LLMOブランディング施策とは?生成AI上のブランド認識の設計と測り方

更新日:2026-11-05 公開日:2026-11-05 by SEデザイン編集部

目次

取引先や発注先の候補を調べるときに、

「○○社はどのような会社ですか?」
「製造業のDXに強い会社は?」

と生成AIへ尋ねる人が増えています。AIは企業の発信や第三者の情報をまとめて答えを返しますが、その説明は、自社が目指しているブランド像と一致しているでしょうか。

LLMOブランディング施策とは、生成AI上で自社が「どのような企業」として説明・想起されているかを観測し、目指すブランド像とのギャップを情報資産の改善によって縮めていく取り組みです。

企業ブランディングの観点からLLMOを捉えたもので、AIの回答に社名を出すためのテクニックではありません。すでにある強みやブランド戦略が、生成AI上でも正しく理解されている状態をつくることを目指します。

この記事では、SEデザインのホワイトペーパー「企業ブランディングにおけるLLMO設計の考え方」の内容をもとに、ブランドエンティティの整理から、指名・非指名の問いの設計、4つの評価指標、診断から改善までの9ステップを順に解説します。

BtoB企業の経営企画・広報・ブランディング担当者、マーケティング責任者、Web担当者の方に向けた内容です。

この記事の要点

・LLMOブランディング施策の目的は、AIの回答に社名を出すことではありません。目指すブランド像と、生成AI上で形成されている認識のギャップを捉え、その差を縮めることです

 

・出発点は、企業名と「市場・顧客」「専門領域」「顧客課題」「強み・実績」「社会的価値」の5つの属性との関係、つまりブランドエンティティを整理することです

 

LLMOブランディング施策とは?生成AIが企業を説明する時代のブランド管理

生成AIは、企業の公式サイトなどの発信に加えて、メディア記事や比較サイトといった第三者の情報も参照しながら、「どのような会社か」「どこに強いか」を答えることがあります。これまでは、ユーザーが検索エンジンやメディアで情報を一つずつ閲覧・比較し、自分で企業像を組み立てていました。生成AIの登場以降は、その収集・統合・要約をAIが代わりに担い、答えとして企業像を示しはじめています。

観点 従来 生成AIの登場以降
情報の出どころ 企業の発信、検索エンジン・メディア 企業の発信と第三者の情報
情報をまとめる主体 ユーザーが個別に閲覧・比較する 生成AIが収集・統合・要約する
ユーザーが受け取るもの 複数のページ 「どのような会社か」「どの領域に強いか」「どの企業が候補になるか」への回答

BtoBの購買でも、この変化は数字に表れています。HubSpot Japanが2026年6月に実施した「日本のBtoB購買に関する意識・実態調査2026」では、直近の購買を以前と比べて「生成AIサービスやAI検索が購買判断に与える影響が増えた」と答えた人が41.6%にのぼりました。生成AIサービスやAI検索の利用者(1,155名)に用途を聞いた質問では、50.3%が「候補となる商品・サービスの洗い出し」、47.1%が「各社の特徴・違いの整理」と答えています。

出典:HubSpot Japan「日本のBtoB購買に関する意識・実態調査2026」(調査対象:直近12カ月以内にBtoB商材の比較・選定・稟議・承認・決裁等に関与した、従業員50名以上の企業に勤務する1,573名)(2026年11月5日確認)

候補の洗い出しや比較をAIに任せる場面が増えるにつれて、生成AI上で「どのような企業として理解されているか」も、ブランド管理の対象になりつつあります。この変化にブランディングの観点から向き合うのが、LLMOブランディング施策です。ここでいうLLMO(Large Language Model Optimization)は、生成AI上のブランド認識を観測し、情報資産の改善につなげる取り組みを指します。

目的は、目指すブランド像と生成AI上の認識のギャップを縮めること

LLMOブランディング施策は、ブランドをゼロからつくるものではありません。すでにある強みやブランド戦略が、生成AI上でも正しく理解されているかを観測し、改善します。流れは次の5段階です。

