HubSpotには、専門知識不要でドラッグ&ドロップで直感的に作成できるフォーム機能があることをご存知でしょうか。収集した顧客情報は自動でHubSpotのCRMに連携されるため、リード獲得を効率的に行えるようになるのです。
この記事では、HubSpotフォームの特長や作成方法、効果を高めるポイントを解説します。ぜひ参考にしていただき、リード獲得率・CV率アップを目指してHubSpotフォームを最大限に活用しましょう。
「HubSpotのフォーム」とは?
そもそも「HubSpot」とは、インバウンドマーケティングに特化したクラウド型ソフトウェアです。CRM、MA、ブログ、カスタマーサポートなどの機能が提供されており、世界中の多くの企業のマーケティングと営業活動を支援しています。
そのHubSpotの機能の一つ「フォーム」は、リード獲得率の改善が期待できる機能です。この章では、HubSpotのフォームについて詳しく解説します。
フォームが利用できるMarketing HubやContent Hubを検討中の方には、「Marketing+」もオススメです。
HubSpotのフォーム
HubSpotのフォームでは、アンケート、問い合わせ、商品購入などさまざまな用途に対応しています。
「Marketing Hub」や「Content Hub」を導入すると利用でき、フォームの基本機能は無料です。HubSpotのフォームはドラッグ&ドロップで作成でき、入力エラーが少なく、ユーザーフレンドリーなフォームを簡単に用意できます。
無料プランと有料プランの違い
無料プランと有料プランの具体的な違いは以下をご参照ください。
プラン |
無料 |
Starter |
Professional |
Enterprise |
月額料金 |
0円 |
1,800円/月〜 |
106,800円/月〜 |
432,000円/月〜 |
HubSpotのロゴ表示 |
あり |
なし |
なし |
なし |
GDPR |
○ |
○ |
○ |
○ |
依存フィールド |
- |
- |
○ |
○ |
スマートフィールド |
- |
- |
○ |
○ |
コードのカスタマイズ |
- |
- |
○ |
○ |
フォームの自動化 |
1件 |
最大10件 |
無制限 |
無制限 |
参考:HubSpot|価格表
HubSpotのフォームは、基本無料で利用できますが、一部機能に制限があります。
HubSpotフォームの特長
ここでは、HubSpotフォームのおもな特長を5つ紹介します。- HTMLやCSSの知識がなくても簡単に作成できる
- 外部サイトにフォームの埋め込みができる
- ユーザーに合わせたアクションをカスタマイズできる
- HubSpot CRMへのコンタクト情報の収集が自動で行われる
- Slackで通知を受け取れる
どれもリード獲得率の向上や管理業務の効率化につながる機能なので、チェックしていきましょう。
HTMLやCSSの知識がなくても簡単に作成できる
HubSpotフォームの最大の特長は、HTMLやCSSの知識がなくても、誰でも簡単にフォームを作成できる点です。ドラッグ&ドロップでフォームの要素を自由に配置できます。
専門知識がなくてもフォームをスピーディーに作成できるため、本来時間のかかる作業を効率化し、貴重なリソースをほかの業務に充てられるでしょう。
外部サイトにフォームの埋め込みができる
HubSpotのフォームは、コーポレートサイトやオウンドメディアなど、外部のWebサイトに簡単に埋め込めるのが特長です。
フォームを作成した後、埋め込みコードをコピーし、任意のWebページのHTMLに貼り付けるだけで外部サイトに設置できます。
そのため、自社のWebサイトやパートナー企業のサイト、ランディングページなど、さまざまな場所でフォームを活用でき、情報を一元管理できるのです。
ユーザーに合わせたアクションをカスタマイズできる
HubSpotフォームの特長として、フォーム送信後のアクションをユーザーに合わせて自由にカスタマイズできる点も挙げられます。たとえば、フォーム送信後のリダイレクト先を指定することで、ユーザーを適切なページに誘導できます。
