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リードスコアリングとは、見込み顧客(リード)の属性や行動を点数化し、対応の優先順位を判断するマーケティング手法です。企業規模や役職などの属性から自社との適合度を、資料請求や料金ページの閲覧などの行動から関心の高さを評価し、営業へ引き渡す見込み顧客と、情報提供を続けて育成する見込み顧客を見分けます。
本記事では、スコアリングの3つの判断基準とメリット・デメリット、点数の付け方、運用のポイントを、配点の作例やHubSpotの機能とあわせて解説します。
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この記事の要点 ・リードスコアリングとは、見込み顧客(リード)の属性や行動を点数化し、対応の優先順位を判断するマーケティング手法です。 ・評価の軸は「属性(自社との適合度)」と「行動(関心の高さ)」です。本記事では、アトリビュート(属性)・インタレスト(興味)・アクティビティ(活性)の3つの判断基準で整理します。 ・点数の付け方は「ターゲット像を決める → 接点と評価する行動を整理する → 加点・減点を設定する → 営業へ引き渡す基準を決めて試す」の4STEPです。 ・配点に業界共通の正解はありません。過去の受注・失注データと営業の知見で決め、スコア帯ごとの商談化率・受注率で見直します。 ・点数は受注を保証しません。点数だけで判断せず、営業が把握している状況や会話で確かめます。 |
リードスコアリングとは?【見込み顧客の適合度や関心を点数で評価すること】
リードスコアリングとは、見込み顧客の属性や行動を点数で評価し、対応の優先順位を決めるための手法です。この章では、具体的な意味や注目されている理由について解説します。
スコアリングとは
スコアリングは「リードスコアリング」とも言われており、見込み顧客に対して点数を付けることを指します。点数を付けることで、優先して対応する見込み顧客を判断しやすくなり、営業への引き渡しや、その後の育成方針を決める材料になります。
リードスコアリングで評価するのは、見込み顧客が自社の対象顧客に合っているかと、商品・サービスにどの程度関心を示しているかです。主な評価軸は、次のように整理できます。
| 評価軸 | 主な情報の例 | 確認すること |
|---|---|---|
| 自社との適合度 | 業種、企業規模、役職 | 自社が想定する顧客像に合っているか |
| 関心・行動 | Webサイト閲覧、フォーム送信、デモの申し込み | 商品・サービスへの関心を示す行動があるか |
見込み顧客への取り組みは、獲得する「リードジェネレーション」、関心を育てる「リードナーチャリング」、営業が対応すべき顧客を見極める「リードクオリフィケーション」に整理できます。
【見込み顧客への取り組みの3段階】
スコアリングは、営業へ引き渡す見込み顧客を見極める判断に使われるほか、情報提供を続けて育成する見込み顧客の分類にも活用できます。ただし、一度採点して終わりではありません。属性や行動の変化に応じて点数を更新し、古い行動による点数を減らすことで、現在の状況を評価に反映します。
また、担当者が評価条件と配点を決める方法に加え、AIが蓄積したデータから評価条件と配点を提案し、担当者が確認・編集して使う機能もあります。
出典:Salesforce Trailhead(リードの評価モデル)/Salesforce(リードマーケティング)/HubSpot(リードスコアリングツールの概要)/HubSpot(AIによるスコアの作成)
スコアリングが注目されている理由
スコアリングが注目されている理由として、インターネットやスマートフォンの普及に伴いユーザー自らが情報を手に入れていることが挙げられます。
インターネットやスマートフォンが普及したことで、ユーザーは手に入れた情報を基に商品やサービスを購入するかどうかの判断を自発的に行うようになりました。
近年は、BtoBの購買担当者が生成AIも使って情報を集める一方で、AIが生成した情報を営業担当者に確認したいと考える傾向も、Gartnerの調査(2026年5月公表)で報告されています。自ら情報を集めながら、必要な場面では営業担当者に相談するという購買行動です。
こうした状況では、営業による対応を優先する見込み顧客と、情報提供を続けて関心を育てる見込み顧客を見極めることが大切です。スコアリングは、その判断材料になります。
出典:Gartner(2026年5月20日のプレスリリース)
スコアリングを行う際の3つの判断基準