LLMOブランディング施策の流れ:目指すブランド像、生成AI上のブランド認識、ギャップの可視化、原因となる情報資産、情報資産の改善の5段階

  1. 目指すブランド像:何者として認識されたいかを定める
  2. 生成AI上のブランド認識:生成AIからどう説明・想起されているかを調べる
  3. ギャップの可視化:何が伝わらず、どこで意図とずれているかを明らかにする
  4. 原因となる情報資産:ギャップを生んでいる情報の不足・不整合・根拠の弱さを特定する
  5. 情報資産の改善:根拠・構造・外部評価を補い、認識を目指す姿に近づける

「出るか」だけでなく「狙った意味で認識されているか」まで見る

同じ質問でも、AIがどう説明するかによって、ブランドとしての意味は変わります。たとえば、製造業のDXに強い企業として認識されたいSIerについて、生成AIに「○○社は何に強い会社ですか?」と尋ねたとします。

AIの回答の例 評価
A:「○○社は、大手SIerの一社です。」 社名は出ているが、目指すブランド像(製造業DX)と結び付いていない
B:「○○社は、製造業の基幹刷新に強く、大規模案件の支援実績が豊富なSIerです。」 企業が形成したいブランド認識との一致度が高い

ブランドの観点では、AIの回答を次の3つの段階で見ます。

  • 出るか:AIの回答に企業名が登場する
  • 選ばれるか:比較・推奨の候補として扱われる
  • 狙った意味で認識されているか:意図したブランド属性で説明される

社名が出る割合(表出率)だけでなく、どのような意味で説明されているかという認識の「質」まで評価することが大切です。なお、上の例のように社名を含む問いで確かめられるのは「認識」です。「出るか」「選ばれるか」は、社名を含まない問い(後述する非指名の問い)で測ります。

LLMOブランディング施策に期待できること、期待しすぎないこと

生成AIの回答は、モデル、質問したタイミング、検索機能を使うかどうかなどによって揺らぎます。LLMOブランディング施策は、回答を操作するものではなく、認識を観測し、育てる取り組みです。期待できることと、期待しすぎないことを分けておきましょう。

期待できること 期待しすぎないこと
生成AI上のブランド認識を可視化する AIの回答を完全にコントロールする
競合との差異や情報の不足を発見する 短期間でブランド認識を変える
想起・比較の候補に入る可能性を高める 記事の量だけで成果を生む
ブランド情報の一貫性を整える AIでの表出を売上へ直接換算する

回答の揺らぎは、調査でも確かめられています。
米国のSparkToroとGumshoeが2026年1月に公表した調査では、約600人が12種類のプロンプトをChatGPT・Claude・GoogleのAI(AI Overviews、表示されない場合はAIモード)で計2,961回実行しました。その結果、ChatGPTとGoogleのAIでは、同じ質問を100回繰り返したとき、どの2回の回答を比べても同じブランドのリストになる確率は100分の1未満でした。

出典:SparkToro「NEW Research: AIs are highly inconsistent when recommending brands or products; marketers should take care when tracking AI visibility」(2026年11月5日確認)

そのため評価では、1回の質問で何位に出たかをSEOの順位のように追うのではなく、複数のプロンプト・複数回の回答・複数の生成AIから、傾向としてブランド認識を把握します。また、事業の実態、ブランド戦略、それを裏付ける情報は、LLMOより先にあるものです。LLMOブランディング施策は、それらを前提に、生成AI上でも正しく伝わっているかを観測し、育てていく取り組みです。

出発点は「ブランドエンティティ」の整理

LLMOブランディング施策で最初に整理するのが「ブランドエンティティ」です。ブランドエンティティとは、企業名と、市場・顧客、専門領域、顧客課題、強み・実績、社会的価値の5つの属性との関係のことです。「どのような企業として認識されたいか」が定まっていないと、AIの回答を見ても、その良し悪しを判断できません。

ブランドエンティティを構成する5つの属性:市場・顧客、専門領域、顧客課題、強み・実績、社会的価値

属性 問い 例(SIerの場合)
市場・顧客 どの市場・顧客に強いのか 大企業/製造業/金融
専門領域 どの専門領域を持つのか DX/クラウド/AI/データ/セキュリティ
顧客課題 どの課題を解決できるのか 基幹刷新/レガシー脱却/人材不足/データ分断
強み・実績 どのような強み・実績があるのか 大規模案件/上流支援/業界知識/運用力
社会的価値 どのような企業姿勢・価値を持つのか 環境対応/人的資本/社会課題の解決

