Leonardo aiは、無料で使えて商用利用もできる画像生成AIツールです。Leonardo aiの利用を検討している企業担当者のなかには、「Leonardo aiの機能や使い方を理解したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、Leonardo aiの始め方や使い方、日本語でプロンプト入力できるのか、などを解説します。
なお、2024年のCanvaによる買収以降、Leonardo aiは動画生成や独自基盤モデルの投入など大型アップデートを短いサイクルで実装しており、本記事では2025年6月末時点の最新情報を追記しています。
Leonardo aiとは?
Leonardo aiとは、無料で高精度な画像を作成できる画像生成AIツールです。MidjourneyやStable Diffusionなどの画像生成AIツールと同様に、プロンプト(テキスト指示文)を入力することで画像を自動生成できます。2024年秋に公開された自社基盤モデル「Phoenix」により、長文プロンプトの解釈精度と写実性が大幅に向上しました。
また、Leonardo aiでは、生成した画像の加工やサイズ変更なども可能です。付与クレジットの範囲内であれば無料で利用でき、生成した画像を無料で商用利用できます。
Leonardo aiは、基本的には英語に対応していますが、日本語でのプロンプト入力も可能です。
Leonardo aiを利用するメリット
Leonardo aiを利用するメリットとしては、おもに以下の点が挙げられます。
- 無料で画像を生成できる
- 生成した画像を商用利用できる
- さまざまな生成モデルを使える
- 静止画→動画化(Motion)やテキスト→動画生成(Veo 3)に対応
- Canva傘下となり、既存のCanvaテンプレートやチーム機能と連携しやすい
無料で画像を生成できる
Leonardo aiのメリットの一つは、無料で画像を生成できる点です。たとえば、有名な画像生成AIであるMidjourneyは、ユーザーが増加すると無料での利用が制限されました。一方でLeonardo aiは、1日150トークン(クレジット)の範囲内であれば無料で利用可能です。
基本的には1トークン1画像に対応しているため、簡単な画像であれば1日あたり150枚生成できます。なお、画質の設定などによっては、1枚の画像生成で2トークン以上を消費する場合もあります。
トークンは毎日更新されるため、1日150トークンの範囲内であれば、有料プランに加入しなくても十分に活用できるでしょう。
生成した画像は商用利用できる
Leonardo aiでは、生成した画像を商用利用できる点も大きなメリットです。ほかの画像生成AIツールでは、無料プランでは生成した画像の商用利用が禁止されているケースも少なくありません。
それに対しLeonardo aiは、商用利用が可能な旨を利用規約やFAQに 以下のとおり明記しています。無料で利用しているユーザーでも、Leonardo aiで生成した画像を商用利用できると回答しています。
そのため、Leonardo aiで生成した画像を企業のオウンドメディアやサービス資料に掲載することもできるでしょう。
さまざまな生成モデルを使える
Leonardo aiでは、さまざまな種類の生成モデルが用意されています。たとえば、以下のような生成モデルを選択でき、生成したい画像のイメージに合ったものを選択することが可能です。
- Character Portraits(リアルなキャラクターを生成できるモデル)
- Isometric Fantasy(ファンタジー風の立体的なイラストを生成できるモデル)
- Illustration V2(アーティスティックなイラストを生成できるモデル)
- Cute Character(アニメのようなキャラクターを生成できるモデル)
静止画→動画化(Motion)やテキスト→動画生成(Veo 3)に対応
Leonardo aiは画像生成にとどまらず、Motion 機能で静止画を最長4秒のシネマティック動画へ変換できます(1回25トークン)。さらに Veo 3(2025年6月提供開始)はHD映像と同期音声をワンプロンプトで生成する最新モデルで、最大8秒/1回2,500トークン。SNS用ループ動画から広告クリップまで、ツール内で完結した動画ワークフローが実現します。
Canva連携でテンプレート・チーム機能を活用
