導入事例は64%が「参考にする」重要なコンテンツ|調査結果まとめ

更新日:2025-02-03 公開日:2022-10-14 by SEデザイン編集部

目次

導入事例とは、製品やサービスの導入を検討している見込み顧客に対して、既存顧客のリアルな声や活用法、導入することでどのような成果を得られたかなどをまとめたコンテンツを指します。導入事例を制作することで、読み手は製品やサービスを導入したときの具体的なイメージを持ちやすくなり、事例を参考にすることで、導入にあたっての不安や疑問点などを解消できるでしょう。

SEデザインでは、約40年にわたり、大手外資系IT企業様を中心に、コンテンツマーケティング支援を行ってまいりました。特に導入事例制作はこれまで2,500本以上制作しており、ITの知見やクオリティの高さから評価いただいております。

この記事では、自社で行ったアンケート調査結果の内容をもとに、導入事例のコンテンツとしての強みやポイント、制作の手順などを解説します。

[調査概要]
  • 調査対象者:以下条件にて対象者を抽出
    1)20-69歳男女
    2)会社員、会社経営、役員、契約社員、派遣社員、教職員、医療関係者
    3)サービス導入検討する立場である
  • サンプル数:111人
  • 調査方法:オンラインリサーチ
  • アンケート実施日:2022年6月3日~2022年6月7日

導入事例を参考にしている割合と位置づけ

導入事例は訴求力の高いコンテンツですが、実際にどれくらい見られているのかを把握しておきましょう。2022年6月3日~7日にかけて実施したアンケート調査結果の内容をもとに、導入事例を参考にしている方の割合と位置づけについて解説します。

全体の64%が導入事例を参考にしている

導入事例の参考度合い、位置づけに対する回答結果です。アンケート調査結果によれば、全体の64%の方が導入事例を「とても参考にしている」「やや参考にしている」と前向きな回答(単一回答)をしています。年代別に見ると、20~40代がやや多いことが分かります。

提供方法別の導入事例を参考にする度合いの回答です。導入事例の提供方法別に見ると、参考にする度合いが最も高いのは「Webサイト上の記事」の69.4%となっています。次いで僅差で、「ホワイトペーパー」が68.5%となっており、「Webサイト上の動画」が58.6%とやや低くなっています。

利用価格・サービス内容・導入事例の順で情報が求められている

3-Oct-07-2022-09-04-36-49-AM導入事例を「とても参考にしている」「やや参考にしている」と回答した人の中で、どのような情報を参考にしているかと質問したところ、最も高い割合にあったのは「利用価格」で81.1%となっています(複数回答)。次いで、「サービス内容」と答えた方の割合は78.4%であり、3番目には「サポート体制」が67.6%の回答を得ています。

「導入事例」(使用者の声)と答えた方は64%で上位3項目と比べるとやや低いですが、参考になる情報として認識されています。

導入事例で注目されているポイント

アンケート調査結果の内容から、導入事例はサービスを導入する際に重視されている情報であることが分かりますが、具体的にどのようなコンテンツが求められているのかを理解しておく必要があります。次に、読まれるコンテンツの傾向について見ていきましょう。

「自社に近い業界の事例」が一番見られている

導入事例に求める内容に関する回答です。導入事例を見るときに特に重視しているポイントとして、「自社に近い業界の事例」という回答が最も多く、72%となっています(複数回答)。また、「同業界、競合他社の事例」と回答した方も53.3%であり、同業もしくは近い業界の情報を参考にしている方が多いのが分かります。

年代別の傾向を見ると、20~40代で4割以上の方が、「担当者のインタビュー」や「企業規模の幅広さ」を挙げています。

利用シーンが明確でないと読まれない

導入事例に対する印象の回答です。導入事例があることでどのような印象を持つか、という質問については「利用場面をイメージしやすい」「自社向きかイメージしやすい」「信頼できる」が5割以上の回答を占めています。導入事例があることによって、利用シーンや自社に合った製品やサービスであるかの具体的なイメージを持ちやすくなるのでしょう。

反面、どのように利用すればいいかが明確でなく、参考にならないようれあれば、導入事例は読まれづらいともいえます。導入事例の傾向について詳しい結果が知りたい方は、下記からeBookをダウンロードしてみてください。

