 IT業界の急速な進歩により、インターネットビジネスにおける市場規模は大きく成長しています。それに伴い、オンライン上での決済方法もクレジットカードやデジタルウォレットなど、より簡単な支払い処理が求められるようになりました。
IT業界の急速な進歩により、インターネットビジネスにおける市場規模は大きく成長しています。それに伴い、オンライン上での決済方法もクレジットカードやデジタルウォレットなど、より簡単な支払い処理が求められるようになりました。
そんな中で注目されているのが、オンライン決済サービスを提供するプラットフォーム「Stripe(ストライプ)」です。そこで今回は、Stripeを導入するメリットや実際に導入するときの注意点について解説します。
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オンライン決済「Stripe(ストライプ)」とは
2011年にアメリカ・サンフランシスコで誕生したオンライン決済サービス「Stripe」。日本を含む世界14カ国に拠点を構え、GoogleやAmazon、Uberなどの大手企業から成長中のスタートアップまで、100万を超える企業で導入されています。
ここからは、Stripeの特徴と仕組みについて詳しく見ていきましょう。
Stripeの基本的な特徴
Stripeの魅力は、銀行や金融機関、デジタルウォレットなど多様なサービスとシームレスに連携できる点です。自社で複雑なシステムを構築する必要がなく、スピーディーに導入して本業に集中できます。
初期費用や月額利用料は不要で、決済ごとに手数料が発生するシンプルな仕組みを採用。さらに売上管理や定期課金など100種類以上の機能が揃い、24時間体制のサポートも用意されています。こうした環境により、大企業から個人事業主まで幅広い利用が進んでいます。
Stripeの仕組み
利用者が支払った代金は、Stripeのプラットフォームを経由して事業者の銀行口座へ送金されます。事業者はダッシュボードやAPIを通じて取引状況を一元管理でき、複雑な決済処理を自社で担う必要がありません。
StripeのAPIは柔軟にカスタマイズ可能で、サブスクリプション型サービスの定期課金やECサイトの商品販売、セミナー参加費の決済など、さまざまなシーンに合わせたフローを構築できます。こうした拡張性と利便性が、導入企業の成長を後押ししています。
Stripe決済を導入するメリット
 世界的に注目を集める決済サービスStripe。ここからは、ビジネスにStripeを導入することで得られるメリットについて解説します。
世界的に注目を集める決済サービスStripe。ここからは、ビジネスにStripeを導入することで得られるメリットについて解説します。
最短1日で利用開始できる
Stripeを導入する大きなメリットは、最短1日で利用可能になることです。一般的な決済代行サービスの場合、審査期間が設けられていることが多く、利用を開始するまでに時間がかかることもあります。
一方、Stripeは他社で行われる審査が設けられていないため、会社の登記番号や責任者の身分証・電話番号・銀行口座情報など、基本的な情報だけ記載すれば短時間で利用を開始することができます。
これにより、スタートアップ事業や中小企業におけるECサイトへの導入など、スピーディーに手続きを完了したい場合にも活躍するプラットフォームなのです。手続きにおける労力も最小限に抑えられるため、従業員の負担も軽減することができます。
ランニングコストを抑えられる
他のサービスと比べてランニングコストを抑えられることも大きなメリットです。とはいえ、実はStripeの手数料は一律3.6%なので他社サービスと比較しても圧倒的に安いわけではありません。
ただ、Stripeは導入における初期費用がかからず、支払い方法やカード会社によって手数料が変動しないという特徴があります。また、取引明細書や払い戻しなど隠れた手数料も一切発生しないため、ランニングコストを最小限に抑えて運用できるのです。
各種手数料の1回あたりの請求額は決して高くないですが、長期的な視点で見ると多額の費用が発生していることも少なくありません。長く利用し続けることを踏まえるなら長期的な視点で判断することが大切です。
ダッシュボードの品質が高い
支払い履歴の検索や返金作業、不審請求への対応などをStripeのダッシュボードから行うことができるのも大きな魅力です。ダッシュボードとは、情報を一括にまとめて表示できるツールで、決済に関するあらゆる情報を確認できます。
そのため、情報を管理する従業員の業務負担を軽減することができるのです。また、誰が確認してもわかりやすい状態に管理されているので、業務効率化を図れるのも嬉しいポイントでしょう。
ダッシュボードのアプリはiOSとAndroidの両方に対応しているため、どの端末からでも決済や通知が可能。セキュリティの面が心配に感じる人もいるかもしれませんが、アクセスの範囲は制限できるので、機密情報は徹底的に管理できます。
グローバル事業が円滑に進められる
日本国内の市場規模の縮小や海外市場への販路拡大など、さまざまな理由でグローバル事業を検討する企業も少なくありません。しかし、海外事業を展開する場合、法人の設立や法人口座開設など面倒な手続きが必要になることも。
Stripeの決済サービスは、130種類以上の通貨に対応しているので現地の各種手続きによる業務を省くことができるのです。また、欧州では2019年に不正使用を低減するため、オンライン決済に対し強力な顧客認証 (SCA) が義務付けられています。
StripeではSCA対応の決済機能を開発しているため、無駄な労力を使わずに欧州の基準を満たすことができるのです。時間や労力を消耗せずにグローバル事業を円滑に進められるのは企業にとって大きなメリットでしょう。
年中無休でサポートを受けられる
