生成AI活用率は3割、注力施策1位はコンテンツ制作──IT業界BtoBマーケティング調査2024

更新日:2026-06-08 公開日:2026-06-08 by SEデザイン編集部

目次

it-marketing-survey_00IT業界のBtoBマーケティング担当者74名を対象としたアンケート調査の結果、生成AIの活用状況やマーケティング施策の実態が明らかになりました。主な調査結果は以下のとおりです。

  • 生成AIをマーケティングに活用している割合は31.1%、今後の活用意向を含めると74.3%に達する
  • 生成AI活用で最も成果が上がった業務は「戦略立案・企画作成・アイデア出し」(39.1%)で、効果実感の最多は「業務の効率化・工数削減」(87.0%)
  • コロナ後にオンライン施策の量が増えた企業は54.1%、オフライン施策も41.9%が増加し、施策の「二刀流」化が進行
  • 今年度の注力施策1位は「コンテンツ制作」(40.5%)、2位「オウンドメディア施策」(39.2%)と、自社メディアへの投資意欲が高い

この記事では、調査の全データをもとに、IT業界におけるBtoBマーケティングの現状と課題、生成AIの活用実態、予算配分の傾向を詳しく解説します。

調査概要

本記事で紹介する調査データは、2024年6月〜7月にオンラインリサーチにて実施したアンケート調査にもとづくものです。

項目 内容
調査テーマ IT業界のマーケティング施策の実施状況に関する調査
調査目的 IT業界における、マーケティング業務でのAI活用状況や成果、その他マーケティング施策の状況や成果の実態を把握する
調査方法 オンラインリサーチ
調査期間 2024年6月28日(金)〜7月2日(火)
対象 男女20〜69歳、全国、会社員もしくは経営者・役員、ソフトウェア・情報サービス業、マーケティング業務担当者
回収数 74

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回答者の属性は?

本調査の回答者74名の属性は以下のとおりです。50代が40.5%と最も多く、首都圏(1都3県)在住者が7割以上を占めています。

回答者の属性
属性 内訳
性別 男性 77.0%/女性 23.0%
年齢 20〜29歳 2.7%/30〜39歳 16.2%/40〜49歳 17.6%/50〜59歳 40.5%(最多)/60〜69歳 23.0%
居住地TOP5 東京都 39.2%/神奈川県 16.2%/千葉県 9.5%/埼玉県 9.5%/福岡県 5.4%
職業 会社員 90.5%/経営者・役員 9.5%
業種 ソフトウェア・情報サービス業 100%

生成AIのマーケティング活用状況|活用率31.1%、意向含め7割超

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Q1. 生成AIをマーケティングに活用しているか?

生成AIのマーケティング活用状況を聞いたところ、「活用している」と回答したのは31.1%にとどまりました。一方で「今は活用していないが今後活用したい」が43.2%を占め、活用中・活用意向ありの合計は74.3%に上ります。

Q1. 生成AIのマーケティング活用率(単一回答、N=74)
回答 割合
活用している 31.1%
今は活用していないが今後活用したい 43.2%
活用したいが社内で禁止されている 25.7%

注目すべきは、約4人に1人(25.7%)が「活用したいが社内で禁止されている」と回答している点です。活用意向がありながら社内ルールで阻まれている層が一定数存在しており、セキュリティポリシーの整備やガイドライン策定が普及のカギを握っています。

Q2. 生成AIをどのような用途で活用しているか?

生成AIの活用に前向きな回答者55名(Q1で「活用していない」以外を選択)に活用用途を聞いたところ、「データ分析」と「戦略立案・企画作成・アイデア出し」がともに67.3%で同率トップとなりました。

Q2. 生成AIのマーケティング活用用途(複数回答、N=55)
活用用途 割合
データ分析 67.3%
戦略立案・企画作成・アイデア出し 67.3%
コンテンツ制作・発信 54.5%
リサーチ 25.5%

コンテンツ制作・発信も54.5%と過半数を超えており、生成AIは単なる業務支援ツールではなく、マーケティングの上流工程(企画・分析)から下流工程(コンテンツ制作)まで幅広く活用されていることが分かります。

Q3. 生成AIの具体的な活用範囲は?

