導入事例を参考にする割合|自社調査64%と国内調査の読み方

更新日:2026-09-08 公開日:2022-10-14 by SEデザイン編集部

目次

導入事例を参考にする人の割合は、SEデザインが2022年6月に実施した調査(回答111人)では64%、日経BPコンサルティングが2025年4月に実施した調査(該当設問の回答1,427人)では76.6%でした。

導入事例とは、製品・サービスを利用した企業の課題、選定理由、活用方法、導入後の効果などを、顧客の声や具体的な事実とともに紹介するコンテンツです。製品説明だけでは把握しにくい利用イメージを伝え、比較検討や社内説明の判断材料を補う役割があります。

上記の2つの調査は対象者・設問・回答数が異なるため、64%から76.6%へ増加したとは判断できません。それぞれ調査時点の回答者集団における傾向としてご覧ください(出典:SEデザインの調査発表、日経BPコンサルティング)。

近年は、Webサイトや営業資料に加えて、生成AIもBtoB購買の情報収集に使われています。導入事例には企業名や業種・規模、導入時期、実施条件、効果指標の定義など、読者とAIの双方が内容を検証しやすい情報を盛り込むことが重要になっています。

SEデザインは1985年の創業以来、外資系IT企業のブランドローカライズをはじめ、日系・外資を問わず多くのテクノロジー企業のマーケティングを支援してきました。

この記事では、SEデザインが2022年に実施したアンケート調査に新しい国内調査を併記しながら、導入事例が参考にされる場面、読者が重視する情報、制作の進め方を解説します。

この記事の要点

・導入事例を参考にする割合は、2022年の自社調査(111人)で64%、2025年の日経BPコンサルティング調査(該当設問1,427人)で76.6%。対象者と設問が異なるため、増減として比較することはできない

・導入事例が読まれるのは主に情報収集・製品探索(46.1%)と比較・絞り込み(34.7%)の段階。読まれる場所は企業の公式サイトが61.7%で最も多い

・買い手が求めるのは「自社と同じ課題を解決したプロセス」(51.2%)。業種・規模の近さ(40.2%)や定量的な効果(39.6%)がこれに続く

・成功談だけでは足りない。44.7%が失敗事例やリスクにも触れてほしいと回答している

・生成AIで候補を洗い出し、その情報を人が確認し直す購買行動が広がっている。公開日・顧客属性・数値の定義・測定期間を明記し、検証できる一次情報として整えることが前提になる

調査概要(SEデザイン実施分)

  • 調査対象者:以下条件にて対象者を抽出
    1)20-69歳男女
    2)会社員、会社経営、役員、契約社員、派遣社員、教職員、医療関係者
    3)サービス導入検討する立場である
  • サンプル数:111人
  • 調査方法:オンラインリサーチ
  • アンケート実施日:2022年6月3日~2022年6月7日

導入事例を参考にしている割合と位置づけ

導入事例は、製品・サービスの導入効果や利用状況を具体的に確認するための情報源です。ここでは、2022年にSEデザインが実施した調査に加え、2025年以降に公表された国内調査も参照しながら、導入事例がどの程度、どの場面で利用されているかを確認します。

調査では6~8割が導入事例を参考にしている

導入事例の参考度合いと位置づけに対する回答結果SEデザインが2022年6月に、サービスの導入検討に関わる20~69歳の111人を対象として実施した調査では、導入事例を「とても参考にしている」「やや参考にしている」と回答した割合は64.0%でした。

同じ調査では、別の設問で67.6%が「導入事例を参考にしたことがある」と回答しています。年代別に20~40代でやや割合が高かったという結果は、こちらの「参考にした経験」を尋ねた設問についてのものです。64.0%の説明と混同しないようご注意ください(出典:SEデザインの調査発表)。