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見込み顧客を評価するときは、自社の対象顧客に合っているかと、どのような行動を取っているかを分けて考えることが大切です。判断基準の分け方は解説によって異なり、たとえばHubSpotは「適合度」と「エンゲージメント」、両者を組み合わせたスコアで説明しています。本記事では、判断基準を次の3つに整理します。
| 判断基準 | 評価する内容 | 主な確認項目 |
|---|---|---|
| アトリビュート(属性) | 自社の対象顧客との適合度 | 業種、企業規模、対象地域、部門、役職 |
| インタレスト(興味) | 行動から読み取れる関心や購買意向 | 資料取得、料金ページの閲覧、デモ依頼など |
| アクティビティ(活性) | 行動の頻度と直近性 | 参加・訪問回数、最後に行動した時期、一定期間内の反応 |
インタレストとアクティビティは、どちらも行動を評価する観点です。インタレストは行動の内容を、アクティビティは行動の頻度と直近性を見ます。属性と行動の評価項目は、自社の商材や営業プロセスに合わせて設定しましょう。
順番に解説します。
アトリビュート(属性)
アトリビュート(属性)では、見込み顧客が自社の顧客像にどの程度合っているか(適合度)を基にしてスコアリングしていきます。適合度を判断する項目の例として、おもに以下の項目が挙げられます。
- 企業規模
- 業種
- 働いている地域
- 所属している部門
- 役職
たとえば「企業規模であれば資本金1,000万円で3点」「役職が部長であれば10点」というように点数をつけていきます。
ここでの点数は説明のための例で、一般的な推奨配点ではありません。配点は、営業部門の知見や過去の受注・失注データを基に決めます。役職が高いという理由だけで一律に高得点を付けず、自社の購買プロセスにおける役割を踏まえて評価しましょう。
インタレスト(興味)
インタレスト(興味)では、見込み顧客が自社の商品やサービスに対してどれくらいの興味関心があるのかを基にしてスコアリングしていきます。
興味関心の例として、おもに以下の項目が挙げられます。
- メールマガジンへの登録
- セミナーやウェビナーへの参加
- 資料の請求
- 商品やサービスへの問い合わせ
評価するときは、行動の内容によって重みを変えます。たとえば資料ダウンロードとデモ依頼では、検討段階が異なる可能性があります。すべての行動を同じ点数で評価せず、購入検討との関係に応じて重みを付けましょう。
出典:Adobe Experience League(スコアリングモデルの構築)
アクティビティ(活性)
アクティビティ(活性)では、メールの開封・クリック数、セミナーやウェビナーへの参加回数など、見込み顧客のアクションの回数や頻度を基にしてスコアリングしていきます。
回数や頻度に加えて、最近も反応があるか(直近性)を確認することも大切です。古い行動の点数を時間とともに下げたり、同じ種類の行動の加点に上限を設けたりすると、過去の反応や大量の閲覧による過大評価を抑えられます。
また、メールの開封・クリックには、企業のセキュリティースキャナーやメールのプライバシー保護機能による自動処理が含まれる場合があります。その数値だけで関心の高さを判断せず、利用するツールのボット除外の設定や、スコアに使うデータの条件を確認しましょう。
出典:Adobe Experience League(エンゲージメントスコア)/HubSpot(マーケティングEメールのボットフィルタリング)
スコアリングはなぜ重要?4つのメリット
スコアリングは、見込み顧客への対応の優先順位を決めるための仕組みです。属性や行動を評価し、営業への引き継ぎに活用することで、次の4つのメリットが期待できます。
- 見込み顧客の状態に合わせてアプローチできる
- 業務を効率化できる
- 機会損失を減らせる
- マーケティングと営業の連携を強化できる
一つずつ解説します。
見込み顧客の状態に合わせてアプローチできる
スコアリングによって、属性や行動などの数値化したデータで見込み顧客の状況が分析できます。業種や企業規模などの「自社との適合度」と、問い合わせや資料請求などの「関心を示す行動」を組み合わせて見ることで、優先して営業が対応する見込み顧客を判断しやすくなります。
確度によってアプローチ方法を柔軟に変えられるようになるため、関心が高まっている見込み顧客には営業が連絡し、情報収集の段階にある見込み顧客には情報提供を続けるといった対応が可能です。
ただし、スコアは受注を保証するものではありません。商談化と受注のどちらを評価するスコアなのかを確かめ、目的に合うスコアを利用しましょう。
業務を効率化できる