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実際に生成AIを活用している23名に具体的な活用範囲を聞いたところ、最も多かったのは「企画・アイデアのブラッシュアップ」(43.5%)でした。

Q3. 生成AIの具体的活用範囲(複数回答、N=23)
活用範囲 割合
企画・アイデアのブラッシュアップ 43.5%
記事コンテンツのアイデアや方向性検討と作成 39.1%
自社データの分析・傾向の把握 34.8%
SEO対策や改善案提案・キーワード提案 26.1%
ペルソナの作成やペルソナとの疑似ディスカッション 26.1%
メールテキストの作成 26.1%
広告コピー・バナーの作成と改善案提案 26.1%
SNSの投稿作成 17.4%
ランディングページの作成・改善 13.0%
他社サイトとの比較・分析・改善点の抽出 13.0%

上位には「企画のブラッシュアップ」「記事コンテンツの検討・作成」「データ分析」が並び、思考の壁打ち相手として生成AIを活用している傾向がうかがえます。一方、ランディングページの作成・改善(13.0%)や他社サイトとの比較分析(13.0%)など、実装寄りのタスクでの活用はまだ限定的です。

生成AIの活用成果と効果実感|効率化効果が圧倒的

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Q4. 生成AIにより成果が上がった業務は?

生成AIを活用している23名に「最も成果が上がった業務」を聞いたところ、「戦略立案・企画作成・アイデア出し」が39.1%でトップとなりました。

Q4. 生成AIにより成果が上がった業務(単一回答、N=23)
業務 割合
戦略立案・企画作成・アイデア出し 39.1%
データ分析 34.8%
コンテンツ制作・発信 26.1%

活用用途(Q2)ではデータ分析が同率1位でしたが、実際に成果を実感している業務としては戦略立案・企画作成が上回っています。生成AIは分析よりもアイデア出しや企画支援においてより高い効果を発揮していると考えられます。

Q5. 生成AIの活用で実感した効果は?

生成AIの活用による効果として、「業務の効率化・工数削減」が87.0%と圧倒的に高い割合を示しました。

Q5. 生成AIによる効果実感(複数回答、N=23)
効果 割合
業務の効率化・工数削減 87.0%
データ分析の精度向上 21.7%
リード獲得数の増加 17.4%
リードの質の向上 13.0%

効率化に関しては9割近くが効果を感じている一方で、リード獲得数やリードの質といった売上に直結する指標で効果を実感している割合はまだ2割以下です。生成AIの導入効果は「工数削減」というコスト面では確立されつつあるものの、ビジネス成果への貢献を実感するにはもう一段階の活用深化が求められているといえます。

コロナ後の施策変化|オンライン・オフラインともに「増加」が最多

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Q6. コロナ後、マーケティング施策の実施状況はどう変わったか?

コロナ後のマーケティング施策の変化について聞いたところ、オンライン施策は54.1%が「量が増えた」と回答しており、オフライン施策についても41.9%が増加を報告しています。

Q6. コロナ後の施策実施状況(単一回答、N=74)
変化 オンライン施策 オフライン施策
量が増えた 54.1% 41.9%
変わらない 31.1% 33.8%
減った 5.4% 14.9%

※2023年度以前からオンライン施策のみ行っている:2.7%、オフライン施策のみ行っている:6.8%

クロス集計で最も多かったパターンは「オンライン増+オフラインも増」(28.4%)です。コロナ禍で加速したオンライン施策に加え、展示会やセミナーなどのオフライン施策も回復・拡大しており、IT業界ではオンラインとオフラインの二刀流でマーケティングを強化する動きが顕著です。

施策変化のクロス集計(上位3パターン)
組み合わせ 割合
オンライン増 + オフラインも増 28.4%
オンライン変わらず + オフラインも変わらない 18.9%
オンライン増 + オフライン変わらない 13.5%

マーケティング予算の実態|オンライン・オフラインの費用分布

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Q7. オンライン施策の年間予算はどの程度か?

