SaaS事業で重視されるチャーンレート(解約率)について解説!

更新日:2025-02-07 公開日:2024-10-09 by SEデザイン編集部

目次

チャーンレート(解約率)とは、一定期間内にどれだけの顧客がサービスを解約したのかを示す指標です。「顧客離脱率」や「退会率」とも呼ばれています。

SaaS事業ではサブスクリプション型のビジネスモデルが主流で、顧客の継続利用が収益の安定に直結します。そのため、顧客の解約を防ぐことは極めて重要です。チャーンレートを低下させるには、解約理由の分析やカスタマーサクセス戦略の強化をはじめ、さまざまな対策が求められます。

本記事では、SaaS事業で重視されるチャーンレートの目安や平均値、具体的な対策について詳しく解説します。

チャーンレートとは

チャーンレート(解約率)とは、おもにサブスクリプション型サービスにおいて一定期間内に顧客がサービスを解約した割合を示す指標です。一定期間内に解約した顧客数を、期間当初の顧客数で割ることで導き出します。計算式は次の通りです。

チャーンレート=(一定期間中に解約した顧客数 ÷ 期間当初の顧客数)×100


チャーンレートは、顧客生涯価値(LTV)にも影響を与えます。LTVを最大化するためには、チャーンレートを上げないことが必要不可欠です。
事業を成功に導くためには、顧客の解約理由を把握して適切な対策を講じましょう。

SaaS事業におけるチャーンレートの重要性

SaaS事業では、顧客の継続的な利用が収益の安定性に直結するため、解約を防止することが極めて重要になります。SaaS事業は、サブスクリプション型のビジネスモデルが主流だからです。

既存顧客へのサービス提供と比べ、新規顧客獲得には多くのコストがかかるのが一般的です。コスト効率の良い事業運営を進めるには、既存顧客を維持することが不可欠といえるでしょう。

チャーンレートが高い場合は、ユーザーのニーズを十分に満たしていない可能性が考えられます。「競合商品よりも価格が高い」「サービス内容に不満がある」などの解約理由を把握し、適切な対策を講じましょう。

チャーンレートの目安・平均値

チャーンレートは収益の安定化に直結し、顧客満足度を測定できる指標です。他社と比較して自社の状況を掴むためにも、目安や平均値の把握は欠かせません。

一般的には3%以下が望ましいといわれていますが、実際の平均値は事業の規模やビジネスモデルによって異なります。規模別・ビジネスモデル別の目安や平均値を把握して、自社の目標値の参考にしましょう。

規模別にみるチャーンレートの目安

アメリカのベンチャーキャピタリストTomasz Tunguzによる、SaaS事業の規模別チャーンレートを見てみましょう。

規模

チャーンレート(月間)

チャーンレート(年間)

中小企業

3~7%

31%~58%

中堅企業

1~2%

11%~22%

大企業

0.5~1%

6%~10%


大企業の月間チャーンレートは0.5%~1%に対し、中堅・中小企業は1%~7%と、企業規模が小さいほどチャーンレートは高くなる傾向があります。企業の規模に応じたチャーンレートの目安を設定しましょう。

参考:Tomasz Tunguz「The Innovator's Dilemma for SaaS Startups

ビジネスモデル別にみるチャーンレートの目安

サブスクリプション型ビジネスに関する情報発信を行う「Recurly Research」の調査によると、BtoBとBtoCサービスではチャーンレートに大きな差が生じています。

ビジネスモデル

チャーンレート

BtoC

(エンターテインメントサービスや個人・家庭向けサービスなど)

6.5%

BtoB

(ソフトウェアやビジネス向けサービスなど)

3.8%


一般的に、企業はサブスクリプションに対して長期的に投資する傾向が見られます。これは「導入コストや切り替えコストがかかる」「解約に組織的な意思決定が必要」などの理由によるものです。

一方、個人の場合は競合サービスへの乗り換えが容易なため、チャーンレートは高めになります。ビジネスモデルに応じて、目安とするチャーンレートを決めるとよいでしょう。

参考:Recurly Research「What is a good churn rate?

