リードクオリフィケーションとは?具体的な手法と3つの成功ポイント
更新日:2024-10-11 公開日:2024-07-08 by SEデザイン編集部
集客したリードのなかから成約につながるホットリードを抽出する施策を、リードクオリフィケーションと言います。しかしマーケティング担当者のなかには、実際にどのような手法があるのかと疑問に思っている方もいるでしょう。
この記事では、リードクオリフィケーションにおける重要性と具体的な手法、そして成功させるポイントを解説します。リードクオリフィケーションについて理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
リードクオリフィケーションとは?
リードクオリフィケーションとはデマンドジェネレーションの一つで、リードと呼ばれる見込み客から購入可能性が高いリードを絞り込む行程を指します。
デマンドジェネレーションとはマーケティング活動の一つであり、以下のような見込み客の獲得から案件として営業に引き継ぐまでの3段階で構成されています。
リードクオリフィケーションは、購入の期待が高い見込み顧客をセグメントした後カスタマージャーニーマップを定義し、スコアリング(見込み顧客の点数化)を実施して営業部門に引き渡すという流れで行います。
リードクオリフィケーションはなぜ必要?3つの理由
購入意欲の高いリードを絞り込むリードクオリフィケーションが、マーケティングにおいて必要なのはなぜなのでしょうか?その理由は以下の3つです。
- 限られた営業リソースで効率的に成果を上げるため
- 成約までのプロセスが長いため
- リードの顧客体験価値が向上するため
順に確認しましょう。
限られた営業リソースで効率的に成果を上げるため
リードクオリフィケーションが必要である理由の1つ目は「営業の効率化」です。
セミナーやWebサイトなどでリードを獲得できても、購入可能性が低い状況で営業をかけると、購入までに時間やコストなど営業リソースがかかってしまいます。
営業活動では、従業員の時間や予算などの営業リソースが限られています。リードクオリフィケーションを行えば、最も可能性の高い見込み客に焦点を当てられ、リソースを最大限に活用して効率的な成果を上げられるでしょう。
成約までのプロセスを短くするため
現在のインターネット環境下では、商品やサービスに興味を示しても即座に購入に至ることは少数です。インターネットで検索するとあらゆる情報が溢れており、ホットリードと呼ばれる「今すぐ欲しい」という見込み客を見極めて営業をかけないと、時間とコストが無駄になります。
見込み客が成約に至るまでの期間が長くなっているため、すぐに購入に至りそうな顧客や将来購入しそうな顧客などを分けて管理することが大切です。
リードクオリフィケーションを行うことで、長期化するリード期間の中で有望な見込み客を見極めることができます。長期化傾向にあるリード期間のなかで、リードクオリフィケーションは必要なプロセスといえるでしょう。
リードの顧客体験価値を向上させるため
リードクオリフィケーションは、リードの顧客体験価値を向上させる重要なプロセスです。顧客体験価値とは見込み客が商品やサービスを手にした時に感じる、満足感や達成感といったものです。
リードクオリフィケーションを実行することによって、パーソナライズされた営業活動が可能になり、的確なアプローチからリードの顧客体験価値が高められます。
最終的には売り上げの向上につながるので、リードクオリフィケーションはとても重要なプロセスだといえるでしょう。
リードジェネレーションやリードナーチャリングとの違い
ここからは、リードクオリフィケーションが、リードジェネレーションやリードナーチャリングとどのように異なるのかについて解説します。
リードジェネレーションとの違い
リードジェネレーションとは、新たな見込み客を獲得するプロセスを指します。具体的な活動の例は、以下のとおりです。
- セミナーや展示会などのイベント
- Web広告
- 資料請求
- メルマガ登録
- SNS・コンテンツマーケティング
上記の活動を通じて、リードとの接点を作りメールアドレスなどの個人情報を収集します。
一方、リードクオリフィケーションは、既に獲得したリードが実際に購入の可能性があるかどうかを選別するプロセスです。簡単に言えば、リードジェネレーションは「リードを見つけること」、リードクオリフィケーションは「リードの質を見極めること」に焦点を当てています。
リードナーチャリングとの違い
リードナーチャリングとは見込み客との関係を構築し、育てるプロセスです。リードジェネレーションで獲得したリードに対して、メルマガやウェビナー配信などを通して継続的に価値を提供をし、信頼を獲得します。