スコアリングを行うことで業務効率化ができ、これまで以上に時間を有効活用できるようになります。 スコアリングによって、見込み顧客を数値として可視化できるため、購買意欲の高い見込み顧客から優先的にアプローチできるからです。
さらに、一定の基準を満たした見込み顧客を担当者へ割り当てたり、担当者に通知したりする処理を自動化すれば、営業への引き継ぎを効率化できます。
また、スコアに影響した要因や商談の履歴を確認すれば、アプローチを改善する手掛かりも得られます。
機会損失を減らせる
たとえ購買意欲が高い見込み顧客がいたとしても、業務に忙殺されるあまり対応が遅れると、商談の機会を逃すおそれがあります。
スコアと担当者への通知を連動させると、関心を示した見込み顧客を営業が把握しやすくなり、見込み顧客を放置したことで失注するといった、対応漏れによる機会損失を減らせます。
マーケティングと営業の連携を強化できる
スコアリングを行うメリットの一つは、「何点以上の見込み顧客を営業へ引き渡すか」という基準を、マーケティングと営業で共有できることです。スコアの定義や引き渡しの基準を両部門で合意しておけば、引き渡しのミスマッチを減らし、どの見込み顧客から対応するかを共通の目安で判断できます。
基準の決め方は、後述する「STEP4:営業へ引き渡す基準を決めて試験運用する」で解説します。
出典:HubSpot(スコアの作成)/HubSpot(リードスコアリングツールの概要)/Microsoft Learn(リードと商談のスコアリング)/Microsoft Learn(予測リードスコアの使い方)
スコアリングを行う前に知っておきたい2つのデメリット
スコアリングは、メリットだけでなくデメリットもあります。おもなデメリットは、以下の2つです。
- 点数だけでは有望な見込み顧客か判断しきれない
- 担当者の負担が大きい
順番に解説します。
点数だけでは有望な見込み顧客か判断しきれない
たとえば、スコアリングで点数が高い見込み顧客だと見なして積極的にアプローチした結果、競合他社の担当者であることが判明し、成果につながらないこともあります。
スコアは対応の優先順位を決めるための指標であり、点数が高いことと、商談や成約につながることは同じではありません。また、サイト閲覧などの行動から分かる関心と、企業規模・業種・役職などの属性から分かる適合度は別の軸です。
そのため、点数が高い見込み顧客が必ずしも全員有望とは限らないという認識を持つことが大切です。行動だけで判断せず、属性と組み合わせて評価しましょう。
担当者の負担が大きい
手動でスコアリングを行う場合、見込み顧客一人ひとりを分析して点数を付けていくため、かなりの手間がかかります。
ツールを使えば採点を自動化できますが、評価基準の設定や結果の検証は残ります。AIによる予測型のスコアリングでも、学習用の実績データの準備やモデルの性能の確認が必要です。
誰が基準を管理し、どのように結果を見直すかをあらかじめ決めておくと、担当者の負担を抑えやすくなります。
出典:Microsoft Learn(予測リードスコアの使い方)/HubSpot(リードスコアリングツールの概要)/Microsoft Learn(予測リードスコアリングの設定)
リードスコアリングの点数の付け方4STEP
リードスコアリングの点数は、次の4STEPで付けていきます。
- 自社に合う企業と担当者の条件(ターゲット像)を決める
- 顧客との接点と、評価する行動を整理する
- 属性と行動に点数を付け、減点と有効期間も決める
- 営業へ引き渡す基準を決め、既存の見込み顧客で試してから運用する
STEP1:ターゲット像を明確にする
まずは、どのようなユーザーが自社の商品やサービスを購入してくれるのか、以下3つの判断基準を基にしてターゲット像を明確にします。
- アトリビュート(属性)
- インタレスト(興味)
- アクティビティ(活性)
ペルソナを設定する場合も、BtoBでは商材との適合を判断できる以下のような項目を中心に、顧客像を具体化しましょう。
- 業種
- 企業規模
- 所属している部門
- 役職
- 購買プロセスでの役割 など
ただし、ペルソナを詳しく設定するほどスコアリングの精度が上がる、とは言い切れません。精度は、運用を始めた後の商談化率や営業の評価で確かめます。
また、「自社のターゲットに合っているか」という適合度と、「どの程度関心を示しているか」という行動の評価は、分けて整理しましょう。両方を確認することで、行動が活発でもターゲット条件に合わない見込み顧客を区別しやすくなります。
出典:Salesforce Trailhead(リードの評価モデル)/Salesforce Trailhead(評価モデルの運用と見直し)
