データ統合とエージェント型AIで、業務変革を支える——日本テラデータの実践的ソリューション

更新日:2025-10-16 公開日:2025-10-16 by SEデザイン編集部

目次

本記事では、「AWSソフトウェアパスとは?導入企業が知っておきたい信頼性の指標」で取り上げた企業の製品・サービスについて、個別に紹介していきます。今回は、日本テラデータ株式会社についてお伝えします。

企業のDX推進が加速する中で、多くの企業が直面するのが、部門ごとに分断された膨大なデータの統合や、それを基にした業務変革の実現です。そうした課題に対し、日本テラデータは、業界別に最適化されたデータモデル、圧倒的なコストパフォーマンス、クラウド/オンプレミス両対応の柔軟性、そして高精度なエージェント型AIなどを強みに、企業の変革を支えています。

なお、本記事はAWSの導入有無に関係なく、製品・サービスにフォーカスして紹介しています。DX推進やデータ活用に課題を感じている企業のご担当者様にとって、選定の参考となれば幸いです。

※こちらの記事は、2025年8月に実施した、日本テラデータ株式会社のご担当者様へのヒアリングをもとに作成しております。

 

グローバルに展開するTeradata

Teradataは、1979年に米国で創業されたデータ活用とアナリティクスのリーディングカンパニーです。金融・製造・通信・流通など幅広い業界において、世界中の大手企業に選ばれてきた実績があり、45年以上にわたって意思決定を支える高度なデータ基盤とソリューションを提供してきました

日本法人である日本テラデータ株式会社は、2007年に設立され、日本市場における企業のDX推進や業務改革を支援しています。特に近年は「AIドリブン経営の実現」を掲げ、データとAIを融合したソリューションの提供に注力。ハイブリッドクラウド対応のAIデータ基盤「Teradata Vantage」に加え、エージェント型AIや導入支援サービスを組み合わせた「Teradata Vantage AI Offering」を展開しています。

日本テラデータが提供する代表的なソリューション

日本テラデータでは、企業のデータ活用や業務変革を支援するために、複数のソリューションを提供しています。ここでは、「Teradata Vantage」と「Teradata Vantage AI Offering」について紹介します。

Teradata Vantage

「Teradata Vantage」は、構造化・半構造化データや動画、音声など、あらゆる形式のデータを統合的に扱える大規模データ処理基盤です。オンプレミスとクラウドで同一機能を提供しており、クラウド移行時やハイブリッド環境下でも一貫性あるデータ活用が可能です。

特に、超並列処理や高度なワークロード管理によって、大量のクエリや複雑なトランザクションが発生する場面でも、高速かつ安定した処理を実現。限られたコンピュートリソースを効率的に活用することで、運用コストを抑えながら高いパフォーマンスを発揮できる点が、多くの企業から評価されています。

Teradata Vantage AI Offering

Teradata Vantageを基盤に構築されたのが「Teradata Vantage AI Offering」です。これは、高性能なデータ基盤に加え、用途別に最適化されたエージェント型AI群、さらに戦略立案から導入・運用までを一貫して支援するコンサルティングサービスをパッケージ化したソリューションです。

teradata01_AI Offering

出典:「Teradataのご紹介」資料より

企業の業務自動化や高度な意思決定を支える「エージェント型AI」とは、複数のAIエージェントが協調し合い、相互検証・分業することで単一AIでは困難な複雑タスクを高精度に遂行するシステムを指します。従来の“1対1”形式のAIエージェントが特定業務を自動化するのに対し、エージェント型AIは「情報収集」「分析」「意思決定」「実行」の各プロセスを専門化したAIが連携。異なるアルゴリズムやデータ視点から意見を出し合い、最適解を合意形成方式で導き出すことで、結果の信頼性と説明性を飛躍的に高めます。

Teradata Vantage AI Offering が実現するエージェント型AIは、以下の特徴があります。

  • 用途別に最適化されたエージェント:コールセンター、デジタルマーケティング、サプライチェーンなど業務ドメインごとにカスタマイズ済みAIを標準提供
  • 高度なワークロード管理と超並列処理:大量のエージェント同時稼働でも処理性能を維持し、リアルタイムな相互検証を実現
  • 統合データ基盤とのシームレス連携:Teradata Vantage上の統一データモデルでエージェント間のデータTeradata 
  • 業務要件に合わせた柔軟なスケーラビリティ:オンプレミス・クラウド双方でエージェント数や処理リソースを柔軟に増減可能

これにより、単一AIでは難しい「多視点からの判断」「説明性の担保」「ハルシネーションの抑制」といった課題を解消し、現場ですぐに活用できる高信頼・高精度な意思決定支援を提供します

teradata02_エージェント型AI

出典:「Teradataビジネスアップデート」資料より

日本テラデータのソリューションの大きな強み

Teradata VantageおよびTeradata Vantage AI Offeringの大きな強みとなるのが、大規模なデータ処理への対応力と、ビジネス要求を支えるコストパフォーマンスです。

大規模なデータ処理の実行能力

Teradata Vantageの最大の特長のひとつは、超並列処理と高度なワークロード管理による、大規模かつ複雑なデータ処理の実行能力です。特にターゲットとなるのは、金融・製造・通信・流通など、日々大量のデータを扱う大手〜中堅企業。部門ごとにサイロ化されたデータを統合し、全社横断で活用できる状態をつくるには、単なるストレージではなく、処理能力と整合性が求められます。

