顧客分析の基本・RFM分析とは? 概要や方法をわかりやすく解説

公開日:2022-11-16 更新日:2023-03-23 by SEデザイン編集部

目次

rfm-analysis1「顧客分析を行ってみたいが方法がわからない」
「そもそも自社で顧客分析が必要なのかよくわからない」とお悩みではありませんか?

売り上げなどで伸び悩みを感じたときや自社商品の理解を深めたいときは、顧客分析である「RFM分析」がおすすめです。マーケティングの分析方法のひとつであるRFM分析について言葉の意味やメリット、実際の分析のやり方などを解説していきます。

顧客分析のひとつRFM(アールエフエム)分析とは?

まずは、「RFM(アールエフエム)分析」とは何か、どのようなメリットがあるのかについて解説します。

3つの指標で顧客を分類する分析方法

RFM(アールエフエム)分析とは、以下3つの指標をもとに顧客をグループ化して分析する方法です。

  • 直近の購買日:Recency(リセンシー)
  • 購買の頻度:Frequency(フリークエンシー)
  • 購買金額:Monetary(マネタリー)

Recencyは、顧客が商品の購入日時を算出し、時期ごとにグループ化をします。指標としては、最新購入日から日が短いほど、「評価が高い顧客」という分類になります。

Frequencyは、商品などの購入頻度を元にグループ化をするものです。指標としては、購入の頻度が多いほど「評価が高い顧客」という分類です。

Monetaryは、これまでの顧客の購入総額ごとにグループ化をするものです。指標としては、購入金額が高いほど「商品の評価が高い」という分類になります。

RFM分析で顧客を分類するメリット

RFM分析を行うことには、以下のようなメリットがあります。

  • 分類ごとに適切なマーケティング施策を図れる
  • マーケティング施策で強化すべきターゲットがわかる

各指標の観点から自社の顧客理解を深めることができるため、分類ごとに適切なマーケティングを行えるのがメリットのひとつです。また、自社がマーケティングやキャンペーンを行うべき顧客層がどのセグメントなのかを理解することで、マーケティング戦略を打ち出しやすい利点があります。

RFM分析を行う際の注意点

RFM分析を行う際に注意すべき点としては、以下の2つがあります。

  • 分析の手間ひまが負担に感じる場合がある
  • 計測のタイミングにより分析の結果がことなる

分析作業は、顧客の情報を集める・分類する・分析する工程が必要です。企業の体制や時期によっては人手を割けず、手間をかけることが難しいかもしれません。

また、分析結果は分析対象の期間によって異なります。分析対象の計測する期間が短い場合、偏ったデータになる可能性があります。そのため、人手や計測のタイミングを合わせるのが難しい場合は、分析の手助けになるツールを利用し、専門家のアドバイスをもとに、分析を進めていくのがおすすめです。

RFM分析を行うのに適したケース

RFM分析が適したケースは以下の通りです。

  • 分析の元となるデータの種類が手元に少ないとき
  • 自社の顧客の現状を把握して、今後の戦略を立てたいとき

顧客の個人情報や、商品名など具体性のあるデータの種類が少なくても分析ができるため、元となるデータが少なくともチャレンジするのもよいでしょう。また、手間がかかる分析であるからこそ、自社の顧客の現状を把握して今後の戦略を立てたいときに活用できる分析です。

RFM分析のやり方をわかりやすく解説

rfm-analysis2RFM分析の具体的な手順は次のとおりです。

  1. 目的を明確にもって分析期間を決める
  2. 顧客データを収集・抽出する
  3. 3つの指標の区分を決める
  4. 顧客データを区分に当てはめて分類・評価する
  5. 分類をもとに施策を企画・実施する
  6. 施策の効果を検証し、PDCAサイクルを回す

各手順について詳しく解説していきます。

1.目的を明確にもって分析期間を決める

まずは分析を行う期間を決めますが、目的を明確にもって決定することが大切です。

例えば、「ある商品が伸び悩んでいる原因を知りたい」を例にしたとき、どのような課題があり、何を明らかにすべきなのかによって分析するべき期間も異なります。

また、分析期間として過去数年分とするか、過去のある時期だけ対象とするのかなど、目的によって分析期間を明確にすることも大切です。

2.顧客データを収集・抽出する

分析する目的・期間を決めた次は、顧客データを収集・抽出します。

1で立てた目的をもとに必要なデータを収集や、既存データから抽出を行います。収集したデータは、表記ゆれなどで別のデータとなっているようなものある可能性があるため、データを整えることも必要です。

万が一データ抽出に誤りが生じた場合、やり直しになる重要な工程となります。目的に沿ったデータを間違いないか確認をしながら抽出しましょう。

3.3つの指標の区分を決める

データの抽出ができたら3つの指標の区分を決めます。Recency・Frequency・Monetaryの3つの区分の範囲を目的に合わせて決め、データのランク付けができるようにします。例として、以下のように区分できます。

【3つの指標を使った区分例】

ランク

R(直近の購買日)

F(購買の頻度)

M(購買の金額)

4

30日以内

5回以上

30,000円(税込)以上

3

60日以内

3回

20,000円(税込)以上

2

90日以内

2回

10,000円(税込)以上

1

90日以上

1回

5,000円(税込)以上

区分の分け方は、自社の商品やサービスの金額や売れ方などに応じて変えましょう。

また、「2.データ抽出」と「3.指標の決定」の手順については、順序が逆でも問題ありません。抽出したデータをRecency・Frequency・Monetaryごとに、ヒストグラムにして区分けをすることで、この後のデータの分析を進めやすくなります。