STEP2:カスタマージャーニーマップで接点と評価する行動を整理する
ターゲット像を明確にしたら、顧客との接点と、各接点で評価する行動を整理します。整理にはカスタマージャーニーマップが役立ちます。カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスについて認知してから購入するまでのフローを可視化した図のことです。
カスタマージャーニーマップを使う場合は、認知、情報収集、比較検討、問い合わせなどの段階に沿って、Web閲覧やフォーム送信、営業との面談を配置すると整理しやすくなります。マップの完成を目的にせず、CRMやMAツールで評価できる属性・行動を明確にしましょう。
あわせて、担当者ごとの行動を評価するか、同じ企業の複数の担当者の行動をまとめて企業単位で評価するかも決めておきます。
STEP3:スコアを設定する
接点と評価する行動を整理したら、スコアを設定していきましょう。スコアは、商品やサービスの成約につながるようなアクションになるほど、高得点に設定します。
加点だけでなく、減点や評価期間もあわせて設計します。主な設計項目は次のとおりです。
| 評価項目 | 条件の例 | 設定方針 |
|---|---|---|
| 適合度 | 対象業種・企業規模・役職に合致 | 行動の評価と分けて管理する |
| 行動による関心度 | Web閲覧、フォーム送信、面談 | 行動ごとの重要度に応じて配点する |
| 繰り返し行動 | 同じ行動が複数回発生 | 加点回数や合計点に上限を設ける |
| 行動の新しさ | 一定期間より前の接点 | 評価期間や時間経過による減衰を設定する |
| 否定的な兆候 | メール配信の登録解除など | 減点条件として扱うか検討する |
配点の考え方を、本記事で紹介した例を使って表にまとめました。考え方を示すための作例で、業界共通の標準点ではありません。
| 評価軸 | 条件 | 配点の作例 |
|---|---|---|
| 属性(アトリビュート) | 役職が部長 | +10点 |
| 属性(アトリビュート) | 企業規模(資本金1,000万円) | +3点 |
| 行動(インタレスト) | 自社サイトへアクセスした | +5点 |
| 行動(インタレスト) | 料金ページを閲覧した | +10点 |
| 行動(インタレスト) | 資料をダウンロードした | +20点 |
| 行動の新しさ(アクティビティ) | 最後の行動から一定期間が過ぎた | 減点(期間と点数は自社で決める) |
| 否定的な兆候 | メール配信の登録を解除した | 減点を検討する |
どの行動を重く見るかは、商材や営業プロセスによって変わります。料金ページの閲覧やデモの申し込みを、購入意向の強い行動として重く見る考え方もあります。実際の配点は、過去の受注・失注データと営業の知見を基に決めましょう。
出典:Salesforce Trailhead(評価モデルの運用と見直し)/HubSpot(スコアの作成)/Adobe Experience League(スコアリングモデルの構築)
STEP4:営業へ引き渡す基準を決めて試験運用する
点数の付け方を決めたら、次に決めるのは、どの見込み顧客を営業へ引き渡すかの基準です。合計点だけで判断するのではなく、属性と行動のそれぞれに基準を設け、両方を満たした見込み顧客を引き渡す方法もあります。こうすると、「関心はあるがターゲット外」の見込み顧客と、「ターゲットだが関心が低い」見込み顧客を分けて扱えます。
最初の基準の目安になるのは、過去に受注した顧客の点数です。この点数を参考に仮の基準を決め、運用しながら調整します。基準を超えた見込み顧客を、MQL(マーケティング活動で見極めた有望な見込み顧客)として営業へ引き渡す運用もあります。
引き渡した後の対応も、あわせて決めておきましょう。
- 対応する担当者
- 初回連絡の期限
- 商談にならなかった場合に、育成へ戻すルール
運用を始める前には、既存の見込み顧客で点数の内訳や分布を確かめ、想定どおりに採点されるかを確認します。運用を始めた後は、引き渡した見込み顧客の商談化率と営業の評価を見ながら、配点や基準を見直しましょう。
出典:Sells up「リードスコアリングとは?設計6ステップと失敗を防ぐ運用の進め方」/Zendesk「リードスコアリングとは? 優れたスコアリングモデルに共通する要素」/Zoho CRM「営業のリード管理とは。分類・スコアリング設計・ナーチャリングの完全ガイド」/HubSpot(スコアリングツールのテスト)
スコアリングを行う際に意識すべき5つのポイント
スコアリングを行う際に意識すべき5つのポイントは、以下のとおりです。
- スコアリングに頼りすぎない