オンライン施策の年間予算について聞いたところ、「100万円以下」が33.3%と最も多く、中小規模の予算で運用している企業が目立ちます。

Q7. オンライン施策の年間予算(単一回答、N=69)
予算帯 割合
100万円以下 33.3%
101〜500万円 20.3%
501〜1000万円 13.0%
1001〜1500万円 10.1%
1501〜2000万円 4.3%
2001〜2500万円 1.4%
3001万円以上 17.4%

500万円以下の企業が過半数(53.6%)を占める一方、3001万円以上の大型予算を投下している企業も17.4%と少なくありません。IT業界のBtoBマーケティングでは、予算規模の二極化が進んでいることが見て取れます。

Q8. オフライン施策の年間予算はどの程度か?

オフライン施策についても同様の傾向が見られ、「100万円以下」が36.1%で最多です。

Q8. オフライン施策の年間予算(単一回答、N=72)
予算帯 割合
100万円以下 36.1%
101〜500万円 20.8%
501〜1000万円 12.5%
1001〜1500万円 9.7%
1501〜2000万円 2.8%
2001〜2500万円 2.8%
3001万円以上 15.3%

オンラインと比較すると、オフラインでは100万円以下の割合がやや高い(+2.8pt)のに対し、3001万円以上はやや低く(-2.1pt)なっています。全体として、オフライン施策はオンラインに比べて予算をやや絞って運用される傾向が見られます。

イベント施策の効果実感|約64%が何らかの効果を実感

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Q9. イベント施策(セミナー・展示会等)の効果をどの程度実感しているか?

イベント施策の効果について聞いたところ、「非常に効果を実感」「ある程度効果を実感」「効果を少し実感」の合計が約64%に達し、過半数がイベント施策に手応えを感じています。

Q9. イベント施策の効果実感(単一回答、N=72)
効果実感 割合
非常に効果を実感 2.8%
ある程度効果を実感 30.6%
効果を少し実感 30.6%
あまり効果を実感していない 13.9%
全く効果を実感していない 1.4%
効果をまだ評価できていない 1.4%
イベント施策を行っていない 19.4%

ただし、「非常に効果を実感」はわずか2.8%にとどまり、大半は「ある程度」「少し」という控えめな評価にとどまっています。イベント施策は一定のリード獲得チャネルとして機能しているものの、ROIの可視化や効果測定の仕組みづくりが課題と考えられます。また、約2割がイベント施策を行っていないと回答しており、リソースや予算面での障壁も存在します。

今年度の注力施策|コンテンツ制作とオウンドメディアが2強

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Q10. 今年度に注力している施策は何か?

今年度に注力しているマーケティング施策について聞いたところ、「コンテンツ制作」が40.5%でトップ、僅差で「オウンドメディア施策」が39.2%と続きました。

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Q10. 今年度の注力施策(複数回答、N=74)
施策 割合
コンテンツ制作 40.5%
オウンドメディア施策 39.2%
オンライン広告(運用型・純広告等) 31.1%
イベント出展(セミナー・展示会等) 28.4%
メールマガジン配信 25.7%
ウェビナー開催 21.6%
SNS運用 20.3%
プレスリリース配信 9.5%
放送広告(テレビ・ラジオ等) 1.4%
印刷広告(雑誌・新聞等) 1.4%
屋外広告 0.0%
その他 1.4%

上位5施策のうち4つがデジタル施策であり、IT業界のBtoBマーケティングではデジタルチャネルが主戦場となっています。とりわけコンテンツ制作とオウンドメディアが4割前後を占めている点は、広告依存から脱却し、自社メディアを通じた長期的なリード獲得・育成に注力する企業が増えていることを示唆しています。一方、放送広告・印刷広告・屋外広告といったマス広告は軒並み低い割合で、BtoB領域では費用対効果の観点から優先度が低い状況が鮮明です。