「導入事例に関するアンケート調査報告書」

導入事例を制作する効果とステップ

pixta_62427865_M多くの方から読まれる導入事例を制作するには、得られる効果を正しく把握したうえで、順序を追って制作していくことが大事です。SEデザインでの導入事例の制作手順なども踏まえ、どのように制作していけばよいかを解説します。

業界の有名企業など効果的な事例を掲載しよう

導入事例は、自社の製品やサービスが顧客にどのような価値を提供できるかを伝えるためのコンテンツです。売り手企業のメッセージだけでなく、すでに導入している企業が語るリアルな声は、製品・サービスの導入を検討している顧客の決断に大きく影響するといえるでしょう。

リアルな声を導入事例に掲載する際に最も適しているのは、ターゲットとする業界の中で一番成功している企業や有名企業です。業界内で一目置かれる企業が製品・サービスを導入している事例を紹介すれば、訴求力の高いコンテンツになります。

マーケティング部門だけで掲載企業を決めてしまうのではなく、営業部門などと連携をしながら、掲載にふさわしい企業を選定してみましょう。

導入事例を制作する5つのステップ

導入事例を制作する効果について理解しても、初めて制作するときは何から手をつければいいのか迷うこともあるでしょう。まずは基本的な制作の流れを押さえておくことが大切です。

SEデザインでは以下の流れに沿って、導入事例を制作しています。各ステップの詳細や注意点については、「導入事例の書き方」をご覧ください。

  1. 初回のお打ち合わせ(ブリーフィング
  2. 取材質問票(ヒアリングシート)のご提出
  3. 取材場所や日程の調整
  4. 取材(顧客インタビュー)
  5. 原稿の作成、提出(ロゴ、図版等の手配)

SEデザインでは、年間100本を超える取材実績によって培われたノウハウを活かし、さまざまな業種・業界に対応した高品質な導入事例を制作しております。導入事例の制作においては、取材・原稿執筆・撮影・デザイン・印刷など多くの工程が発生しますが、ワンストップでのご依頼が可能です。

長年にわたってグローバル市場で活躍してきた経験から、業種・企業規模・ターゲットに沿ったマーケティング施策を展開しております。コンテンツのローカライズ化にも対応しており、新たな市場を開拓したい場合においても柔軟に対応させていただきます。

また、SEデザインでは高い編集力と独自のネットワークによって、お客様の製品・サービスの価値を最大限にお伝えできる導入事例を制作いたします。IT関連企業として、約40年にわたって蓄積してきたノウハウを活かし、ターゲットへの訴求力の高いコンテンツを生み出せるのが強みです。

参考になる導入事例5選

ここで、参考になる導入事例を5つ紹介します。自社のWebサイトのトンマナや、持たせたい印象などに合わせて、どのように見せるのがよいか検討してみましょう。

株式会社セールスフォース・ジャパン

セールスフォースは、クラウド上でCRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援)などのソリューションを提供している米国発祥のグローバルカンパニーで、全世界に支社があります。導入事例を世界の地域別にソートできる点は、グローバルカンパニーならではの特徴です。導入事例自体は各国で制作された記事ですが、日本語で読むことができます。各国で制作された記事は、その形式もさまざまで、インタビュー動画がある導入事例記事もあります。

日本の導入事例記事を例にとると、フォーマットはある程度統一されています。インタビュー形式で、複数の担当者にインタビューしている事例がほとんどです。タイトル画像では、全員が笑顔の写真を、カラフルなイラストの背景に載せる加工をしており、コンテンツの一つとしてなじんでいます。見出しによっては、担当者の笑顔の写真をアイコンとして載せており、セールスフォースのソリューションを導入したことで、みんな笑顔になった、という印象を受けます。

セールスフォースのソリューションで該当するものがある場合は、文章下に関連ソリューションのテキストリンクを付けたり、記事の間にリンクを入れたりして、導入を検討している人が、導入事例を読んですぐ次のアクションを起こしやすくしています。記事の最後には数字を強調しており、これは、セールスフォースのソリューションを導入したことで改善された部分を数値化し、アイコンにして載せています。

凝ったレイアウトというわけではありませんが、全体的に明るく、笑顔で、改善結果も数値的に良い結果が印象づけられるよう、視覚的に工夫した構成になっています。

株式会社インフォマート

インフォマートの導入事例サイトの名称は「BtoB導入事例プラットフォーム」。インフォマートがBtoBに特化したさまざまな課題解決ができる企業であることがアピールできています。インフォマートの主要事業は、バックオフィスのDX化を推進できるシステムの提供です。請求書や契約書などの帳簿をデジタル化し管理できるESアプリや、商談ツールであるCRM、SFAなどを提供しています。