- ツールの導入を検討する
- 自社に適した判断基準を設定する
- 少ない項目から始める
- 定期的にPDCAを回す
一つずつ解説します。
スコアリングに頼りすぎない
スコアリングは、見込み顧客への対応を考えるうえで参考になるデータです。
しかし、設定したスコアは指標の一つに過ぎません。スコアリングの内容が全て正しいというわけではないため、頼りすぎないことが大切です。実際の見込み顧客と向き合い、社内で情報共有しながらマーケティング活動を実施していきましょう。
スコアは、設定した評価条件や学習データに基づく評価値です。点数だけで対応の優先順位を決めず、スコアが高くなった理由や、営業担当者が把握している顧客の状況も確かめましょう。予測型のスコアリングを使う場合は、モデルの性能を確認することも必要です。
点数が高くても、見込み顧客がまだ情報収集の段階にあることもあります。実際の課題や導入時期は会話で確認し、点数が低い見込み顧客も点数だけで切り捨てないようにしましょう。
出典:Microsoft Learn(予測リードスコアリングの設定)/Sells up「リードスコアリングとは?設計6ステップと失敗を防ぐ運用の進め方」
ツールの導入を検討する
スコアリングは手動でも可能ですが、見込み顧客一人ひとりを分析して点数を付けていく必要があるため、手間や時間がかかります。
従業員が少ない場合には、スコアリングに大幅なリソースを割いてしまい、ほかの業務に支障をきたす恐れもあるため、ツールの導入を検討するのがおすすめです。
現在のツールには、条件に基づいて自動で採点する機能に加え、AIが評価条件や配点を提案する機能もあります。
ツールを導入する際には、導入実績や操作性・機能面などを考慮したうえで自社に適したツールを選ぶようにしましょう。
あわせて、CRMとの連携、採点の理由を確認できるか、運用費用、どこまでを自動で処理するかも比べておきましょう。顧客の調査やメール対応まで行うAIエージェントを使う場合は、対象とする顧客と営業への引き継ぎ条件を決めたうえで、データを共有する範囲、送信前の確認方法、利用料金を確かめ、小規模な検証から始めます。
個人情報を含む顧客データを生成AIに入力する場合は、利用目的と、提供先での取り扱いも確認しておきましょう。
出典:HubSpot(スコアの作成)/HubSpot(AIによるスコアの作成)/Microsoft Learn(営業向けAIエージェントの設定)/個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」
自社に適した判断基準を設定する
スコアリングにおける3つの判断基準として、アトリビュート(属性)・インタレスト(興味)・アクティビティ(活性)を紹介しましたが、重要なのは自社に適した判断基準を設定することです。
そのため、これら3つの判断基準を無理に設定する必要はありません。 これまで集計したデータを用いて、自社に適した判断基準を考えましょう。
基準を考える際は、まず商談化と受注のどちらを評価したいのかを決めます。見込み顧客が商談になるかを評価するスコアと、商談が受注に至るかを評価するスコアは別のものです。そのうえで、自社への適合度と行動から分かる関心の強さを分けて評価し、どの条件で営業が対応するかをマーケティングと営業で共有しましょう。
古い行動が点数に残り続けないよう、評価期間や時間経過による減点を設けることも大切です。同じ行動の繰り返しだけで高得点にならないよう、加点に上限を設ける方法もあります。
出典:Microsoft Learn(リードと商談のスコアリング)/HubSpot(スコアの作成)
少ない項目から始める
スコアリングの項目は、最初から細かく作り込まないことも大切です。項目や配点を増やしすぎると管理が複雑になり、どの配点が成果に結びついたのかを検証しにくくなります。
まずは、受注との関係が見えやすい少数の属性と行動から始め、運用しながら項目を足していきましょう。実績データが少ない場合も、現場の営業の感覚や過去の成約データを参考に少数の項目で始め、結果を見ながら修正します。
出典:Sells up「リードスコアリングとは?設計6ステップと失敗を防ぐ運用の進め方」
定期的にPDCAを回す
より正確にスコアリングを行いたいのであれば、一度設定して終わりではなく、何度もデータを分析したうえで改善することが大切です。
そのため、定期的にPDCAを回すことを意識しましょう。具体的には、スコア帯ごとの商談化率や受注率と営業からの評価を確認し、配点や引き渡しの基準を見直します。スコアの履歴や分布も見ると、想定どおりに採点されているかを確かめやすくなります。
条件を変更するときは、担当者への通知や見込み顧客の振り分けなど、スコアを使っている処理への影響もあわせて確認しましょう。