これにより、集客で得た見込み客から購買意欲の高いホットリードを顕在化し、リードクオリフィケーションに移行できます。リードナーチャリングは「見込み客を育てること」に焦点を当てており、リードクオリフィケーションは「見込み客の購買意欲を評価すること」に特化しています。
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リードクオリフィケーションを実践する6STEP
リードクオリフィケーションのプロセスには、以下のように6つのステップがあります。
- リードをセグメントする
- カスタマージャーニーマップを作成する
- シナリオを設計する
- スコアリングを設計する
- スコアリングの実施をおこなって営業部門へ引き渡す
- シナリオやスコアリングの検証と改善を行う
ここからは、リードクオリフィケーションを効果的に行うための具体的な手法について解説します。
STEP1. リードをセグメントする
リードを適切にセグメントすることは、リードクオリフィケーションの第一歩です。
セグメントとはターゲットのグループ分けのことであり、ある基準によって必要な項目ごとにいくつかのグループに分類していくことを指します。
具体的なセグメントとしては以下のようなものが考えられます。
- 業種・事業内容
- 企業規模
- 担当者の役割
- 抱えている課題
- ターゲットの関心・興味
- ターゲットの行動履歴
見込み客をセグメントすることによって、購買意欲の高いホットリードを明確にできます。
STEP2. カスタマージャーニーマップを作成する
次に、分類できたセグメント毎にカスタマージャーニーマップを作成します。カスタマージャーニーマップとは、見込み客が購入に至るまでの各ステップを視覚的に示したものです。
見込み客が自社商品とどのように接点を持ち、いつどの部分に関心を抱き、最終的に購入するに至るのかを一連の流れとして図式化します。
カスタマージャーニーマップを作成することによって、さまざまな見込み客に対するアプローチ方法が明確になります。
STEP3. シナリオを設計する
カスタマージャーニーマップが作成できたら、それをもとにシナリオ設計をしていきます。
シナリオ設計とは、リードに合わせたアプローチ手法や状況の想定を行うことです。ペルソナ設定を含めたリード像や、どのコンテンツでアプローチするのか、どのタイミングで行っていくのかといったことを整理していきます。
STEP4. スコアリングを設計する
シナリオ設計とともに行うのが、スコアリングの設計です。スコアリングとは、リードが特定の行動を取ったときにどのようなスコアを付けるかを設定することを意味します。
- リードがターゲット業界→5点
- リードがメルマガ登録→10点
- リードが無料セミナーに参加→15点
上記のように、各行動や要素に点数配分しておくことによって見込み客を数値化できるようになり、ホットリードが明確に把握できるようになります。
STEP5. スコアリングを実施して営業部門へ引き渡す
スコアリングの進行に伴い、一定のスコアに達したホットリードを抽出して、営業部門へ引き渡します。
スコアリングの実施頻度(週1回や月1回など)や営業部門との連携手段(数値データや顧客リストの作成内容、メールや社内システムなどによる共有方法など)を事前に決めておくと、進捗がスムーズに進むでしょう。
STEP6. シナリオやスコアリングの検証と改善を行う
スコアリングの実施で必要なのが、シナリオやスコアリングの定期的な検証と改善です。
見込み客の行動データや営業部門からのフィードバックなどを基に、シナリオやスコアリングモデルを最適化します。これによってリードクオリフィケーションを高精度にして、効果的な成果を上げられます。
シナリオやスコアリングの改善にもかかわらず、成果が上がらない場合は、カスタマージャーニーマップやセグメントの検証・改善が必要でしょう。
リードの状況やタイミングによって常に変化していくので、定期的な検証と改善がより良い成果をもたらします。
リードクオリフィケーションを成功させる3つのポイント
リードクオリフィケーションを成功させるにはポイントが3つあります。
- セグメンテーションの精度を上げる
- シナリオ設計とスコアリングを適正化する
- MAツールの導入を検討する
ここからは、そのポイントを3つ紹介します。
セグメンテーションの精度を上げる
リードクオリフィケーションを成功させるには、セグメンテーションの精度を上げることが大切です。セグメンテーションの精度を上げることによって、その後のシナリオ設定やスコアリングといった工程を的確に進められるので、成果につながりやすくなるからです。