Teradata Vantageでは、物理的に1カ所に集約せずとも、複数のデータソースを論理的に統合して分析できる点が特徴です。これにより、システム移行時や異なるデータ形式が混在する環境でも、スムーズなデータ活用を可能にします。データ量が多いからこそ発生する処理負荷やパフォーマンス課題に対して、安心して任せられる基盤です。

コストパフォーマンス

もうひとつの大きな強みが、運用負荷の高い環境でも持続可能なコスト構造を実現できる点です。AIやBIの普及により、ひとつのクエリに対して複数のAIエージェントが何度も問い合わせを行うようなケースも増えてきました。結果として、従来の数十倍~数百倍ものクエリが流れるようになり、処理コストが膨れ上がるという課題が、多くの企業で顕在化しています。

Teradata Vantageは、こうした高負荷・高頻度のクエリ環境においても、限られたコンピュートリソースを効率よく使い、クエリあたりのコストを大幅に低減できる設計となっています。他社製品と比較しても、「本番環境で回し続けても破綻しない」という点で、導入企業から高い評価を得ています。

導入事例から紐解く、日本テラデータが選ばれる理由

ここで紹介するクレディセゾンと雪印メグミルク、いずれにも共通するのは、DX推進を成功させていること、そして、DX推進に不可欠な「データ統合」の基盤としてTeradata Vantageを選択していることです。

テラデータでは、超並列処理による効率的なデータ処理や、ワークロード管理機能による処理の優先順位付けができることで、業務に応じたリソース配分が実現できます。これらの機能が組み合わさることで、実際の業務に深く入り込み、DXを支えるインフラとしての役割を果たしているのです。

クレディセゾンの事例:Teradata Vantageによるデジタルトランスフォーメーション実現

統合データ基盤にTeradata Vantageを採用し、4,000人超のユーザーと20以上のシステム間でリアルタイムなデータ統合・分析を推進しています。

引用:テラデータ「CREDIT SAISON(クレディセゾン)」事例ページ

雪印メグミルクの事例:雪印メグミルク、統合データ分析基盤にTeradata Vantageを採用しDXを推進

雪印メグミルクは、統合DWH基盤としてTeradata Vantagを導入し、生産・物流・営業など部門横断での高速・大規模データ分析を実現しています。

引用:テラデータ「雪印メグミルク、統合データ分析基盤にTeradata Vantageを採用しDXを推進」

AWS上での製品展開

日本テラデータは、オンプレミス環境に加え、AWSをはじめとする主要クラウドプラットフォーム上でも、同一機能を持つソリューションを展開しています。クラウド上でもオンプレミスと変わらない性能と操作性を提供することで、移行や拡張の過程でも業務に支障なくデータ活用を継続できます。

teradata03_Teradata Vantage

出典:Teradata

中でもAWSは、日本国内の企業からのニーズが特に高く、日本テラデータにおいても最初に対応を開始したクラウド環境です。これにより、企業が完全なクラウド移行を目指す場合でも、あるいはハイブリッド構成を維持する場合でも、柔軟なアーキテクチャを実現できます。

また、クラウド間の乗り換えやマルチクラウド戦略においても、アプリケーション側からは同一機能で扱えるため、プラットフォームの制約を受けずに導入・運用が可能です。

AIソリューション分野へのさらなる注力

日本テラデータでは、今後さらに、オンプレミス環境でのAI活用を支援する取り組みに注力していく方針です。その一環として、2025年7月には新ソリューション「Teradata AI Factory」を発表しました。

AI Factoryは、NVIDIA製GPUを活用したオンプレミスでのAI実行環境を提供するソリューションであり、セキュリティやガバナンス、コンプライアンス要件が厳しい企業にとって大きなメリットがあります。クラウドにデータを出せない企業でも、自社環境内で高性能なAI処理が可能になるのが特徴です。

また、昨今注目されているソブリンAI(自国内のインフラやデータを活用してAIを構築・運用する考え方)の文脈でも、AI Factoryは重要な役割を果たすと期待されています。今後は、ハイブリッドクラウド構成を含めた柔軟なAI基盤の選択肢を提供することで、企業の多様なAI活用ニーズに応えていく方針です。

まとめ

企業のDXを一過性の取り組みで終わらせないためには、現場で継続的に使える基盤とAIの存在が欠かせません。日本テラデータは、そうした“使えるDX”を支えるためのソリューションを提供しています。
Teradata Vantageによる高性能な処理能力と柔軟な環境対応、そしてTeradata Vantage AI Offeringを通じた高精度なエージェント型AIの活用は、多くの企業で成果をあげています。

「データがサイロ化していて活用しきれていない」「全社横断でのDX推進が進まない」——そうした悩みをお持ちの方にとって、日本テラデータのソリューションは有力な選択肢となるはずです。

会社概要

会社名

日本テラデータ株式会社

設立

2007420

本社

東京都港区赤坂2-23-1 アークヒルズ フロントタワー

代表者

代表取締役社長 大澤 毅

資本金

49千万円

親会社

Teradata Corporation(米国)

事業内容

日本企業のAIドリブン経営を実現するためのAIソリューション「Teradata Vantage AI Offering」の提供

 

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