トランスクリエーションとは? 翻訳との違いや費用の相場を解説

公開日:2022-09-13 更新日:2023-05-15 by SEデザイン編集部

目次

what-is-transcreation1「海外でもサービスや商品を展開したいが、いまあるコンテンツをそのまま翻訳するだけでいいのか」とお悩みではありませんか。海外でサービスなどを展開する場合、主要なコンテンツや企業スローガンなどはトランスクリエーションをするのがおすすめです。

トランスクリエーションの概要、翻訳との違い、トランスクリエーションに必要なスキルなどをご紹介します。企業の担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

トランスクリエーションとは?

トランスクリエーションは、翻訳を意味する「translation」と創造を意味する「creation」を組み合わせた造語です。翻訳の一種ではありますが、原文に捉われず、原文を読んだときと同レベルの訴求力をもたらす訳文に作り上げることを意味します。

広告やマーケティング分野で重要視されてきている手法です。翻訳では原文の内容がそのまま反映されるのに対し、トランスクリエーションでは状況に応じて、その国での魅力的な言い回しに変更することもあります。商品やサービスをグローバルに展開していくのであれば、必須ともいえる手法です。

トランスクリエーションのメリットや効果

what-is-transcreation2トランスクリエーションには、一般的な翻訳とは異なるメリットや効果があります。
具体的には以下のようなものです。

【トランスクリエーションのメリットや効果】

  • ユーザーに印象を残す
  • 企業の売上を伸ばす
  • 違和感を生じさせない

各メリットについて解説していきます。

ユーザーに印象を残す

トランスクリエーションを行うと、通常の翻訳に比べてユーザー(聞き手・読み手)にコンテンツや商品の印象を比較的強く残すことができます。

なぜなら、翻訳しただけでは印象に残りにくいところを、トランスクリエーションでは強く訴求できるように置き換えていくからです。聞き手に商品やサービスの印象を強く残したい場合には、トランスクリエーションが有効な手段となります。

企業の売上を伸ばす

ユーザーに印象を残すことで認知度が向上し、最終的に売上につなげることが出来るのも、企業がトランスクリエーションを行うメリットのひとつです。多くの国に商品、サービスを展開していくのであれば、トランスクリエーションは必須といっても過言ではありません。

またデジタル媒体に関しては、多国籍企業の94%が2018年のローカライズにかける予算を増額したという調査結果もあります。トランスクリエーションは、今や多国籍企業には必須といえるほどになっており、企業の売上に大きく貢献することができます。

違和感を生じさせない

文法や固有名詞の意味が違って表現している直訳のみの文章の場合、読み手にとっては違和感を抱くことがあります。ユーザーが違和感を感じない文章にするためには、各国の特色に沿った言葉や意味を理解した上で翻訳することがポイントです。

トランスクリエーションの実例

現在行われているトランスクリエーションには、どのようなものがあるのでしょうか。実例を知ることで、トランスクリエーションを行う際の参考にできます。ここでは実例を交えてご紹介します。

映画の字幕やタイトル

映画の字幕では短い時間で内容を伝える必要があるため、トランスクリエーションの技術が詰め込まれています。たとえば、ことわざなどその国の独自の表現は、そのまま翻訳したのでは翻訳先の国では伝わりません。

例として、「アナと雪の女王」の題名を挙げてみましょう。
「アナと雪の女王」の原題は「Frozen」です。このまま日本語にすると「凍らされる」となり、日本のこどもたちの心にはあまり響きそうではありません。しかし、「アナと雪の女王」とすることで、内容をイメージしやすくディズニー作品としても違和感のない、キャッチーな邦題になっています。

企業スローガン

ブランドイメージの確立に直結する企業スローガンは、進出先の国でも親しまれるように、分かりやすいスローガンに変換されることが一般的です。

参天製薬株式会社の例をご紹介すると、スローガンの原文は「あなたのあしたを想う」ですが、トランスクリエーションによって「Imagine Your Happiness」となっています。厳密な翻訳ではなく、その国の言葉で分かりやすく、なじみやすいスローガンに変更されています。

企業スローガンは企業の顔ともいえるため、トランスクリエーションが重視される領域のひとつです。

トランスクリエーションの実施に必要なスキル

 

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トランスクリエーションには、翻訳力だけでなく、文化への理解も必要となります。この項目では、トランスクリエーションに必要なスキルについて解説します。

翻訳力

トランスクリエーションでは、ひとつの言語を他の言語へと変更するので、翻訳力が欠かせません。

語学力と翻訳力は異なるものであるため、注意する必要があります。資格などは語学力の証明にはなりますが、それにとどまらない実践的な翻訳力が不可欠です。

文化への理解

トランスクリエーションには、翻訳先の国への文化的理解も必須です。現地の文化や流行などの知識が豊富なほど、より読み手の興味を引くようなトランスクリエーションが可能になるため、現地での居住経験などがあるとなお良いです。

逆に間違った知識でローカライゼーションを行うと、意味が伝わらないだけでなく、問題につながる可能性もあります。たとえば、あるゲームで旭日旗が入っていたことで、韓国と日本間で問題となった事例もあります。トランスクリエーションを行う場合、翻訳力だけでなく文化的背景などの知識も必須です。

トランスクリエーションの相場

トランスクリエーションではより高度な技術が必要になるため、翻訳の1.2~1.5倍ほどが相場となっています。トランスクリエーションの費用は言語、ボリューム、内容の専門性、納期の4要素からなっており、各要素によって相場よりも大きな金額となることもあります。実際に依頼する場合は前もって見積もりを依頼しましょう。

まとめ

商品やサービスをグローバルに展開していく、トランスクリエーションについて解説しました。
トランスクリエーションを行う際には、文化的な背景を理解した上で、翻訳先の相手の印象に残る、理解できる文章にすることが重要です。

トランスクリエーションを行うにはノウハウが必要なため、プロに依頼するのがおすすめです。SEデザインでは、長年蓄積されたノウハウと実績を武器にトランスクリエーションを含めたコンテンツの翻訳を行っています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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