤の「Smart CRM」と、その上に載る6つの製品(Hub)で構成されています。
| 名称 | 担う領域 |
|---|---|
| Smart CRM(基盤) | 顧客の基本情報とやり取りの履歴を一元的に保存する |
| Marketing Hub | 見込み客の集客・育成(ブログ、メール配信、広告管理など) |
| Sales Hub | 営業活動の管理(商談状況、タスク、見積もりなど) |
| Service Hub | カスタマーサービス(問い合わせ管理、ナレッジベースなど) |
| Content Hub | Webサイトやブログの構築・運用 |
| Data Hub | データの統合・品質管理(旧Operations Hub) |
| Revenue Hub | 見積もりから請求・決済までの収益管理(旧Commerce Hub) |
ここで注意したいのが製品名の変更です。Operations Hubは2025年9月にData Hubへ、Commerce Hubは2026年6月にRevenue Hubへ移行しました。旧名称を前提にした情報がWeb上に残っているため、調べるときは時期を確認してください。
Smart CRM:顧客データの共通基盤
すべての製品の土台になるのがSmart CRMです。顧客の基本情報、やり取りの履歴、商談の状況などをここに集約します。
各Hubはこの同じデータを参照するため、マーケティングが獲得した見込み客の情報を営業がそのまま引き継ぎ、契約後はサポートが同じ履歴を見ながら対応するという流れが作れます。
Marketing Hub:見込み客を集めて育てる
ブログやメール配信、広告管理、フォーム作成などにより、見込み客の獲得と育成を行います。獲得したデータはSmart CRMに蓄積されるため、営業への引き継ぎがスムーズです。
Sales Hub:営業活動を効率化する
商談の進捗管理、タスク管理、見積もり作成、売上予測などに対応します。誰がどの案件をどこまで進めているかを可視化できます。
Service Hub:カスタマーサービスを支える
問い合わせのチケット管理、ナレッジベースの構築、顧客満足度の調査などを行えます。過去のやり取りを踏まえた対応ができるようになります。
Content Hub:サイトやオウンドメディアを運用する
Webサイトやブログ、ランディングページの作成・運用を担います。ドラッグ&ドロップで編集できるため、HTMLやCSSの知識がなくてもページを用意できます。
Data Hub:データを整えてつなぐ(旧Operations Hub)
他システムとのデータ連携、重複データの整理、データ品質の管理などを担います。
後述のAI機能を使う際は、参照するデータが整っているかどうかが結果に直結します。そのため、この領域の重要性が以前より高まっています。
Revenue Hub:見積もりから決済までを管理する(旧Commerce Hub)
見積もりの作成から請求、決済までの収益に関わる業務を扱います。商談の情報と請求の情報が同じ基盤上にあるため、受注後の流れを分断せずに管理できます。
出典:HubSpot Product & Services Catalog
AI機能「Breeze」
ここ1年で大きく変わったのが、AI機能の組み込みです。HubSpotには「Breeze」というAI群が搭載されています。
- Breeze Assistant:情報検索やコンテンツ作成などを支援する
- Breeze Agents:顧客対応、見込み客の開拓、データ調査といった業務を実行する
- Breeze Studio:自社の業務に合わせたエージェントを構築する
従来のAI機能は「文章を作る手伝い」が中心でしたが、Breeze Agentsは業務そのものを実行する方向に踏み込んでいます。
