Zapier(ザピアー)で手軽に作業自動化!特徴と使い方を紹介

更新日:2025-01-17 公開日:2020-08-19 by SEデザイン編集部

目次

Zapierで作業自動化仕事で複数のサービスやアプリを同時に利用している人にとっては、それぞれのデータを管理するのが面倒に感じられてしまう場面もあるでしょう。

Zapier(ザピアー)はそうした悩みを解決するために、軽に2つのサービスを連携させ、タスクを自動化してくれる便利なサービスです。今回は、Zapierの特徴やメリット、効果的な使い方について解説します。

Zapier(ザピアー)とは?

Zapierはさまざまなツールを連携し自動化する

Zapierの使い方を理解する前に、まずは基本的な特徴について見ていきましょう。具体的にどのようなサービスを行っているのか解説します。

アメリカ発のタスク自動化ツール

Zapierとは、2012年にアメリカで生まれたタスク自動化ツールです。異なるアプリやWebサービスを連携して、自分好みの業務自動化ツールを組むことができるサービスであり、アメリカ国内だけではなくさまざまな国で利用されています。

最大の特徴は複雑なプログラミングの必要がなく、誰でも簡単にアプリの連携システムを組める点です。ユーザー数は全世界で400万人以上とされており、リモートワークの普及により、さらなる増加が見込まれています。

Zapierで組み合わせられるサービスは1,500種類以上

2012年のリリース時点では、Zapierで扱えるサービスは25種類となっていました。しかし、2020年現在ではGoogleスプレッドシートやGmail、各種SNSなど1,500種類以上のアプリを組み合わせられるまでに成長しています。

海外で普及しているものだけではなく、日本国内での利用が中心とされるサービスにも適応しており、連携できるサービスの豊富さが大きな強みとなっているのです。

Zapier(ザピアー)を導入するメリット

アプリやWebサービス同士を連携するためには、本来であれば複雑なプログラミングコードが必要となります。しかし、Zapierは高度な知識や技術を必要とせず、簡単な設定で2つのサービスを連携させられる利便性の高い仕組みを備えているのです。

ここでは、Zapierのメリットについて見ていきましょう。

作業の大幅な効率化が可能になる

Zapierを導入することにより、それまで手作業で行っていたタスクを省略できるようになります。たとえば、異なるアプリやWebサービスをまたぐデータの移行や反映を行う際、それぞれの連携度が低い場合には、どうしても手作業を避けることはできませんでした。

そのため、作業時間の大幅なロスが生まれたり、ときには入力ミスなどの人為的なトラブルに見舞われたりすることもあります。Zapierを利用すれば、自動化した労力をほかの作業に充てることも可能なため、業務全体の効率化が図られるのです。

自分好みのカスタマイズができる

あらかじめ決められたサービスを連携するのではなく、幅広い範囲のツールを組み合わせられる点も、Zapierの大きなメリットです。たとえば、普段から使っているサービス「A」と、新規顧客が利用しているアプリ「B」を連携させたい場合、これまでであれば個別にプログラムを開発する必要がありました。

しかし、Zapierを導入すれば、簡単な操作だけでAとBを連携させることができます。それによって、連絡がスムーズになったりデータの共有がしやすくなったりと、利便性が大きく高まるのです。

Zapier(ザピアー)のアカウント作成と4つの重要な概念

Zapierを利用するうえでは、あらかじめ理解しておくべき「4つのキーワード」があります。ここでは、それぞれの具体的な概念と実際にアカウントを作成する方法について見ていきましょう。

Zapierを使うために押さえるべき4つのキーワード

Zapierを利用するうえでは、「Zap(ザップ)」「Trigger(トリガー)」「Action(アクション)」「Task(タスク)」といった4つのキーワードの理解が重要となります。

4 Essential Keywords for Using ZapierZapとは、Zapierで連携したサービス同士の塊のことです。たとえば、サービス「A」の受信機能とアプリ「B」のデータ管理機能を組み合わせた場合、AとBがセットで1つのZapとなります。「無料プランでは5つのZapまで作成可能」といった使われ方をするため、サービスを理解するうえで重要な概念の1つです。

Triggerは引き金のことを指し、作成したツールを起動させる条件にあたります。たとえば、Aでメールを受信した場合にBのアプリにデータをアップロードしたいケースでは、「Aでメールを受信する」といった条件がTriggerとなるのです。

Actionは、Triggerによって起動させる行動のことを表します。上の例では、「Bのアプリにデータをアップロードする」という行為がActionにあたります。

そして、TaskZapが実行された回数のことです。たとえば、Aで受信したメールが自動でBに5回移行された場合、Taskは5となります。

アカウントの作り方

Zapierを利用するためには、まずトップページにアクセスしてアカウントを作成する必要があります。画面の右側に入力フォームが表示されるので、メールアドレス、名前、パスワードを設定してから、「Sign Up」ボタンを押して登録を済ませましょう。