個別事例のページでは、記事上部にポイントが箇条書きでまとめられており、記事全文を読まずとも内容を把握できるようになっています。本文の構成は、一問一答形式です。本文の途中からダウンロードコンテンツになっており、ダウンロード時にメールアドレスを収集しています。

Googleクラウド

Googleクラウドを導入している企業事例は多数あるため、「地域」「業種」「プロダクト」でソートできるようになっており、自社に近い企業の導入事例が探せます。

「プロダクト」では、どのような目的でGoogleクラウドを利用しているか、目的別で探せるようになっています。「AIと機械学習」「API管理」「データ分析」「ストレージ」など、Googleクラウドを使う理由として多いものが条件になっているため、探しやすいでしょう。

個別事例のページでは、こちらも記事上部に箇条書きで記事のポイントがまとめられており、内容を把握しやすくしています。特に注目してほしいインタビュイーのコメントは、背景色を目立たせたり、太字にしたりと強調しており、文字量が多い記事ながら、視覚的に飽きがこない工夫をしています。

カオナビキャンパス

カオナビでは、タレントマネジメントのスキルを証明する資格「タレントマネジメントプロフェッショナル資格」という独自資格をもうけています。受験者は主にカオナビ利用企業の社員です。同資格に合格した方々を中心にインタビューした記事を掲載しています。ただ導入事例を掲載するよりも、カオナビの推進するタレントマネジメントについてより理解を深めることができます。

インタビュー記事では、ページ上部に「ダイジェスト」と称して、「受験の動機」「受験した感想」「今後のキャリア」の要約を掲載しています。本文は一問一答形式で読みやすく、要約で紹介した内容はもちろん、インタビュイーの略歴や人事、タレントマネジメントに対する想いを紹介し、読み手の共感が得られる内容になっています。

カヤック

カヤックは「すべての仕事にエピソードあり。」というモットーのもとで、プロジェクトへの想いやエピソードに焦点を当てて導入事例を作成しています。「関わった仕事のほとんどを公開している」との記載があり、一般的に、導入事例紹介のご協力は、クライアントの同意を得るのが難しい中、カヤックの一つ一つの仕事に対する情熱が感じられる一言で、印象的です。

導入事例一覧ページでは、サムネイルにプロジェクトのメインビジュアルを大きく掲載することで、インパクトと親しみやすさを与えています。また、すべての事例に携わった制作メンバーを掲載しており、「この人にこんなプロモーションを依頼したい」というイメージが湧きやすくなっています。

個別事例ページでは、タイトルと1つ目の見出しがとてもキャッチーで、読み進めてもらえるよう力を入れていることが分かります。画像や動画を使ってプロジェクトの内容を詳しく紹介しており、商材の特徴や、プロモーション内容がよくわかる内容になっています。たとえばデジタルサイネージも、実際に掲示した街中の雰囲気が分かるように撮影されており、読み手の理解を念頭においた丁寧さがうかがえます。

まとめ

導入事例を制作することで、自社の製品やサービスを導入するとどのような効果が得られるのかを見込み顧客に正しく伝え、参考にしてもらうことができます。導入後の具体的なイメージを持ってもらうことで、購買行動の後押しにつながるでしょう。

今回のアンケート調査結果からも、多くの方が導入事例を参考にしていることが分かります。注目されているポイントなどを踏まえたうえで、読まれるコンテンツを制作してみましょう。

SEデザインでは、さまざまな業種・業界の導入事例を制作してきた実績から、お客様のビジネスをサポートする高いクオリティの導入事例を制作します。初めて導入事例を制作する場合やコンテンツの質をより高めたい場合など、お気軽にSEデザインまでお問い合せください。

>>SEデザインの導入事例制作サービスはこちら

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監修者
SEデザイン編集部
BtoB企業、特にIT分野を中心にコンテンツマーケティング支援を行っており、導入事例やホワイトペーパー・eBook、SEO記事の制作、LP制作、オウンドメディア構築などの制作も行う。導入事例制作では、IT・テクノロジー分野の知見を活かし、外資系を含むIaaS、PaaS、SaaSの事例を中心に年間150件以上、累計2,500件以上制作しており、高い評価をいただいている。