自社のPRを行ううえで、オウンドメディアは大きな役割を果たします。しかし、オウンドメディアを強力な宣伝ツールに成長させるためには、少しずつ育てていかなければなりません。
そのために欠かせないのがSEOです。今回はオウンドメディアにおけるSEO対策について解説します。
そもそもオウンドメディアを運用するメリットとは?
SEO対策について解説する前に、そもそもオウンドメディアを運用するメリットについて紹介します。オウンドメディア運用のメリットを知ることで、それを最大限活かせる戦略を立てることができます。
オウンドメディア運用のメリットは、大きく分けて以下の3つです。
- 企業の資産となる
- ブランディングが行いやすくなる
- 広告費を削減できる
オウンドメディア上で公開した記事や情報は、投稿者が削除しない限りインターネット上に永久的に残ります。加えて、SEOにより上位表示され続けることで、常に多くのユーザーの目に触れることにもなります。つまり、オウンドメディアは企業にとって、持っているだけで価値のある「資産」となるのです。
また、発信する情報を企業側が細かく精査できるため、ブランディングも行いやすいでしょう。インターネット上で、あらゆるユーザーが目にするため、認知拡大や企業イメージの定着といった効果も期待できます。
さらに、広告費が削減できる点もオウンドメディアを運用するメリットです。オウンドメディアの効果はテレビCMのように、配信期間中に限定されたものではありません。拡散力も高いため、広告費をかけ続ける必要もないのです。
オウンドメディアにおけるSEOの重要性
オウンドメディアのメリットを最大限に活用するためには、サイト自体を育成することが重要です。ただオウンドメディアを立ち上げただけでは、残念ながら十分な効果は期待できないでしょう。
収益アップや認知拡大、ブランディングなど、オウンドメディアを運用する目的は企業ごとにさまざまありますが、オウンドメディアの育成には「SEO対策」が欠かせません。どんな目標を達成する場合でも、見る人が少なければ大きな効果を得られないためです。
より多くのユーザーの目に触れるオウンドメディアへと育てていくために、SEO対策は重要です。
オウンドメディア構築・運用時のSEO対策
オウンドメディアにおけるSEO対策は、大きく「構築時」と「運用時」の2つに分けられます。サイトが出来上がってからSEO対策を始めればよい、というわけでなく、サイトを作る段階からSEOを意識したURLや構造、表示速度、デザインなどを実装する必要があるのです。
ここでは、構築時と運用時に分けてSEO対策のポイントを解説します。
オウンドメディア構築時のSEO対策
ここでは、オウンドメディアのSEO対策として、構築時のSEO対策について解説します。
URLとHTTPS
URLは通常、以下のような構造となっています。
特に注意したいのが「ディレクトリ名」です。SEO対策としては、サイトで発信する内容と関連したキーワードをディレクトリ名としておくとよいでしょう。
また、URLの頭を「https」とすることも、ユーザーにより安心してサイトを閲覧してもらううえでは重要です。両者の違いは、暗号化された通信を用いているか否かで、暗号化されていないページが「http」と表示されるのに対し、常に暗号化されているサイトは「https」と表示されます。
暗号化されることによって、ユーザーの個人情報などが流出してしまうリスクを減らし、安心してサイトを閲覧できるのです。
サイトの構造
通常、ホームページなどのウェブサイトは、いくつものページが集まって1つのサイトとなっており、各ページを含めたサイト全体の構造のことを「ディレクトリ構造」と呼びます。この構造が明確でないと、ユーザーは情報を得るまでに時間がかかり、他サイトへ離脱してしまう可能性があります。
まず、構築時の段階から自社のオウンドメディアが目指すキーワードを決めておきましょう。サイトテーマとして上位表示を狙いたいキーワード(マストキーワード)は、ディレクトリ名やカテゴリー、タグなどに設置し、そこから枝分かれする各コンテンツにはサブキーワードを設置します。このようにキーワードツリーを作り、サイト全体を構造化しましょう。