より新しい2025年4月の日経BPコンサルティング調査では、該当設問の回答者1,427人の76.6%が、導入事例を「非常に参考にする」または「ある程度参考にする」と回答しました。両調査は対象者や設問が異なるため単純な時系列比較はできませんが、導入事例が現在も多くの購買担当者に利用されていることを示す参考値になります。

調査 調査時期・設問回答数 導入事例を参考にする割合 読み取り上の注意
SEデザイン 2022年6月・111人 64.0% Webサイト上の各情報について参考度を尋ねた設問(単一回答のマトリクス形式)
日経BPコンサルティング 2025年4月・該当設問1,427人 76.6% 「非常に参考にする」と「ある程度参考にする」の合計

調査全体の有効回答数は2,687件ですが、この設問の回答数は1,427件です。母数が設問ごとに異なる点にもご注意ください(出典:日経BPコンサルティング)。

導入事例が読まれるのは情報収集と比較の段階

導入事例は、最終決定の直前だけに読まれるコンテンツではありません。日経BPコンサルティングの調査では、導入事例が使われる場面は情報収集・製品探索段階が46.1%、比較・絞り込み段階が34.7%でした。社内稟議・意思決定段階は4.5%、導入後の運用・活用段階は9.8%です。

候補の探索と比較の段階が中心でありながら、導入後まで参照されるコンテンツと位置づけられます。したがって、まだ製品を知らない読者にも伝わる前提説明と、他社と比べるための条件・数値の両方が必要になります(出典:日経BPコンサルティング)。

導入事例はどこで読まれているか

提供方法別に導入事例を参考にする度合いを尋ねた回答結果2022年のSEデザイン調査では、導入事例の提供方法別に参考にする度合いを尋ねたところ、最も高いのは「Webサイト上の記事」の69.4%でした。次いで「ホワイトペーパー」が68.5%、「Webサイト上の動画」が58.6%となっています。

読まれる場所については、2025年の日経BPコンサルティング調査でも確認できます。同調査では、企業の公式サイトが61.7%で最も多く、営業担当者から受け取る資料が36.7%、展示会・セミナーが36.5%でした。設問形式が異なるため2022年調査の数値と置き換えたり増減を比較したりはできませんが、いずれの調査でもWebサイトが中心的な接点になっています。

Webで公開するだけでなく、営業資料やイベントでも使える形にしておくと、複数の接点で届けやすくなります(出典:日経BPコンサルティング)。

利用価格・サービス内容・サポート体制に次いで導入事例が参考にされている

Webサイト上の情報別に見た参考度合いの回答結果(利用価格・サービス内容・サポート体制・導入事例)2022年のSEデザイン調査では、Webサイトに掲載された情報の参考度は、利用価格81.1%、サービス内容78.4%、サポート体制67.6%、導入事例64.0%の順でした。

これは111人全員に各情報の参考度を尋ねた設問であり、導入事例を参考にすると答えた人だけを対象とした複数回答ではありません(出典:SEデザインの調査発表)。

順位 Webサイト上の情報 「とても参考にする」「やや参考にする」の合計
1 利用価格 81.1%
2 サービス内容 78.4%
3 サポート体制 67.6%
4 導入事例(使用者の声) 64.0%

価格情報の重要性は、より新しい調査でも確認されています。HubSpot Japanが2026年6月に実施した日本のBtoB購買調査では、信頼できる情報として「価格・追加費用・契約条件が明瞭な情報」が60.6%で最も多く、Webサイトや資料に期待する情報も「価格や費用の目安」が42.9%で最多でした(出典:HubSpot Japan「日本のBtoB購買に関する意識・実態調査2026」)。

導入事例は価格表やサービス説明の代わりではありません。提示された価格や機能が「どのような企業の、どの課題に、どのような効果をもたらしたか」を補足する比較材料として位置づけるとよいでしょう。

導入事例で注目されているポイント

導入事例では、事例企業の知名度や業界だけでなく、「自社と似た課題を、どのような過程で解決したか」が重視されています。ここでは、読者が実際に何を見ているのかを、複数の調査から確認します。