入力内容に問題がなければ、さまざまなアプリのなかから、普段使っているものを選択する画面が表れます。後から変更を行うことも可能なので、急いでいる場合には飛ばしてしまっても問題はありません。

Zapier(ザピアー)の使い方と代表的な連携パターン

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Zapierを効果的に活用していくためには、基本的な使い方を押さえておく必要があります。Zapの主な連携パターンもあわせて見ていきましょう。

Zapier(ザピアー)の使い方

Zapierの基本的な使い方として、アプリの連携方法を紹介します。

1.左側のメニュー一覧から「Zap」を選択し、「Create Zap」をクリックしてください。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ1.「Create Zap」をクリック2.「Trigger」をクリックします。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ2.「Trigger」をクリック

3.連携するアプリを選択します(今回はGmailを例に説明)。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ3.連携したいアプリをクリック4.「Trigger event」をクリックし、イベントを選択します。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ4.「Trigger event」をクリックし、イベントを選択

5.アカウントにサインインしてください。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ5.アカウントにサインイン

6.「Continue」をクリックしてください。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ6.「Continue」をクリック

7.「Label or mailbox」の欄を選択します。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ7.「Label or mailbox」の欄を選択

8.「Test trigger」をクリックしてください。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ8.「Test trigger」をクリック

9.「Continue with selected record」をクリックします。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ9.「Continue with selected record」をクリック

10.連携したいアプリを選択します。(今回はGoogle Calendarを選択)Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ10.「Google Calendar」を選択

11.「Action event」からイベントを選びます。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ11.「Action event」からイベントを選択

12.アカウントにサインインしてください。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ12.アカウントにサインイン

13.問題なければ、「Continue」をクリック。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ13.「Continue」をクリック

14.「Name」と「Description」を入力し、問題なければ、「Continue」をクリックします。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ14.「Name」と「Description」を入力し、問題なければ、「Continue」をクリック

15.「Test step」をクリックしてください。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ15.「Test step」をクリック

16.内容に問題がなければ、「Publish」をクリックしてください。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ16.「Publish」をクリック

17.正常に連携ができると、画像のように表示されます。Zapier(ザピアー)とアプリ連携の流れ17.連携完了

以上が、Zapierの基本的な使い方です。

主な3つの連携パターン

パターン1:SlackとDropbox

Slackはビジネスチャットツールであり、Dropboxは無料で使えるオンラインストレージサービスです。普段からビジネス上のやりとりとしてSlackを利用しているならば、Dropboxと連携させることでデータの共有をスムーズに行えます

Slackはプロジェクトやチームごとに分けてコミュニケーションを取れるので、Dropboxと紐づければ意思疎通を図りやすくなるでしょう。

パターン2:GoogleスプレッドシートとTrello

Trello(トレロ)はタスク管理に特化したツールであり、付せんを貼ったりはがしたりする感覚で手軽に利用できるツールです。Zapierを使うことで、Googleスプレッドシートで作成したデータをTrelloのタスクとして登録できるので、作業の効率化を図れます。

パターン3:GoogleカレンダーとSlack

Zapierを使ってGoogleカレンダーとSlackを連携させれば、スケジュール管理を簡単に行えるようになります。GoogleカレンダーのスケジュールをSlackに直接通知できるため、リマインダーとしての機能を持たせられるのです。

Zapier(ザピアー)を使う上での注意点

Zapierを使う上では、以下の注意点があります。

  • 日本語に対応していない
  • 連携できないツールがある
  • 自動化できない作業がある
  • プログラミング知識が必要な場合がある

順番に見ていきましょう。

日本語に対応していない

Zapierの大きな注意点は、日本語に対応していないことです。公式サイトもすべて英語で表記されています。ただし、操作自体は直感的に行える部分が多いため、翻訳ソフトやAIを活用すれば、英語が苦手でも利用可能です。

また、Zapierの使い方を日本語で詳しく解説しているブログ記事も公開されています。これらを参考にしながら進めるのもよいでしょう。ただし、ブログ記事の情報が古かったり、内容に誤りが含まれていたりする場合もあるため、最新情報を確認するよう心がけてください。

連携できないツールがある

Zapierは多くのツールと連携可能ですが、すべてのツールに対応しているわけではありません。自社で頻繁に利用しているツールがある場合は、Zapierを導入する前に対応状況を確認するのがおすすめです。

もしZapierが自社ツールと連携できない場合は、業務自動化を実現するために使用ツールを変更するか、別の連携サービスの導入を検討する必要があります。事前に調査を行い、最適な選択肢を選びましょう。