チャーンレートの種類と計算方法

チャーンレートは大きく3つの種類に分類でき、計算式がそれぞれ異なります。

種類

概要

カスタマーチャーンレート

顧客数ベースに算出。BtoCでよく用いられる

アカウントチャーンレート

アカウント数をベースに算出。BtoBでよく用いられる

レベニューチャーンレート

収益をベースに算出。プラン変更の影響も確認できる


カスタマーチャーンレートは顧客ごとに契約するBtoC、アカウントチャーンレートは顧客数とアカウント数が異なることの多いBtoBでよく用いられる計算方法です。レベニューチャーンレートは顧客数ではなく、収益をベースに算出するため、顧客数だけでなくプラン変更の影響も確認できます。詳しく見ていきましょう。

カスタマーチャーンレート

カスタマーチャーンレートは、顧客数をベースに算出される指標です。一定期間内に解約または退会した顧客数、有料会員から無料会員へダウングレードした顧客数の割合を求めます。顧客ごとに契約する、BtoCで多く用いられる手法です。

計算式は次のようになります。

カスタマーチャーンレート
(一定期間中に解約した顧客数 ÷ 契約期間初期の顧客数) × 100


1月の月間カスタマーチャーンレートを算出する場合、1月中に解約した顧客数を1月1日の顧客数で割ります。たとえば、1月1日に200人いた顧客のうち10人が1月中に解約した場合、1月のチャーンレートは5%です。

アカウントチャーンレート

アカウントチャーンレートは、顧客数ではなくアカウント数をベースに算出する手法です。特にBtoBの場合は、顧客数とアカウント数が異なるケースが見られます。

計算式を見ていきましょう。

アカウントチャーンレート
= (一定期間中に解約したアカウント数 ÷ 契約期間初期のアカウント数) × 100


たとえば、複数名で同一アカウントを利用できるビデオチャットツールやCRMツールなどにおいて「どれだけのアカウントが解約されたのか」を測定したい場合は、この手法が適しています。

レベニューチャーンレート

レベニューチャーンレートとは、顧客数ではなく収益を基に計算する手法です。

レベニューチャーンレートには、グロスレベニューチャーンレートとネットレベニューチャーンレートの2種類があります。二つの指標を併用することで、収益構造を把握し適切な戦略立案が可能になります

それぞれの違いについて、詳しく見ていきましょう。

グロスレベニューチャーンレート

グロスレベニューチャーンレートとは、解約やプランダウンなどによる失われた収益だけを基に計算する手法です。増加した金額を加味しないため、収益の減少分だけを把握できます。

計算式は次のようになります。

グロスレベニューチャーンレート
=(一定期間内の解約やプランダウンによる失われた収益 ÷ 期間当初の収益) × 100


解約による直接的な影響を把握できるため、ビジネスの安定性や顧客離脱による収益への影響を明確に理解できます。

ネットレベニューチャーンレート

ネットレベニューチャーンレートとは、解約やプランダウンなどによる失われた収益に、アップセル・クロスセルによって増加した金額を加味して計算する手法です。

計算式は次のようになります。

ネットレベニューチャーンレート
={(一定期間内の解約やプランダウンによる失われた収益 -アップセル・クロスセルの収益)÷ 期間当初の収益} × 100


アップセルやクロスセルによる増収を考慮するため、顧客維持だけでなく、既存顧客からの収益拡大効果も反映される点が特徴です。

チャーンレートの分析に必要な要素

チャーンレートは、顧客維持戦略の立案や収益予測に影響を及ぼすため、精度の高い分析が必要です。効果的な分析には、定量的データと定性的データの両方を組み合わせた多角的アプローチが欠かせません。

ここでは、チャーンレートの計測や分析に必要な要素を3つ紹介します。

数値を計測をする

チャーンレートは手動計測が可能です。数値の計測に必要なデータは、チャーンレートの種類によって異なります。

種類

計測に必要なデータ

カスタマーチャーンレート

期間当初の顧客数、期間中に解約した顧客数

アカウントチャーンレート

期間当初のアカウント数、期間中に解約したアカウント数

グロスレベニューチャーンレート

一定期間内の解約やプランダウンにより失われた収益金額、期間始めの収益金額

ネットレベニューチャーンレート

一定期間内の解約やプランダウンにより失われた収益金額、アップセル・クロスセルで生じた収益金額、期間当初の収益金額


計測データを基に、先述した計算式を用いてチャーンレートを算出しましょう。

定期的に手動計測を行い計算するのは手間だと感じるケースも、少なくありません。そのような場合には、カスタマーサクセスツール、データ分析プラットフォーム、CRMシステムなどの自動化ツールの導入を検討してみましょう。