出典:HubSpot(スコアの履歴とパフォーマンス)/HubSpot(リードスコアリングツールの概要)
HubSpotでリードスコアリングを運用するには
リードスコアリングは、MAやCRMのツールに評価条件を設定すると、点数の計算を自動化できます。ここでは、HubSpotで設定できるスコアと機能、SEデザインがHubSpotの導入・活用を支援した事例を紹介します。
HubSpotで設定できるスコアと機能
HubSpotでは、リードスコアリングに関する次のようなスコアと機能を利用できます。
| できること | 内容 |
|---|---|
| スコアの種類 | 属性による適合スコア、行動によるエンゲージメントスコア、両者を組み合わせたスコア |
| 評価の対象 | コンタクト(担当者)に加え、企業や取引のスコアも作成できる。企業のスコアでは、関連するコンタクトの行動をまとめて評価できる |
| 点数の調整 | 行動からの経過時間に応じた減衰、同じ行動の加点上限 |
| 公開前のテスト | 既存のレコードで点数の内訳を確認できる |
| 運用後の検証 | スコアの履歴・分布・パフォーマンスを確認できる |
| 営業への引き継ぎ | スコアをワークフローに使い、基準を超えたコンタクトを担当者に割り当てたり、通知したりできる |
| AIによる支援 | AIがコンタクトのデータから評価条件と配点を提案し、担当者が確認・編集して使う(2026年10月時点でMarketing Hub Enterprise向け)。これとは別に、実績データからコンバージョンにつながりやすい行動を分析し、ルールと点数を提案する機能もある |
利用できる機能は契約プランによって異なります。最新の提供条件は、HubSpot公式サイトで確認してください。また、HubSpotでは、マーケティングEメールの分析データから、疑わしいボットによる開封・クリックを除外できます。
出典:HubSpot(リードスコアリングツールの概要)/HubSpot(スコアの作成)/HubSpot(スコアリングツールのテスト)/HubSpot(スコアの履歴とパフォーマンス)/HubSpot(AIによるスコアの作成)/HubSpot(影響の大きいイベントに基づくスコア)/HubSpot(マーケティングEメールのボットフィルタリング)
ランスタッド株式会社:HubSpotをプラットフォームとしたナーチャリング基盤を構築
SEデザインがHubSpotの導入・活用を支援した事例のうち、リードを評価する仕組みに関わる部分を、事例ページから引用します。事例ページに掲載している支援内容は次のとおりです。
- リードナーチャリング戦略設計/コンサルティング
- ペルソナ
- カスタマージャーニーマップ
- コンテンツ戦略マップ
- リードクオリフィケーション
- マーケティング&インサイドセールスフロー
- リードナーチャリング設計に基づいたHubSpot CRM、HubSpot Marketing Hubの各種設定・ナーチャリングメールの作成
リードを評価する仕組みづくりについて、事例ページでは次のように紹介しています。
「SEデザインはコンサルティングのなかでペルソナの定義、カスタマージャーニーマップの設計、購買プロセスに沿ったコンテンツ戦略の策定、リードの行動情報や評価基準をセグメントしたリードクオリフィケーションマトリクスの制作を行いました。それらを経て、マーケティングやインサイドセールスのフロー構築を通じた、ワークフローやナーチャリングメールの作成などHubSpotの各種設定を実装。リードを定量的に評価する仕組みを整えると同時に、今後のリードナーチャリング活動における最適基盤をつくり上げていきました。」
プロジェクトの結果については、次のように紹介しています。
「本プロジェクトによって、他部門と円滑な連携も図れるようになりました。リードクオリフィケーションマトリクスでセールスチームへのトスアップの基準を示しながら、HubSpotによるリードの管理、共有が可能となるからです。」
ご担当者様からは、次のような声をいただいています。
「優先的にアプローチすべきリードが分かるなど、私たちインサイドセールスも対応しやすい設計をしていただいたと感じています。導入済みの施策にもアラインできますので、成果に直結する効果を期待しています」
(マーケティング&ブランドコミュニケーション事業部 DX部 インサイドセールス マーケティングチームマネージャー 山浦美花 氏)
出典:SEデザイン導入事例『信頼の置ける伴走者としてきめ細やかな設計・実装を実現|ランスタッド株式会社』
よくある質問
リードスコアリングとは何ですか?