まとめ|IT業界BtoBマーケティングの現在地

IT業界のBtoBマーケティング担当者74名を対象とした本調査から、以下のことが明らかになりました。

  • 生成AIの活用は「始まったばかり」の段階:活用率は31.1%だが、活用意向を含めると74.3%に達する。約4人に1人は社内禁止により利用できておらず、ガイドライン整備が普及の鍵
  • 生成AIの効果は「効率化」で実証済み:活用者の87.0%が業務の効率化・工数削減を実感。一方、リード獲得やリードの質向上といったビジネス指標への効果実感はまだ2割以下
  • コロナ後はオンライン・オフラインの「二刀流」が主流:オンライン施策増加(54.1%)に加え、オフラインも41.9%が増加。最多パターンは「両方増」(28.4%)
  • 予算の二極化が進行:オンライン・オフラインともに100万円以下が最多層だが、3001万円以上の大型投資層も15〜17%存在
  • 注力施策はコンテンツ制作(40.5%)とオウンドメディア(39.2%):広告依存から自社メディアへのシフトが進み、長期的なリード獲得・育成を重視する傾向が鮮明

IT業界のBtoBマーケティングは、生成AIの活用拡大とコンテンツマーケティングへの注力という2つの大きな潮流のなかにあります。限られた予算と人員で成果を最大化するためには、質の高いコンテンツを効率的に制作・運用する仕組みづくりが不可欠です。

IT業界BtoBマーケティングに関するよくある質問(FAQ)

Q. IT業界の BtoBマーケターはどのくらい生成AIを活用していますか?

2024年6〜7月の調査時点で、IT業界のBtoBマーケティング担当者のうち生成AIを「活用している」と回答したのは31.1%です。ただし「今後活用したい」(43.2%)を合わせると74.3%が活用に前向きであり、「活用したいが社内で禁止されている」層も25.7%にのぼります。今後、社内ガイドラインの整備が進めば活用率は急速に拡大する可能性があります。

Q. 生成AIはマーケティングのどの業務で最も成果が出ていますか?

本調査によると、生成AIにより最も成果が上がった業務は「戦略立案・企画作成・アイデア出し」(39.1%)です。効果実感としては「業務の効率化・工数削減」が87.0%と圧倒的で、生成AIの現在の主な貢献は業務効率化にあります。リード獲得数の増加(17.4%)やリードの質の向上(13.0%)はまだ発展途上です。

Q. IT業界のBtoBマーケティングではどのくらいの予算が一般的ですか?

オンライン施策の年間予算は「100万円以下」が33.3%で最多、次いで「101〜500万円」(20.3%)です。500万円以下が過半数を占める一方、「3001万円以上」も17.4%存在し、予算規模の二極化が見られます。オフライン施策も同様の傾向で、「100万円以下」が36.1%、「3001万円以上」が15.3%です。

Q. コロナ後、IT業界のBtoBマーケティング施策はどう変化しましたか?

コロナ後のマーケティング施策の変化について、オンライン施策は54.1%が「量が増えた」、オフライン施策も41.9%が「増えた」と回答しています。クロス集計では「オンラインもオフラインも両方増加」が28.4%で最多パターンとなっており、コロナ禍で加速したデジタルシフトに加え、オフライン施策も復活・拡大しているのが特徴です。

Q. IT業界のBtoBマーケターが最も注力している施策は何ですか?

今年度の注力施策として最も多く挙げられたのは「コンテンツ制作」(40.5%)で、「オウンドメディア施策」(39.2%)がそれに続きます。3位は「オンライン広告」(31.1%)、4位「イベント出展」(28.4%)、5位「メールマガジン配信」(25.7%)です。自社メディアとコンテンツを軸としたインバウンド施策に力を入れる企業が多いことが分かります。

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監修者
SEデザイン編集部

BtoB企業、特にIT分野を中心にコンテンツマーケティング支援を行っているSE H&Iグループ企業。HubSpotが日本に進出してきた当初から、HubSpotのパートナーとして多くの企業の導入支援・活用支援を実施。コンテンツ力が強みで、導入事例やホワイトペーパー・eBook、SEO記事などのコンテンツ制作のほか、LP制作やオウンドメディア構築、広告運用なども行う。