MQLからSQLへ!効率的なマーケティング手法を徹底解説

更新日:2025-02-07 公開日:2024-08-21 by SEデザイン編集部

目次

マーケティング戦略を実践してもなかなか営業成績に結びつかず、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

効率よく顧客を獲得するためには、マーケティング戦略が欠かせません。成約につながりそうな顧客であるSQLを正しく理解し、スムーズに成約までつなげることが重要です。

今回は、マーケティングにおけるSQLについて解説します。どのような役割があるか、効率的に顧客を成約に導くコツなどもあわせて見ていきましょう。

マーケティングにおいて重要なSQLとは

マーケティングの流れの中で、重要視される要素が「SQL」です。SQLとは、Sales Qualified Lead(セールスクオリファイドリード)の略称で、営業部門が担当すべき顧客です。

ここでは、SQLの役割や重要とされる理由を解説します。SQLの基本を把握して、業務でどのように取り扱っていくべきかを身につけましょう。

マーケティングにおけるSQLの役割

SQLは、単独でマーケティングに存在する要素ではありません。マーケティングの流れにおける、段階の一つという位置づけです。成約や受注に至るには、引き合いや問い合わせから、徐々に購買ニーズを高める必要があります。

引き合いや問い合わせからアプローチを経て、購買意欲が高まった顧客を最後に成約や受注に導く段階が、SQLです。

こうした流れの中にあるSQLは、マーケティングのフローの中でも営業スキルが特に必要なステップとなっています。そのため、営業部門が担当して成約に結びつけます。

MQLやSALとの違い

SQLと混同されやすい言葉に、MQL(Marketing Qualified Lead)やSAL(Sales Accepted Lead)
があります。SQLとMQL、SALの違いを以下のようにまとめました。

 

概要

MQL

成約の見込みがある顧客

WEBサイトから問い合わせをした顧客

SAL

営業部門が担当すべき顧客

問い合わせ後に、商材の詳細や具体的な金額を

知りたがっている顧客

SQL

受注確度の高い顧客

発注に関する相談があり、

金額や納期の調整だけが必要な顧客

 

マーケティングやセールスなどの部門間で連携をして、見込み顧客をSQLへ育成していくことが重要です。

マーケティングで重要なのはMQLからSQLを育てること

マーケティングでは、MQLからSQLを育てることが重要です。

MQLよりSQLの方が受注確度が高いため、SQLからの案件受注が重要視されがちです。しかしSQLの多くは引き合いの案件が占めるため、市場が縮小している昨今、SQLだけでは利益につながりづらい特徴があります。

そのため、SQLにつなげられるMQLの育成にリソースを割くことで、見込み顧客の増加につなげられます。つまり、MQLと区分した顧客をSQLへ育成することが、効率的なマーケティング戦略を構築するなかで重要なのです。

問い合わせからSQL・成約までのマーケティングの流れ【デマンドウォーターフォール】

SQLやMQLといった言葉は「デマンドウォーターフォール」という、マーケティングの一連の流れのなかで使われる用語です。先ほど解説したMQLからSQLへのマーケティングの流れも、デマンドウォーターフォールに含まれます。

問い合わせからSQL・成約までのマーケティングの流れの図

ここでは、デマンドウォーターフォールのそれぞれの段階を解説します。それぞれの段階の位置づけや必要な対応を把握しましょう。

INQUIRY:問い合わせ

デマンドウォーターフォールにおいて、マーケティングの最初のプロセスとなるのがINQUIRYです。自社のホームページやSNSを見て興味を持った方が、問い合わせる段階を指します。

INQUIRYの段階では、まだ有望な顧客ではありません。INQUIRYの重要な役割は自社を認知してもらうことです。INQUIRYからつながりを得た顧客の興味や関心を引き出すことで有望な顧客へと成長させていきます。

MQL:商談につながりそうなリード

INQUIRYで自社を知った顧客に、さらに自社商品やサービスに興味を持ってもらう段階がMQLです。INQUIRYで得た顧客に対して、自社製品を案内したりイベントに招待したりすることで関心を引き出します

MQLでは、ニーズや購買意欲をヒアリングなどによって深掘りすることが大切です。顧客のニーズを把握したら、営業部門へ引き継ぎます。MQLまでが、デマンドウォーターフォールにおけるマーケティング部門の役割です。

SAL:営業部門が対応するリード

MQLで自社に対する関心を引き出した顧客の対応を、営業部門に引き継いだ段階がSALです。MQLまでは製品案内やイベントへの招待など、間接的なアプローチを中心としてきました。SALでは、営業部門が顧客と直接やりとりを行います

MQLの延長でコミュニケーションを取りつつ、信頼関係を構築することを優先します。十分な信頼関係を構築し、適切なタイミングで商品やサービスの提案を行えるようになることが重要です。

SQL:受注が有力なリード

SALで営業部門が顧客と十分な信頼関係を構築できたら、実際に提案を行う段階に入ります。この段階が、受注が有力な顧客であるSQLです。SQLでは、製品やサービスのデモンストレーションや競合との比較を行い、自社製品の優位性と価値を提示します。

デマンドウォーターフォールに当てはまらない、既存顧客から問い合わせをもらうこともあります。そうした場合は、INQUIRYやMQLを経由しません。直接SQLからマーケティングがスタートします。

CLOSED:成約

SQLを経て購買や契約を決めた顧客と、納入時期や仕様など細かい条件を決めていく段階がCLOSEDです。大規模なプロジェクトになると、金額面など営業部門だけでは判断がつかず、経営陣の判断を仰ぐこともあるでしょう。