リードスコアリングとは、見込み顧客(リード)の属性や行動を点数化し、対応の優先順位を判断するマーケティング手法です。業種・企業規模・役職などから自社との適合度を、資料請求や料金ページの閲覧などから関心の高さを評価し、営業へ引き渡す見込み顧客と、育成を続ける見込み顧客を見分けます。点数は受注を保証するものではなく、対応の優先順位を決めるための目安です。
スコアリングのルールとは何ですか?
どの属性・行動に何点を付けるか(加点・減点)、点数をいつまで有効にするか(評価期間・減衰)、同じ行動の加点に上限を設けるか、何点で営業へ引き渡すか(しきい値)を決めたものです。共通の正解はなく、過去の受注・失注データと営業の知見から決め、運用後は商談化率・受注率と営業の評価で見直します。
スコアリング方式とは何ですか?
リードスコアリングの方式には、大きく分けて、担当者が評価条件と配点を決めるルール型と、蓄積したデータからAIが評価や配点を予測・提案する方式があります。AIを使う方式でも、学習用の実績データの準備、モデルの性能の確認、担当者による確認が必要です。また、加点だけでなく、一定期間反応がない場合などに点数を下げる減点を組み合わせる方法もよく使われます。
営業に引き渡す基準(しきい値)はどう決めればよいですか?
合計点だけで決めるのではなく、属性と行動のそれぞれに基準を設け、両方を満たした見込み顧客を引き渡す方法があります。過去に受注した顧客の点数を参考に仮の基準を決め、既存の見込み顧客で試してから運用し、引き渡した後の商談化率と営業の評価で調整します。引き渡し後の担当者、連絡の期限、育成へ戻すルールもあわせて決めておきましょう。
スコアリングをマーケティング活動に活用しよう
本記事では、リードスコアリングの3つの判断基準とメリット・デメリット、点数の付け方、運用のポイントについて解説しました。
スコアリングとは、見込み顧客の属性や行動を点数化することであり、対応の優先順位付けや営業との連携に活用することで、成約率の向上や業務の効率化などに期待ができます。ただし、適合度や関心度を点数だけで判断しきれなかったり、担当者の負担が大きかったりするデメリットもあるので、注意が必要です。
活用にあたっては、自社との適合度と、行動から分かる関心度を分けて確認しましょう。営業へ引き渡す条件、対応する担当者、対応の期限をマーケティングと営業で決め、運用後は商談化や成約の結果を基に配点や引き渡しの条件を見直すことが大切です。AIによるスコア作成などの機能を使う場合は、利用条件と共有するデータを確認し、提案された内容を担当者が確かめる手順を設けておきましょう。
スコアリングを行う際には、ツールを導入したり自社に適した判断基準を設定したりするなどのポイントを意識して、マーケティング活動に活用してみましょう。
マーケティング活動がうまくいかずにお困りの企業は、株式会社SEデザインにお任せください。
SEデザインは1985年の創業以来、外資系IT企業のブランドローカライズをはじめ、日系・外資を問わず多くのテクノロジー企業のマーケティングを支援してきました。HubSpotの導入・活用支援では、課題整理から導入・運用定着、営業連携までを伴走し、リードスコアリングやリードクオリフィケーションを含むナーチャリングの仕組みを設計・実装しています。お気軽にご相談ください。