費用の面でも変化がありました。2026年4月から、顧客対応エージェントとプロスペクティングエージェントが成果単位の料金体系に変更されています。AI機能を使う場合は、利用量に応じて消費する「HubSpotクレジット」の扱いを含めて、費用の見込みを確認しておく必要があります。
また、AIが参照するのはSmart CRM上のデータです。データが整っていないとAIの出力も期待した精度になりません。導入時にはAI機能のアクセス権、共有するデータの範囲、セキュリティの設計もあわせて検討することになります。
HubSpotの料金体系の考え方
HubSpotの料金は、「無料か有料か」だけでは判断できません。次の3つの軸で考えると整理しやすくなります。
1. 無料ツールには上限がある
HubSpotは無料で使い始められます。クレジットカードの登録なしで利用できる機能もあり、まず試してみる形で導入できます。
ただし無料ツールは「最大2ユーザー、最大1,000件のコンタクト」といった上限があるライト版です。有料版と同等に使えるわけではないため、実運用を想定するなら早めに上限を確認しておきましょう。
2. 有料はシート単位の課金
有料プランはシート(利用者)単位の課金で、必要な人数分から契約できます。全社一括で導入する必要はなく、使う部門・担当者から始められる形です。
どのHubをどのエディションで使うかによって金額が変わるため、「何をしたいか」を先に決めてから見積もるのが確実です。
3. AI機能はクレジットが関係する
前述のとおり、AI機能の利用にはHubSpotクレジットが関係し、一部のエージェントは成果単位の料金体系になっています。シート料金とは別に費用が発生し得る点を押さえておきましょう。
料金の詳細や最新のプラン構成は変更されることがあるため、検討時には公式の料金ページで確認してください。
※関連コンテンツ:HubSpot全製品をわかりやすく解説。HubSpot機能一覧・料金表
HubSpotの導入では、ツールの設定と並行してコンテンツの準備が必要になります。SEデザインでは、導入と同時に必要なコンテンツを整えるプランをご用意しています。
HubSpotを導入するメリットとは?
顧客に質の高いアプローチができる
顧客情報がSmart CRMに集約されるため、これまでのやり取りを踏まえたアプローチができます。
マーケティング・営業・サポートが同じデータを見るので、「担当者によって話が違う」「過去の問い合わせ内容が引き継がれていない」といった状態を避けられます。
作業効率が上昇する
情報の収集と管理を効率化できるため、手作業で情報を集めたり転記したりする時間を削減できます。個人の作業負担が減り、業務効率の改善につながります。
小さく始めて広げられる
無料ツールから試せるうえ、有料もシート単位で必要な人数から契約できます。最初に大きな投資をせずに始められるため、「導入したものの使いこなせなかった」というリスクを抑えやすい構造です。
使う範囲が広がってきたら、必要なHubやシートを追加していく形で拡張できます。
導入前に知っておきたい注意点
日本語で表示されないときがある
HubSpotは海外製のツールですが、基本的には日本語対応も完備されています。しかし、日本語で表示されない画面や、機能の追加直後に英語のままになっている部分が出ることがあります。
多機能なぶん、慣れるまで時間がかかる
扱える範囲が広いため、機能をすべて把握するのは簡単ではありません。最初から全機能を使おうとせず、必要な業務から順に使い始めるのが現実的です。
自社だけで進めるのが難しい場合は、HubSpot公式の導入支援やSolutions Partnerによる支援を利用する選択肢もあります。
使う範囲を広げるとコストが上がる
複数のHubを上位エディションで使うと費用は上がります。またAI機能を本格的に使う場合は、シート料金とは別にクレジットの消費が関係します。
「どの業務にいくらまで払うか」を先に決めておくと、判断がぶれにくくなります。
HubSpotの使い方とは?