2024年の買収以降、Leonardo aiはCanva Magic Studioと連携強化。生成した画像・動画をワンクリックで25万超のCanvaテンプレートへ配置でき、ブランドキットやコメント機能を通じてチーム内で即共有・修正が可能です。PhoenixやVeo 3で作ったビジュアルをプレゼン・SNS投稿・印刷物へ直接流し込み、制作〜配信までのリードタイムを大幅に短縮できます。
Leonardo aiのおもな機能
続いて、Leonardo aiのおもな機能について、以下の項目を解説します。
- プロンプトから画像を生成(Text to Image)
- 画像から新たな画像を生成(Image to Image)
- 特定のポーズなどを画像生成に反映(Control Net)
- プロンプトからプロンプトを生成(Prompt Generation)
- 画像の背景要素などを追加(AI Canvas)
- 動画を生成(Motion/Veo 3)
-
Realtime Canvas & Flow State(高速プレビュー)
プロンプトから画像を生成(Text to Image)
Text to Imageは、指定のテキスト欄にプロンプトを入力し、プロンプト内容に沿った画像を生成する機能です。画像生成AIの代表的な機能であり、Leonardo aiでも「AI Image Generation」メニューより利用できます。
日本語でもプロンプト入力はできますが、英語で入力したほうが画像の精度は高くなります。また、通常のプロンプトに加えて、画像に含めたくない要素をネガティブプロンプトとして入力することも可能です。
画像から新たな画像を生成(Image to Image)
Image to Imageは、元画像をアップロードし、別の画像を新たに生成する機能です。元画像をベースにしつつ、プロンプトを入力することで画像に要素を追加できます。
すでにイメージに近い画像が手元にあり、ニュアンスの追加や調整を行いたい場合などに効果的です。
特定のポーズなどを画像生成に反映(Control Net)
ControlNetは、特定のポーズなどを指定しながら画像を生成できる機能です。参考にしたいポーズの元画像をアップロードし、プロンプトを入力することで、元画像のポーズをし た人物イラストなどを生成できます。
プロンプトだけで希望通りのポーズをした画像を生成することは容易ではないため、具体的な画像のイメージが固まっている場合はControlNetを使うと便利です。
プロンプトからプロンプトを生成(Prompt Generation)
Prompt Generationは、プロンプトからプロンプトを生成できる機能です。簡単な英単語などのプロンプトをキーワードとして入力するだけで、キーワードを用いた長文のプロンプト案を複数提示してくれます。
複雑なプロンプトの作成に慣れていないユーザーも多いため、プロンプト自体の作成を支援してくれるPrompt Generationは便利な機能でしょう。
画像の背景要素などを追加(AI Canvas)
AI Canvasは、指定した画像の背景などの要素を追加できる機能です。プロンプトで生成した画像とアップロードした画像のどちらにも適用できます。
すでに使いたい画像が決まっていて、画像の背景をさらに拡張したい場合などに便利です。
動画を生成(Motion/Veo 3)
Motionは既存の静止画を最長4秒の動画へ変換する機能で、1回25トークンを消費します。被写体や背景に軽やかな動きを付加でき、SNS用のループ動画などに便利です。
Veo 3(2025年6月正式リリース)はGoogle製ビデオモデルをLeonardo ai上で利用できる機能で、テキストプロンプト一発で音声付きHD動画を生成可能。トークン消費は固定2,500のため、利用には有料プラン+残高に注意が必要です。
Realtime Canvas & Flow State
Realtime Canvasはキャンバス上での編集結果がほぼリアルタイムで反映されるため、拡張・修正を高速に試せます。Flow Stateは単一プロンプトから連続的に候補画像をストリーム表示するモードで、アイデア出しを短時間で行えます。
Leonardo aiの始め方
Leonardo aiの登録を行う場合は、まずLeonardo aiの公式サイト(https://leonardo.ai/)にアクセスします。
トップページにある「Create an account」をクリックし、「Yes, I'm whitelisted」を選択します。
その後、ログイン画面が表示されます。Google・Apple・Microsoftのいずれかのアカウントを持っている場合は、それらのアカウントを使ってログイン可能です。アカウントを持っていない場合は、メールアドレスとパスワードを入力します。