4.顧客データを区分に当てはめて分類・評価する

3つの指標の区分を決めたら、顧客データを区分に当てはめて分類・評価していきます。この工程では、区分のランクが多いほど煩雑になります。

たとえば、区分を5つに分けてランクにした場合、5×5×5で125グループにまで分類可能です。 しかし、100を超えるグループ分けをすると作業に時間がかかるだけでなく、分析結果を確認する際もわかりにくくなってしまいます。

その際、「3つの指標の総和が21以上は優良顧客」など分類し、グループに分けることで更に細分化して分析することも可能です。各グループの傾向をつかみ、目的に対して分析結果がどうかという観点を持ちつつ、分類したデータの状況を評価してみてください。

5.分類をもとに施策を企画・実施する

分析ができたら、分析結果をもとにして施策を企画・実施します。各グループの傾向から、プロモーションなどに力を入れる顧客層の優先順位を判断できるようになります。

たとえば、分析結果ごとに以下のようなアプローチができます。

3つの指標の総和が21以上は優良顧客 購買意欲も単価も高い顧客。新商品の案内をしたり、特別なイベントに招待したりと積極的にアプローチする。
購買頻度や購買金額は高かったが最近購入をしていない離反客 定期的に挨拶や案内を送り、自社に戻ってきてもらうことを促す。
購買頻度や購買金額が低く非優良顧客 プロモーションを廃止し、コストの削減や優良顧客の予算に充てる。
分類の方法は企業や商品、サービスによって異なるため、自社の目的に沿って決めるのがおすすめです。上記のように顧客を分析してみて、異なるアプローチをしましょう。

6.施策の効果を検証し、PDCAサイクルを回す

分析結果のデータをもとにマーケティング戦略などの施策を実際に行います。施策を行った後は、必ず効果の検証をして、より顧客の購買意欲の高まる適切なプロモーションを実施することが大切です。

その検証結果を元に、別の視点から分析してPDCAを回していきましょう。顧客データは日々更新されていくので、分析・施策・検証を繰り返して改善していくことが大切です。

RFM分析で気をつけたい注意点

この項目では、RFM分析で気をつけたい以下の注意点を解説します。

  • 分析に向いていない対象がある
  • 顧客の属性やライフステージなどは結果に反映していない
  • 何を買ったかが考慮されていない
  • 分析を行う時期により結果が異なる場合もある

分析に向いていない対象がいるという点は確認しておきましょう。たとえば、購入頻度が低い場合・購買行動を予測する場合は季節性商品の分析などが挙げられます。また、RFM分析は顧客の属性やライフステージといった事柄は分析結果には反映されません。

さらに属性などを参考にしてマーケティング活動を行いたい場合、別のフレームワークを用いた分析が必要となります。RFM分析のみでは、必ずしも優良顧客がプロモーション対象になるかの判断が難しいため、他の分析方法や自社に記録された行動データを組み合わせてうまく活用しましょう。

RFM分析を最大限活用する方法

rfm-analysis3せっかくRFM分析を行うのであれば、分析結果を最大限活かすことが重要です。具体的な活用方法は以下の通りです。

  • RFM分析に他の指標を加える
  • 他の分析方法も同時に行う
  • CRMツールでRFM分析の効率化を図る

各取り組みについて解説します。

RFM分析に他の指標を加える

RFM分析の指標は基本的には3つですが、他の指標を取り入れることも非常に有効です。他の指標を加えた次の分析方法を用いて、情報を補完するとよいでしょう。

  • 商品を考慮に入れるMRFI分析
  • カテゴリーを考慮に入れるRFMC分析
  • 距離という指標を加えて地域性を持たせるRFM-D分析
  • 5つの指標からナーチャリングも可能なCRM分析

自社の状況や、商品にあった分析方法を取り入れて、データ分析の最適化を図ることが大切です。

他の分析方法も同時に行う

他の指標を加えるだけでなく、全く別の分析方法での分析を行い、別の観点からRFM分析を補完することも非常に有効です。他の分析方法として取り入れるといいものとして、以下のような方法があります。

  • 商品やサービスの売れ筋比較ができるABC分析
  • シンプルに購入金額で比較するデシル分析
  • 顧客の購入傾向を図るCTB分析
  • 傾向の似た顧客を分類するセグメンテーション分析

デシル分析、CTB分析、セグメンテーション分析について詳しく知りたい方は、以下の記事で解説していますのでご覧ください。
顧客分析が必要な理由とは?5つのフレームワークとポイントを解説

CRMツールでRFM分析の効率化を図る

CRMツールを導入することで顧客情報を一元的に管理でき、RFM分析も効率的に可能になります。
手作業などツールを使わずに分析を行うより、ツールを使って顧客のデータ抽出や分析を効率的に活用することで人件費が少なくて済み、費用が抑えられる場合もあります。

CRM分析について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
マーケティングに不可欠なCRMとは?その用途と目的、導入に際しての準備について徹底解説!

まとめ

分析方法のひとつであるRFM分析では顧客を分類でき、自社が力を入れるべき優良顧客の情報を理解することができます。

しかし企業や部署によっては、人手を割けず分析に時間をかけられない場合や、一人マーケッターで膨大なデータを処理するのが難しい場合があります。そんな方には、顧客情報の収集を効率的に一元管理でき、RFM分析を含む総合的な顧客分析を行うことができるHubSpot CRMがおすすめです。

SEデザインではHubSpotの導入や活用のサポートをしています。顧客分析や顧客データの管理・利用でお悩みの場合は無料でご相談を承っていますので、自社のマーケティング活動にご活用ください。

いますぐ使えるコンテンツ戦略マップ

関連記事

コンテンツマーケティングで、
ビジネスの効果を最大化しませんか?

もっと詳しく知りたい方

ご質問・ご相談したい方