また、フォーム送信者に対して自動返信メールの送信が可能です。適切にアクション設定しておけば、ユーザーの問い合わせにすぐに対応でき、エンゲージメント向上につながるでしょう。
HubSpot CRMへのコンタクト情報の収集が自動で行われる
HubSpotのフォームを利用すると、ユーザーがフォームに入力した情報が自動的に「HubSpot CRM」に保存されます。そのため、営業担当者は新しいリードの情報をリアルタイムで確認し、スピーディーにフォローアップできるようになるのです。
HubSpotのフォームとCRMの連携が、効率的なコンタクト情報の管理やリードナーチャリングの最適化を実現してくれます。
Slackで通知を受け取れる
HubSpotフォームをSlackと連携させることで、フォームの送信があった際に通知をリアルタイムで受け取れます。
リアルタイムに通知が届くため、営業担当者やカスタマーサポートチームは、新しいリードの情報や問い合わせ内容をいち早く把握し、迅速に対応できます。
HubSpotフォームの作成方法
HubSpotフォームの作成は、とても簡単に行えます。- フォームの作成
- フォームフィールドの編集
- フォームフィールド間へのコンテンツ追加
- フォローアップEメールの作成
- フォームオプションの設定
- フォームスタイル設定後のプレビュー
- フォームの公開
一つひとつの手順を詳しく解説しますので、HubSpotのフォーム機能を使いたい方はぜひ参考にしてください。
1.フォームの作成
HubSpotアカウントにログインし「マーケティング」→「フォーム」を選択します。
右上の「フォームを作成」をクリックします。
フォームのタイプを選択する画面が表示されるので、「埋め込みフォーム」「スタンドアロン(単体)ページ)のいずれかを選択し、次へ進みます。
テンプレートが複数用意されているので、作成したいフォームに近いものがあればテンプレートを使用するのもよいでしょう。ゼロから作成する場合は「空白のテンプレート」を選択します。
【テンプレート例】
- 支払い
支払いリンクをフォームに追加して、イベント、サービスなどの支払いを回収する - 登録
訪問者がサイト、サービス、製品、またはプログラムに登録するためのフォームを追加する - お問い合わせ
訪問者が問い合わせしやすくなるようなお問い合わせフォームを追加する - ニュースレター登録
最新情報の受信を希望する方のためにニュースメール用登録フォームを追加することで、新たな登録読者を創出する - サポート
サポートフォームを追加して、自動的にチケットを生成する - eBookのダウンロード
訪問者がeBookなどをダウンロードするためのフォームを追加する - イベント登録
ワークショップ、カンファレンス、ウェビナー、イベント用の登録フォームを追加する
今回は、「空白のテンプレート」を選択し、「開始」をクリックします。
2.フォームフィールドの編集
Step1が終わったら、以下のようなフォームのエディター画面が表示されます。
既存のプロパティーを使用する場合
既存のフィールドを使用する場合、設定画面の左側にあるパネルの検索バーで検索するか、表示されているプロパティーから選択しましょう。
新しいプロパティーを追加する場合
新しいプロパティーを追加する場合は、「新規作成」のタブを選択し、追加するフィールドのタイプを選択します。
【フィールドの種類】
- 単行テキスト
- 数値
- 1つのチェックボックス
- チェックボックス
- ドロップダウン
- 複数行テキスト
- ラジオボタン
- 日付
- ファイル
- ヘッダーテキスト
- 段落(リッチテキスト)
- 画像
「オブジェクトタイプ」「グループ」など、プロパティーの詳細情報を選択します。
「次へ」をクリックして確認画面に移動し、「作成」をクリックします。
無料版HubSpotの場合、新たに追加できるプロパティーは最大10件までです。プロパティーをカスタマイズし、フォームの目的に合わせて設定を進めていきましょう。