HubSpotには無料プランがあり、まずは登録方法や使い方を知って試してみるのがおすすめです。具体的な登録方法をご紹介します。なお、画面のデザインやボタン名は変更される場合があります。
アカウントを登録する
まずはアカウント登録を行います。手順は以下のとおりです。
【HubSpotのアカウント登録の手順】
- 公式サイトのトップページからアカウント登録を行う
- 右上にある「無料で試す」をクリック
- 姓・名・メールアドレスを入力
- 設定したメールアドレスにHubSpotからのメールが届く
- メールの「Eメールアドレスを確認」をクリックし、パスワード・業種・会社の詳細(ドメイン・会社名など)を入力
初期設定・顧客情報の登録を行う
アカウント登録ができたら初期設定を行います。
【初期設定・顧客情報の登録】
- ユーザーガイドが出てきて設定手順が表示されるので、手順に従って進める
- 顧客情報が入ったCSVやExcelなどのファイルをアップロードし、右下にある「次へ」をクリックする
- ユーザーを追加するには右上にある設定のマークを選択、「ユーザーとチーム」をクリックする
上記の手順で、初期設定と顧客情報登録が完了です。
プロパティーを作成する
初期設定、顧客情報の登録が完了したらプロパティーを作成します。
プロパティーとは、会社名や顧客のステータスなどの情報を管理する場所です。初期設定のままにしておくよりも、独自に作成したほうが自社の状況に合った情報管理が可能となります。
コンタクトとのアクティビティを記録してみる
個人を商談や企業に結びつけて管理する、コンタクト相手とのアクティビティの記録はHubSpotでもよく利用する機能です。
【コンタクトとのアクティビティの記録の手順】
- メニューから「コンタクト」を選択する
- 右上の「コンタクトを作成」を選択する
- 登録したいコンタクト相手の名前や役職などの情報を入力する
- 「コンタクト作成」の項目をクリックする
コンタクト相手ごとに記録が残るため、営業担当者間で認識がずれることなくクライアント情報を管理できます。
HubSpotに関するよくある質問
HubSpotの無料プランでは何ができますか?
顧客情報の管理を中心に、基本的な機能を無料で利用できます。クレジットカードの登録なしで使える機能もあります。ただし無料ツールは「最大2ユーザー、最大1,000件のコンタクト」といった上限があるライト版です。実運用を想定する場合は、この上限で足りるかを先に確認してください。
HubSpotは他のツールと何が違いますか?
最大の違いは、Smart CRMという共通の基盤の上に各機能が乗っている点です。マーケティング、営業、カスタマーサービス、コンテンツ管理、データ連携、収益管理が同じ顧客データを参照します。個別のツールを組み合わせる場合と比べて、部門間でデータが分断されにくい構造になっています。
導入はどのように進めればよいですか?
まず無料ツールで試し、自社に必要な機能を洗い出すところから始められます。そのうえで必要なHubとシート数を決めて有料プランを検討する流れが無駄がありません。
複雑なデータ移行や外部システムとの連携が必要な場合は、HubSpot公式の導入支援やSolutions Partnerによる支援を利用する選択肢もあります。公式支援は目標設定やロードマップ作成が中心で、実作業を含む支援はパートナーが主な選択肢になります。
Operations HubやCommerce Hubはなくなったのですか?
名称が変更されました。Operations Hubは2025年9月にData Hubへ、Commerce Hubは2026年6月にRevenue Hubへ移行しています。旧名称で解説している情報がWeb上に残っているため、調べる際は時期を確認してください。
まとめ:Smart CRMを基盤に、部門をまたいで顧客データを使うためのプラットフォーム
HubSpotは、Smart CRMを共通基盤として、マーケティング・営業・カスタマーサービス・コンテンツ・データ・収益管理をつなぐカスタマープラットフォームです。
製品は6つ(Marketing Hub/Sales Hub/Service Hub/Content Hub/Data Hub/Revenue Hub)で、Operations HubはData Hubへ、Commerce HubはRevenue Hubへ移行しています。加えてAI機能「Breeze」が組み込まれ、業務そのものを実行するエージェントも提供されています。
料金は「無料か有料か」だけでは判断できません。無料ツールの上限、シート単位の課金、AI機能に関わるクレジットの3つを押さえて見積もると判断しやすくなります。
まずは無料プランで試し、自社に必要な機能を洗い出してから広げていく進め方が現実的です。
SEデザインは、HubSpot社が日本に進出した当初からパートナーとして導入支援を行っており、現在はHubSpotのゴールドパートナーです。HubSpotの導入支援とあわせて、マーケティングに必要なコンテンツの設計・制作もご支援できます。利用方法や自社へのHubSpot導入に不安や疑問がある場合は、お気軽にご相談ください。