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多くのデザイナーやクリエイターが利用するAdobeのクリエイティブ関連ソフト「Adobe CC」(Adobe Creative Cloud)。
本記事ではAdobe CCとはどのようなものなのか?という疑問にお答えすべく、概要や利用内容、利用のメリットなどについてご紹介します。
そもそもAdobe CC とは?
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そもそも、Adobe CCとはどのようなサービスなのでしょうか。ここではAdobe CCの概要とAdobe CSとの違いについてご紹介します。
Adobe社が提供するサブスクリプションサービス
Adobe CCとは、「Adobe Creative Cloud」の略でAdobe社が提供するクリエイティブソフトのサブスクリプションサービスのことです。月額料金を支払うことでAdobeのさまざまなクリエイティブツールを自由に使うことができます。
Adobe社はもともと「Adobe CS」と呼ばれる買い切り型のソフトを提供していましたが、2012年にAdobe CCの提供をスタート。ソフトの集約がすすめられ、現在ではAdobe CCですべてのツールの利用が可能です。
クラウド化されたことでアップデートやデータ管理が容易になった点、パソコンやタブレット、スマホなどマルチデバイスに対応している点がAdobe CCの特徴といえるでしょう。
Adobe CSとは?
先にもお伝えしたようにAdobe CSは買い切り方のソフトです。Adobe CSはソフト購入することで永久ライセンスを取得する支払い方法を採用し、一度購入すればその後は継続的に使い続けることができました。
しかし、2012年にAdobe CCの提供をスタートが始まってから、Adobe CSの新規発売はなくなりました。お店によっては買い切り版を購入することは可能かもしれませんが、かなり古いうえAdobeもサポート対象から外しているため、おすすめできません。
現在のAdobe 提供ソフトの支払い方法は、月間もしくは年間単位でのサブスクリプション型のみです。
Adobe CCをインストールするとできること
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Adobe CCを利用すると、おもに以下のようなことができるようになります。
デザインの作成や編集
Adobeのアプリの利用用途として一般的に広く認識されているのがデザイン作成や編集です。デザインの作成や編集に利用できるアプリは次のとおりです。
- Adobe Illustrator CC
- Adobe Photoshop CC
- Adobe InDesign CC
- Adobe XD
Adobe Illustratorはおもにロゴやアイコンなどのデザイン制作に特化したツールです。Adobe Photoshopはデザインやイラストの作成だけでなく、画像にぼかしを入れる加工や画像の切り抜きなどの画像編集や、3Dや写真の補正など、幅広い用途の活用が可能です。
Adobe InDesign CCは書籍やカタログなど文字量やページが多い制作物に向いており、印刷や出版業界では主流のアプリといえます。Adobe XDは、Webサイトはもちろんのこと、モバイルアプリなどのデザインにも適したアプリです。コーディングの知識がなくても、直感的な操作で高い品質のデザインを作成できます。
画像の編集やレタッチなどの加工
画像の編集やレタッチなど写真の編集や加工も可能です。これらの作業を行えるアプリには次のようなものがあります。
- Adobe Photoshop Lightroom
- Adobe Photoshop CC
Photoshop Lightroomは写真専用の画像編集アプリです。プロアマ問わず、写真にこだわりを持つ方に嬉しい機能が豊富に搭載されています。
Photoshop CCもAdobe CCにおける主要シリーズの一つで、写真の編集機能を備えていますが、Photoshop Lightroomは写真家向けの「現像や管理」、Photoshop CCは「画像加工」に特化しています。
動画の編集や合成
動画の編集や合成作業でもAdobe CCのアプリが利用されています。昨今ではYouTuberをはじめ多くの動画クリエイターがAdobeの動画編集アプリを利用しています。動画の編集や合成が行えるアプリは次のとおりです。
- Adobe Premiere Pro CC
- Adobe After Effects CC
Adobeの動画編集アプリといえばPremiere Pro CCです。4Kなどのあらゆる映像制作が可能で、高い色彩表現力を備えています。After Effects CCはモーショングラフィックスなどを用いて映像表現の幅を広げることができるアプリです。
Webサイトの作成や編集
デザインや画像編集だけでなく、Webサイトの作成や編集作業もAdobe CCで行うことができます。Webサイトの作成ができるアプリは次のとおりです。