以下はSEデザインブログの構造を簡単に、かつ理想的に整理した場合の構造図です。弊社もCMSの都合で実現ができていませんが、みなさんも自社メディアの構造を整理し、実行できる範囲でやってみましょう。
表示速度
サイトが表示されるまでにかかる時間を「表示速度」と呼びます。SEO対策を行ううえでは、この表示速度も重要です。
Googleでは、2018年より「スピードアップデート」というアルゴリズムを導入しました。これは、読み込み速度をSEOの順位に反映させるためのアルゴリズムで、コンテンツの質が同程度のサイトが複数ある場合は、この表示速度で順位が決められています。
そのため、各データや画像の軽量化に努めるなど、少しでもスピーディーにサイトを表示させる工夫が必要です。
モバイル対応
Googleでは、モバイル版サイトも検証されます。モバイル対応が適切に行われていなければ、Googleからは低い評価を受けてしまう可能性もあるでしょう。
モバイル対応として一般的に行われるのが、レスポンシブデザインを用いる対応策です。モバイルでも、PCと変わりなく表示できるレスポンシブデザインの導入は、Googleからの高評価を得るために欠かせません。
違和感のないモバイル画面は、サイト利用時のユーザーのストレスを軽減するだけでなく、離脱率低下にも大きく貢献するでしょう。
オウンドメディア運用時のSEO対策
オウンドメディアの構築時だけでなく、運用時においてもSEO対策は重要です。また、SEOを意識しすぎるがあまりオウンドメディアのそもそもの目的を見失わないよう注意することも忘れてはいけません。
ここでは、オウンドメディアを運用時におさえておくべきSEO対策のポイントを解説します。
マストキーワードを設定・設置する
サイト構築時と同様に、コンテンツを複数作成していくうえでも重要なのが、「マストキーワード」です。先述のとおり、マストキーワードとは、自社がオウンドメディアの成果を上げるために、特に上位表示を狙うべきキーワードのことです。
マストキーワードはオウンドメディアの運用目的によってさまざまで、商品購入やサービスへの登録などを増やしたい場合は、ユーザーが行動を起こす際に検索に用いる複数のキーワードをマストキーワードにします。
たとえば、化粧水のオンライン購入を運用目的とする場合、「化粧水 おすすめ」や「化粧水 比較」など、購入前にユーザーが起こす情報収集のフェーズからキーワードを選定するとよいでしょう。
また、ブランディングや認知獲得を狙う場合は、より多くのユーザーの目にとまるよう、検索ボリュームの多い数でマストキーワードを選定してください。
コンテンツ作成時のポイント
キーワードを選定したら、いよいよコンテンツを作成します。マストキーワードはもちろん、関連した情報をより多くコンテンツ内に盛り込むことがポイントです。
しかし、関連性があるからといって、闇雲に情報を詰め込めばよいというわけではありません。オウンドメディア運用時のSEO対策には、コンテンツの質を上げることが重要です。ディレクトリ構造やURLなどにこだわっていても、サイト内に載せるコンテンツが良質でなければ、検索で上位表示させることはできないのです。
そのため、ユーザーが求める情報を探り、ニーズに沿った内容を発信することが重要です。Googleでは、以下5つの条件を満たすものが「ユーザーが求める情報」と定義しています。
- 高品質であること
- 信憑性があること
- 有益であること
- ユーザーの興味を引く情報であること
- 他サイトよりも役立つこと
上記の内容を意識しながら、関連情報を盛り込んだ良質なコンテンツを作成しましょう。
内部リンクを活用する
ある程度コンテンツの数が増えてきたら、内部リンクも活用しましょう。内部リンクとは、ひとつのコンテンツ内に、関連する別コンテンツにつながるリンクを挿入することです。
関連ページに繋げていくことで、サイト内でユーザーの回遊率がアップします。また、ユーザーの行動を細かく分析できるので、コンテンツ作成におけるヒントにもなるでしょう。
運用時にはこんなSEO対策も必要!
