お客様の成長と変革に貢献するパートナーを目指して――AWSプレミアティアに選ばれたBeeXの技術力

更新日:2025-08-05 公開日:2025-08-05 by SEデザイン編集部

目次

本記事では、AWSパートナーを検討されている方に向けて、「AWSパートナーの選び方とおすすめ企業一覧」で取り上げた企業の実際の取り組みを、個別にご紹介していきます。今回は、株式会社BeeXについてお伝えします。

AWSサービスパートナーの最上位である「プレミアティア」は、技術力や実績、サポート体制など、厳格な基準を満たした企業のみが認定される制度です。日本ではまだ15社しか認定されておらず、その15社目として2024年に選出されたのがBeeXです。

BeeXは2016年に創業した、比較的若い企業です。社員数は184名(2025年2月時点)と、プレミアティアパートナー各社の中でも圧倒的に少ない体制でありながら、確かな技術力と「With Customer」の精神を大切にし、多くの信頼を集めてきました

特に、SAPシステムのクラウド移行を検討している企業、マルチクラウド環境での最適なIT基盤構築を目指す企業、そしてDX推進の一環としてデータ分析基盤の内製化を進めたい企業にとって、BeeXは強力なパートナーとなるはずです。

本記事では、事業内容や得意領域、支援スタイル、そして実際の事例を通じてBeeXの魅力をご紹介します。

※こちらの記事は、2025年5月に実施した、株式会社BeeXのご担当者様へのヒアリングをもとに作成しております。

 

SAP移行で築いたBeeXの信頼

BeeXは、SAPシステムのクラウド移行を起点に成長してきたクラウド専業のインテグレーターです。創業当初から、クラウドとSAP双方に精通したコンサルタントが、企業の複雑な基幹システムのクラウド移行を数多く支援してきました。特定のクラウドにとらわれず、AWSを中心にAzureやGoogle Cloudなどマルチクラウドに対応してきた点もBeeXの特長であり、現在では移行だけでなく、設計、構築、運用・監視までを一貫して提供できる体制を整えています。

本章では、BeeXがどのような背景と経験をもとに現在の立ち位置を築いたのかをご紹介します。

SAPシステムのクラウド移行から始まったBeeX

BeeXは2016年に設立された、クラウド専業のインテグレーターです。創業当初から、エンタープライズ企業で多く採用されているSAPシステムを中心に、基幹業務システムのクラウド移行を支援してきました。

当時は、オンプレミス環境でSAPを稼働させている企業が大半を占めており、クラウド上にSAPシステムを安定して移行・運用するには高度なノウハウが求められていました。中でもAWSは、SAPシステムを稼働させるうえで最も現実的な選択肢とされており、BeeXはこの領域で多くの実績を重ねてきました

BeeXの事業内容

出典:株式会社BeeX 2025年2月期決算説明資料

大企業の要件に応える、BeeXの対応力

SAP ERPの導入企業は、基本的に大企業が中心です。そのため、BeeXのクライアントも必然的にエンタープライズ層が多く、創業当初から大規模かつ高難易度な案件に対応する技術力やプロジェクト推進力を培ってきました

こうした背景から、BeeXは現在もSAPを軸としながら、モダナイズやDX支援、マネージドサービス(MSP)、ライセンスリセールなど、クラウドを起点とした幅広いサービスを提供しています。Microsoft AzureやGoogle Cloudにも対応していますが、主要のクラウドはAWSであり、事業の中核を担っています。

BeeXのマルチクラウド対応力

出典:株式会社BeeX 2025年2月期決算説明資料

そして2024年、BeeXはAWSのプレミアティアサービスパートナーに認定されました。国内15社目の認定であり、社員数184名という体制ながらこのステータスを獲得している点は、特に注目すべきポイントです。創業当初から一貫して蓄積してきた技術と信頼が、現在のBeeXを支える礎となっています。

複雑な基幹システム移行を支える実行力

BeeXは、SAPシステムのクラウド移行の技術力を土台に、さまざまなエンタープライズ企業のシステム基盤を支援してきました。クライアントには、AGC、YKK、日本ペイント、アンリツといった製造業をはじめ、基幹システムを中心とした高度なIT要件を持つ企業が多く含まれています。

これらの企業では、基幹業務システムの構成が複雑かつ大規模であり、クラウド移行には高度な設計力と実行力が求められます。BeeXは、オンプレミスで稼働していたSAP ERP(ERP6.0など)をAWS上に移行するプロジェクトを数多く手がけてきました。中には、ゴールデンウィークや年末年始といった限られた期間内で完了する必要がある案件も度々あり、事前の入念な調査と移行計画に加え、技術的にも非常に難易度の高い作業となります。同社の公開している導入事例でも、BeeXの確かな技術力と現場の対応力を絶賛する多くの顧客のコメントがそれを物語っています。

