BtoB SEOとは?基本の5ステップとAI検索への対応を解説

更新日:2026-08-05 公開日:2017-11-14 by 鈴木 令子

目次

BtoB SEOとは?基本の5ステップとAI検索への対応を解説

BtoB企業でSEOに取り組もうとすると、「まず記事を増やすべきか」「AI検索が広がったいま何が変わったのか」で迷いがちです。

結論から言えば、着手する順番は変わっていません。変わったのはキーワードを選ぶときの判断基準と、記事に何を書けば読まれるかです。AI検索への対応も、特別な施策を別に始める話ではありません。

今回は、BtoB SEOの基本を5つのステップに整理し、AI Overview(AIによる概要)への対応をGoogleの公式見解にもとづいて解説します。

BtoB SEOとは?問い合わせや商談を獲得するための検索エンジン最適化

この記事の要点

・BtoB SEOは、検索ボリュームではなく「受注に近いか」でキーワードを選ぶのが出発点。課題は想像せず、商談ログや問い合わせ履歴から取り出す

直接CVを狙うサービスページと、潜在層を集めるコラムを作り分ける。同じページで両方を狙うと、どちらにも刺さらなくなる

・AI検索向けの特別な対応は不要。Googleは「AI OverviewやAIモードに表示されるための追加要件はない」「専用の構造化データも不要」と明記しており、基礎的なSEOが引き続き有効


BtoB SEOとは、企業向けの商品やサービスについて、問い合わせや商談を獲得するために行う検索エンジン最適化です。


Googleは、SEOを「検索エンジンがコンテンツを理解できるようにし、ユーザーがサイトを見つけられるようにすること」と説明しています。狙ったキーワードの順位を上げることだけがSEOではありません。

また、現在の検索結果には通常のリンクだけでなく、画像や動画、リッチリザルト、AIによる概要、AIモードなど複数の表示面があります。「広告か自然検索か」という二分法で考えると、実際の見え方とずれてしまいます。

参考:Google検索セントラル「SEOスターターガイド」

なお、SEOに取り組んでも、検索結果への掲載や順位、流入は保証されません。Googleも、ベストプラクティスを満たしていてもクロールやインデックス登録、検索結果への表示を保証しないと明記しています。確実な集客手段ではなく、中長期的に有力な集客経路になり得る施策として位置づけてください。

BtoCのSEOとの3つの違い

BtoBのSEOがBtoCと違うのは、主に次の3点です。この違いが、あとに続く5つのステップの前提になります。

違い SEOへの影響
検討期間が長い 衝動的に買われることがなく、比較検討に耐える専門的な情報が求められます。1本の記事で決まらないため、課題認識から導入判断までの各段階に情報を用意する必要があります。
複数の人が意思決定に関わる 利用部門、管理職、決裁者、情報システム部門などが別々の関心で検索します。同じ製品でも、知りたいことが人によって違います。
資産性がある 広告は出稿を止めると流入も止まりますが、検索で評価されたページは中長期的に集客を続ける可能性があります。その代わり、成果が出るまでに時間がかかります。

BtoB SEOの基本5ステップ

BtoB SEOは、次の順番で進めます。記事を書き始めるのは3つ目です。

  1. 購買グループの課題を一次情報から洗い出す
  2. 受注から逆算してキーワードを選ぶ
  3. サービスページとコラムを作り分ける
  4. モバイル対応・HTTPS・Core Web Vitalsを整える
  5. 検索データと商談データを結び付けて改善する

以下、順に見ていきます。

ステップ1:購買グループの課題を一次情報から洗い出す

最初にすべきなのは、ターゲット顧客を知ることです。ここを飛ばしてキーワードから入ると、アクセスは増えても商談につながりません。

個人ペルソナだけでなく「購買グループ」で考える

BtoBでは、1人の担当者だけで導入が決まることはほとんどありません。情報収集する担当者、現場の利用者、決裁する管理職、セキュリティや契約条件を見る情報システム・法務・調達といった複数の関係者が関わります。

たとえば情報収集を担当する方は「そもそもどんな手段があるか」を知りたい一方、決裁する方は「投資に見合う効果が出るか」を知りたいはずです。ペルソナは1人分ではなく、購買に関わる役割ごとに用意すると、あとのキーワード選定で迷いにくくなります。