3.フォームフィールド間へのコンテンツ追加
HubSpotフォームでは、フォームフィールドの間にテキストや画像などのコンテンツを追加できます。ここでは、段落(リッチテキスト)を追加する場合の方法を説明します。
コンテンツの追加
まず、左側のパネルの「新規作成」から「段落(リッチテキスト)」を選択し、コンテンツを挿入したい場所にドラッグ&ドロップします。挿入可能箇所は、以下のように点線に囲まれた緑で表示されます。
コンテンツの編集
エディター画面に「これはリッチテキストエリアです。任意のコピーを追加できます」と表示されている箇所をクリックし、左側に表示されたテキストボックスにテキストを入力します。テキストの書式設定や画像の挿入など、自由に編集可能です。
コンテンツの追加は、フォーム全体のデザイン性を高めたり、入力時の注意事項を分かりやすく伝えたりするうえで有効です。
4.フォローアップEメールの作成
HubSpotフォームでは、フォーム送信後に自動でフォローアップEメールを送信する設定も可能です。
画面上部の「自動化」タブを選択し、「フォーム送信後にEメールを送信」をクリックします。
ワークフローを設定できる画面が表示されます。
「Eメールを送信」のステップを選択肢、送付するEメールを選択、または新規作成します。「保存」をクリックすれば設定は完了です。
フォローアップEメールの設定をすれば、見込み客へのスピーディーな対応や、関係構築の促進ができるでしょう。
5.フォームオプションの設定
HubSpotフォームでは、「オプション」タブでフォームの設定を詳細にカスタマイズできます。
オプション設定をしてフォームの使い勝手を向上させれば、より効果的な情報収集が可能になります。おもなフォームオプション設定項目は以下のとおりです。
フォームオプションの項目 |
詳細 |
訪問者がこのフォームを送信した後のアクション |
サンキューメッセージや、リダイレクト先のページを設定できる |
送信に基づいてライフサイクルステージをカスタマイズ |
このフォームへの送信によって作成または更新されるレコードのライフサイクルステージを選択できる |
フォローアップオプション/送信通知の宛先 |
送信に関するEメール通知をコンタクト担当者に送信できる |
フォームおよびエラーメッセージの言語 |
フォームの表示言語や、入力エラー時に表示されるメッセージの言語を設定できる |
マーケティングキャンペーンに追加 |
フォームをキャンペーンに追加すれば、このアセットを含む接続済みのマーケティングアセットを追跡、管理できる |
新しいEメールアドレスで常にコンタクトを作成 |
フォームが既存のコンタクトレコードに一致しないEメールアドレスで送信された場合、新しいコンタクトを作成する |
フォームをリセットするためのリンクを追加 |
フォームに入力された内容をリセットするリンクを表示するかどうかを設定できる |
コンタクトフィールドを判明している値で埋めておく |
コンタクトによる再訪問時に、既に判明している訪問者情報でコンタクトフィールドを埋めておくかどうかを制御できる |
フォームの目的やターゲット層に合わせて、最適な設定を行いましょう。
6.フォームスタイル設定後のプレビュー
HubSpotフォームでは、作成したフォームのデザインを「スタイルとプレビュー」タブで確認・調整できます。
このタブでは、フォームのテーマや幅、フォント、色などをカスタマイズ可能です。おもなスタイル設定項目は以下のとおりです。
フォームスタイルの項目 |
詳細 |
入力オプション |
4つのテーマから選択できる |
スタイル |
フォームの幅、フォント、色を細かく調整できる |
設定が完了したら「テスト」をクリックして、実際の表示を確認しましょう。
フォームのスタイルは、入力内容には直接影響しませんが、企業やWebサイトのブランディングに役立ちます。デザインにこだわることで、ユーザーに好印象を与え、コンバージョン率の向上にもつながるでしょう。
7.フォームの公開
フォームの設定が完了したら、画面右上の「公開」ボタンをクリックしましょう。