Stripeは申込みから決済まで全てオンライン上で行われるので、サポート面に不安を感じる人も多いでしょう。なぜなら、支払いトラブルは顧客に不信感を与える大きな要因になるからです。
支払いトラブルの対応次第では、今後一切使用されない可能性も考えられます。ただ、Stripeではメールや電話、チャットによるサポートを年中無休で提供されているので安心しましょう。
たとえ問題が発生しても迅速に対応してくれるため、顧客の信頼を失うことはありません。逆に顧客のユーザー体験を向上できるはずです。また、Stripeのサポートは、日本語を含む6カ国語で受けられるので、英語を話せなくても問題なくサービスを受けられます。
Stripe決済を利用する際の注意点
 Stripeは利便性が高く導入しやすい決済プラットフォームですが、利用にあたってはいくつか知っておくべき制約や注意点があります。ここでは代表的なものを紹介します。
Stripeは利便性が高く導入しやすい決済プラットフォームですが、利用にあたってはいくつか知っておくべき制約や注意点があります。ここでは代表的なものを紹介します。
決済手数料は返金されない
Stripeでは、全額返金、もしくは一部返金を行うことは可能です。ただ、元の決済手数料分については返金されません。払い戻しのリクエストを受けた場合は、元の決済手数料分を引いた額が返金されることになるので覚えておきましょう。
また、顧客から払い戻しのリクエストを受けたときは、銀行やカード会社に情報が送信されます。銀行やカード会社によって大きく異なりますが、5日〜10日後に返金されるのが通常です。
APIドキュメントは日本語対応しているが情報差に注意
以前は英語のみで提供されていたAPIドキュメントですが、2020年末から日本語版が整備され、国内ユーザーにとっても扱いやすくなりました。ただし、最新情報や詳細な技術仕様は英語版が先に更新されるケースも多いため、エンジニアが実装する際は両方を参照する体制を整えておくと安心です。
実店舗向け機能「Stripe Terminal」は日本未対応
Stripeはオンライン決済に強みを持ちますが、実店舗での支払いに対応する「Stripe Terminal」は日本ではまだ提供されていません。カードリーダーを利用した対面決済の導入を検討している場合は、別の手段を組み合わせる必要があります。
Stripeの決済手数料
Stripeは初期費用や月額利用料が不要で、基本的には取引ごとに手数料が発生する仕組みです。シンプルな体系ですが、決済手段によって条件が異なるため、以下の表で整理しました。
| 決済方法 | 手数料 | 備考 | 
|---|---|---|
| クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード/デジタルウォレット(Apple Pay・Google Pay など) | 3.6% | 国内外一律。ブランドによる変動なし | 
| 外国カード・通貨換算あり | 3.6% + 2% | 外国発行カードや通貨交換が必要な場合 | 
| コンビニ決済 | 3.6%(最低120円) | 返金時:250円 + 消費税10% | 
| PayPay(一般事業利用) | 3.98% | |
| PayPay(デジタルコンテンツ事業者) | 9.48% | |
| 銀行振込、その他 | 1.5% | 返金時:250円 + 消費税10% | 
手数料は基本的に「成功した取引ごと」に発生します。返金した場合でも決済手数料は返ってこないため、返品が多い業態ではコスト計算に注意が必要です。また、コンビニ決済やPayPayなど追加手数料がある支払い方法もあるので、導入前に想定取引を確認しておくと安心です。
Stripeのアカウント登録方法
 Stripeでアカウント登録をする方法はとても簡単です。ここからは、Stripeの登録をする際の前準備や実際に登録する方法を紹介します。
Stripeでアカウント登録をする方法はとても簡単です。ここからは、Stripeの登録をする際の前準備や実際に登録する方法を紹介します。
Stripeの登録をする際の前準備
Stripeでアカウントを登録するときは、以下のような情報が必要になります。
- 会社の登記番号
- 責任者の本人確認書類
- 電話番号
- ビジネス・サービスの概要
- WebサイトURL
- 銀行口座
- 携帯電話番号(二段階認証に必要)
特に会社の登録番号はすぐにわからない企業も多いはずです。登録をスムーズに進めるためにもアカウント登録時に必要な情報は事前に確認しておきましょう。
Stripeアカウントの登録方法
Stripeアカウントの登録方法は以下のとおりです。順序どおりに作業を進めていきましょう。
- Stripeの公式サイト
 にアクセスする
- 「今すぐ始める」をクリック
- Stripeアカウントの作成画面で必要情報を記入し、次に進む
- Stripeの管理画面が表示される
- アカウント作成時に記載したメールアドレスにメールが届く
- メールを開けて本文中の「Verify email address」をクリックする
- 認証後は本登録の情報入力の画面が表示される
- 2段階認証の確認番号が携帯番号のSMSに届いたら本登録が完了
本登録の際に、事業者情報(住所、電話番号、事業形態など)や、事業内容(WebサイトURL、扱い商品・サービス、決済時期など)、銀行口座など入力した情報が画面に表示されます。内容に誤りがないか十分に確認してから進めましょう。
Stripe決済を使用する際のQ&A
 Stripeを使用する際によくある質問をまとめました。疑問を解消してから導入を進めましょう。
Stripeを使用する際によくある質問をまとめました。疑問を解消してから導入を進めましょう。
Q1. 他の決済代行サービスとの違いはある?