「企業→属性」と「属性→企業」の双方向で確かめる

ブランド認識は双方向で確認します。企業から属性が想起され、属性からも企業が想起される状態が理想です。

方向 問いの種類 問いの例 見ること
企業→属性 指名の問い 「○○社は何に強い会社ですか?」 「製造業DX」「基幹刷新」「AI活用」など、企業が重視するブランド属性が回答に現れるか
属性→企業 非指名の問い 「製造業DXに強いSIerは?」「大規模な基幹刷新を相談できる会社は?」 自社が候補として登場するか、どの文脈・順番で挙がるか

社名やサービス名を含む問いを「指名」、含まずにテーマや課題から始める問いを「非指名」と呼びます。「○○社といえば、製造業DX」と「製造業DXといえば、○○社」の両方が成り立つほど、企業名とブランドテーマの関係ははっきりします。

相手ごとに「どう認識されたいか」を決める

同じ企業でも、顧客、投資家、人材、社会では、期待する企業像が異なります。共通の核は保ちながら、誰に何を伝えるかを明確にしておきます。

相手 認識されたい属性 主な情報源 AIへの問いの例
顧客・市場 専門性/課題解決力/実績・再現性 サービスサイト/導入事例/オウンドメディア 「製造業DXを相談できる会社は?」
投資家・ビジネス関係者 成長性/経営姿勢/持続可能性 IRサイト/統合報告書/ニュースリリース 「○○社の成長戦略の特徴は?」
社会・人材 社会的価値/企業姿勢/働く場としての魅力 サステナビリティ情報/採用サイト/外部評価 「○○社の人的資本経営の特徴は?」

生成AIの調査で使う問いと評価の軸も、対象とするステークホルダーに合わせて設計します。

自社のブランドエンティティを書き出す

まずは5つの属性に沿って、自社が「何と結び付いて認識されたいか」を書き出してみましょう。次の順に進めると整理しやすくなります。

  1. 市場・顧客、専門領域、顧客課題、強み・実績、社会的価値の5つの欄を用意する
  2. 各欄に、自社が結び付いて認識されたい言葉を書き出す
  3. 「DX支援」のような一般的な言葉は、業界・課題・工程・実績まで具体化する
  4. 書き出した属性を、このあと設計するプロンプトと、評価指標の「認識(Perception)」の基準に使う

書き出した属性は、AIの回答を評価するときの物差しになります。AIの回答に、書き出した属性がいくつ現れたかを数えれば、狙った意味で認識されているかを比べられるようになります。

事業ブランドとコーポレートブランドは分けて設計する

LLMOブランディング施策では、事業ブランドとコーポレートブランドを分けて考えます。事業ブランドの目的は顧客にとっての「選択肢になること」、コーポレートブランドの目的は企業として「正しく理解・評価されること」です。

観点 事業ブランド コーポレートブランド
認識の単位 サービス・ソリューション 企業全体
中心となる問い 何ができ、どの課題を解けるか 何者で、どのような価値を生むか
主な対象 顧客・見込み顧客 顧客/投資家/人材/社会
主な証拠 機能、導入事例、成果、専門性 事業ポートフォリオ、実績、方針、第三者評価
重視する問い 非指名(テーマ・課題・推奨) 指名(企業理解)+非指名(テーマ想起)
評価の流れ 想起→比較→推奨 認知→理解→評価→信頼

同じプロンプトや評価指標(KPI)をそのまま共用せず、ブランドの階層ごとに設計するのがポイントです。

事業ブランドは「顧客課題→提供価値→選択理由→証拠」でつなぐ

事業ブランドでは、課題から自社が想起されるか、そして選ばれる理由と、それを支える証拠までつながっているかを確認します。SIerを例にすると、次の4段階です。

  1. 顧客課題(誰の、どの困りごとか):製造業の基幹システム刷新
  2. 提供価値(何をどう変えるか):構想から運用まで一貫して支援する
  3. 選択理由(なぜ自社なのか):業界知識と大規模な実装力の掛け合わせ
  4. 証拠(何で裏付けるか):案件実績・独自調査・有識者の発信