課題は想像せず、商談ログと問い合わせ履歴から取り出す

課題の洗い出しでよくある失敗は、担当者だけで想像して決めてしまうことです。顧客が実際に使った言葉は、社内にすでにあります。

  • 営業の商談メモ・日報に書かれた「困っていること」
  • 問い合わせフォームやチャットに届いた質問
  • 失注理由と、そのとき比較されていた選択肢
  • 既存顧客からの問い合わせ・サポートへの質問
  • 展示会やセミナーで実際に聞かれた質問

これらは競合が持っていない一次情報です。特に失注理由と比較対象は、検討段階のキーワードを見つける手がかりになります。可能であれば、営業担当者に月1回でも「今月よく聞かれた質問」を共有してもらう仕組みを作ってください。

洗い出した課題を検索データで検証する

社内から集めた課題は、実際に検索されている言葉と一致しないことがあります。業界の内部でしか使わない用語で書いてしまうと、検索では見つけられません。

洗い出した課題を検索し、実際に上位に出てくるページがどんな内容かを確認してください。上位ページの内容と自社が書きたい内容がずれている場合、そのキーワードでは求められている答えが別にあるということです。

ステップ2:受注から逆算してキーワードを選ぶ

ここがBtoB SEOで最も差が出るところです。

検索ボリュームよりCV確度を優先する

キーワード選定では、つい検索ボリュームの大きい言葉を狙いたくなります。しかしBtoBでは、検索数が多いキーワードほど、購買につながらない層も多く含まれます。

優先すべきは「受注に近いか」です。具体的には、比較・費用・事例・導入方法・要件といった検討段階の言葉、そして自社の専門性を示しやすいテーマから着手します。月間検索数が少なくても、5件の検索のうち1件が商談になるキーワードのほうが、事業への貢献は大きくなります。

購買段階ごとにキーワードを分類する

集めたキーワードは、購買段階別に整理すると抜け漏れが見えます。

段階 キーワードの例 用意するコンテンツ
課題認識 「○○ 工数 削減」「○○ ミス 原因」 解説記事、チェックリスト
解決策探索 「○○ 方法」「○○ システム」 選び方、導入ガイド
比較検討 「○○ 比較」「○○ 費用」 比較の観点、料金の考え方、FAQ
導入判断 「製品名 事例」「製品名 セキュリティ」 導入事例、仕様、サポート体制
指名検索 会社名・製品名 サービスページ、会社情報

この表で埋まっていない段階が、いま取りこぼしている見込み顧客です。比較検討と導入判断の段階が空白のまま課題認識の記事だけを増やしても、商談は増えません。

最初はロングテールから着手する

「SEO」「マーケティング」のような単語1つの大きなキーワードは、競合が多く、検索意図も広すぎます。複数の語を組み合わせた具体的なキーワード(ロングテールキーワード)から始めるほうが、成果が見えるまでの時間を短くできます。

検索ボリュームや競合状況の把握には、キーワードプランナーなどのキーワード調査ツールを利用できます。ただし数字は判断材料の1つで、最終的な優先順位は「受注に近いか」で決めてください。

ステップ3:サービスページとコラムを作り分ける

コンテンツSEOの考え方

キーワードが決まったら、コンテンツに落とし込みます。ここで重要なのは、ページの役割を混ぜないことです。

直接CVを狙うページと潜在層を集めるページを分ける

BtoBサイトのページは、大きく2種類に分かれます。

  • サービスページ:問い合わせや相談を直接狙うページ。指名検索や比較検討・導入判断のキーワードを受け止める
  • コラム・お役立ちページ:課題認識や解決策探索の段階で見つけてもらい、資料請求やメルマガ登録につなげるページ

この2つを1ページで兼ねようとすると、解説としては物足りず、営業資料としては情報が足りない中途半端なページになります。先にどちらの役割かを決めてから書くと、構成もCTAの置き方も定まります。

キーワードは自然な形で反映する

タイトル、ディスクリプション、見出し、本文、画像の代替テキストに、対策キーワードを自然に反映します。かつてはキーワードを大量に埋め込む手法もありましたが、現在は検索意図に答えられているかで評価されます。同じ語を機械的に繰り返す必要はありません。

特に効果が大きいのは、記事の冒頭で問いに直接答えることです。結論、条件、注意点を先に短く示し、その後に理由や具体例を説明する構成にしてください。これは後述するAI検索への対応とも共通します。

自社にしか書けない情報を必ず入れる

Googleは、独自の情報・調査・分析や、実体験に基づく専門性を評価するとしています。一般論だけをまとめた記事は、生成AIでも作れるため差がつきません。次のような情報を1つでも入れてください。

