Civitaiを使いこなそう！基本の使い方、有効に使うコツを紹介

近年、ビジネスシーンで生成AIを活用するケースが増えています。特に画像生成AIはクオリティーが高い画像をスピーディーに生成できるため、クリエイティブな作業で活用されています。

今回紹介する「Civitai」は、AIモデルをダウンロードできるプラットフォームです。生成したAIモデルは、教育コンテンツとして活用したり広告モデルとして利用したり、さまざまな方法で活用できます。しかし、Civitaiは英語のみの対応であるため、どのように活用すればよいのか分かりにくいと感じている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、Civitaiの基本的な使い方や有効に使うコツを紹介します。デザイン制作のクオリティーを高めたい方、これからCivitaiを活用したい方はぜひ参考にしてください。

Civitaiとは【AIモデルをダウンロードできるプラットフォーム】

Civitaiは、AIモデルをダウンロードできるプラットフォームです。この章では、Civitaiの概要やStable Diffusionについて解説します。

Civitaiとは

Civitaiは、画像生成AIサービスのStable Diffusionで利用可能な、モデルをダウンロードできるプラットフォームのことです。「シビタイ」「シビットエーアイ」などと呼ばれています。Civitaiの機能は基本的に全て無料で使えます。

CivitaiはAIモデルのダウンロードだけでなく、AIアートを自由に投稿・共有できるのも特徴です。コメント機能を利用することで、モデルへの評価をしたり意見をもらったりできるため、自身の画像生成スキル向上にも役立ちます。

Civitaiの利用における注意点は、対応言語が英語のみである点です。日本語に対応していないため操作方法が分かりにくい可能性もあるでしょう。Civitaiを日本語で使用したい場合、ブラウザの翻訳機能を活用する必要があります。

Stable Diffusionとは

Stable Diffusionは、イギリスのStability AI社が開発した、入力したテキストを基に画像を生成するサービスです。Stable Diffusionでは、生成したい画像のイメージをテキストで入力することで希望通りの画像を生成できます。

Stable Diffusionは、Diffusion Model（拡散モデル）を使ったサービスで、高精度な画像を生成できるのが特徴です。

Civitaiの商用利用の可否はモデルによって異なる

Civitaiはモデルごとに商用利用の可否が異なります。そのため、生成した画像の販売を検討している場合は、事前にモデルの利用規約を確認する必要があります。仮に商用利用不可のモデルを販売してしまった場合、訴訟につながるケースもあるため注意しましょう。

また、画像生成AIで作成した画像を公開する際も、著作権の取り扱いに注意する必要があります。Civitaiでダウンロードしたモデルを利用する際は、そのモデルごとの商用利用の可否を必ず確認し、ガイドラインを守ることが重要です。

商用利用の可否は、各モデルの詳細を表示し、以下画像の赤枠部分をクリックすることで確認できます。

どのような行為が禁止されているのか、利用規約に反するのかを確認してから利用しましょう。

その他の画像生成AIについては、下記の記事もぜひ参考にしてください。

Civitaiでダウンロードできるデータ

Civitaiでは、下記の4つのデータをダウンロードできます。

• Checkpoint（モデル）
• VAE（モデル）
• LoRA（ファイル）
• Controlnet（ポーズ集）

これらをダウンロードすることで、Stable Diffusion上でイメージ通りの画像を生成できるようになります。それぞれの特徴を詳しく解説します。

Checkpoint（モデル）

Checkpointは、Civitai内で提供されている生成AIのモデルです。特定の画像を事前学習しており、リアルな人物からアニメ風のキャラクターまで、さまざまな画風の画像を作成できます。

Checkpointで生成した画像は、企業の広告キャラクターとして利用したり、ブログや記事に挿入したりと、さまざまな形で活用できます。魅力的なビジュアルの生成AIモデルを活用することで、企業への関心を高められるでしょう。

VAE（モデル）

VAE（Variational Auto Encoder）とは、生成画像の精度を高めることを目的としたモデルです。VAEの仕組みを支えているのが、エンコーダーとデコーダーの2つのモデルです。エンコーダーがユーザーの入力した画像を圧縮し、デコーダーが画像を復元して精度の高い画像を生成する仕組みとなっています。

VAEは、低解像度の画像を高解像度に変換するためのツールとして活用できます。生成された画像のクオリティーを向上させたいときに活用するとよいでしょう。

LoRA（ファイル）

LoRA（Low-Rank Adaptation）は、生成したAIモデルへ追加学習を行い、調整するファイルです。追加学習を行うことで、生成したAIモデルにはなかったスタイルや画風を表現できます。

AIモデルの追加学習は計算量が多いため、高スペックなパソコンが必要とされてきました。しかし、このLoRAが登場したことで、低コストで追加学習ができるようになったのです。

Civitaiで共有されているLoRAは、アニメのキャラクターや日本人女性の生成に特化しています。LoRAを使えば、自社の業界に適したオリジナルのAIモデルを迅速に開発できます。

Controlnet（ポーズ集）

Controlnetは、さまざまな人物やキャラクターの姿勢や動作を記録したデータセット、いわばポーズ集です。Civitaiでダウンロードしたポーズ集は、Stable DiffusionのControlNetという拡張機能を使って利用できます。

アニメーション制作でポーズ集を使用すれば、キャラクターの動きを自然に表現できます。手動で一からポーズを作成する手間が省けるうえ、高品質なアニメーションを作成できます。