SAPシステムのクラウド化・S/4HANA化支援

出典:株式会社BeeX 2025年2月期決算説明資料

こうした対応の背景には、豊富な移行実績に加えて、移行後の運用を見据えた一貫した支援体制があります。BeeXは、クラウド基盤の設計からSAPアプリケーションの移行・モダナイズまで、両面から支援できる体制を構築しており、大企業の基幹システム移行に求められる複雑な要件にも対応しています。

このようにBeeXは、基幹システムの移行から運用までを一貫して担えるパートナーとして、複雑な条件下でも柔軟に対応できる体制を築いています。

サービスメニューの全体像

BeeXでは、AWSを中心に、企業のクラウド活用を包括的に支援するサービスを提供しています。クラウド導入初期の設計支援から構築、移行、運用、さらにはライセンス提供に至るまで、一貫して対応できる体制が整っており、技術面・運用面の両側面から顧客の課題解決を支援しています。

BeeXのサービスメニュー全体像

出典:株式会社BeeXソリューションガイド

1.クラウド技術支援・移行・構築サービス

クラウドの導入を検討している企業に対して、BeeXは最適なクラウドサービスの選定から、設計・構築、移行、運用までをワンストップで支援しています。導入前のロードマップ作成や、属人化を防ぐための標準化策定支援、さらにはPoCを通じた最適な構成の見極めなど、企業のクラウド活用を計画段階から丁寧にサポートしている点が特長です。

これまでの豊富な構築実績をもとに、AWSを中心とした各種サービスを柔軟に組み合わせながら、短期間で安定的なクラウド環境の構築・移行を実現します。設計思想や運用の考え方まで含めてトータルに支援することで、導入後の活用まで見据えたクラウド基盤の構築を支えています。

2.AWS請求代行およびマネージドサービス

BeeXは、AWSのライセンス提供(請求代行)に加えて、24時間365日体制でのマネージドサービスも提供しています。2025年4月には、クラウドの運用監視を専門とするスカイ365を子会社化。両社の連携により、より高度かつ多面的な運用支援を可能にしています。

運用・監視だけでなく、ゼロトラストを実現するためのセキュリティ支援や、オブザーバビリティやFinOpsなどの最適化支援、さらには生成AIを活用したIT業務のアウトソーシング支援まで、支援範囲は年々広がっています。また、スカイ365が今後海外の対応も視野に入れている事から、グローバル展開を行う企業への支援も可能になる予定です。

さらに、BeeXでは「BeeXPlus」というAWSライセンスリセールにも注力しています。これまでSAPのクラウド移行時にセットで導入されることが多かったライセンス提供を、今後は単体でも積極的に展開し、公共分野や中堅・中小企業領域への販路拡大を進めています。

3.SAPシステムのAWS移行サービス

BeeXは、SAPシステムのクラウド移行において豊富な実績を有しており、AWS上でのSAP環境構築・運用に特化した多様なサービスを提供しています。単なる移行作業にとどまらず、移行後の運用保守、分析基盤の整備、バージョンアップへの対応など、SAPシステムに関する幅広いニーズに対応できる体制を整えています。

主なサービスには、レディメイド型のAWS構成テンプレートを活用して短期間で環境構築を行う「BeeX Migration Factory for SAP apps on AWS」をはじめ、SAP S/4HANAへのコンバージョン、SAP BASIS運用保守、テクニカルコンサルティング、アナリティクスソリューションの提供などがあります。さらに、SAP Solution Managerのクラウドサービスにも対応しており、運用設計や管理基盤の整備まで一貫した支援が可能です。

こうしたサービス群を通じて、BeeXはお客様のSAP on AWS環境を技術・運用の両面から支え、クラウド移行後も長期的に安心して利用できる体制を提供しています。

伴走支援の根幹にある「With Customer」の精神

BeeXの支援スタイルを語るうえで欠かせないキーワードが、「With Customer」です。これは「お客様と一緒に課題を見つけ解決し付加価値を創造していく」という価値観を表した言葉であり、BeeX全体に根づくカルチャーでもあります。

この姿勢は、単なる受託開発やシステム構築を超えた「伴走型の支援」に結びついています。たとえば、BeeXのエンジニアは、お客様の要望に応じて機能を実装するだけでなく、「こうした方がよりよくなるのではないか」という提案を積極的に行います。BeeXのサービスが高く評価される理由の一つが、この“先回り型の提案力”にあります。

ロッテの内製化支援事例:若手社員の成長を後押し

「お口の恋人」をコーポレートメッセージに、菓子、アイスクリーム、健康雑貨などの製造・販売を手がけるロッテ。DXを推進している同社では、データ分析基盤の内製化を検討。その一環として、基幹システムと販売計画システムをつなぐデータ連携基盤をアマゾン ウェブ サービス(AWS)上へ構築することにしました。若手社員と中堅社員からなるチームによるプロジェクトを推進するにあたり、同社は開発パートナーにBeeXを指名。高品質なデータ連携基盤が実現するとともに、各社員がエンジニアとして成長。影響は他の社員にも広がり、社内に新たな取り組みに挑戦する機運が高まっています。