セグメンテーションの精度を上げるためには、データの正確性や鮮度、一元管理での情報整理が求められます。
同一の見込み客が違うアクションでアプローチしてきたとしても、顧客情報を一元管理しておけば、その情報がバラバラにならず無駄なアプローチをしなくて済みます。
シナリオ設計とスコアリングを適正化する
シナリオ設計とスコアリングを適正化しておくことは、リードクオリフィケーションを成功させる重要なポイントです。定期的に検証と見直しを行うことによって、最終的な成果に大きな差が生まれます。
シナリオ設計とスコアリングが適正化されていないと、リードクオリフィケーションで顕在化できたリードにアプローチしても良い結果がでません。
たとえ同じスコアを取ったリードでも、スコアリングの内容によってアプローチは変わってきます。リードのスコアリングにおける内容は、営業部門のアプローチ手法を決めるための指標になります。
そのため、シナリオ設計とスコアリングの適正化はとても大切といえるでしょう。
MAツールの導入を検討する
セグメンテーションの精度を上げたりスコアリングを効率よく進めたりするために、MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入を検討することはとても重要なポイントです。
リードクオリフィケーションは特別なツールを使わなくても進められますが、MAツールがあればデマンドジェネレーションの一連の流れを自動化できます。
スコアリングで得たデータの収集や管理だけでなく、関係部門と連携しておくことによってリアルタイムで情報共有できます。
MAツールをうまく活用することによってリードクオリフィケーションの効果を向上させ、成果に結びつけましょう。
リードクオリフィケーションにおける3つの注意点
リードクオリフィケーションを効果的に行うための注意点は、以下の3つです。
- 部門間のミスマッチに気を付ける
- スコアだけに囚われない
- PDCAを繰り返さないとより良い成果が出にくい
それぞれ確認していきましょう。
部門間のミスマッチに気を付ける
リードクオリフィケーションは、デマンドジェネレーションに関わる各部門との連携が不可欠です。
営業部門やマーケティング部門だけでなく、コンテンツを扱う部門や商品の開発部門など、シナリオ設定によって関わる部門は変わってくるでしょう。
各部門によって注力したい物や要素が違うことで方向性が合わないとなると、リードクオリフィケーションを実施してもミスマッチが起こってしまい、良い結果につながりません。
そのため、リードクオリフィケーションを成功させるためには部門間のミスマッチに気を付けましょう。
スコアだけに囚われない
リードクオリフィケーションにおいてスコアばかりを気にしていると、判断ミスをする恐れがあります。
たとえば競合他社が資料請求を何度も請求してきたとしても、そのアクションだけでスコアが一定を超えてしまえば、ホットリードと見なしてしまうことがあります。
また逆にスコアが未達であっても、スコアリングの内容によってはホットリードになり得ることもあるので、内容を見落としてしまうとせっかくの営業タイミングを逃してしまうかもしれません。
スコアだけに囚われて機会損失をしないために、あくまで判断基準の一つであるという認識を持っておきましょう。
PDCAを繰り返さないとより良い成果が出にくい
リードクオリフィケーションは一度設定して終わりではなく、PDCAを繰り返すことによって継続的な改善が求められます。
PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の略で、どんなプロセスにおいても必要不可欠な考えです。
カスタマージャーニーマップやシナリオ設定、スコアリングは、一度設定したからといって半永久的に使い続けていくものではありません。
結果や成果が芳しくない場合でも、PDCAを繰り返すことによってリードクオリフィケーションの精度が高まり、より効果的な営業活動を実現できるようになるでしょう。
まとめ:リードクオリフィケーションを実践して効率的に成約につなげよう
リードクオリフィケーションは、デマンドジェネレーションにおける一連の流れの一つで、ホットリードを選別して成約に導くための重要な施策です。
リードクオリフィケーションを成功させるには、セグメンテーションの精度を上げることやシナリオ設定・スコアリングの適正化だけでなく、MAツールの導入も大切です。
株式会社SEデザインは、35年以上にわたって、数多くの企業を支援してきた実績があります。
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