無料で使える画像生成AI「Bing Image Creator」の使い方やプロンプト例を紹介
更新日:2024-10-30 公開日:2023-06-27 by SEデザイン編集部
Bing Image Creator は、Microsoft社が手掛ける画像生成AIツールです。Microsoftのアカウントがあれば無料で使えて、日本語でのプロンプト入力にも対応しています。
今回は、Bing Image Creatorの概要や使い方、注意点などを解説します。
「Bing Image Creator」とは?
Bing Image Creatorは、Microsoft社が提供している画像生成AIツールです。作成したい画像をイメージした指示文(プロンプト)を入力することで、文章に合った画像を4枚作成できます。
画像の生成にあたっては、OpenAIが開発した「DALL·E2」を使用しています。Microsoftアカウントを保有していれば、誰でも無料で利用可能です。
Bing Image Creatorの始め方と使い方
初めて使用する方に向けて、Bing Image Creatorの始め方と使い方について解説します。
Bing Image Creatorの始め方
Bing Image Creatorの公式ページにアクセスし、「参加して作成」ボタンをクリックします。
使用する際は、Microsoftアカウントが必要です。すでにMicrosoftアカウントにログインしている場合は、ログイン画面はとくに表示されず、そのまま次のページに遷移します。
未ログインの場合は、先にMicrosoftアカウントへのログインが求められます。Microsoftアカウントをお持ちでない場合は、事前にアカウント作成を行ってください。
Bing Image Creatorの使い方
Bing Image Creatorに遷移したら、あとは上部にあるプロンプト入力欄に任意のプロンプトを入力するだけです。2023年4月から日本語のプロンプト入力にも対応可能になっています。
「Conversation, human and robot」(人間とロボットの会話)とプロンプト入力してみました。実行結果は以下のとおりです。
15秒程度で人間とロボットが会話している画像が4枚出力されました。
新規利用時は、画像を高速で作成するための「ブースト」が15回分付与されます。このブーストがすべてなくなると、画像作成にかかる時間が長くなる仕組みです。ブーストは、Microsoft社が提供するポイントサービスである「Microsoft Rewards」を使って増やすことも可能です。
Bing Image Creatorの特徴
Bing Image Creatorの特徴は、おもに以下の通りです。
- Microsoftアカウントがあれば無料で使える
- 日本語での画像作成が可能
- DALL・E3に対応している
- アイデア出しのサポート
- プロンプトをお任せで探す
- Copilot(旧:BingのAIチャット)で利用できる
- スマホのブラウザやアプリでも使える
Microsoftアカウントがあれば無料で使える
Bing Image Creatorは、Microsoftアカウントを持っているユーザーなら誰でも無料で利用できます。登録が簡単で、追加の費用が発生しないため、気軽に始めることができます。これにより、プロのデザイナーから初心者まで幅広いユーザー層に対応しています。
利用回数は無制限ですが、ブーストが0になると、画像生成にかかる時間が長くなる点は覚えておきましょう。
日本語での画像作成が可能
日本語でプロンプトを入力しても画像作成できます。たとえば、日本語で「ロボットと人間の会話」というプロンプトを入力したところ、以下のとおり画像を作成できました。
ただし、作成された4枚のなかにはロボット同士が会話をしている画像なども含まれるため、英語のほうが精度は高いのかもしれません。
DALL・E3に対応している
Bing Image Creatorでは、OpenAIが開発したDALL·E3が使用できます。これにより、より高品質で創造的な画像を生成することが可能です。DALL·E3の技術により、プロンプトに基づいた多様なスタイルやテーマの画像を生成できるようになっています。
たとえば、「大きなリンゴに乗った猫」というプロンプトを入力すると、以下のような画像が表示されました。
さらに細かい指示を追加し、「大きなリンゴに乗った白黒の猫、色鉛筆画風」というプロンプトに変更すると、イラストのテイストが変わり、毛並みがふさふさした白黒の猫のイラストが出力されました。
アイデア出しのサポート
Bing Image Creatorには、「アイデアを探す」というメニューがあります。本メニューを選択すると、さまざまなサンプル画像が表示されるため、アイデア出しのヒントにできます。
サンプル画像にカーソルを合わせると、サンプル画像に対応したプロンプトも表示されます。たとえば、左上の指輪の画像にカーソルを合わせると、以下のように画像の上に白い文字が表示されました 。
また、サンプル画像をクリックすると、画像とプロンプトが以下のように拡大表示されます。
画像はサンプル画像で表示されていたものに加え、同一プロンプトで作成されたほかの3パターンの画像も確認可能です。また、サンプル画像には「共有」「保存」「ダウンロード」のボタンも付いており、画像リンクのコピーや画像ファイルのダウンロードもできます。
プロンプトをお任せで探す
画面の右上に「お任せで探す」というメニューもあります。本メニューを選択すると、数秒後、プロンプト欄に任意のプロンプトが自動で入力されます。再度「お任せで探す」を押下すると、別の任意のプロンプトに変更されます。
自動入力されたプロンプトの実行結果は以下のとおりです。
上記のとおり、宇宙服を着た柴犬の画像が4枚作成できました。「具体的なプロンプトは決めていないが、試しに使ってみたい」という方にとって便利な機能 といえるでしょう。また、お任せで探したプロンプトをベースに、自分自身でアレンジを加えるような使い方もできます。
