マーケティングミックス(4P・4C)とは?売上拡大のための必要知識

更新日:2024-04-18 公開日:2022-09-21 by SEデザイン編集部

目次

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マーケティング施策を自社で効果的に実施したうえで、売上拡大につなげるためには「環境分析→戦略策定→実行」の各工程に対して適切な取り組みが求められます。そのうち、マーケティングの「実行戦略」にあたる工程で必要になるのが「マーケティングミックス」の考え方です。

マーケティングミックスを用いれば、多角的な視点から、自社で取り組むべき実行戦略を策定することができます。本稿では、そのマーケティングミックスの概要や具体例について解説します。

マーケティングミックスは施策全体の「実行戦略」

122377986_mマーケティングミックスのプロセスは、大別すると以下のプロセスに分けられます。

  • Step1:環境分析…自社の強み・弱みといった「内部分析」に加え、市場の状況を可視化する「外部分析」を行う。

  • Step2:基本戦略の策定…自社の参入可能性がある市場をSTP分析(セグメント・ターゲティング・ポジショニング)したうえで、マーケティングの基本戦略を策定する。

  • Step3:実行戦略(マーケティングミックス)の策定…基本戦略をもとに、ターゲット市場に対してのアプローチ方法について具体的な実行戦略を決定する。

  • Step4:施策の実行と評価…マーケティングミックスをもとに実行戦略を実施し、効果検証と改善を繰り返すことで売上拡大につなげる。

上記のStep3で実施する実行戦略の策定は、マーケティング“ミックス”と言われるように、複数のフレームワークやマーケティング手法を組み合わせるのが特徴です。

マーティングミックスで活用する代表的なフレームワークとしては「4P」「4C」が挙げられます。次項より、それぞれ個別に解説します。

自社視点での戦略策定に役立つ「4P」

138810092_m「4P」は、米マーケティング学者のエドモンド・J・マッカーシー(Edmund J. McCarthy)によって1960年代に提唱され、その後フィリップ・コトラー(Philip Kotler)らによって広められたフレームワークです。4Pは、正しい反応を市場から引き出すため、さまざまな要素を組み合わせるマーケティングミックスにおいても、重要度の高い分析方法とされてます。

現代のBtoBマーケティングにおいても主流なフレームワークである4Pは、以下の構成要素から成り立っています。

  •  Product(製品) 
  •  Price(価格)
  •  Place(流通)
  •  Promotion(宣伝)   

Product(製品)

「Product」は、企業が提供する商品やサービスそのものです。有形商材であれば、機能や仕様、デザインに加え、梱包材やパッケージ、保証内容までを含めます。ソフトウェアのようなデジタル媒体サービスの場合は、UI(ユーザーインターフェース)や保守管理なども含めた分析が必要です。

Price(価格)

「Price」は、プロダクトの価格を指します。プロダクトを売上につなげるためには、妥当性のある価格づけを行う「プライシング」が非常に重要です。「安ければいい」「なるべく高くするべき」と言い切れないのがプライシングの難しいところで、慎重かつ適切な価格をつけなければなりません。

Place(流通)

「Place」は、自主プロダクトを販売・提供するための流通経路です。商材によってさまざまな経路が考えられ、見込み顧客の購買プロセスも勘案したうえでの考慮が求められます。Placeには販売タイミングや配送手段も含まれ、「どこで、どう売るか」は自社のブランディングにも関わる要素です。

Promotion(宣伝)

「Promotion」は、見込み顧客に自社プロダクトを認知してもらい、興味関心を喚起して問い合わせにつなげるための広報宣伝のことです。

たとえば、テレビCMや新聞広告といったマスメディア、インターネットにおけるデジタル広告配信、自社の店頭POPや看板などです。また、販促キャンペーンの実施もPromotionに含まれます。

マーケットイン型で市場を捉える「4C」   

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「4C」は、米経済学者ロバート・F・ラウターボーン(Robert F. Lauterborn)によって、1990年代に提唱された顧客視点のフレームワークです。現在では、4Pは「企業(プロダクト)視点の分析方法」と言われているのに対し、4Cは「顧客視点の分析方法」とされています。4C誕生の背景には、市場の多様化により「必ずしも4Pが有効と言えなくなった」ことが挙げられます。

現に、近年のBtoBマーケティングでは「プロダクトアウト VS マーケットイン」の対比軸が語られるケースも増えてきました。

プロダクトアウトは、製品を提供する企業側が“提供したい”プロダクトを市場に投入する考え方です。その一方で、マーケットインは、顧客や市場のニーズを掘り起こし、それらを解決する製品やサービスを開発したうえで、市場に投入する手法を採ります。

比較検討が容易になった現代においてマーケットイン型の考え方は非常に重要で、マーケティングミックスにおいては4Cの活用が強く求められています。

4Cの構成要素は以下のとおりです。

  • Customer Value(顧客価値) 
  • Cost(負担額)
  • Convenience(利便性)
  • Communication(顧客とのやり取り) 

Customer Value(顧客価値) 

「Customer Value」は、プロダクトの価格そのものではなく、顧客が感じる価値を指します。たとえば、「高い」「安い」といった金銭的価値に加え、「使いやすい」「見た目がいい」といった機能面・デザイン面などの要素も総合して勘案します。

Cost(負担)  