  • 実際の導入事例と、そこで出た成果
  • 顧客が比較した選択肢と、選ばれた理由
  • 料金の考え方、導入期間、必要な体制
  • うまくいかなかったケース、適さないケース
  • 自社で行った調査やアンケート、検証データ
  • 執筆者・監修者と、参照した情報源

導入事例は、この観点でもっとも使いやすい素材です。顧客の課題、選定理由、導入過程、成果は自社でなければ書けない一次情報であり、専門性と信頼性を示す材料になります。

参考:Google検索セントラル「有用で信頼性が高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」

ステップ4:モバイル対応・HTTPS・Core Web Vitalsを整える

技術面は、順位を大きく上げる打ち手ではなく、評価される前提を満たすための整備です。

モバイル版をデスクトップ版と同等にする

Googleはモバイルファーストインデックスへの移行を2023年10月に完了しており、原則としてスマートフォン用のクローラーが取得したモバイル版の内容をインデックス登録とランキングに使用します。

BtoBサイトは実際の訪問者にPC利用者が多いことも珍しくありませんが、訪問者の内訳とは関係なく、モバイル版の整備が必要です。本文だけでなく、見出し、タイトルやディスクリプション、画像の代替テキスト、構造化データもデスクトップ版と同等にしてください。操作しないと表示されない主要コンテンツにも注意が必要です。

参考:Google検索セントラル「モバイルファーストインデックスのベストプラクティス」

表示速度と操作性はCore Web Vitalsで確認する

表示速度や操作性は、Core Web Vitalsという指標で確認します。現在の指標と目安は次のとおりです。

指標 確認する体験 「良好」の目安
LCP 主要なコンテンツが表示される速さ 2.5秒以内
INP クリックや入力に対する応答性 200ミリ秒未満
CLS 意図しないレイアウトのずれ 0.1未満

目標値は、実際のユーザーによる測定値の75パーセンタイルを基準に判定されます。なお2024年3月12日に、INPが従来のFIDに代わるCore Web Vitalになりました。INPは最初の操作だけでなく、ページ滞在中の操作全体への応答性を測るため、JavaScriptの長い処理も確認対象になります。

計測では、Search ConsoleやPageSpeed Insightsで得られる実ユーザーのデータ(フィールドデータ)を継続的に監視し、原因調査にはLighthouseなどのラボデータを併用すると絞り込みやすくなります。ただし、スコアが良好でも上位表示が保証されるわけではありません。コンテンツの内容とあわせて改善してください。

参考:Google検索セントラル「Core Web VitalsとGoogle検索結果」

HTTPS化は前提。移行時は取りこぼしに注意

HTTPSは通信を暗号化し、盗聴や改ざんのリスクを抑えます。GoogleはHTTPSをランキングシグナルとして使用していますが、HTTPS化だけで検索順位が大きく上がるわけではありません。

HTTPから移行する場合は、URLごとの恒久的なリダイレクト、HTTPSを指すcanonical、内部リンクとサイトマップの更新、そしてHTTPの画像やスクリプトが残る混在コンテンツの解消まで確認してください。リダイレクトは通常1年以上維持することが推奨されています。

ステップ5:検索データと商談データを結び付けて改善する

SEOは公開して終わりではありません。月1回程度、次の観点で見直します。

  • 表示されているのにクリックされていないページ(タイトルとディスクリプションを見直す)
  • 順位が上がり始めたページ(内容を追記して押し上げる)
  • 流入は多いが問い合わせにつながらないページ(CTAと次に促す行動を見直す)
  • 実際に商談につながった検索語とページ(同じ型を横に広げる)
  • 情報が古くなった記事、内容が重複している記事

検索前の動きはSearch Console、訪問後の動きはアクセス解析で確認できます。重要なのは、アクセス数だけで判断せず「記事→サービスページ→問い合わせ」の遷移まで見ることです。BtoBでは検討期間が長いため、公開してすぐには成果が見えません。3〜6か月単位で見てください。

AI検索(AI Overview)にどう対応するか

AIによる概要やAIモードが広がり、「AI検索向けの対策を別に始めるべきか」という相談が増えています。

Googleは「AI検索向けの追加要件はない」と明記している

結論として、AI Overview専用の特別なSEOを別途始める必要はありません。Googleは公式ドキュメントで、AI OverviewsやAIモードに表示されるための追加要件はなく、追加すべき専用の構造化データもないと明記しています。従来のSEOの基礎がそのまま有効です。