「自社と同じ課題をどう解決したか」が重視されている

導入事例に求める内容に関する回答結果2022年のSEデザイン調査では、導入事例を見るときに特に重視するポイントとして「自社に近い業界の事例」が72%で最多、「同業界、競合他社の事例」が53.3%でした。これは重視するポイントを尋ねた設問の結果であり、実際の閲覧数を測ったものではありません。

より新しい調査では、業界の一致よりも課題解決の過程が上位に来ています。PRIZMAが2026年6月に、過去1年以内にBtoBサービスの導入を検討した買い手502人を含む1,006人を対象として実施した調査では、導入事例が参考になった理由の最多は「自社と同じ課題を解決したプロセスが記載されていた」51.2%でした。「自社と業種や規模が近い企業の事例だった」は40.2%、「導入後の効果が具体的な数値で示されていた」は39.6%です。

設問が異なるため、72%から40.2%へ低下したとは読めません。ただし、事例企業の業界名だけを示すのではなく、導入前の課題、解決を妨げていた要因、選定理由、実施内容、導入後の変化までを一連の流れとして説明する必要があることは、両調査に共通しています(出典:PRIZMA「BtoBマーケティングにおける導入事例の認識」調査)。

企業規模や対象部門、既存環境なども記載すると、読者が自社との共通点や相違点を判断しやすくなります。

効果だけでなく、前提条件や注意点まで具体的に示す

導入事例があることで持つ印象に関する回答結果2022年のSEデザイン調査では、導入事例があることでどのような印象を持つかという質問に対し、「利用場面をイメージしやすい」「自社向きかイメージしやすい」「信頼できる」が5割以上の回答を占めました。

ただし、この設問が測っているのは印象であり、「利用シーンが不明確な事例は読まれない」という閲覧行動を確認したものではありません。より確かなのは、利用場面だけでなく、同じ課題を解決したプロセスや定量的な効果が示されていると参考にされやすい、という点です。

日経BPコンサルティングの2025年調査では、導入事例で参考になった情報の最多は「具体的な導入効果」59.1%、次いで「事例企業の業種・規模・課題」39.0%でした。同じ調査で、44.7%が失敗事例やリスクにも触れてほしいと回答しています。成功談だけの構成では、検討材料として不足するということです(出典:日経BPコンサルティング)。

導入事例では、次の情報を組み合わせると、読者が自社での再現可能性を検討しやすくなります。

確認項目 記載する内容
導入前の課題 対象業務、発生していた問題、導入前の数値
企業・利用条件 業種、企業規模、対象部門、利用人数、既存環境
選定・導入プロセス 選定理由、比較した選択肢、導入期間、実施体制
導入効果 導入前後の数値、測定期間、対象範囲、定性的な変化
注意点・運用 つまずいた点、必要な準備、制約、導入後の運用・支援体制

成果数値には測定期間や対象範囲を添え、その事例固有の条件で得られた結果であることが分かるようにします。導入時の障壁や改善の過程まで示すことで、読者は自社で起こり得る課題まで検討できます。

調査結果の詳しい内容を知りたい方は、下記からeBookをダウンロードしてみてください。

「導入事例に関するアンケート調査報告書」

売り手の想定と買い手の期待にはズレがある

前掲のPRIZMA調査は、買い手502人と売り手504人の双方に尋ねている点が特徴です。売り手が「説得力がある」と考える要素は、業界トレンド・市場調査との掛け合わせが46.9%、競合比較データが45.0%、客観的なROIデータが30.8%でした。

一方、買い手が挙げた理由の最多は前述のとおり「自社と同じ課題を解決したプロセス」51.2%です。売り手が市場全体の文脈や比較データを重視するのに対し、買い手はまず自社と同じ状況の再現性を見ている、と読み取れます。

