URL短縮サービスとは、正規URLの文字数を減らし、短いURLに変換するサービスのことです。元のURL文字列を圧縮加工して短縮版のURLを生成することで、見た目や文字数をスッキリとさせる効果があります。
当記事ではURL短縮サービスの概要とメリット、デメリットなどを紹介します。
URL短縮サービスの概要
URL短縮サービスとは、正規URLの文字数を減らして短いURLとして変換・提供するサービスのことです。URLを変更することなく、文字列を減らして短く表示することができます。
ここではURL短縮サービスの概要を、「URL短縮サービスとは?」と「短縮URLサービスの構造」の2つに分けて紹介します。
URL短縮サービスとは?
URL短縮サービスとは、文字数の多いURLをデータベースに保存し、文字数の少ないURLに置き換えて発行するサービスのことです。自動生成が基本ですが、サービスによっては文字列のカスタマイズや独自ドメインの利用、クリック数などのアクセス解析も行えます。
また、URLが短縮されるとURLが見やすくなり、ユーザーにとっての利便性向上も期待できます。
ただし、短縮URLは詐欺などの悪質サイトへの誘導URLとして利用されているケースもあり問題になっていることから、クリック数減少につながることもあるので注意が必要です。
短縮URLサービスの構造
短縮URLの場合、
というように、2つのサーバーを経由します。
正規URLから短縮URLを作成すると、正規URLは短縮URLサービスのデータベースへ登録され、短縮URLサービスのサーバーと連携されます。ユーザーが短縮URLをクリックすると、サーバーに紐づけされた正規URLを通過して目的のサイトページへとアクセスできるのです。
URL短縮サービスを利用する5つのメリット
URL短縮サービスを利用するおもなメリットには、以下の4つがあります。
- URLが覚えやすく、伝えやすくなる
- デバイスを問わずシンプルに表示できる
- リンク切れの防止
- リンクのクリック数を計測可能
- クリックされやすくなる
ここでは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
1. URLが覚えやすく、伝えやすくなる
短縮URLを使う最大の利点のひとつは、「覚えやすさ」です。通常のURLは、長くて複雑な文字列が並んでおり、一度見ただけで記憶するのは困難です。しかし、短縮URLであればシンプルな構造になるため、視覚的にも記憶に残りやすくなります。
また、誰かにURLを口頭で伝えたいときや、メモに書き留めたいときにも、短縮URLのほうが圧倒的に便利です。たとえば、電話中にリンクを案内する場面や、セミナー・イベントでスライドにURLを表示する場合でも、短いURLであればスムーズに共有できます。
2. デバイスを問わずシンプルに表示できる
短縮URLの場合、デバイスを問わずURLをシンプルに表示できます。スマートフォンのように画面が小さいデバイスに長いURLを表示させると、画面がURLでいっぱいになってしまうことも少なくありません。しかし、短縮URLに置き換えると、理想的なレイアウトを保ったままでURLを表示することができます。
また、Twitterなどのように文字数制限がある投稿の際も、短縮URLを使用することで不要に文字数を使うことなく投稿することが可能です。
3. リンク切れの防止
リンク切れの防止ができる点もメリットの一つです。
文字数が多いURLの場合、意図していないところで改行が入ってしまうことがあります。改行が入ってしまうと正しく認識されず、リンク切れを起こして意図するWEBページにアクセスできません。
しかし、短縮URLの場合は改行が入らないため、リンク切れを未然に防止できます。
4. リンクのクリック数を計測可能
リンクのクリック数を計測できる点もメリットです。
正規URLの場合、Googleアナリティクスなどを活用しなければ、リンクのクリック数を計測できません。しかし、URL短縮サービスのなかには、リンクのクリック数の計測や解析、QRコードの作成などが可能なタイプもあります。
アクセス解析ツールの設定や操作方法が難しいと感じる場合にも、短縮URLの活用を検討してみるとよいでしょう。
クリック数をはじめとしたKPI設定のコツは「KGI・KPIの設定方法と達成のポイント」で詳しく解説しています。
5. クリックされやすくなる
短縮URLを使うことで、リンクの見た目がシンプルかつスマートになり、ユーザーにとって視認性が高まります。無駄な文字列が省かれることで、情報としての「ノイズ」が減り、クリックという行動につながりやすくなります。
さらに最近では、スパムやフィッシングといったネット上のリスクに対する警戒感が強まっており、複雑で不自然に長いURLに対して不信感を持つユーザーも少なくありません。その点、短縮URLはコンパクトで明瞭な印象を与えるため、安心感をもってクリックしてもらえる可能性が高くなります。
URL短縮サービスを利用する3つのデメリット
URL短縮サービスを利用する際のおもなデメリットには、「サービスの終了でリンク切れが発生する」「ユーザー側で危険なサイトとの区別がつかない」「Webページの表示速度が遅くなる」などあります。
前述のとおり、URL短縮サービスは詐欺サイトやフィッシングサイトに利用されるケースがあり、問題となっています。正しく利用するためにも、URL短縮サービスのデメリットについてみていきましょう。
1. サービスの終了でリンク切れが発生する
