マーケティングファネルは古い?最新のBtoB向け施策を解説

公開日:2023-10-04 更新日:2024-05-13 by SEデザイン編集部

目次

マーケティングファネルとは、商品の認知や比較検討、購入などの一連の顧客行動を可視化したフレームワークです。自社の課題抽出やマーケティング施策の改善などに役立つ反面、マーケティングファネルは「古い」と言われることもあります。今回は、マーケティングファネルの概要や種類、古いと言われる理由、最新のBtoB向けフレームワークについて解説します。

 「マーケティングファネル」とは?

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はじめに、マーケティングファネルの概要や誕生の経緯、活用する利点について解説します。

マーケティングファネルの概要

マーケティングファネルとは、顧客が商品・サービスを認知してから購入などのコンバージョンに至るまでの一連のプロセスを可視化したものです。「ファネル」は英単語の「Funnel」に由来し、日本語では逆三角形の形をした器具の「漏斗(ろうと・じょうご)」を意味します。

マーケティングファネルは、顧客が商品・サービスを認知してから購入する過程で、徐々に人数が絞り込まれていくイメージを「ファネル」として表現したマーケティング用語です。

マーケティングファネルが誕生した経緯

マーケティングファネルは、1920年代にアメリカの経済学者であるサミュエル・ローランド・ホール氏によって提唱された「AIDMA」の発展形とされています。AIDMA は、従来の広告宣伝における顧客の購買プロセスを表したフレームワークです。以下の要素から構成されます。

AIDMAの法則を解説する画像

  • Attention:認知・注目
  • Interest:興味・関心
  • Desire:欲求
  • Memory:記憶
  • Action:購買行動

マーケティングファネルでは、上記の各要素において、フェーズが進むごとに顧客が絞り込まれていく様子を表現しています。

カスタマージャーニーとの違い

マーケティングファネルに類似している用語として、カスタマージャーニーがあります。マーケティングファネルとカスタマージャーニーのおもな違いは、重点を置く対象です。

  • マーケティングファネル:顧客数の遷移に重点を置いている
  • カスタマージャーニー:顧客の心理・行動に重点を置いている

顧客が商品・サービスを認知してから購入に至るまでの遷移を把握したい場合は、マーケティングファネルが適しています。一方、顧客の心理・行動を理解して施策検討を行いたい場合は、カスタマージャーニーが適切であるといえるでしょう。

マーケティングファネルを活用するメリット

マーケティングファネルの大きなメリットは、一連の購買プロセスのなかで問題点を可視化し、改善策につなげられる点です。たとえば、商品・サービスを認知している顧客数が著しく少なかった場合、広告宣伝などに力を入れて認知度向上を図ることが重要です。

一方、商品・サービスの認知度は高いものの購入に至る人数が極端に少ない場合、購入までの導線が分かりにくいなどの問題点が考えられます。

このように、マーケティングファネルを活用した顧客の購買プロセスを可視化することで、自社が特に注力すべき領域を明確にすることが可能です。

マーケティングファネルが古いと言われる理由

187061693_m_normal_noneマーケティングファネルは前述のようなメリットがある一方で、フレームワークとして「古い」と言われることもあります。ここでは、マーケティングファネルが古いと言われる理由について、以下3点を解説します。

  • 顧客の価値観が多様化しているため
  • 顧客の購買行動が複雑化しているため
  • サブスクリプションサービスなどの新しいビジネスモデルが台頭したため

顧客の価値観が多様化しているため

現代では顧客の価値観が多様化しており、従来のマーケティングファネルを画一的に当てはめることが難しくなっています。これまでは企業の商品力や広告宣伝の影響が強く、機能性や価格、知名度などが重視される傾向にあったといえます。

しかし、最近では地球環境への配慮やインフルエンサーの影響といったさまざまな要素が増え、購買における顧客の価値観が多様化しているのです。

したがって、顧客一人ひとりの価値観によって商品・サービスの魅力が判断される時代になったといえます。

顧客の購買行動が複雑化しているため

顧客の購買行動が以前より複雑化していることも、マーケティングファネルが古いと言われる理由の一つです。これまではテレビCMや新聞などを通じたマスマーケティングが主流であり、顧客が商品を購入する手段も実店舗などに限定されていました。

現在では、インターネットやSNSなどが発達し、さまざまな媒体を通じて情報を得られます。また、購入手段もECサイトの普及などにより多様化したため、顧客の購買行動を正確に捉えることが難しくなっています

サブスクリプションサービスなどの新しいビジネスモデルが台頭したため

サブスクリプションサービスやシェアリングエコノミーなどの新しいビジネスモデルが台頭している点も理由として挙げられます。従来の「購入する」という概念だけでなく、「体験する」「共有する」といった顧客行動が生まれました。

たとえば、これまでは自動車は購入が当たり前でしたが、近年では購入せずサブスクリプションやカーシェアリングを利用する人も少なくありません。したがって、これまでのマーケティングファネルの定義では現代のビジネスモデルに適合しなくなってきているといえます。