ユーザー名の設定、興味のある分野の選択、18歳以上であるかどうかのチェックを行い、「Next」を押下します。18歳以上のチェックを入れない場合は、職場や学校での閲覧に不適切なNSFW(Not Safe For Work)コンテンツ表示が除外されます。
ユーザー自身の属性を聞かれるため、最も近いものを選択してください。一般的な個人利用の場合は、「Enthusiast」が当てはまります。
ユーザー属性の選択まで終わったら、以下のようにHome画面が表示されるので登録完了です。なお、本操作を行った2023年8月下旬時点で は、順番待ちはなくすぐにログインすることができました。
Leonardo aiの実際の活用例
ここでは、Leonardo aiの活用例として、以下の機能を実際に使った事例を紹介していきます。
- プロンプトから画像を生成(Text to Image)
- 画像から新たな画像を生成(Image to Image)
- 特定のポーズなどを画像生成に反映(Control Net)
- プロンプトからプロンプトを生成(Prompt Generation)
- 画像の背景要素などを追加(AI Canvas)
プロンプトから画像を生成(Text to Image)
まずはText to Image機能を使って、プロンプトから画像を生成する活用例です。下図のようにプロンプト欄に「forest」と入力し、「Generate」を押して実行してみました。
実行の結果、下図のような森の画像が出力されました。画像はダウンロードして保存することも可能です。
試しに、日本語で「森」とプロンプト入力し、実行した結果は以下のとおりです。日本語でも処理エラーなどにはならず画像生成はできるものの、出力される画像の精度は英語のほうが高いといえます。
画像から新たな画像を生成(Image to Image)
次は、Image to Image機能を使って画像から新たな画像を生成する活用例です。先ほどの1枚目の森の画像をアップロードしたうえで、「a cat walking in forest」とプロンプト入力しました。実行結果は以下のとおりです。
上記より、先ほどの森の画像はそのまま残した状態で、画像の中央に歩く猫の描写を追加できていることが分かります。
特定のポーズなどを画像生成に反映(ControlNet)
続いて、ControlNet機能を使って特定のポーズを画像生成に反映する活用例です。ここではLeonardo ai上にある以下のサンプル画像を選び、座っているポーズを画像生成に反映させます。
上記のサンプル画像をアップロードし、「ControlNet」をオンにした状態で「a man, Indian, wearing turban in his head」というプロンプトを入力してみます。実行前のLeonardo ai画面は以下のとおりです。
プロンプトを実行した結果、下図のように座っているインド人男性の画像が出力されました。元画像と同じポーズを取っていることが分かります。
プロンプトからプロンプトを生成(Prompt Generation)
ここでは、Prompt Generation機能を使ってプロンプトからプロンプトを生成する活用例を紹介します。シンプルなプロンプトの例として「cat」を入力し、新たにプロンプトを生成してみます。実行結果は以下のとおりです。
上記のとおり、元のプロンプトである「cat」を使って新たに文章形式のプロンプトが2つ得られました。生成するプロンプトの数は2・4・6・8のパターンから選択可能です。また、生成したプロンプトは「Generate」で実行することで画像生成もできます。1番目のプロンプトを実行した結果は以下のとおりです。
プロンプト内容のとおり、月光を背景に木の上で座っている猫の画像を出力できました。
画像の背景要素などを追加(AI Canvas)
AI Canvasでは、画像の背景要素などを追加できます。ここではLeonardo ai上にあるサンプル画像を1つ選び、選んだ画像の背景を拡張してみます。まず、下図のように選んだサンプル画像をAI Canvas上にアップロードし、サンプル画像のプロンプトもコピーしてプロンプト欄に貼り付けます。
そのうえで、拡張したい背景部分にカーソルを合わせ、貼り付けたプロンプトを実行します。実行結果は以下のとおりです。元画像 のイメージを保ったまま、画像の背景を拡張できました。拡張部分は4パターン提案されるため、4パターンのなかから好きなイメージを選択できます。
Leonardo aiの料金体系