観測には、社名を含まない課題起点の問い(例:「製造業の基幹刷新に強い企業は?」)を使い、候補に挙がるかを確認します。このとき「DX支援」のような一般語のままでは、ほかの多くの企業と区別されにくくなります。業界・課題・工程・実績まで具体化して、選ばれる理由と証拠を結び付けておきましょう。

コーポレートブランドは複数の接点を「一つの企業像」に束ねる

コーポレートブランドでは、事業、経営、社会、人材という複数の接点の情報を、企業としての存在意義・中核価値のもとに束ねます。各接点の言葉を同じものにそろえるのではなく、中核価値と矛盾なく説明できる関係をつくることが目的です。

接点 伝えること 主な情報源
事業 提供価値・専門性 サービスサイト・導入事例
経営 成長戦略・ガバナンス IRサイト・統合報告書
社会 社会課題・環境への取り組み サステナビリティ情報・リリース
人材 文化・働く場としての魅力 採用サイト・社員インタビュー

観測には「○○社の環境への取り組みは?」「○○社の人的資本経営の特徴は?」のような指名の問いを使い、「認知→理解→評価→信頼」の流れで認識が進んでいるかを見ます。

生成AIへの問いは「何を観測するか」から設計する

生成AI上のブランド認識を調べるときは、思いついた質問を大量に登録するのではなく、「何を観測するための問いか」を先に決めます。問いは、指名と非指名を組み合わせた次の5つに分類できます。

分類 起点 観測すること 問いの例
企業理解 指名 企業そのものが、どう理解されているか 「○○社はどのような会社?」「○○社の強みは?」
テーマ想起 非指名 特定のテーマから、企業が想起されるか 「製造業DXに強いSIerは?」
課題想起 非指名 顧客課題から、候補として挙がるか 「基幹システム刷新を相談できる企業は?」
推奨・選定 非指名 購買の候補として、推奨されるか 「大企業がDX支援を依頼するならどこ?」
競合比較 指名 競合との違いが、どう認識されているか 「○○社と△△社の違いは?」

指名と非指名を組み合わせることで、ブランド認識を多面的に観測できます。

事業ブランドとコーポレートブランドで問いの重点を変える

5つの分類は共通でも、ブランドの階層によって問いの主語と重点が変わります。事業ブランドは非指名の問い(テーマ・課題・推奨)を厚くし、コーポレートブランドは指名での企業理解と、非指名でのテーマ想起を両輪にします。

分類(起点) 事業ブランドの問いの例 コーポレートブランドの問いの例
企業理解(指名) 「○○サービスは何ができる?」 「○○社はどのような会社?」(重点)
テーマ想起(非指名) 「製造業DXに強いサービスは?」(重点) 「AI/DXに強い国内SIerは?」(重点)
課題想起(非指名) 「基幹刷新を相談できるサービスは?」(重点) 「レガシー刷新に強い企業は?」
推奨・選定(非指名) 「大規模刷新ならどのサービス?」(重点) 「大企業のDX支援ならどの企業?」
競合比較(指名) 「○○サービスと△△の違いは?」 「○○社と△△社の違いは?」

表の(重点)は、それぞれのブランドで重点的に観測する問いです。問いの主語(サービスか企業か)も重点も違うため、プロンプトのセットはブランドの階層ごとに分けて作成します。

生成AI上のブランド認識を測る4つの評価指標

評価指標は4つの階層で捉えます。成果は「出ているか(表出)」「選ばれているか(選好)」「狙った意味で認識されているか(認識)」の3つで見て、4つ目の「根拠」は改善のヒントを得るための診断情報として扱います。

生成AI上のブランド認識を測る4つの階層:表出(Exposure)、選好(Preference)、認識(Perception)、根拠(Evidence)

階層 見ること 代表的な指標 位置づけ
表出(Exposure) AIの回答に企業名が登場するか 表出率、上位候補への表出率 成果指標
選好(Preference) 比較・推奨の候補として扱われるか 比較候補率/推奨率、上位推奨率 成果指標
認識(Perception) 意図したブランド属性と一致した説明がされるか ブランド属性の一致数・一致率 成果指標
根拠(Evidence) AIがどの情報を根拠に認識を形成しているか 引用・参照される情報源の種類 診断情報