(引用:BeeXの支援の下、データ連携基盤を構築 プロジェクトを通じてエンジニアの育成も実現

⇒ロッテの支援事例はこちら

日本国土開発のS/4HANA化支援事例:短期決戦に応えた伴走型対応

“国土のソリューションカンパニー”として、さまざまな社会課題の解決のため、環境に配慮したソリ ューションを顧客にとって魅力的なかたちで提供することを目指し、「挑戦と創造」を続けている日本国土開発。同社は株式上場に向けた動きの一環として、基幹システムを刷新し、2018年よりアマゾン ウェブ サービス(AWS)上にSAP S/4HANAを導入するプロジェクトを開始しました。途中、運用体制の確立に向けた計画に課題が発生するも、新たなパートナーとしてBeeXを指名。安定した基盤と運用の最適化を実現しSAP S/4HANAを稼働させ、決算早期化や経営管理高度化などを実現しています。

(引用:株式上場に向けた動きの一環として基幹システムをSAP S/4HANAに刷新。決算早期化や経営管理高度化などが実現

⇒日本国土開発の支援事例はこちら

今後の展望と支援領域の拡大

BeeXは、これまで培ってきたSAPクラウド移行の技術と、エンタープライズ向けの伴走型支援の実績を基盤に、今後さらなる領域への展開を進めています。

まず注力しているのが、基幹システムのクラウド化・モダナイズ化です。S/4HANA化をはじめとしたSAPの次世代移行支援において、単なる移行作業にとどまらず、その後の拡張やDX推進までを見据えた支援を強化しています。

また、企業のDX推進に対する伴走型支援も重点領域です。システム刷新やクラウドネイティブ化といった技術面の支援だけでなく、部門横断での要件整理や現場の巻き込みなど、ビジネス変革に寄り添う対応を志向しています。

さらに、マネージドサービス事業(MSP)の強化にも注力しています。2025年4月には、MSP専業会社「スカイ365」を子会社化。人材・ノウハウの連携を図りつつ、サービス品質の向上と対応範囲の拡大を目指しています。

BeeXのMSP強化

出典:株式会社BeeX 2025年2月期決算説明資料

加えて、セキュリティや生成AIの活用支援にも着手しています。たとえば、京三製作所の事例では、ゼロトラスト実現に向けたOkta導入を支援。AI領域でも、業務効率化や分析活用の観点から、顧客ごとの課題に合わせた提案を進めています。

最後に、ライセンスリセールの拡大にも取り組んでいます。専門組織を設け、新規顧客層への販路開拓や、SMB・公共領域への展開を強化しています。

BeeXでは、こうした支援領域の拡大にあわせて採用活動も積極的に推進しています。現在は184名体制ですが、将来的には300名規模を目指しており、全国から優秀なエンジニアやビジネス人材を迎え入れるため、フルリモート前提での柔軟な働き方も整備しています。より多くの顧客に高品質な支援を届けるため、体制強化と組織拡大にも取り組んでいます。

少数精鋭×顧客密着――BeeXの支援力の本質

BeeXは、SAPクラウド移行を出発点とし、エンタープライズ企業の複雑な基幹システムを支える技術力と、顧客に寄り添う姿勢を磨き上げてきました。創業から10年に満たない若い企業でありながら、AWSプレミアティアサービスパートナーに選出された背景には、その実行力と信頼の積み重ねがあります

プロジェクトを通じて顧客の内製化や意識変革を促すロッテの事例、難易度の高いS/4HANA化を顧客とともに乗り越えた日本国土開発の事例──いずれも、BeeXが「With Customer」の姿勢を徹底していることを物語っています。

少数精鋭でありながら、基幹システムの移行から運用、DX、セキュリティ、AI領域まで支援範囲を広げつつあるBeeX。特に以下のようなニーズを持つ企業にとって、BeeXは心強いパートナーとなるはずです。

  • SAP S/4HANAやRISE with SAPの導入・移行を信頼できるパートナーと進めたい企業
  • 複数クラウドを組み合わせた、最適なIT基盤の構築・運用を目指す企業
  • データ分析基盤やIoT基盤の内製化に取り組みたい企業、伴走型支援を求める企業

クラウド移行にとどまらない価値提供を求める企業にとって、BeeXはまさに“共に考え、共に進む”ことができる信頼のパートナーです。

 

会社概要

会社名

株式会社BeeX(ビーエックス)

所在地

東京都中央区銀座7-14-13 日土地銀座ビル10F

設立

201631

代表者

代表取締役社長 広木 太

資本金

321百万円(20252月末時点)

主要株主

株式会社テラスカイ

株式会社サーバーワークス

従業員

184名(20252月時点)

事業内容

クラウド関連の運用・保守・管理事業及びソフトウェア開発

 

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