決済を代行してくれるサービスは、Stripe以外にも数多く存在します。たとえば、世界で3億人以上が利用する「PayPal」も安全に決済ができるプラットホームの一つで、HuluやDMMなど大企業も利用する決済サービスです。
そのほかにも、月間100万円までカード決済が無料で使える「spike」があります。最大の魅力はカード決済に加えてネットショップ運営に必要な機能を搭載していることです。spikeを導入すれば誰でも簡単にネットショップを始めることができます。
これらの決済サービスとStripeの大きな違いは、対応可能なクレジットカードの多さです。paypalやspikeが対応カードに制限があることに対して、StripeはVisaやMasterCardなど全6社に対応しています。顧客が保有するクレジットカードの種類を制限しないため、快適に商品やサービスを購入できるのです。
Q2. Stripeが導入できない禁止業種がある?
Stripeが導入できない禁止業種は、数多く存在します。たとえば、クレジットや住宅ローンなど金融サービスでの導入はできません。
そのほかにも、ネットゲームやくじ引きなどのギャンブルや、タバコやコンタクトレンズなどの規制商品、性的なサービスを提供するアダルト商品などが導入禁止業種です。Stripeを導入するときは、禁止業種に該当しないか必ず確認しましょう。
Q3. Stripe決済の対応カードは?
Stripe決済における対応カードは、Visa・MasterCard・American Express・JCB・Diners Club・Discoverです。ただし、 JCB・Diners Club・Discoverによる決済は、別途JCB社の審査が必要になるので注意しましょう。
Q4. 分割払いは対応できる?
Stripe決済は、分割払いを選択することが可能です。ただし、通常のクレジットカード取引手数料に加えて追加手数料が加算されるので注意しましょう。また、分割払いにおける追加手数料は、支払い期間によって異なります。
Q5. Stripeは安全に利用できる?
Stripeは国際的なセキュリティ基準である PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard) に準拠しています。PCI DSSは、クレジットカード業界大手が共同で策定した規格で、カード情報の収集・保存・処理における厳格な安全管理を求めるものです。
これに準拠しているStripeでは、カード情報は事業者のサーバーに保存されることなく処理されるため、高いセキュリティ性を確保しています。安心してオンライン決済を利用できる体制が整っているといえるでしょう。
Q6. Stripeは個人利用できる?
Stripeは法人だけでなく、個人事業主やフリーランスでも利用可能な決済サービスです。ECサイトやオンライン講座、デジタルコンテンツ販売など、規模を問わず幅広いユーザーが導入できます。
ただし、前述の通りStripeには利用できない業種があらかじめ定められています。アカウントを開設する前に、自身のビジネスが対象外に含まれていないか確認しておくと安心です。
Stripe決済の導入事例
Stripeは国内外のさまざまな企業に採用されており、オンライン決済の利便性を高めています。ここでは、日本を代表する2つの導入事例を紹介します。
日本経済新聞社「日経ID」
日本経済新聞社は、新聞を中心に幅広いメディア・サービス事業を展開しています。同社が運営するデジタルサービスプラットフォーム「日経ID」は、ビジネスパーソンを対象とした会員基盤として日本最大級の規模を誇ります。
この「日経ID」にStripeの決済サービスを導入したことで、ユーザーがスムーズに課金サービスを利用できるようになり、利便性の向上に大きく貢献しました。
ANAグループ「ANA Pocket」
全日本空輸(ANA)では、新型コロナウイルス感染症の影響により、飛行機利用以外の場面でも顧客と関わりを持つ新しい仕組みが求められていました。
そこでANAグループは、パートナー企業と顧客をデジタルデータポイントでつなぐ新しいプラットフォームを構築。その中核サービスとして、モバイルアプリ「ANA Pocket」にStripeを採用しました。
ANA Pocketでは、ユーザーが日常の移動距離に応じてポイントやマイルを獲得し、それを航空券やトラベルグッズと交換できます。Stripeの導入により、モバイルベースの新しい顧客体験を実現することに成功しました。
ビジネスをグローバル化させるなら、オンライン決済Stripe!
現在、オンライン決済サービスを提供するプラットフォームは数多くあるため、何を基準に選べばよいかわからない人も少なくないでしょう。今回紹介したStripeは、他社と比較しても手数料が安いというわけではありません。
ただ、長期的な視点で見るとコストランニングが最小限に抑えられたり、対応カードの種類が多かったりなど多くのメリットがあります。自社のインターネットビジネスにおいてオンライン決済サービスを検討しているなら、Stripeも選択肢に入れましょう。
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