自動化ツール

詳細

カスタマーサクセスツール

・顧客満足度の向上を目指すツール

・数値の自動集計・自動計算に加え、顧客健全性スコアリング、アップセルやクロスセルによる売向上、顧客コミュニティーの構築などが見込める

データ分析プラットフォーム

・データ収集から分析まで一気通貫で行うツール

・チャーンレートをはじめ、契約数、MRR、アップセル・クロスセル、LTVなどの自動計算を行う

CRMシステム

・顧客情報を一元管理し、顧客との関係を構築・維持することで収益向上につなげるツール

・基本的なチャーンレート計算に加え、顧客ライフサイクルの管理や解約リスクの予測が可能


それぞれのツールの特徴を踏まえ、自社の目的やニーズに沿ったものを選択しましょう。

顧客フィードバックを収集する

顧客フィードバックはチャーンレートを低減するための重要な情報源です。そのため、解約時の顧客だけでなく、契約中の顧客や新規顧客など、幅広い段階で受け取れるようにしましょう。

解約時にアンケートやインタビューを実施し、詳細な解約理由を収集・分析して共通のパターンや傾向を特定することが、サービスの弱点や改善点の特定につながります。

また、カスタマーサポートの設置や顧客コミュニティの運営などを通じて、現在の顧客の持つ不満や要望を聞き取り、分析・改善することで顧客離れを防ぐ効果が期待できます。

新規顧客からのフィードバックも重要です。初期導入時の課題を特定することで、新規顧客の獲得増加や継続的な利用促進につながるでしょう。

仮説を立てて検証を行う

顧客フィードバックの分析結果を深堀りして行動理由の仮説を立てることで、具体的な対策を立案できます仮説検証を行うことで、仕事のスピード感が増し、課題や解決の精度が高まるからです。

たとえば次のような仮説が考えられます。

  • 特定の機能が使いづらい
  • 割高感を感じている
  • 説明が不十分で、顧客が気付いていない機能がある

仮説に基づき、A/Bテストやユーザビリティテストを実施し、改善計画を立てましょう。改善策実施後のチャーンレートの変化を測定することで、仮説の妥当性を検証できます。

なお、全ての顧客が同じ理由や背景で行動しているわけではありません。そのため、仮説を立てる際は、利用頻度などで顧客を階層分けし、階層ごとに仮説や対応策を立てるのも効果的です。

チャーンレート改善につながるKPI設定5STEP

チャーンレートを改善するためにはKPI設定が欠かせません。KPI(Key Performance Indicator)とは、業績を評価し管理するための「重要業績評価指標」です。

「売り上げ拡大」「人気獲得」など、数値化できない定性的な目標だけでは、達成度を正確に把握するのは困難です。目標を数値化することで、進捗状況を可視化し、目標達成に向けた適切な対策を講じることが可能になります。

チャーンレート改善につながるKPI設定の方法を5ステップで紹介します。

STEP1:目的を明確にする

KPI設定を行う前に、KGI(Key Goal Indicator)を設定する必要があります

KGIは「重要目標達成指標」と呼ばれ、企業が最終的に達成すべきゴールを指します。一般的には、売上高や利益率、顧客数などの大きな目標が設定されます。

具体的なチャーンレートのKGI例は、以下のとおりです。

  • 年間のチャーンレートを5%以下に抑える
  • 顧客生涯価値(LTV)を20%向上させる
  • 年間の純収益維持率を(NRR)110%以上にする

KGIは達成期限を明確にし、具体的な数値で設定しましょう。

STEP2:KPIの選定基準を決める

次に、どのような指標をKPIとするか決めましょう。たとえば、チャーンレートのほか、次の指標もKPIとして選定することが考えられます。

  • 顧客満足度(CSAT):顧客が製品やサービスにどれだけ満足しているかを測定する指標
  • ネットプロモータースコア(NPS):顧客が製品やサービスを他人に推薦する意向を測定する指標
  • 顧客生涯価値(CLV):顧客が企業にもたらす総収益を測定する指標
  • 製品利用率:顧客が製品やサービスをどれだけ頻繁に利用しているかを測定する指標