「Cost」は、提供するプロダクトに対して顧客が「払ってもいい」と考える価格ラインです。この場合のCostには、金銭的負担以外にも、「工数などプロダクトを購入するまでにかかる作業負担も含まれます。

Convenience(利便性)

プロダクトの入手のしやすさについて定義するのが、“快適さ”を意味する「Convenience」です。マーケティングミックスにおけるConvenienceは「顧客がどれだけ手間をかけることなく、プロダクトを入手できるか」について考えます。

これはプロダクトの入手経路だけでなく、顧客の元に届くまでの時間なども合わせて考える必要があります。

Communication(顧客とのやり取り) 

「Communication」は、 プロダクトの提供企業と顧客の間で交わされるやり取りを指します。Communicationは「企業から顧客」の一方的なものだけでなく、サポートセンターの問い合わせ対応や質疑応答といった双方向的なものも含まれます。

Communicationで顧客の満足度を高めることができれば、前述の3要素を高めることにも繋がります。

マーケティングミックスを成功させるためのポイント  

142664287_m以上のようなフレームワークを活用したマーケティングミックスを成功させるためには、次の事柄も踏まえておかなければなりません。

  • ターゲティングや自社のポジショニングを定義しておく 
  • 「4P」と「4C」の両方を活用する 
  • 各施策で整合性がとれている状態を目指す 

ターゲティングや自社のポジショニングを定義しておく 

ターゲティングやポジショニングを定義するうえでは、「Step2:基本戦略の策定」でも解説しているとおり、自社のターゲティングやポジショニングが明確になっている必要があり、STP分析の活用が必要です。

STP分析は、まず市場を細分化して捉える「Segmentation(セグメンテーション)」を行うことが必須です。そのうえで、参入する市場を決定する「Targeting(ターゲティング)」、参入する市場における自社と他社の立ち位置を明確化する「Positioning(ポジショニング)」を実施する分析を行っていきます。

マーケティングミックスを行うには、その基本と戦略を適切に策定することが前提になるといえます。

「4P」と「4C」の両方を活用する 

4Pと4Cは、それぞれ「プロダクト」「顧客」の視点から自社の戦略を規定するものです。そのため、マーケティングミックスでは両フレームワークの要素を用いて戦略を立案するとより効果的です。

実施する順序としては、前述の「マーケットイン」の考え方を踏まえると「4C→4P」の流れが適切でしょう。

各施策で整合性がとれている状態を目指す 

マーケティングミックスでは「4P」「4C」の各要素をもとにして、いくつかの実行戦略を立てられます。この際、各戦略で整合性がとれていることが求められます。

「4P」「4C」の両方を合わせると下記の項目が考えられます。

  • Customer Valueに対する「製品(Product)戦略」
  • 顧客のCostに即した「価格(Price)づけ」
  • 顧客のConvenience を踏まえた「流通(Place)経路」の設計
  • 製品の特長や魅力が十分に伝わるCommunicationを前提とした「宣伝(Promotion)戦略」の実施

マーケティングミックスの成功例  

以下より、マーケティングミックスに成功した企業例について、4Pの観点から2社の事例を紹介します。

スターバックス

115968228_m©viewapart/123RF.COM

世界的なコーヒーチェーンであるスターバックスは、1995年に日本へ進出しています。スターバックスでは、自社が提供する価値はコーヒーといった製品だけでなく、サービス内容も含めた“空間そのもの”と定義しています。

店舗空間を家や職場(もしくは学校)に次ぐ「サード・プレイス(第3の場所)」として提供することで、マスメディアを通じた広告宣伝をせず、PRや口コミで安定した集客を達成しています。

<スターバックスの4P>

  • Product(製品)…商品だけでなく、サービスや店舗も含めた「サード・プレイス」としての空間
  • Price(価格)…ショートサイズのドリップコーヒー1杯が350円(税込)とやや高額(※2022年7月現在の値段)
  • Place(流通)…都市部の直営店がメイン(※フランチャイズ展開もあり)
  • Promotion(宣伝)…マスメディアを通じた広告宣伝を行わず、口コミや店頭看板のみ

ドモホルンリンクル 

株式会社再春館製薬所のドモホルンリンクルは、年齢を重ねた女性の肌悩みを解決のための基礎化粧品を提供しています。スターバックスとは対照的に、テレビCMや新聞広告といったマスメディアでの広告宣伝に力を入れています。

広告経由でコンタクトがあった見込み顧客に対して、コールセンターのオペレーターがそれぞれの肌の悩みに寄り添ったコミュニケーションをとるフォロー体制が構築されています。

  • Product(製品)…年齢を重ねた女性が肌に関する悩みを解決するための基礎化粧品
  • Price(価格)…基本セットが36,000円/月と高額
  • Place(流通)…架電やメールを中心とした通信販売
  • Promotion(宣伝)…マスメディアを中心とした大々的な広告宣伝

マーケティングミックスを活用して売上拡大に繋がる戦略を策定しよう

売上拡大を図るうえでは、マーケティングの実行戦略の策定において、マーケティングミックスを導入するなど、多角的な分析が必要です。マーケティングミックスで用いる代表的なフレームワークには「4P」「4C」があり、それぞれを活用すれば「自社視点」「市場視点」での分析ができます。

このように、複数のフレームワークも活用しつつ、効果的な売上拡大戦略を策定しましょう。

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