- Adobe Dreamweaver
Dreamweaverは自由度が高くWebサイトのデザインができる点で人気です。HTMLやCSSなどを自由に組み合わせられるため、よりユーザーのニーズに近いWebページを作成できます。
Adobe CCを利用する5つのメリット
Adobe CCの利用で作業の幅が広がることが分かったところで、続いてAdobe CCを利用する5つのメリットについてご紹介します。
常に最新版の状態で利用可能
Adobe CC最大のメリットは、常に最新バージョンで各アプリを利用できることです。Adobe CSの場合、バージョンアップのたびに再購入しなければ最新版を利用できませんでしたが、Adobe CCなら常に最新機能を使うことができます。
月々のコストはかかりますが、常に最新版のサービスや機能を利用し、作業効率を上げたい方にはAdobe CCがおすすめです。
ほかのアプリとの連携が容易
写真や画像、動画などのデザイン作業は、さまざまなメディアを組み合わせながら行うことが多いものです。Adobe CCはほかのアプリと連携させながら横断的に効率よく作業を行うことができます。
1ライセンスで2台まで利用可能
Adobe CCは1ライセンスで2台まで利用可能です。そのため自宅のデスクトップと持ち運び用のノートパソコンなど、用途に応じて使い分けることもできます。また、マルチデバイス対応な点もAdobe CCの長所といえるでしょう。
ただし、Adobe CCの個人版ライセンスでは、1度に使用できるデバイスは1台までとする利用制限があります。制限にかかった場合は、2台のいずれかのデバイスをログアウトさせることで解消されます。
ライセンス追加や変更が容易
Adobe CCのグループ版は会社単位のライセンスなので、入退社に伴うライセンス追加や変更などを管理コンソールだけで簡単に行うことができます。
大人数で使用する場合、ライセンス管理の負担削減に寄与することでしょう。
ネットなどに関連情報が豊富にある
Adobeのアプリは日本のみならず世界中のクリエイターが利用しています。そのためネットや書籍などに有益な関連情報が豊富にあり、インターネットで検索するだけで、初心者向けの基本情報から上級者向けの高度な情報まで幅広く見つけることができます。
使い方がわからないときや問題が発生したときも、すぐに解決策を調べることができるので安心です。
Adobe CCの利用には何が必要?
Adobe CCの利用を開始するためには何が必要なのでしょうか。ここでは、価格や購入方法、ダウンロードの仕方をご紹介します。Adobe CCの利用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
価格と購入方法
Adobe CCの個人向けプランには、次の3つがあります。
- フォトプラン(税込1,180円~/月)
- 単体プラン(税込3,280円~/月) ※Acrobatは1,980円/月
- コンプリートプラン(税込7,780円~/月)
フォトプランとは写真関連のアプリに特化したプランで、Photoshop、Lightroom、Lightroom Classicの3つのアプリを利用できます。
単体プランはAdobeのアプリを1つだけ利用することができるプランです。単体プランの場合、アプリによって月額料金が異なり、IllustratorやPhotoshopなど人気のアプリは3,280円(税込)となっています。学生や教職員向けには、通常より割引価格で提供されています。アプリごとの料金詳細はAdobeの公式サイトをご確認ください。
コンプリートプランは20以上のすべてのアプリを利用できます。アプリを3つ以上利用する場合はコンプリートプランがおすすめです。はじめて利用する場合には7日間の体験期間があるため、まずは無料体験してから継続的に利用するか判断してみるとよいでしょう。
ダウンロードは公式ホームページから
Adobe CCはAdobeの公式ホームページからのダウンロードできます。
Creative Cloudソフトをダウンロード後、ソフトを起動し、Creative Cloudソフトから利用したいアプリをダウンロードしてください。ダウンロード完了後はオフラインでもアプリを利用できます。クラウドにアップロードする際やライセンス承認の際はネットワーク接続が必要なので、注意しましょう。
参考: Adobe Creative Cloudアプリをダウンロード
Adobe CCでクリエイティブの幅を広げよう
Adobe CCの概要やメリットについてご紹介しました。
Adobe CCのコンプリートプランを利用すれば月額8,000円弱で用途別に多様なアプリケーションを利用できます。また、作業に応じてアプリの使い分けをすることで、高品質なデザイン制作を効率的に行うことも可能に。
初心者の方でもインターネット検索すれば多くの情報を収集できるため、短期間でのスキルアップも可能です。効率的にクリエイティブな仕事をしたいと思っているなら、ぜひAdobe CCの利用を検討してみてはいかがでしょうか。