上記の指標を組み合わせることで、チャーンレートに影響を与える要因の多角的な分析や効果的な改善策の立案が可能になります。

STEP3:KPIを具体的に設定する

KPIの選定基準を決めたら、目標設定を具体的に設定していきましょう

KPIを設定する際に有効とされる、代表的なフレームワークが「SMARTの法則」です。5つの英単語の頭文字をとって、名づけられています。

  • Specific(具体的):「誰が」「何を」「どのように」達成するか、具体的に定義する
  • Measurable(測定可能):定量的な指標を用い、客観的に測定できるものを設定する
  • Achievable(達成可能):リソースや能力の範囲内で実現できる、達成可能な目標にする
  • Relevant(関連性):組織の全体的な目標や戦略と関連のある目標を設定する
  • Time-bound(期限付き):短期・中期・長期など適切な時間枠を設定し、達成期限を明確にする

SMARTの法則を活用すると、具体的で達成可能な目標設定が可能になり、効果的なKPIを設定できます。

STEP4:モニタリングする

日次、週次、月次、四半期ごとなどに、適切なモニタリング頻度を設定しましょう。モニタリングを継続させるには、担当者を決め、必要なデータを正確かつ効率的に収集する方法を確立することが効果的です。

たとえば、分析ツールを導入すると手動に比べ、データ収集やグラフ作成の手間を大幅に省略できます。データを可視化することで、意思決定の迅速化やチーム間での情報共有が容易になり、戦略的なアクションを素早く実行できるでしょう。

定期的にデータを確認し、必要に応じて迅速なアクションを行うことが大切です。具体的な改善例は後述します。

STEP5:定期的に見直す

KPIは一度決めて終わりではなく、定期的な見直しが必要です。ビジネス環境は常に変化しており、KPIが現在の状況に適さなくなる可能性があるためです。

たとえば、新規競合による参入や消費者の関心が別の商品やサービスに移った場合など、さまざまな状況に対応しなければなりません。

一般的に、KPIの見直しは四半期ごとまたは年次で行われることが多いですが、市場の変化が激しい業界では、さらに頻繁な見直しが求められることがあります。

定期的にKPIを見直すことで、ビジネスの現状に即した目標設定が可能になり、持続的な成長を支える基盤となります。

チャーンレートの改善例7選

チャーンレートを改善するためには、KPIの設定やモニタリング、顧客フィードバックの分析、仮説の立案などが効果的です。しかし、実際にどうやって実行すればよいか分からないというケースもあるでしょう。

ここでは、BtoBやBtoCを問わずさまざまな業種に適用可能な、チャーンレートを改善するための具体的な改善例を7つ解説します。自社に合った施策を実践することで、顧客満足度を向上させながら離脱を防止し、収益の安定化が実現できるでしょう。

改善例1.顧客の解約理由を分析し対応策を立てる

顧客が解約に至るには必ず理由があります。チャーンレートを下げるためには、解約する顧客にアンケートやインタビューを実施して、解約理由を詳細に収集しましょう

あわせて、解約顧客のカスタマーサポートの記録分析や製品利用データを調査すると、より深い洞察が得られます。一般的に、解約理由は以下のカテゴリーに分類できます。

  • 機能の不満
  • 価格の問題
  • カスタマーサポートの質
  • 競合他社への乗り換え
  • ビジネスニーズの変化

分析結果に基づいて、顧客が解約した根本的な解約理由について仮説を立てましょう。仮説に基づいて具体的な対応策を立案し、実施することでチャーンレート改善が期待できます。

改善例2.解約リスクの高い顧客を早期に特定

解約リスクの高い顧客を早期に特定しサポートすることで、チャーンレート改善が見込めます

具体的には、ユーザー行動データ、顧客属性データ、カスタマーサポートとのやりとり履歴などを分析することで、解約リスクの高い顧客を特定が可能です。

たとえば、ログイン頻度の低下や利用率の減少、カスタマーサポートへの問い合わせ増加などは顧客の解約リスクが高まっている兆候です。このような顧客に対して、個別フォローやニーズに合わせた機能や価格プランの提案、製品機能の活用例の紹介などを行うことで、チャーンレート低下が見込めます。