あわせて、AI向けのファイルとして話題になるllms.txtについても、Google検索では無視されると明記されています。Google検索への掲載を目的にllms.txtを用意する必要はありません。

参考:Google検索セントラル「AI機能とウェブサイト」同「生成AI機能向けにウェブサイトを最適化するためのガイド」

実務で強化すべき5つのこと

特別な施策は不要ですが、基礎の中で優先度が上がった項目があります。

  1. 冒頭で問いに直接答える:結論・条件・注意点を先に簡潔に示し、その後に理由や事例を説明します
  2. 細かい関連質問までカバーする:AI検索は元の質問を複数の関連検索へ展開します(query fan-out)。費用、比較、導入条件、失敗例、業種別の違いなどを独立した見出しで扱ってください
  3. 一次情報を増やす:AIが一般論を生成できるからこそ、事例、調査結果、検証、専門家の見解といった代替できない情報が差になります
  4. 重要な情報をHTMLのテキストで載せる:料金、仕様、導入条件をPDFや画像だけに閉じ込めず、ページ本文にも記載します
  5. 出典と責任主体を明確にする:著者・監修者、会社情報、調査方法、出典、更新履歴を明示します

いずれも、これまで述べてきたステップ1〜5と別のものではありません。AI検索への対応は、基礎SEOの延長線上にあります。

効果はSearch Consoleで確認する

AI検索経由の見え方は、Search Consoleの生成AIパフォーマンスに関するレポートで確認できます。提供状況はアカウントや地域によって異なるため、ご自身の環境で利用できるかを確認してください。

AI検索では、回答を読んで満足しクリックに至らないケースが増えます。クリック数だけで判断せず、表示回数や引用状況もあわせて見て、最終的には問い合わせ・商談で評価してください。

 

BtoB SEOに関するよくある質問

BtoBとSEOの相性は?

相性は良い組み合わせです。BtoBの購買担当者は、営業担当者に会う前に検索で情報収集を済ませることが多く、検索での見え方がそのまま商談機会に影響します。また検討期間が長いため、課題認識から導入判断までの各段階に記事を用意しておくと、長い検討の間に何度も接点を持てます。一方で、成果が出るまでに時間がかかる点は前提として押さえてください。

SEO対策はする意味はなくなりましたか?

なくなっていません。AIによる概要やAIモードが増えたことでクリックされにくい検索は確かにありますが、GoogleはAI OverviewやAIモードに表示されるための追加要件はないと明記しており、これらもインデックスされたページを参照します。つまり、インデックスされている・内容が有用である・構造が整っているという基礎がそのまま効きます。変わったのは「上位のリンクを取る」から「引用され、指名で選ばれる」ことの比重が増えた点です。

BtoCとBtoBのどちらがSEO対策に向いていますか?

自社の事業がどちらかで決まるもので、優劣はありません。SEOの進め方として違うのは、BtoCが検索ボリュームと購買までの短さを活かしやすいのに対し、BtoBは検索数が少なくても受注に近いキーワードで成果が出せる点です。BtoBで検索ボリューム基準でキーワードを選ぶと、アクセスは増えても商談が増えない状態になりやすいので注意してください。

成果が出るまでどのくらいかかりますか?

一律には言えませんが、BtoBでは検討期間そのものが長いため、公開から数か月単位で見る必要があります。Googleもクロールやインデックス登録、検索結果への表示を保証しないと明記しており、期間を確約できるものではありません。最初の数か月は順位や表示回数の変化、その後に問い合わせへの寄与という順で確認するのが現実的です。

まとめ:BtoB SEOは「受注からの逆算」と「基礎の徹底」で決まる

BtoB SEOの位置づけ

BtoB SEOの進め方は、①購買グループの課題を一次情報から洗い出す、②受注から逆算してキーワードを選ぶ、③サービスページとコラムを作り分ける、④モバイル対応・HTTPS・Core Web Vitalsを整える、⑤検索データと商談データを結び付けて改善する、の5ステップです。

AI検索が広がっても、この順番は変わりません。Googleが「AI検索向けの追加要件はない」と明記しているとおり、やるべきことは基礎の徹底と、自社にしか書けない一次情報の追加です。

そして、その一次情報として最も使いやすいのが導入事例です。顧客の課題、比較した選択肢、導入の経緯、出た成果は、他社が真似できない材料になります。

SEデザインでは、BtoB企業のコンテンツ制作とAI検索を含む検索対策のご支援を行っています。何から着手すべきか整理したい段階でもご相談いただけます。

 

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