また、同調査で「とても参考にしている」と答えた層が事例を使う場面は、初期の情報収集が68.8%、複数サービスの比較検討が60.7%、自社運用への適合性の確認が45.3%でした。売り手が想定しやすい「競合比較検討時の活用」(45.6%)よりも早い段階から読まれていることになります(出典:PRIZMA調査)。

導入事例を制作する効果とステップ

導入事例の制作手順を確認するイメージ導入事例は、実際の顧客が抱えていた課題、製品・サービスを選んだ理由、導入後の変化を示し、見込み顧客が自社での利用イメージを具体化するためのコンテンツです。ここでは、掲載企業の選び方から制作の流れまでを整理します。

有名企業に限らず、読者の課題に近い事例を選ぶ

有名企業の事例は注目を集めやすい一方、知名度だけで取材先を決めると、読者が自社の状況と重ねにくくなることがあります。ターゲットとする業種、企業規模、地域、課題、利用目的に近く、導入前から導入後までの経緯と成果を具体的に説明できる企業を選びましょう。知名度は補助的な条件として扱うのが現実的です。

この考え方は調査結果とも整合します。前掲の2025年調査で参考になった情報の上位は「具体的な導入効果」59.1%と「事例企業の業種・規模・課題」39.0%であり、読者が自社と重ねられることが優先されています。

掲載候補の選定や依頼は、マーケティング部門だけで進めず、営業、カスタマーサクセス、広報、法務などと連携して決めていきましょう。

導入事例を制作する8つのステップ

初めて制作するときは、何から手をつければよいか迷うこともあるでしょう。導入事例の制作は、一般的に次の8つの工程で進みます。

ステップ 実施内容 主な確認事項
1.事前ヒアリング 制作目的、ターゲット、取材候補、活用方法、納期を整理する 誰の、どの判断を支援する事例か。CTAと効果指標も決める
2.制作体制の設計 担当者と役割分担を決める 営業、マーケティング、広報、法務、制作会社、取材先の承認者
3.ブリーフィング 訴求テーマ、構成、必要素材、進行方法をすり合わせる 掲載媒体、公開期間、二次利用、翻訳、AI利用、修正・取り下げ条件
4.取材準備 質問票を作成し、日程、参加者、撮影・録音の有無を調整する 導入前の数値、比較条件、根拠資料、公開できない情報
5.取材・インタビュー 課題、選定理由、導入プロセス、活用状況、成果を聞く 決裁者と現場担当者の両方の視点、課題やリスクへの対応
6.原稿作成・編集 読者が自社に置き換えられるストーリーに整理する 固有名詞、数値、引用、図版の根拠。AIの出力だけを根拠にしない
7.レビュー・修正 自社と取材先の双方で事実関係を確認する 原稿、数値、社名、ロゴ、役職、写真、公開範囲の最終承認
8.納品・公開・活用 Web、PDF、動画、営業資料などへ展開する CTAやフォーム送信を測定し、情報の更新・取り下げルールを運用する

AIで文字起こしや原稿作成を支援する場合は、利用サービス、入力データ、保存期間、学習利用の有無を確認し、取材先へ説明します。人名、製品名、数値、時系列、発言者は録音や根拠資料と照合し、公開前に取材先の承認を得ましょう(参考:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」)。

成果の数値を載せるときの確認事項

「工数50%削減」のような結果だけを示しても、読者は自社に当てはめて判断できません。数値を掲載するときは、次の4点を取材先と確認したうえで併記します。

  • 測定期間:いつからいつまでの値か
  • 比較対象:何と比べた変化か(導入前の実数、他システム、目標値など)
  • 算出方法:どの範囲・どの母数で計算したか
  • 数値の性質:実測値か、概算・見込み値か

これらを添えることで、読者は自社の条件との違いを踏まえて再現可能性を判断できます。公開後に数値が変わる可能性がある場合は、取材時点であることを明記しておきましょう。

