【2024年最新】コンテンツマーケティングの市場規模と今後の展望を解説!
更新日:2024-09-27 公開日:2024-02-12 by SEデザイン編集部
近年、ユーザーの情報収集・購買行動のデジタル化が進んでおり、マーケティング戦略のデジタル化も普遍的になりつつあります。その中でも有効な施策の一つがコンテンツマーケティングです。
今回は、コンテンツマーケティングの市場規模について、2024年4月時点で調査されているデータを基にして解説します。自社の今後の方向性を探りたいとお考えの方は、ぜひお役立てください。
日本のコンテンツマーケティングの市場規模
日本のコンテンツマーケティングの市場規模といっても、厳密に言い切れるものではありません。明確にその市場規模を示す数字が一つにまとめられているわけではないからです。
「コンテンツマーケティング」とは、マーケティングの手法の一つで、オウンドメディアや動画などを用いて、質の高い情報を見込み顧客へ提供し、主にリード獲得を目指すものです。
参考までに、総務省の「情報通信分野の現状と課題」によると、コンテンツマーケティングを含むコンテンツの市場規模は、2020年に約11兆8,275億円となっています。
したがって、コンテンツマーケティングの市場規模・全体像を理解するために、様々な分野ごとの市場規模を詳しく調べてみました。2024年度の市場規模予想をまとめると、以下の通りです。
- SEO対策の市場規模:800億円程度
- コンテンツ制作アウトソーシングの市場規模:3000億円超
- インターネット広告の市場規模:2兆9124億円
- SNSマーケティングの市場規模:1兆72憶円
次項より、それぞれの規模感について詳しく見ていきましょう。
SEO対策の市場規模
SEO(SearchEngineOptimization)対策とは、自社コンテンツが検索エンジン(例:GoogleやYahoo!など)での検索結果の上位に表示されるように最適化する手法です。
米ResearchandMarketsの2022年の報告によれば、SEO対策の市場は年平均9.6%の成長率を示し、2028年には約1,221億米ドルの市場規模に達すると見込まれています。
日本のSEO対策市場は、クロスフィニティ株式会社の情報によると2016年時点で430億円とあります。下のグラフのように毎年前年比108%程度で拡大していくと仮定すると、2024年には800億円程度の規模になることが予想できるでしょう。
引用:PRTIMES「クロスフィニティ、「2016年度版国内SEO市場予測(2014-2018)」を発表」
コンテンツ制作アウトソーシングの市場規模
コンテンツ制作アウトソーシングとは、企業や個人が自らのWebサイトやメディアのコンテンツ制作を、外部の専門業者やフリーランスのライターなどに依頼することを指します。オウンドメディアの普及に伴い、専門知識やリソースの不足、時間の節約といった課題解決のために多くの企業がこの手法を採用しています。
株式会社矢野経済研究所が行った2023年の調査によると、新型コロナウイルスの影響で外出自粛が進んだことを一因として、リモートワークでの働き方やDXの推進に伴いコンテンツ制作のアウトソーシング市場が拡大していることが明らかになりました。
以下グラフのBPOとは「ビジネスプロセスアウトソーシング」を指しており、「IT系BPO」は2024年度には3000億円を超えると予想されています。
オウンドメディア制作・運用代行会社おすすめ20社を徹底比較!SEO、コンテンツマーケティングに強い企業のご紹介
引用:矢野経済研究所「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査を実施(2023年)」
インターネット広告の市場規模
インターネット広告とは、Webサイトやアプリ、SNSなどのオンラインメディア上で展開される広告のことです。表示形式や配信方法の例としてバナー広告、動画広告、アフィリエイト広告などがあります。
株式会社CARTACOMMUNICATIONS/株式会社D2C/株式会社電通/株式会社電通デジタル/株式会社セプテーニ・ホールディングスが共同で発表した「2023年日本の広告費インターネット広告媒体費詳細分析」によると、2024年のインターネット広告費は2兆9124億円まで増加すると予測されています。
引用:株式会社CARTACOMMUNICATIONS/株式会社D2C/株式会社電通/株式会社電通デジタル/株式会社セプテーニ・ホールディングス「2023年日本の広告費インターネット広告媒体費詳細分析」
さらに、株式会社サイバーエージェントの「インフィード広告市場規模推計・予測」によると、2016年の市場規模が1401億円となっており、2023年には3921億円へと成長すると見込まれています。インターネット広告市場は1997年の推定開始以来、持続的な成長を遂げていることから、今後もデジタル化が進む現代社会での市場拡大が予想されるでしょう。
引用:株式会社サイバーエージェント「インフィード広告市場規模推計・予測」
SNSマーケティングの市場規模
SNSマーケティングとは、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を利用してのマーケティング活動のことです。FacebookやX(旧:Twitter)、InstagramなどのSNSを活用して、ブランドの認知拡大や顧客との関係構築、商品やサービスの宣伝などを行います。
株式会社サイバー・バズと株式会社デジタルインファクトの共同調査によると、2024年の日本のソーシャルメディアマーケティング市場は、前年比112%増の1兆72億円に達することが予想されています。
引用:株式会社サイバー・バズ「国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査」
アメリカのコンテンツマーケティングの市場規模
アメリカは、コンテンツマーケティング発祥の地であり、日本よりも市場の拡大が進んでいる状況です。では、実際にどのくらいの市場規模なのでしょうか。
参考例として、米PQMediaが発表している「グローバル・コンテンツマーケティング予測2017」によると、世界のコンテンツマーケティング市場は、2022年から2027年までに16.37%のCAGRで成長すると推定されてており、市場規模は5,840億2,000万米ドルに達する見込みです。
引用:technavio「ContentMarketingMarketbyObjective,Platform,andGeography-ForecastandAnalysis2023-2027」
そのなかでも、米BusinessReserchによると、アメリカ含む北米の市場シェアは世界でも最大になるといわれています。このように、アメリカが大きな規模感で成長している理由として、コンテンツマーケティングに対する歴史的背景や認識の違いが挙げられます。
コンテンツマーケティングという概念は100年以上前から存在しており、その深い歴史が今日の市場規模に影響を与えています。コンテンツマーケティングの核心は、ターゲットとなる顧客に対して価値あるコンテンツを継続的に提供し、それを通じてビジネス上の利益を追求する手法です。アメリカではこの定義が、Webだけでなく、新聞・雑誌や放送といった様々な媒体にも適用されています。
さらに米market.usの2023年8月の発表によると、アメリカでは近年AIを活用したコンテンツマーケティングの導入が進んでいます。そのため、テクノロジーに精通した企業やマーケティング代理店が多数存在するとのことです。
このように、アメリカにおける強力なデジタルインフラは、通常のコンテンツマーケティングだけでなく、AI主導のコンテンツマーケティングもさらに活発化させています。
どのメディアをコンテンツマーケティングの一部としてカウントするかによって、その市場規模に大きな差が出てくることがあります。いずれにしても、アメリカのコンテンツマーケティング市場は、日本に比べて圧倒的に大きいことが明らかでしょう。
コンテンツマーケティングの市場規模の成長背景とは?