改善例3.カスタマーサクセス戦略の強化

顧客の成功体験を支援することで、顧客ロイヤルティーが向上しチャーンレート低下が見込めます

カスタマーサクセスを実現するには、顧客にとって「成功」とは何かを定義し、その定義に基づいた適切なサポート提供が重要です。これにより、顧客は自社の製品やサービスを最大限に活用できるようになるでしょう。

カスタマーサクセス戦略を強化するためには、顧客データが欠かせません。たとえば、カスタマープラットフォームであるHubSpotを活用すると顧客維持率向上に必要なデータにすぐアクセスでき、顧客からの問い合わせもスムーズに追跡できます

また、顧客の行動履歴やサポート管理を一元管理することで、よりパーソナライズされたサポートが提供できるため、チャーンレート改善が期待できます。

HubSpotについて詳しくは、こちらの記事をあわせてお読みください。

改善例4.プロダクトの継続的な改善

チャーンレートを改善するためには、プロダクトの継続的な改善が欠かせません。

顧客の要望や市場ニーズを知り、ユーザビリティの向上を図りつつ、新機能を追加することは、プロダクトの魅力を維持させるために重要です。セキュリティの強化やカスタマイズ性の向上なども顧客満足度につながります。

ただし、多数の新機能を追加してもユーザーが使いこなせなければ、かえって解約につながる可能性が生じます。オンラインチュートリアルやウェビナー、ガイドラインの充実などを通じて、ユーザーが多くの機能を活用できるようサポートしましょう。

改善例5.パーソナライズされたコミュニケーションの実施

パーソナライズされたコミュニケーションの実施は、顧客のエンゲージメントを高め、チャーンレート改善につながります

顧客を、類似した特性や行動パターンごとにグループ化します。たとえば利用頻度、契約プラン、業種などの基準でセグメント分けを行いましょう。

顧客の好みに合わせ、メールやアプリ内通知、SMSなど適切なチャネルを選択し、パーソナライズしたメッセージを送るのも一つの方法です。新商品や新機能の紹介など顧客にとって価値のある情報を提供することで、顧客満足度が向上し、長期的な関係構築や収益の安定化にもつながります

改善例6.ロイヤルティプログラムの導入

チャーンレート改善のためには、ロイヤルティプログラムの導入も有効です。ロイヤルティープログラムは、顧客の継続利用を促進し、顧客ロイヤルティーを向上させるための強力なツールです。

たとえば、ポイント制度を導入し、貯まったポイントを特典や割引と交換できるシステムを構築することで、顧客に対して継続のメリットを示せます。

利用期間や利用頻度に応じた、会員ランクの設定も効果的です。既存顧客による新規顧客紹介に対して、特別な報酬を用意するのも一つの方法でしょう。新規会員の増加につながるだけでなく、友人と一緒にサービスを利用することで、長期利用が期待できます。

改善例7.ユーザーコミュニティーの構築

ユーザーコミュニティーの構築も、チャーンレート改善が期待できます。ユーザーコミュニティ内でユーザー同士が教え合い、ノウハウを共有することで、顧客満足度の向上が期待できるからです。

また頻繁にコミュニティに参加する顧客は、エンゲージメントが高まり、離脱率低下につながります。

ユーザーコミュニティ内の議論から、潜在的な問題や不満を早期に発見できるため、迅速な改善が可能になります。同時に、議論を通じて顧客ニーズを的確に把握し、サービスや製品の向上に役立てられるでしょう。

まとめ:チャーンレートの平均値を参考に具体的な改善策に取り組もう

チャーンレートとは、一定期間内に顧客がどれだけ解約したかを示す指標です。事業規模やビジネスモデルによってチャーンレートの平均値は異なります。

チャーンレートの改善には、顧客の解約理由を分析し対応策を立てることが大切です。KPI設定や仮説の立案などを行い、具体的な改善策に取り組むことで、顧客満足度の向上やビジネスの安定化が期待できます。

SEデザインは、約40年にわたりコンテンツマーケティングの支援をしてまいりました。とくにIT関連業界の実績が豊富で、IT業界における導入事例の制作数はトップレベルであると自負しております。そのほか、オウンドメディア構築、LP制作、ホワイトペーパー・eBook制作、SEO記事制作などの制作や、広告運用などもご支援可能です。コンテンツマーケティングにお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

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