参考になる事例コンテンツ5選

ここでは、BtoB企業が事例コンテンツを制作する際に参考になる5社のサイトを紹介します。各社でコンテンツの目的が異なるため、見た目だけでなく、事例の探しやすさ、成果の示し方、情報の更新日、問い合わせまでの導線にも注目してみましょう。

株式会社セールスフォース・ジャパン(製品導入事例)

セールスフォースは、クラウド上でCRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援)などのソリューションを提供している米国発祥のグローバルカンパニーです。お客様事例の一覧では、製品、業種、企業規模、トピックによる絞り込みができます。自社と条件の近い事例を探しやすく、複数の製品を扱う企業の事例サイトとして参考になる構成です。

個別ページでは、概要、企業情報、使用製品、成果を上部にまとめ、その後に課題、支援内容、導入後の変化を章立てして紹介しています。長文を読み進める前に成果を確認できる設計です。ページ下部には無料利用や相談、関連事例への導線も設けられています。

株式会社インフォマート(製品導入事例)

インフォマートは、BtoB(企業間電子商取引)プラットフォームの運営を主な事業とし、請求書、受発注、契約書などのサービスを提供している企業です。「導入事例一覧」では、業界、エリア、帳票の種類、従業員数、サービスなど、BtoB取引の検討条件に沿って事例を絞り込めます。

個別ページは、企業属性と利用サービスに続いて「ココがPOINT!」を掲載し、主な成果を短時間で把握できる構成です。本文は一問一答形式を中心に、導入前の課題、選定理由、導入後の変化を具体的に紹介しています。資料ダウンロード用のコンテンツは事例本文とは別に用意されており、本文を最後まで読めるようになっています。

Google Cloud(製品導入事例)

Google Cloudのお客様事例一覧では、プロダクトカテゴリと業種による絞り込みに加え、キーワード検索を利用できます。日本語で読める国内事例も多く、クラウド基盤から生成AIを利用したAIエージェントまで、用途別に事例を探せます。

個別ページでは「Google Cloud導入の効果」を冒頭に箇条書きで示し、本文中では担当者の発言を引用として抜き出しています。事例制作日、地域、利用サービスも記載されているため、情報の時点と導入範囲を確認しやすい点も参考になります。

カオナビキャンパス/人事のヨコガオ(ユーザーコミュニティ連動コンテンツ)

カオナビキャンパスは、カオナビの活用ノウハウやタレントマネジメントの事例を、ユーザー同士がオンライン・オフラインで学び合う場です。一般的な製品導入事例とは異なり、ユーザーコミュニティとコンテンツを連動させている点が特徴です。

「人事のヨコガオ」では、カオナビ管理者向けの資格「Talent Management Professional」の合格者などにインタビューしています。記事上部のダイジェストで受験動機、感想、今後のキャリアを要約し、本文で担当者の経験や考えを掘り下げる構成です。同資格には現在、Bachelor、Master、Doctorの3ランクがあります。

面白法人カヤック(制作実績・ポートフォリオ)

カヤックの「実績一覧」は、製品の導入事例というより、プロモーションやブランディングなどの制作実績を紹介するポートフォリオです。一覧ではカテゴリやタグによって実績を絞り込めます。

個別ページでは、クライアントの課題やプロジェクトの背景から、企画意図、制作物、利用者の声までをストーリーとして紹介しています。支援内容、プロジェクトチーム、制作メンバー、公開日、相談窓口も掲載されており、無形サービスの実績を具体化する方法として参考になります。

これら5社の事例コンテンツからは、「誰の、どのような課題を解決したか」「どの条件で、どの程度の成果が得られたか」「次に何をすればよいか」を分かりやすく示すことの重要性が読み取れます。なお、各社の掲載件数や絞り込み条件は随時変わるため、参考にする際は最新のページをご確認ください。

AI検索のあとに人が検証する情報として整える

BtoBの購買では、生成AIを使って候補を探し、その内容を人が確認し直す流れが広がっています。HubSpot Japanが2026年6月に実施した調査では、41.6%が「生成AIサービスやAI検索が購買判断に与える影響が増えた」と回答しました。