Copilot(旧:BingのAIチャット)で利用できる
Bing Image Creatorは、Copilot(旧:BingのAIチャット)経由でも利用可能です。BingのAIチャット欄で、特定の画像作成を文章で指示することで、公式ページと同様に4枚の画像を作成できます。
たとえば、Copilotで「海辺にある森の画像を作成してください」と入力した結果が以下のとおりです。
上記のとおり、Copilotに指示する場合でも、Bing Image Creatorによって作成された画像を表示できることがわかるでしょう。
スマホのブラウザやアプリでも使える
Bing Image Creatorは、スマートフォンのブラウザや専用アプリでも利用可能です。これにより、外出先やオフィス外でも簡単にアクセスでき、どこでもデザイン作業を行うことができます。
スマートフォンのインターフェースに最適化されており、操作も直感的でスムーズです。
Bing Image Creatorの注意点
Bing Image Creatorの利用時は、以下の点に注意することが必要です。
- 作成できる画像には表現上の制限がある
- 作成される画像は一意ではない可能性がある
- 作成した画像は商用利用できない
- 作成画像に著作権が含まれている可能性がある
- Privateブラウズモードでは使用できない
作成できる画像には表現上の制限がある
Bing Image Creatorでは、暴力的・差別的な表現を含むコンテンツや、倫理に反する表現などを含むコンテンツの作成はできません。たとえば、もし教育上の理由などで暴力的な画像が必要になったとしても、暴力表現を含む画像はコンテンツポリシー違反のため作成不可となります。
作成される画像は一意ではない可能性がある
Bing Image Creatorで作成される画像は、一意ではない可能性があります。同ツールの使用条件として、公式は以下のように定義しています。
オンラインサービスの性質上、作成物はユーザーごとに一意でない場合があり、オンラインサービスは、Microsoft ユーザーまたはほか のユーザーに対して同一または類似の出力を生成する場合があります。 ほか のユーザーが同様の質問をし、同じ応答、類似した応答、または異なる応答を受け取ることもあります。
引用:Bing スレッド エクスペリエンスおよび Image Creator に関する規約
たとえば同一または類似のプロンプトを入力した場合、ほかのユーザーも同じ画像を作成できる可能性があるため、完全に自分だけのオリジナル画像を作れるとは限りません。反対に、ほかのユーザーと同じプロンプトを入力したとしても、全く同じ画像を作成できるわけではありません。
作成した画像は商用利用できない
Bing Image Creatorで作成される画像は、個人の非商業的目的のみに利用できます。公式では以下のように記載されています。
お客様は、本契約、Microsoft サービス規約、および弊社のコンテンツポリシーを遵守することを条件に、オンライン サービス以外の場所で、個人の合法的な非商業的目的のために作成物を使用できます。
引用:Bing スレッド エクスペリエンスおよび Image Creator に関する規約
たとえば、Bing Image Creatorで作成した画像を、企業の商品パンプレット内で使用したいと思っても、商業利用にあたるためできない点に注意しましょう。
作成画像に著作権が含まれている可能性がある
Bing Image Creatorで作成される画像には、特定のアニメ作品など、第三者の著作権コンテンツが含まれている可能性があります。
生成した画像が、第三者の著作権に抵触していないか注意を払うことが必要です。
プライベートブラウズモードでは使用できない
Bing Image Creatorの利用時は、Microsoftアカウントにログインしている必要があり、プライベートブラウズモードでは使用できません。プライベートブラウズモードでアクセスすると、以下のように「InPrivateでは作成できません」と表示されます。
Bing Image Creatorで、さまざまなテイストの画像を生成してみた
どのような画像が生成できるのかより明確にイメージしていただくために、ここでは以下テイストの画像を生成してみました。
- ファンタジー
- スチームパンク
- ポップアート
- 水彩画
- 浮世絵
ファンタジー
プロンプト:魔法の森に住む妖精、光る花々に囲まれている、ファンタジー風
スチームパンク
プロンプト:ビクトリア朝の衣装を着た女性探偵、背景に巨大な時計塔、スチームパンク風
ポップアート
プロンプト:日常的な物をカラフルに描いたポップアート、コーラの瓶とハンバーガー
水彩画
プロンプト:夜空を駆け抜ける馬、馬には男性が乗っている、水彩画風
浮世絵
プロンプト:海に囲まれたギリシャの離島、浮世絵風
Bing Image CreatorによってBingの利便性がさらに向上
Bing Image Creatorは、OpenAIの「DALL·E2」を搭載したMicrosoft社の画像生成AIツールです。Microsoftアカウントを持つユーザーであれば、誰でも無料で利用できます。日本語でも使えますが、公式の情報では英語のみにサポートしています(2023年5月末時点)。
Copilot経由での利用もできるため、Bing検索の利便性がさらに向上したといえるでしょう。
ただし、Bing Image Creatorは個人の非商業的目的のみに利用可能です。画像作成における表現上の規制もあるため、すべての利用用途には対応できない点に注意して利用しましょう。
AI技術はこれからさらに発展していくと予測されているので、早い段階で基本的な活用方法を取り入れておくことが大切です。SEデザインでは、IT分野におけるBtoBマーケティング&セールス支援を行っており、30年以上の実績がございます。業務の効率化や顧客へのアプローチでお困りの際は、お気軽にSEデザインへご相談ください。