Leonardo aiの料金体系は、無料プランと3種類の有料プランがあります。それぞれのプランの料金やおもな特徴は下表のとおりです。
Free | Apprentice | Artisan | Maestro | |
料金 | 無料 | 月額12ドル (年払いの場合、月額10ドル) |
月額30ドル (年払いの場合、月額24ドル) |
月額60ドル (年払いの場合、月額48ドル) |
付与トークン | 1日150トークン | 月8,500トークン | 月2万5,000トークン | 月6万トークン |
プライベート生成 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
新機能への優先アクセス | × | 〇 | 〇 | 〇 |
同時実行ジョブ数 | 1 | 5 | 10 | 20 |
無料プランと有料プランの大きな違いは、画像のプライベート生成や新機能への優先アクセス、同時実行ジョブ数です。そのため、有料プランは以下のようなユーザーにおすすめできます。
- 自分が生成した画像をほかのユーザーに見られたくない方
- 新機能がリリースされた際に、すぐに利用したい方
- 同時に複数の画像生成を実行したい方
- Veo3を使用したい方(Veo 3の生成には1回あたり2,500トークンを消費するため、実質的にはApprentice以上が前提となります)
反対に、上記に当てはまらないユーザーであれば、無料プランでも問題ないといえるでしょう。1日150トークンが無料で付与されるため、Leonardo aiは無料プランでも十分に利用価値があります。
Leonardo ai利用時の注意点
Leonardo aiは便利な画像生成AIツールですが、利用の際は以下の点に注意することが必要です。
- 設定内容によってはトークンの消費スピードが速くなる
- 今後は無料の付与クレジットがなくなる可能性もある
- 無料プランでは生成した画像がほかのユーザーにも公開される
設定内容によってはトークンの消費スピードが速くなる
画像を生成する際の設定内容によっては、トークンの消費スピードが速くなる点に注意することが必要です。たとえば、Prompt MagicやAlchemyといった画質をより良くする設定をオンにして画像を生成する場合、1枚の生成で10トークン以上を使う 可能性もあります。
基本的な画像を1枚生成するだけであれば1トークンの消費ですが、設定次第では通常の10倍以上のスピードでトークンが消費されることになります。
画質などにこだわる場合は、1日150トークンの制限を超過しないように気をつけましょう。
今後は無料の付与クレジットがなくなる可能性もある
Leonardo aiは、無料で高画質な画像生成ができることが大きな魅力ですが、今後は無料の付与クレジットがなくなる可能性も考えられます。たとえば、Midjourneyは2023年3月までは無料で利用できていましたが、2023年4月以降は以前のような無料での利用ができなくなっています。
Leonardo aiにおいても、今後のユーザー数の増加につれて、無料での利用に制限がかかる可能性があるため注意が必要です。
無料プランでは生成した画像がほかのユーザーにも公開される
Leonardo aiの無料プランでは、生成した画像がほかのユーザーにも公開されます。生成した画像をほかのユーザーに見られたくない場合は、有料プランに加入する必要があります。
無料プランで生成した画像は第三者に閲覧・流用される可能性もあるため、プライベートにとどめたい場合には注意が必要です。
まとめ:無料で商用利用可能なLeonardo aiを活用しよう
Leonardo aiは、高精度な画像—そして2025年現在は動画と音声の生成まで対応する強力なクリエイティブプラットフォームへ進化しました。1日150トークンの範囲内であれば無料で利用でき、生成した画像は商用利用できます。また、キャラクターや立体的なイラストなど、さまざまな生成モデルを使える点も特徴的です。
Leonardo aiでは、プロンプトから画像を生成するだけでなく、画像から画像の生成やプロンプトからプロンプトの生成などもできます。
ただし、画質などにこだわる場合は、トークンの消費スピードが速くなるため注意しましょう。また、2025年7月時点 では無料利用ができますが、今後は無料の付与クレジットがなくなる可能性も考えられます。
以上のことを理解しつつ、商用利用できるLeonardo aiを有効活用していきましょう。
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