現代の顧客のニーズをつかむためのマーケティング分析を理解したい方は、以下の関連記事も参考にしてください。

マーケティングファネルのおもな種類

続いて、マーケティングファネルのおもな種類について解説します。

  • パーチェスファネル
  • インフルエンスファネル
  • ダブルファネル

パーチェスファネル

パーチェスファネルの解説する画像パーチェスファネルは、マーケティングファネルのなかでも最も基本形となる種類です。AIDMAモデルをベースに、顧客の購買行動を「認知」「興味・関心」「比較・検討」「行動(購入)」の各段階に分けてファネル化しています。商品・サービスが購入されるまでのプロセスをシンプルかつ定量的に捉えるうえで有効です。

たとえば、「比較・検討」から「行動(購入)」の段階で大きく見込み顧客が減少している場合、商品・サービスを購入する利便性や在庫数などに問題があると分析できます。その場合、ファネル分析によって購入チャネルの増加や決済手段の拡充、在庫管理の強化といった施策につなげることが可能です。

インフルエンスファネル

インフルエンスファネルを解説する画像インフルエンスファネルは、商品・サービスを購入した後の顧客行動を表したファネルです。パーチェスファネルが購入前を対象としたファネルであるため、パーチェスファネルと対照的な位置づけとなります。

顧客は商品・サービスを購入した後も、リピートや他者へのおすすめ、SNSでの情報発信など、購入した商品・サービスに関する何かしらの行動を続けています。

インフルエンスファネルは、そのような購入後の顧客行動を「継続」「紹介」「発信」の3段階に分けています。また、後半のフェーズに進むほど他者への拡散力が強まることから、三角形でファネルを表現していることも特徴的です。

ダブルファネル

ダブルファネルを解説する画像ダブルファネルは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたファネルです。パーチェスファネルの逆三角形とインフルエンスファネルの三角形を結合したイメージであり、砂時計のような形で表現されます。

商品・サービスの購入前と購入後の両方の顧客行動を捉えられるため、3つの種類のなかでは最も現代の顧客行動に近いファネルであるといえるでしょう。ダブルファネルによって顧客行動を分析することで、商品・サービスに対する顧客行動を一気通貫で把握できます。

マーケティングファネルの代替となる最新のBtoB向けフレームワーク

179142811_m_normal_noneマーケティングファネルが古いと言われているなかで、最新のBtoB向けフレームワークに関心を持っているマーケティング担当者も少なくないでしょう。本章では、マーケティングファネルの代替となるフレームワークについて、以下の2つを紹介します。

  • フライホイール
  • 顧客の意思決定ジャーニー

フライホイール

フライホイールは、2018年にHubSpotによって提唱された循環型のフレームワークです。企業の成長には卓越した顧客体験の提供が不可欠となっていることを踏まえ、マーケティングファネルに代わるフレームワークとして打ち出されました。

もともとフライホイールとは、自動車などの回転エネルギーを効率的に伝えるための部品である「はずみ車」を意味しています。そこからマーケティングに転用され、顧客を軸に以下の3つの要素を素早く回すことの重要性が説かれています。

  • 顧客を惹きつける(Attract)
  • 顧客と信頼関係を築く(Engage)
  • 顧客を満足させる(Delight)

マーケティングファネルとの違いは、顧客を企業成長のための推力として位置づけ、循環型構造としてフレームワークを表現している点です。たとえばBtoBでは、取引成約だけでなく顧客企業との長期的な関係性を重視したり、顧客企業の目標達成に向けた能動的なカスタマーサービスを行ったりすることが重要です。

顧客の意思決定ジャーニー

顧客の意思決定ジャーニー(The consumer decision journey)は、2009年に米国の戦略コンサルティングファームであるマッキンゼーが提唱したフレームワークです。本フレームワークにおいても、顧客行動を直接的なファネルではなく循環型構造として捉えており、以下の4つの要素を定義しています。

4つの要素

概要

最初の検討段階

(Initial-consideration set)

どのブランドを選ぶか候補を検討する。

積極的な情報収集・評価

(Active evaluation)

積極的に情報収集を行い、候補ブランドの追加や各ブランドの評価を行う。

購入の瞬間

(Moment of purchase)

候補の中から特定のブランドを選定し、購入に至る。

購入した後の顧客体験

(Post purchase experience)

購入後の体験を基に、次に購入する際のブランドを選ぶ。もし購入したブランドが気に入れば、次回の購入時も同じブランドを選好するロイヤリティーループに入る。

 

たとえばBtoBでは、成約後も手厚い運用支援や業務プロセスの改善提案などを行い、優先的に自社との取引継続をしてもらうための取り組みが重要です。

 まとめ:マーケティングファネルを課題抽出や改善策の検討に役立てよう

マーケティングファネルは、認知や比較検討、購入などの一連の顧客行動を可視化したフレームワークであり、自社のマーケティング課題の抽出や改善策の検討に役立ちます。

一方で、顧客の価値観の多様化や購買行動の複雑化が顕著な現代では、マーケティングファネルは古いと言われることもあります。

マーケティングファネルに対する理解に加え、フライホイールや顧客の意思決定ジャーニーといった最新のBtoB向けフレームワークも押さえておきましょう。


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