測定は「プロンプト群×生成AIモデル×実行回×競合」を単位にして、個別の回答ではなく傾向の変化を追います。同じ問いのセットを複数の生成AIに複数回投げ、競合と並べて比べれば、1回ごとの回答の揺らぎに振り回されずに済みます。

根拠(Evidence)は、ブランド認識の状態そのものではなく、AIがその認識をどこから形成しているかを示す情報です。そのため成果指標とは分けて、改善施策を考えるための手がかりとして使います。どの情報が参照され、どの情報が参照されていないかが分かれば、次に整えるべき情報資産が見えてきます。

生成AI上の認識は、情報資産全体から形づくられる

生成AIは、自社の発信に加えて第三者の情報も参照しながら、企業像を示すことがあります。そのため分析の範囲は、自社サイトに限らず、Web上の情報資産全体に広げます。

区分 情報領域 主な例 ブランド上の役割
自社発信 企業定義 コーポレートサイト/会社情報 何者かを定義する
自社発信 専門性・実行力 サービスサイト/オウンドメディア/導入事例 何に詳しく、何ができるかを裏付ける
自社発信 経営・姿勢 IRサイト/統合報告書/サステナビリティ情報/採用サイト/ニュースリリース 成長性・価値観・継続性を示す
第三者情報 第三者評価 メディア記事/業界団体/パートナーサイト/外部評価・調査記事 市場での位置づけと信頼を補強する
第三者情報 評判・反応 比較サイト/口コミ・評判 社外から見た実像を形成する

第三者情報の影響は、Ahrefsが7万5,000ブランドを対象に行った分析からもうかがえます。この分析では、GoogleのAI Overviewsでのブランドの表示と最も強く相関したのは、Web上でのブランドへの言及(相関係数0.664)で、被リンク(0.218)を大きく上回りました。相関であって因果関係を示すものではありませんが、自社サイトの外でどう語られているかも、AI上の見え方と無関係ではないことがうかがえます。

出典:Ahrefs「An Analysis of AI Overview Brand Visibility Factors (75K Brands Studied)」(2026年11月5日確認)

一方でGoogleは、AIによる概要やAIモードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、特別な最適化も必要ないと説明しています。AI向けの特別な手法を探すより、検索の基本を押さえたうえで、伝えるべき情報そのものを整えることが先決です。

出典:Google検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」(2026年11月5日確認)

オウンドメディアは、自社で最も動かしやすい改善の起点です。ただし、分析の対象をそこだけに限定しないようにしましょう。目指すのは「AI向けの記事を書く」ことではなく、情報資産全体を整えて一貫した認識をつくることです。

診断から改善までの9ステップ

LLMOブランディング施策は、診断フェーズと改善フェーズに分けた9つのステップで進めます。まず診断フェーズで現在の認識とギャップの原因を把握し、次に改善フェーズで情報資産を整えて、定点観測につなげます。

診断から改善までの9ステップ:診断フェーズのSTEP1〜6と改善フェーズのSTEP7〜9

診断フェーズ

  1. ブランド像を整理する:どのような企業として認識されたいかを整理する
  2. エンティティを定義する:結び付けたい市場・課題・専門性・強み・価値を定める
  3. プロンプトを設計する:指名・非指名を組み合わせ、5分類の問いを設計する
  4. 生成AI上の認識を調査する:複数のAI・複数回の回答で、表出・選好・認識・根拠を確認する
  5. ギャップを分析する:目指すブランド像・競合・現在の認識を比較する
  6. 情報資産を分析する:ギャップの原因を、自社サイト・事例・第三者情報から確認する

改善フェーズ

  1. 改善施策を設計する:不足しているブランドテーマや根拠情報を特定する
  2. 情報発信・情報資産を改善する:記事だけでなく、事例・調査・サービスページ・IR情報・外部発信も対象にする
  3. 定点観測する:生成AI上のブランド認識の変化を継続的に確認し、STEP 1の整理へ戻す