AI利用者1,155人のうち、50.3%が候補の洗い出し、47.1%が各社の違いの整理、39.2%が比較表の作成にAIを利用しています。その一方で、AIで得た情報を自分で事実確認・修正した人も48.3%でした。情報源としての信頼度は、導入事例が57.0%であるのに対し、AIがまとめた情報は37.8%です(出典:HubSpot Japan「日本のBtoB購買に関する意識・実態調査2026」)。

つまり導入事例は、AIに要約されたあとで人が裏付けを取りにくる情報として読まれます。検証に耐える形にするため、次の項目を本文中に明記しておきましょう。

  • 公開日と更新日、および取材時点
  • 顧客の業種・企業規模・対象部門などの属性
  • 導入した製品・サービスと利用範囲
  • 効果指標の定義と測定期間、算出方法
  • 数値の根拠となる資料やページ

特別な書き方に寄せる必要はありません。顧客への取材で得た一次情報を、明確な見出しと本文テキストで示すことが基本です。PDFの中だけに情報を閉じ込めず、Webページ本文でも読み取れる形にしておきましょう。

よくある質問

導入事例の目的は何ですか?

見込み顧客が、自社と近い企業の課題・選定理由・導入後の変化を確認し、比較検討や社内説明の判断材料にすることが目的です。前掲の調査では、情報収集・製品探索(46.1%)と比較・絞り込み(34.7%)の段階で主に読まれています。

導入事例の構成は?

導入前の課題、選定理由、導入プロセス、導入後の効果、今後の展望という流れが基本です。加えて、企業属性(業種・規模・対象部門)と効果の測定条件を明記すると、読者が自社に当てはめて判断しやすくなります。

導入事例を参考にする人の割合はどれくらいですか?

SEデザインの2022年6月の調査(回答111人)では64.0%、日経BPコンサルティングの2025年4月の調査(該当設問1,427人)では76.6%でした。対象者と設問が異なるため、数値の増減として比較することはできません。

まとめ

導入事例は、実際の顧客が抱えていた課題、製品・サービスを選んだ理由、導入のプロセス、導入後の変化を示すことで、見込み顧客が自社との適合性を検討するための判断材料になります。

本記事で紹介した2022年6月の調査では、サービス導入の検討に関わる回答者111人のうち64%が、導入事例を「とても参考にしている」または「やや参考にしている」と回答しました。日経BPコンサルティングが2025年4月に実施した別の調査でも、該当設問の回答者1,427人の76.6%が導入事例を参考にすると回答しています。ただし、両調査は対象者や設問が異なるため、数値の単純比較はできません。

読者にとって有用な事例にするには、企業の業種・規模・課題に加え、選定理由、導入・運用の過程、具体的な成果を示すことが大切です。成果数値には測定期間や比較基準を添え、可能な範囲で苦労した点、制約、残された課題も記載すると、読者が自社への適用可能性を判断しやすくなります。

なお、これらの調査が確認しているのは「参考にする割合」や「どのような印象を持つか」であり、導入事例による購入率や商談化率の上昇を測ったものではありません。導入事例は比較検討や意思決定の判断材料になり得るものとして位置づけ、実際の効果はCTAクリック、フォーム送信、資料請求、商談化などを別途計測して確認しましょう。

SEデザインでは、取材設計からインタビュー、原稿作成、レビュー、Web公開や営業活用まで、導入事例制作をご支援しています。初めて導入事例を制作する場合やコンテンツの質をより高めたい場合など、お気軽にご相談ください。

この記事をシェアする

  • note
  • メール
  • リンクをコピー
SEデザインの企業ロゴ
監修者
SEデザイン編集部
BtoB企業、特にIT分野を中心にコンテンツマーケティング支援を行っており、導入事例やホワイトペーパー・eBook、LLMO/SEO記事の制作、LP制作、オウンドメディア構築などの制作も行う。