以上のようにコンテンツマーケティングの市場規模は拡大傾向にありますが、その背景の要因として考えられるものとしては、次の理由です。
- ユーザーの情報収集手段の変化
- プッシュ型広告の需要低下
以下より、それぞれ個別に解説します。
ユーザーの情報収集手段の変化
インターネットが一般ユーザーに広まる2000年代初頭までは、マーケティングのアプローチはオフラインが中心で、新聞の折り込みチラシやDMの郵送、店舗での販促活動が主流でした。
しかし、インターネットやスマートフォンの普及、特に2020年以降の新型コロナウイルス感染症の影響で、ユーザーの情報収集はオンラインが中心となっています。結果として、多くの企業がオンラインを通じた顧客獲得策として、コンテンツマーケティングに目を向けるようになっています。
プッシュ型広告の需要低下
従来は、広告は商品やサービスの認知を広める手段として多岐にわたる媒体で活用されてきました。しかし、従来の広告手法に対してネガティブな感情を持つ消費者も少なくありません。
一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が公開している「インターネットメディアとインターネット広告の信頼向上に向けて-2021年ユーザー意識調査の結果と課題への取り組み」によると、一般ユーザーのインターネットメディアの接触時間は増加しているものの、インターネット広告に関しては信頼性の面で問題があるとされています。
引用:JIAA「インターネットメディアとインターネット広告の信頼向上に向けて-2021年ユーザー意識調査の結果と課題への取り組み」
対照的に、コンテンツマーケティングはユーザー自らが求める情報を提供するプル型のアプローチを取り入れており、この手法は現代の消費者のニーズとマッチしているといえます。
従来のプッシュ型広告が押し付ける形で情報を伝えるのに対し、コンテンツマーケティングはユーザーの関心を引きつけ、自らの意志で情報を求めてやってくる「プル型」のため、時代背景にマッチしているでしょう。
日本のコンテンツマーケティング市場は今後どうなる?
日本でコンテンツマーケティングが広く認識されるようになったのは、2014年頃からで、それまではおもにWebマーケティングの一環として紹介されてきました。
BtoB領域においても同様で、株式会社アイ・ティ・アール(ITR)が公開している調査データを参照すると、コンテンツマーケティングを含むBtoBマーケティング市場は、BtoC同様に拡大傾向が見込まれています。
引用:株式会社アイ・ティ・アール(ITR)「2022年度のMA市場は新規ユーザーの増加と既存システムの拡張により前年度比14.7%増 2023年度も同14.9%増と好調な伸びを予測 ITRがMA市場のBtoB、BtoC別市場規模推移および予測を発表」
ただし、時代のニーズに応じて有効なコンテンツマーケティング施策は異なってきますので、常にトレンドを押さえた取り組みを行うことが大切です。
Ranktrackerの情報も参照すると、2023年のコンテンツマーケティングのトレンドとしては、次のようなものがあります。
- 人間的なコンテンツ
- ポッドキャスト
- ショート動画
- AI利用
- 古いコンテンツの再利用
- AR/VR
- データがしっかりしたコンテンツ
- 長文コンテンツ
- 音声検索
- パーソナライゼーションされたコンテンツ
特に、日本は「2030年問題」に代表されるように、少子高齢化で労働力不足が顕著になっていきます。そのような時代において、Webを介して多くの顧客と接点構築を果たす重要度はますます高まっていくでしょう。
しかし、重要なのは「あくまでも、ユーザーニーズを起点にして施策を考えること」です。世間一般で有効と言われている施策が必ずしも自社にも貢献するとは限りません。
「トレンドだから」と短絡的に考えるのではなく、常に時代のニーズを読み解きつつ、自社事業・市場ニーズにマッチした施策を考えることが大切なのではないのでしょうか。
まとめ:ニーズにマッチした施策でアプローチを続けよう
現在、コンテンツマーケティングの市場規模は拡大傾向にあります。
SEO対策やインターネット広告など、各市場を細分化した際の規模感の広がりからもそれは明らかです。このように拡大し続けているコンテンツマーケティングは、まさに時代のニーズにマッチした施策であるといえます。
しかし、有効な施策は時代に応じて変わっていくため、常に「今求められているアプローチ方法は何か」と考え続けていくことが有効な策といえるでしょう。
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