ローカライゼーションとは? 翻訳との違いや必要性を解説

公開日:2022-09-08 更新日:2023-05-12 by SEデザイン編集部

目次

what-is-localization1サービスや製品などを他国で紹介したり、Webサイトを他国向けに作ったりする場合には、サイトをただ翻訳するのではなく、ローカライゼーションの観点から取り組むのが効果的です。

ローカライゼーションとはそもそも何か、翻訳との違い、行う際に注意すべきことについて解説します。 サービスのグローバル化を考えている企業担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

ローカライゼーションとは?

ローカライゼーションは、日本語に直訳すると局在化・局地化となります。「ローカリゼーション」、もしくは略して「L10n」などと表記されることもあります。

もともとはIT業界用語であり、ソフトウェアの翻訳のことを指す言葉でしたが、現在では製品やサービスを使用する国の言語に対応させることに対して使われます。国によって言葉だけでなく文化や習慣なども異なるため、ただ翻訳するだけでなく、その国の状況に最適化することがローカライゼーションにおける重要なポイントです。

海外でサービスや事業を展開したいという場合はローカライゼーションにも目を向ける必要があり、グローバルに事業を展開する企業には必須のものと言えるでしょう。

翻訳とローカライゼーションの違い

一見似ている翻訳とローカライゼーションですが、その本質は異なります。翻訳では原文をそのまま別の言語に訳しますが、ローカライゼーションでは言語を訳すのと同時に、その国に合わせた表現へ適宜変更することがあります。

たとえば、「彼は徳川家康のような有名な人物になりたいと思っている」を英語に翻訳すると、「He wants to be a famous person like Tokugawa Ieyasu.」となります。しかし、徳川家康と言っても米国ではピンとこないかもしれません。そこで、これを米国の誰もが知っている人物、エイブラハム・リンカーンなどに置き換えるのが、ローカライゼーションです。

通常の翻訳で原文の内容自体を変更することはありませんが、その土地の文化などに見合ったものにするため、内容の変更も視野に入れて表現を最適化するのがローカライゼーションの特徴です。

ローカライゼーションが必要な理由

what-is-localization2ローカライゼーションは、その国や地域の人に「伝えたいことを正しく伝えるため」に行います。機械的な翻訳だけでは、意図した内容が伝わらないことがあるからです。国・地域ごとに、それぞれ独自の文化や宗教観が備わっています。

国が違えば、不快に感じる事柄や禁忌事項も異なってくるため、内容を変更したほうが意図を正しく伝えられることもあります。トラブルを避けるためにも、ローカライゼーションは重要なことです。

ローカライゼーションのポイント

実際にローカライゼーションを行う際は、事前に次の項目を確認しましょう。

【ローカライゼーションのポイント】

  • 正確な翻訳
  • 翻訳対象の国への文化的理解
  • デザインに対する理解

この項目では、各ポイントについて解説していきます。

正確な翻訳

ローカライゼーションにおいても、まずは正確な翻訳が必要不可欠です。語学力と翻訳力は異なりますが、高い語学力を条件としている翻訳会社もあるように、当然ながらある程度の語学力は必要とされます。

ですが、単純な直訳では、内容がぎこちなく理解しづらいものになりかねないため、ローカライゼーションには、語学力に加えて高度な翻訳力も必須といえます。

翻訳対象の国への文化的理解

ローカライゼーションでは、対象となる国に向けてカスタマイズします。そのため、政治・宗教・食生活などの文化への理解が必要です。

間違った知識でローカライゼーションを行うと、意味が正確に伝わらないだけでなく、文化的な摩擦から問題が生じる可能性もあるため、翻訳対象となる国の文化を正しく理解することが大切です。

デザインに対する理解

ローカライゼーションでは、文章の翻訳だけでなく、デザインの観点からも見ていく必要があります。例として、同じ「白色」がもつイメージが、国によってどう違うのか解説します。

【白の各国・地域でのイメージ】

  • 日本:清楚
  • 欧米:降伏
  • 中国:不吉

日本では清楚という良いイメージのある白ですが、他の国では降伏や不吉などマイナスの意味をもつことが分かります。日本でのイメージのまま色やデザインを使うと、他の国では意図とは異なる印象を与えてしまうかもしれません。マイナスの意味ではなくても、日本でのイメージとは違った印象を与える可能性があることを理解しておきましょう。

また、好まれるデザイン配置も、国によって異なるという点にも注意してみてください。たとえば、スターバックスの日本語のWebページでは、商品紹介のページにその商品に関するさまざまな情報が網羅的に記載されています。 一方、欧州向けのWebページでは、シンプルなデザインが好まれるため、食物アレルギーなど別途必要な記載事項は、別のページにまとめる構成となっています。

文章自体を最適化するだけではなく、色や情報配置を含めたデザインも、その国で好まれるものがどのようなものか見ていく視点が大切です。

ローカライゼーションが必要な分野

what-is-localization3ローカライゼーションには、行うべき分野と行わなくてもいい分野があります。Webサイト、アプリ、ソフトウェアはグローバルに展開されるものが多いので、ローカライゼーションが必要です。

ただし、他国に製品やサービスを展開する必要がないのであれば、無理に行う必要はありません。他国でサービスなどが利用される可能性があるか、展開する可能性があるかを念頭にローカライゼーションの必要性を判断してみてください。

ローカライゼーションは外注がおすすめ

ローカライゼーションを実施する場合は、自社で行うのではなく専門家に委託するのがおすすめです。この項目では、外注がおすすめである理由を解説します。

理由1. 人材育成のコストがかかる

理由のひとつ目として、人材育成のコストが挙げられます。ローカライゼーションに必要なスキルを持つ人材を育成するには、留学や翻訳教育など膨大なコストがかかりますが、委託をすることで、こうした教育コストをかけずにローカライゼーションを行えます。

ローカライゼーションが継続的に必要とされる業務以外では、自社で人材を育成するよりも委託をした方が、コストは圧倒的に下がります。

理由2. 教育の時間がかかる

ローカライゼーションに対応できるようになるまでに、コストだけでなく習熟時間も必要です。自社で一から人材を育成する場合、少なくとも数年単位の期間を想定する必要があるでしょう。

一方で、専門性の高い企業へ業務委託を行えば、時間をかけず洗練されたローカライゼーションを行うことができます。どうしても自社で育成する必要がある、自社に対応可能な人材がいるなどの例外を除けば、委託をした方が効率的です。

まとめ

サービスを他国で運営する際に欠かせない、ローカライゼーションについて解説しました。ターゲットとなる国の文化や風習、習慣などを考慮することが、購買意欲を引き出すカギとなります。

なるべく短期間で予算を抑えてローカライゼーションを行いたい企業は、外注がおすすめです。

SEデザインは、ローカライゼーション委託の分野で長年蓄積されたノウハウと実績をもっており、ブランドイメージの維持に重点を置いて、デザインも含め、他国にも伝わりやすいローカライゼーションを行います。ローカライゼーションをお考えであれば、ぜひお気軽にご相談ください。

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