URL短縮サービスの終了によって、リンク切れが発生する可能性があります。URL短縮サービスが終了すると、元のURLと発行された短縮URLとのつながりがなくなるためです。
一般的には、サービス終了時にリンク切れが起きる可能性がある場合、終了まである程度の期間が設けられています。サービス終了までの期間内に別のURL短縮サービスの利用やURLの再設定を行い、リンク切れの発生を回避しましょう。
2. ユーザー側で危険なサイトとの区別がつかない
短縮URLの場合、どのサイトにアクセスするのか見た目で判断しづらいため、ユーザーから警戒されることがあります。
ユーザーに警戒されないためにも、短縮URLと合わせてリンク先のサイトの素性を簡単に記載しておくとよいでしょう。
3. Webページの表示速度が遅くなる
短縮URLの場合、リンク先を表示する速度が遅くなることがあります。
前述のとおり、短縮URLはそのサービス専用のサーバーを経由して目的のWebページにアクセスします。そのため、目的とするサイトにアクセスするまでの処理が増え、Webページの表示に時間を要するのです。
表示速度の遅延は、ユーザーの離脱率増加につながる可能性があるので注意しましょう。
【無料】おすすめのURL短縮サービス10選
URL短縮サービスは無料タイプから有料タイプのものまで、さまざまな種類があります。サービスを効果的に活用するためにも、各サービスを比較・検討して、目的や状況に適したサービスを選びましょう。
ここでは、無料で使える10のURL短縮サービスを紹介します。
- 00Min:無料登録でクリック数やアクセス解析も可能
- Bitly:AmazonやXで使われているサービス
- URX.NU:Googleマップとの連携に優れている
- is.gd:ボックスにURLを貼り付けるだけのシンプル設計
- Tiny.cc:無料利用の場合はURLに期限あり
- Ow.ly:SNS管理ツールの短縮URLサービス
- X.gd:ブラウザ拡張機能も提供
- TinyURL:アメリカ発の老舗サービス
- 短縮URL作成ツール:develop.toolsの便利ツールの一つ
- Shot.io:独自ドメインで作成できる
1. 00Min:無料登録でクリック数やアクセス解析も可能
「00Min(ゼロミン)」は日本企業の株式会社プライミンズが運営しているURL短縮サービスで、どのようなURLであっても「00m.in/+5文字」のURLに変換可能です。
URLの変換と同時にQRコードの自動生成ができるため、作業の手間を省くことができるでしょう。無料で行えるユーザー登録をするだけで、任意の文字列にカスタマイズできるほか、クリック数やアクセス解析も行えます。
有料プランを利用すると独自ドメインで短縮URLを発行することもできるので、独自ドメインにこだわりがある方にもおすすめです。
2. Bitly:AmazonやXで使われているサービス
Bitly社が提供する「Bitly」はURL短縮のみに特化したサービスです。会員登録やログイン不要で、Bitlyのトップページにある「Paste a link to shorten it」と書かれた欄にURLを入力するだけで短縮URLを作成できます。
AmazonやXでも短縮URLが自動生成されますが、そこで使用されているのがBitlyです。
また、アカウントを作成すれば、短縮URLの効果測定機能なども利用可能です。Bitlyも有料プランでは独自ドメインによる短縮URLの作成に対応しています。
3. URX.NU:Googleマップとの連携に優れている
「URX.NU」は株式会社ギガファイルが提供する短縮URLサービスで、特にGoogleマップとの連携機能に優れているのが特長です。住所や地名を入力するだけで、該当地点のGoogleマップリンクを自動で短縮URLに変換できます。URLに改行が入ってリンクが崩れるのを防ぎたい場面や、マップ情報をシンプルに共有したい場合に便利です。
発行時にはQRコードも同時に生成され、メンテナンス用URLを保存しておけばアクセス数の確認や編集も可能です。さらに、有効期限の設定にも対応しており、一定期間だけ有効にしたいキャンペーン用URLなどにも活用できます。日本語での案内も整っているため、はじめて使う人でも安心して利用できるサービスです。
4. is.gd:ボックスにURLを貼り付けるだけ
「is.gd」は、シンプルな使いやすさで根強い人気を持つ無料の短縮URLサービスです。長年にわたって安定してサービスを提供しており、信頼性のある定番ツールのひとつとなっています。「https://is.gd/●●」のように、極めて短くすっきりしたURLが生成されるのが特長です。
使い方も非常にシンプルで、公式サイト上のボックスにURLを貼り付けて「Shorten!」ボタンを押すだけで即座に短縮されます。任意の文字列を使ってカスタムURLを設定することも可能で、QRコードの自動生成やアクセスログの確認といった基本機能も網羅しています。とにかく素早く、手軽に短縮URLを作りたいというニーズにぴったりのサービスです。
5. Tiny.cc:無料利用の場合はURLに期限あり
Twitterの短縮URL機能として使われていた「Tiny.cc」は、2006年に提供が開始されたサービスで、is.gdと同じくユーザー登録不要でURLをカスタマイズできます。
ただし、無料利用の場合は短縮URLに期限が設けられているため注意が必要です。期限を超過するとインタースティシャルと呼ばれるページを経由しなければならず直接目的のページにアクセスできなくなるため、ユーザーにとっては非常に煩わしい状態となるでしょう。