Civitaiの使い方

続いて、Civitaiの基本的な使い方を紹介します。ここで紹介した使い方を覚えておくことで、Civitaiをスムーズに使いこなせるでしょう。

1.アカウントの作成・初期設定

まずは、アカウントを作成する流れと初期設定について解説します。Civitaiにアクセスしたら、画面右上の「Sign in」ボタンをクリックしましょう。

Civitaiは、以下のいずれかでログインできます。

• Discordアカウント
• GitHubアカウント
• Googleアカウント
• Redditアカウント
• Eメールアドレス

自分が使いやすいアカウントでサインインを進めましょう。

Civitaiからサインインを求められるメールが届くので、メールを開封してアカウント作成を進めます。無事にサインインできたら成人コンテンツの表示を設定しましょう。この設定をすれば、成人コンテンツはぼかしが入った状態で表示されるようになります。

2.モデルの選択・ダウンロード

続いてCivitaiでモデルを選択・ダウンロードする方法を紹介します。

まずは「Models」のタブを開きます。好きなモデルを選んだらダウンロードボタンをクリックしましょう。モデルの利用条件も必ず確認します。

3.CivitaiでダウンロードしたモデルをStable Diffusionで使う方法

CivitaiでダウンロードしたモデルをStable Diffusionで使う流れは下記の通りです。

1. Googleドライブにログインし、モデルをアップロードするフォルダを作成する
2. ダウンロードしたモデルをフォルダにアップロードする
3. Google ColabでStable Diffusionを立ち上げる
4. 「Model Download/Load」という欄があるので、モデルのパスを貼り付けて実行する 

4.プロンプトをコピーする方法

画像生成AIをカスタマイズしたい場合、プロンプトを編集することで生成される画像の内容やスタイルを細かく制御できます。

Civitaiで画像生成時のプロンプトを確認できる画像には、右下に「i」アイコンが表示されています。「i」のマークがついている画像をクリックすると、画像に関する詳細な情報が表示されます。「Prompt」という項目を確認し、記載されている内容をコピーすれば完了です。

5.LoRAをダウンロードする方法

続いて、LoRAをダウンロードする方法を見ていきましょう。Civitaiでは1つのモデルに対して、背景用や衣装用などさまざまなLoRAを追加できます。

Modelsのタブをクリックし、LoRAにチェックを入れて検索すれば、さまざまなLoRAが人気順に表示されます。気になるLoRAがあれば、ダウンロードしましょう。

Civitaiを活用したデザイン制作の例

Civitaiを活用すれば、下記のようなデザイン制作が可能となります。

• オリジナルキャラクターの制作
• 既存イラストの編集
• ゲームやアニメ作品の画風再現

それぞれの内容を詳しく解説します。

オリジナルキャラクターの制作

表現したいキャラクターの特徴をテキストプロンプトで入力すれば、オリジナルキャラクターを簡単に制作できます。キャラクターの性別や年齢、服装、髪型、表情などの具体的な特徴をプロンプトに記述することで、イメージ通りのキャラクターを制作できます。

Civitaiで生成した画像は、キャラクターのデザイン案を生成する際に非常に役立ちます。プロンプトの記述を繰り返し変更することで、理想のキャラクターデザインを追求することも可能です。

既存イラストの編集

Civitaiでは、既存のイラストをさまざまな形で変更できます。プロンプトを記述することで、イラストに新しい要素を追加したり、スタイルを変更したりなど変更を加えることが可能です。

たとえば「このイラストをアニメ風に変換」「このキャラクターに赤いマントを追加して、背景を夜の街に変更」「キャラクターの髪に花飾りを追加」などのプロンプトを加えることで、イラストを思い通りのイメージに変更できます。

Civitaiを活用すれば、手間をかけずにイラストのバリエーションを増やせるでしょう。

ゲームやアニメ作品の画風再現

Civitaiでは、ゲームやアニメ作品の画風を再現することも可能です。たとえば、3DCG風やドット絵風、セル画風といったテキストプロンプトを入力すれば、指定した画風のイラストをスピーディーに生成できます。

この機能は、ゲームやアニメ制作の現場での活用に役立ちます。たとえば、ゲームの続編やスピンオフ作品を制作する場合、同じ画風で新しいキャラクターや背景を追加できます。シリーズもののアニメ制作では、一貫性のある画風で新しいエピソードやシーンを追加できるでしょう。背景イラストの描き起こしは多大な時間・労力を要しますが、Civitaiを活用すれば大幅に効率化できます。

Civitaiを有効に使うコツ

Civitaiでテキストプロンプトを書く際は、具体的かつ詳細にイメージを記述しましょう。詳細に記述することで、イメージに近い画像を生成できます。

さらに、Civitaiが生成した画像を画像編集ソフトなどで調整するのもおすすめです。明るさやコントラスト、彩度などを調整することで、画像の雰囲気を大きく変えられます。そのまま使用するのではなく少し手を加えることで、より魅力的な作品に仕上げられるでしょう。

まとめ：Civitaiを活用してデザインのクオリティーを高めよう

今回は、AIモデルをダウンロードできるCivitaiの基本的な使い方や有効に使うコツについて解説しました。

Civitaiを有効活用するには、具体的かつ詳細なテキストプロンプトを記述しましょう。詳細に記述することで、イメージに近い画像を生成できます。さらに、Civitaiが生成した画像を画像編集ソフトなどで調整することで、画像のクオリティーをさらに高められるでしょう。

ただ、Civitaiの利用には注意も必要です。Civitaiを商用利用したい場合は、必ずモデルの利用規約を確認してください。デザイン制作のクオリティーを高めたい方は、Civitaiの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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