CLOSEDでは、購買や契約後のアフターフォローも重要です。顧客と契約して関係を終えるのではなく、その後のフォローやニーズに合った提案なども行います。契約後もフォローを続け、顧客との信頼関係を持続しましょう。

MQLからSQLへ育成するプロセス

デマンドウォーターフォールのプロセスを把握したあとは、MQLをSQLへ導き成長させる方法を身につけましょう。ここでは、次の3つのポイントからSQLへの育成方法を解説します。
  • MQLの創出(見込み顧客の獲得)
  • SALへの育成(見込み顧客の育成)
  • SQLの選抜(見込み顧客の選別)

それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

MQLの創出(見込み顧客の獲得)

自社に興味を持った顧客をSQLへ成長させるためには、まずMQLを創出する必要があります

問い合わせの段階では、顧客の自社への興味は高いレベルにはありません。まだ「なんとなく興味を持った」という程度です。

そうした状態からMQLへ成長させるためには、自社が提供している商品やサービスの内容について知ってもらわなければなりません。テレアポやDM、展示会などを通して自社が提供する価値を紹介します。

MQLを創出する段階では、顧客のニーズや課題のリサーチに時間を割きましょう。そうすることで、社内の人的なリソースを効率的に振り分けられます。

SALへの育成(見込み顧客の育成)

MQLで獲得した見込み客を育成する段階に移りましょう。MQLで自社への興味・関心を深めた顧客に対して、電話やメルマガなどを通じて購買意欲を高めるように働きかけます。そして、SQLへ引き継ぐ準備を整えます。

SALの育成で重要なのは、顧客に対してどのようなアプローチを行い、どういった効果があったかを確認することです。たとえば、電話やメルマガなどにあまり良い反応がないこともあります。逆にすぐに営業部門に引き継げるような高い購買意欲が見られることもあります。

顧客の状態を見極めて、適切なアクションをとりましょう。

SQLの選抜(見込み顧客の選別)

SALへ育成したら、営業部門が対応すべきSQLを選別します。SQLとすべき顧客を選抜するためには、SALをスコアリングして受注確度を明確にしましょう。たとえば、顧客の担当者の役職や決裁権を探り、ニーズや課題と自社製品との相性などを見極めます。

こうした要素を数値などで表すことで、SALの中でどの顧客をSQLにすべきかを判断しやすくなります。SQLを選定したら、営業部門が信頼関係を構築し、適切なタイミングでニーズに合った自社の製品やサービスを提案しましょう。

MQLを効率的にSQLへ導くポイント

MQLからSQLへ導く際は、次のポイントを実践してみてください。
  • マーケティング部門と営業部門の連携強化
  • ツールの活用
  • スコアリングの見直し

MQLをSQLへ導く際、いかに効率化できるかで成約や受注の数も変動します。ここからは、MQLから効率的にSQLへ選定するためのポイントを解説します。

マーケティング部門と営業部門の連携強化

MQLからSQLに移行させる際は、マーケティング部門と営業部門の連携が重要となります。連携不足の場合、せっかくマーケティング部門が育てた顧客が離脱してしまう事態になりかねないからです。

営業部門は、短期間で売り上げにつなげることが求められます。そのため、成約まで手間と時間がかかるマーケティング部門から上がってくるSQLを、後回しにすることも珍しくありません。しかし、それではせっかく興味・関心を持ってくれた顧客が離れる恐れがあります。

そうならないように、自社の業績向上という目標をマーケティング部門と営業部門で共有することが重要です。そして、会社全体のためにできることを、それぞれの部門で見直しましょう。

ツールの活用

MQLをSQLへ効率的に導くためには、SFAやCRMなどのツールを活用することも重要です。なぜなら、ツールを活用することで、作業が自動化できるだけでなく、確実な顧客管理ができるからです。それぞれのツールの特徴を見ていきましょう。

ツールの種類

ツールのおもな役割

使用方法

SFA
(営業支援システム)

営業活動のデータ化

・顧客へのアプローチ方法や反応の保存

・かかった費用の管理

・営業部門内での情報共有 など

CRM
(顧客関係管理)

顧客情報の管理

・名前や住所連絡先の管理

・購買履歴の保存・閲覧 など

MA
(マーケティングオートメーション)

新規顧客の獲得・育成

・新規顧客の情報管理

・新規顧客のセグメント分析

・新規顧客のスコアリング など

 

それぞれのツールの役割を理解し、使い分けましょう。

スコアリングの見直し

MQLを効率的にSQLへ促すためには、スコアリングを見直すことも重要です。スコアリングの基準は、顧客の行動を仮定して設定しています。そのため、データが少ない最初のうちは、スコアリングの結果と顧客の反応にズレが生じることも珍しくありません。

スコアリングの成果が正確でなければ、マーケティングに支障をきたします。正確な基準でスコアリングを行うためには、定期的に基準を見直すことが重要です。営業部門とマーケティング部門が連携し、スコアリングを見直すことで効率的にSQLを選抜しましょう。

適切なマーケティングでMQLをSQLへつなげよう

マーケティングは、効率的に行わなければ成約や受注につながりません。そして、効率的にマーケティングを行うためには、基本的な知識を身につけて速やかな受注につながる状況を作ることが重要です。

今回の記事では、マーケティングで効率的に受注・成約するために必要な基礎的な知識を解説しました。紹介した内容を参考に、1件でも多くの顧客を創出し、成約へとつなげましょう。

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