期限なしで短縮URLを利用したい場合は、有料プランへ加入する必要があります。また、Tinycc.comというプランでは、クリック解析などの機能やオプションも用意されています。
6. Ow.ly:SNS管理ツールの短縮URLサービス
「Ow.ly」は、SNS管理ツールとして知られるHootsuiteが提供する短縮URLサービスです。Hootsuiteに無料登録することで利用可能となり、「http://ow.ly/●●」の形式で短縮URLを発行できます。SNS投稿と同時に短縮URLを生成できるため、投稿の手間を省きつつ見た目もすっきり整えられます。
Hootsuite上での投稿スケジュール管理や分析機能とも連携できるため、SNS運用全体の効率化に役立つのが特長です。アクセス解析などの高度な機能は有料プランで利用可能ですが、SNSマーケティングに注力している企業にとっては、短縮URL機能を含む総合的なツールとして活用価値が高いサービスです。
7. X.gd:ブラウザ拡張機能も提供
「X.gd」は、日本国内で提供されている短縮URLサービスで、登録不要・無料で誰でも手軽に使えるのが魅力です。「https://x.gd/●●」というシンプルかつ極めて短いURLを生成でき、口頭や資料上での共有にも適しています。国産サービスならではの安心感に加え、1文字ドメインならではの印象的な短さも強みです。
アクセス解析機能も備えており、URL末尾に「+」を付けるだけでクリック数や参照元などの情報を確認できます。また、ブラウザ拡張機能やAPIも提供されており、業務効率化やシステム連携にも対応可能です。シンプルながらも多機能な国産ツールとして、幅広い用途に対応できるサービスです。
8. TinyURL:アメリカ発の老舗サービス
「TinyURL」は、2002年に米国の開発者ケビン・ギルバートソン氏によって公開された、老舗の無料短縮URLサービスです。現在は「TinyURL LLC」として米国サウス・ダコタ州に拠点を構えており、20年以上にわたってサービスを継続していることから、安定性と信頼性に定評があります。「https://tinyurl.com/●●」の形式で、誰でもすぐに短縮URLを生成可能です。
無料プランでも有効期限なしのリンク生成やQRコードの同時発行、リダイレクト前にリンク先を確認できるプレビュー機能など、基本的な機能が揃っています。有料プランに切り替えることで、アクセス解析やカスタムドメインの設定、リンク管理機能など、より高度なニーズにも対応できる点も魅力です。
9. 短縮URL作成ツール:develop.toolsの便利ツールの一つ
「短縮URL作成ツール」は、Web上でさまざまな無料ツールを提供している「develop.tools」の中のひとつです。URLを入力するだけで、「https://x.gd/●●」の形式で短縮リンクが即座に生成され、登録不要で誰でも手軽に利用できます。インターフェースも非常にシンプルで、初めての利用でも迷うことなく操作できる点が魅力です。
このツールは、前述の「X.gd」と同じドメイン形式を採用しており、内部的には同じ短縮サービスの仕組みを利用していると考えられます。「develop.tools」ではこの他にも、QRコード作成、文字数カウント、OGP情報確認、ダミー画像作成など、多彩な便利ツールが揃っており、Web業務をサポートするツール群の一部として気軽に短縮URLを作成できる点が特徴です。
10. Shot.io:独自ドメインで作成できる
「Short.io」は、独自ドメインで短縮URLを作成できる点が特長の高機能なURL短縮サービスです。無料プランから利用でき、ブランド名や用途に応じた独自ドメインを活用したリンクの発行が可能です。チームでの共同管理や複数ドメインの運用にも対応しており、企業や団体での本格運用にも適した設計になっています。
有料プランに移行すれば、クリック分析(地域・デバイス・参照元など)やUTMパラメータの活用、リンクの有効期限設定やパスワード保護といった、マーケティングに役立つ多彩な機能が利用可能になります。API連携やZapier対応もあり、他の業務ツールと組み合わせた柔軟な活用も可能です。カスタマイズ性と分析機能を重視する方におすすめのサービスです。
URL短縮サービスは共有相手を考慮しよう
URL短縮サービスについて、概要やメリット、デメリットなどを解説しました。
URLを表示させる際、正規URLが短いものであれば、わざわざ短縮URLを活用する必要はありませんが、長文でユーザーにとってわかりにくいと思われる場合は、短縮URLを活用するとよいでしょう。
しかし、短縮URLにはシンプルに表示ができるメリットがある反面、Webページの速度表示の遅延やユーザー側で危険サイトとの区別がつかないといったデメリットもあります。
また、詐欺サイトなどで利用されているケースも増えているため、短縮サイトを利用する際には、簡単なサイト情報を記載するなど、ユーザーの不安を取り除く工夫が求められています。
共有する相手のことを考慮し、状況に応じてデメリットとメリットを想像しながら上手にURLを活用していきましょう。
SEデザインでは、さまざまなコンテンツマーケティングの支援を行っております。貴社に最適な施策やプランをご提案させていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。