自動化できない作業がある

Zapierは多くのツールと連携できますが、すべての作業を自動化できるわけではありません。一部ツールが非対応だったり、規約で制限されたりするからです。また、エラーの原因がわかりにくいこともあります。

また、自動化が必ずしも適していない作業も存在します。手順や内容がよく変更される作業では、設定の更新が頻繁に必要となり、自動化の効果が薄れる可能性があります。更新を怠ると古い手順で処理が進んでしまうリスクもあるため、自動化の対象とする作業は慎重に選びましょう。

プログラミング知識が必要な場合がある

Zapierは基本的にプログラミング不要で利用できますが、一部の高度な設定や複雑な連携では、プログラミングの知識が求められます。

そのため、利用目的によっては、プログラミングスキルを持つ担当者が必要です。この点を事前に確認しておきましょう。

Zapier(ザピアー)の料金プラン

Zapierには無料プランと有料プランが用意されており、プランによって設定できるZapと毎月行えるワークフローの処理数が異なっています。それぞれのプランの違いについて見ていきましょう。

無料プランと有料プランの比較

プラン名

月額料金

特徴

おすすめ

Free

無料

月間100タスクまで

無制限のZap作成(タスク数範囲内)

2ステップZapに対応

AIを活用したZap作成ツール

個人やシンプルな利用

Professional

4,672円

無制限のZap作成

マルチステップZap対応

プレミアムアプリ使用可能

Webhooks対応

Eメールサポート付き

高度な自動化を求める個人や小規模チーム

Team

16,126円

無制限のユーザー

Zap共有、ワークスペース管理

共有アプリ連携

優先的なサポート付き

SAML SSOオプション

チームでの効率的な管理

Enterprise

要問い合わせ

高度な管理者権限

年間タスク制限(繰越可能)

分析機能、アカウントマネージャーサポート

SAML SSO含む高度なセキュリティ

大規模組織や複数部門

 

 無料版と有料版どっちを使うべき?

Zapierを初めて利用する場合や、簡単な作業の自動化が目的なら無料版で十分です。無料版では、基本的なZap作成や月間100タスクまで利用できるため、小規模なプロジェクトに適しています。たとえば、「Gmailで受信したデータをGoogleスプレッドシートに記録する」といったシンプルなワークフローには最適です。

一方で、複雑な自動化や大量のタスク処理が必要な場合、またはチームでの共有が必要な場合は有料版がおすすめです。有料版は、マルチステップZapやプレミアムアプリの連携、月間タスク数の拡張が可能で、高度なワークフローを効率化できます。

まずは無料版で操作感を試し、業務の規模やニーズに応じて有料版にアップグレードするのがよいでしょう。

他のツールとの比較

ここでは、Zapierと同様に複数のWebサービスやアプリケーションを連携できるツールを紹介します。

  • IFTTT(If This, Then That)
  • Integromat
  • Microsoft Power Automate

IFTTT(If This, Then That)

IFTTT(If This, Then That)は、アプリやデバイス同士をつなげて自動化を実現するオンラインプラットフォームです。

「トリガー(If)」と「アクション(Then)」を組み合わせることで、特定の条件に応じた自動化を簡単に作成できます。たとえば、「特定のメールを受信したらスマートホームの照明をオンにする」といったシンプルな操作が可能です。

Zapierと比べると、インターフェースが直感的で使いやすい反面、連携できるツールの種類が少なく、複雑なワークフローの構築には向いていません。シンプルかつ手軽に自動化を始めたい方におすすめのツールです。

Make(旧Integromat)

Makeは、異なるツールを連携して高度な自動化を実現するためのプラットフォームです。
Zapierと同様にトリガーとアクションを組み合わせてワークフローを作成できますが、より複雑なデータ処理やAPIの制御にも対応しています。

Zapierに比べて、高度な自動化やデータ加工に優れており、柔軟性を求めるプロフェッショナル向けのツールです。

Microsoft Power Automate

Microsoft Power Automate(旧Microsoft Flow)は、Microsoftが提供する自動化ツールです。

Zapierと同様に、トリガーとアクションを組み合わせて異なるツールを連携できますが、特にMicrosoft 365をはじめとするMicrosoft製品との連携に優れています。普段からMicrosoft製品を活用している企業におすすめです。

まとめ:Zapier(ザピアー)を使って業務を自動化しよう

Zapierは、日々の業務を自動化し、手間を省く強力なツールです。シンプルなワークフローから高度な自動化まで対応でき、個人やチーム、企業規模でも活用できます。まずは無料版から始めてみるのがおすすめです。作業を効率化して時間を節約し、大切な仕事に集中できるように、Zapierを活用してみてください。

マーケティングも業務自動化の時代です。Zapierによる効率化の次は、マーケティング活動の自動化・最適化を検討してみてはいかがでしょうか?

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