初めて取り組む場合は、診断フェーズ(STEP 1〜6)から始めると、改善の優先順位を判断しやすくなります。STEP 9で認識の変化を確かめたら、STEP 1に戻って、目指すブランド像やエンティティを見直します。

LLMOブランディング施策についてよくある質問

Q. LLMOでAIの回答をコントロールできますか?

できません。生成AIの回答は、モデル・タイミング・検索の有無などで揺らぎます。LLMOブランディング施策は、回答を操作するものではなく、生成AI上のブランド認識を観測し、情報資産を整えることで認識を育てていく取り組みです。

Q. AIの回答に社名が出ていれば十分ですか?

十分とはいえません。社名が出ていても、「大手SIerの一社です」のように目指すブランド像と結び付かない説明では、ブランドとしての意味は伝わっていません。表出・選好に加えて、意図したブランド属性で説明されているか(認識)まで評価します。

Q. 指名の問いと非指名の問いは、どう使い分けますか?

社名・サービス名を含む「指名」の問いでは、企業がどう理解されているか(認識)を確かめます。社名を含まずテーマや課題から始める「非指名」の問いでは、候補として挙がるか、選ばれるか(表出・選好)を測ります。使い分けの重点は、事業ブランドなら非指名の問い、コーポレートブランドなら指名の問いとテーマ想起の非指名の問いの両輪です。

Q. 記事を増やせば、生成AI上のブランド認識は変わりますか?

記事の量だけで成果が出るとは限りません。生成AIは自社の発信に加えて第三者の情報も参照します。記事のほかに、導入事例、調査、サービスページ、IR情報、外部への発信も含めた情報資産全体を整えることが大切です。

Q. 何から始めればよいですか?

「どのような企業として認識されたいか」というブランド像の整理(STEP 1)と、ブランドエンティティの定義(STEP 2)から始めます。認識されたい姿が決まらないと、AIの回答の良し悪しを判断できないためです。そのうえで診断フェーズ(STEP 1〜6)を一通り行うと、改善の優先順位が見えてきます。

まとめ

生成AIという新しい情報接点でも、一貫したブランド認識が形成される状態をつくるための考え方を、4つのポイントで振り返ります。

  • LLMOブランディング施策は、AIに社名を出すためのものではなく、ブランド認識を観測し、育てる仕組みです。目指すブランド像と生成AI上の認識のギャップを捉え、その差を縮めていきます
  • まず「何の企業として認識されたいか」を、ブランドエンティティ(市場・顧客、専門領域、顧客課題、強み・実績、社会的価値との関係)で定義します
  • ブランドの階層ごとに、問いと評価指標を分けて設計します。事業ブランドは「選択肢になること」、コーポレートブランドは「正しく理解・評価されること」が目的です
  • ギャップの原因を情報資産から特定し、継続的に観測します。自社発信と第三者情報を整え、個別の回答ではなく傾向として認識の変化を追います

設計の考え方を資料でまとめて確認する

この記事の内容は、ホワイトペーパー「企業ブランディングにおけるLLMO設計の考え方」にまとめています。生成AI上のブランド認識を観測し、育てるための設計ガイドで、フォームへの入力なしでダウンロードできます。ブランドエンティティを書き出すワークや、オウンドメディアの自己診断表も収録しています。

こんな方におすすめです。

  • 生成AIで自社がどのように説明されているかが気になっている
  • AIでの表出だけでなく、ブランドとしての認識の質まで評価したい
  • 事業ブランドとコーポレートブランドで、調査の問いや指標をどう分けるか整理したい
  • 自社のオウンドメディアや情報資産を、自己診断表で見直したい

生成AI上の自社のブランド認識を確認したい方へ

SEデザインは、1985年の創業以来、外資系IT企業のブランドローカライズをはじめ、日系・外資を問わず多くのテクノロジー企業のマーケティングを支援してきました。目指すブランド像の整理から、生成AI上のブランド認識の調査、ギャップの原因となる情報資産の分析・改善までをご支援しています。

生成AI上で自社やサービスがどのように認識・引用されているかを詳しく確認したい場合は、「LLMO診断・伴走支援サービス」もご用意しています。

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