オウンドメディア運用時のSEOについて、コンテンツ作成時に行うべき対策法をメインに解説しましたが、SEO対策は、良質なコンテンツを生み出して終わりではありません。流入経路を確保するなど、メンテナンスによって定期的にアップデートし続けることで、よりSEOに強い効果的なオウンドメディアとなるでしょう。
ここでは、運用時の対策強化に役立つ方法を解説しますので、参考にしてみてください。
適切なプロモーションを行う
オウンドメディアを運用するうえで、ただコンテンツを追加していくだけでは不十分です。プロモーション活動を適切に行うことで、サイトへの集客を増やすことができます。
オウンドメディアのプロモーションには、プレスリリースの配信やSNSの活用、広告の配信などの手段があります。流入数を増やすためのプロモーションなので、直接的なSEO対策ではありませんが、対策を行うためのデータを増やせるでしょう。
特に、オウンドメディア立ち上げ時はまだサイト自体の認知が広がっていないため、積極的に認知拡大を図りましょう。サイトへの流入経路が多いほど、分析に必要なデータも増え、コンテンツ作成のヒントとなります。
定期的なメンテナンスを行う
より集客力の高いオウンドメディアに成長させるためには、メンテナンスが欠かせません。
情報もGoogleのアルゴリズムも常に変化するため、一つひとつのコンテンツが良質であると認識され続けるためには、サイトの定期的なアップデートが必要なのです。また、競合他社の上位記事を参考に情報を足していくことも有効といえます。
継続的な効果測定がオウンドメディアを育てる
オウンドメディアを育てるうえで欠かせないのが効果測定です。SEOで上位表示させるため、ユーザーの態度変容を促すためなど、さまざまな目的に活用されていますが、いずれのケースでもサイトの現状を把握していなければ、改善策を試行することはできません。
ここでは、オウンドメディアの効果測定として、収集・分析すべきデータについて解説します。
キーワードの順位
まずは狙ったキーワードで、コンテンツがしっかりと上位表示されているかをチェックしましょう。検索順位は常に変動しています。ある時点で上位表示されていたとしても、今後もその順位をキープできるわけではありません。
また、現状の順位とともに、順位の変動も追跡しましょう。それによって、狙ったキーワード全体の傾向が把握できます。
セッション数
次にセッション数に注目しましょう。セッション数とは、指定した期間内にサイトへ訪問した人数のことです。セッション数から、サイトへの流入数を把握できます。セッション数は「Google Analytics」などで測定可能です。
Google Analyticsでセッション数を確認する際は、全体の数値と合わせて、自然検索(オーガニック検索)に絞ったセッション数も確認しましょう。
自然検索とは、ユーザーが検索した際にランキング形式で表示される検索画面のことです。SEO対策が正しく行えているか否かは、この数字からも判断できます。
CTR
CTRとは、クリック率のことです。CTRからは、検索結果に表示された回数のうち、どのくらいの人がサイトを訪問しているのか知ることができます。
SEOで上位表示されているにもかかわらず、あまり集客効果を感じられないといった場合は、CTRが低い可能性があります。Google検索画面で表示される箇所(コンテンツのタイトルや記事の概要欄)の見直しが必要でしょう。
まとめ:SEOに強いオウンドメディアを運営しよう
今回は、オウンドメディアにおけるSEO対策について解説しました。
オウンドメディアは人材と同じです。新入社員も即戦力になるわけではありません。オウンドメディアも時間をかけて育成することで、会社にとって貴重な資産となるのです。
良質なコンテンツを増やし、分析し、改善することを繰り返し行うことが、オウンドメディアを「会社の資産」へと成長させるためには重要です。継続的に取り組むことでSEOに強いオウンドメディアに育てていきましょう。
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