公開後は、HubSpotで作成したサイトだけでなく、外部サイトでもフォームの利用が可能です。埋め込みコードや共有リンクを使って、さまざまなサイトでフォームを活用しましょう。
HubSpotフォームを外部サイトに埋め込む方法
HubSpotフォームを外部サイトに埋め込みたい場合、2つの方法があります。- 外部サイトのHTMLコードに埋め込みコードを入力する
- スタンドアロンフォームを作成する
それぞれの手順を詳しく解説します。
外部サイトのHTMLコードに埋め込みコードを入力する
HubSpotフォームを外部サイトに埋め込むには、HubSpotアカウントで埋め込みコードを取得する必要があります。埋め込みコード取得手順は以下のとおりです。- HubSpotのアカウントページから「マーケティング」→「フォーム」を選択
- 新しいフォームを作成するか、既存のフォームを選択
- 「オプション」タブで、フォーム送信後の処理を設定
- フォーム編集画面右上の「共有」をクリック
- ソースコードの下にある「コピー」をクリックし、右上の「公開」をクリック
上記手順の後、取得した埋め込みコードを、外部サイトのHTMLに貼り付ければ、HubSpotフォームが表示されます。
Salesforceキャンペーンに追加する場合は、事前にキャンペーンを選択しておきましょう。また、フォームの分析情報を追跡するには、HubSpotのトラッキングコードをインストールする必要があります。
スタンドアロンフォームを作成する
HubSpotフォームを外部サイトに埋め込む代わりに、専用のURLでアクセスできるスタンドアロンフォームを作成することも可能です。スタンドアロンフォーム作成・共有手順は以下のとおりです。
- HubSpotアカウントにログインし、「マーケティング」→「フォーム」を選択
- 新しいフォームを作成するか、既存のフォームを選択
- フォーム編集画面右上の「共有」をクリック
- ダイアログボックスで「リンクを共有」タブをクリック
- 「コピー」をクリックし、右上の「公開」をクリック
これで、フォーム専用のURLが発行されます。上記で発行したURLを共有すれば、ユーザーは直接フォームページにアクセスできます。外部サイトへの埋め込みが難しい場合や、フォームを単独で共有したい場合に有効な方法です。
HubSpotフォーム設定時の5つのポイント
HubSpotフォームを設定する際は、5つのポイントを押さえることで、CV率がさらに向上しやすくなります。- 入力項目は必要最低限でシンプルにする
- ユーザーが入力しやすい順番で並べる
- フォームの送信ボタンは分かりやすくする
- スマートフォンでプレビューを確認する
- 一度公開すると非公開できない点に注意する
ぜひそれぞれのポイントを参考にしてください。
入力項目は必要最低限でシンプルにする
HubSpotフォームを作成する際は、入力項目を必要最低限に絞ることが重要です。入力項目が多いと、ユーザーは面倒に感じて離脱してしまう可能性が高まります。
名前やメールアドレスなど、本当に必要な情報のみを収集するよう心がけましょう。シンプルで分かりやすいフォームを作成することで、ユーザーの負担を軽減し、コンバージョン率の向上につながります。
ユーザーが入力しやすい順番で並べる
フォームの入力項目は、ユーザーにとって入力しやすい順番で並べることが重要です。フォームの入力項目の順番を最適化することで、ユーザーの離脱率を下げ、コンバージョン率が向上しやすくなります。
具体的には、名前やメールアドレスなど、入力が簡単な項目から順に配置するのがおすすめです。
ユーザーが簡単なステップから始められるようにすることで、入力完了までモチベーションを維持でき、フォームを送信する可能性が高まります。難しい質問や複雑な入力項目がある場合は、できるだけ後半に配置するようにしましょう。
フォームの送信ボタンはわかりやすくする
フォームの送信ボタンは、ユーザーが迷わずに送信できるように、視認性の良いデザインにすることが大切です。
送信ボタンを目立つ色や大きさにすることで、ユーザーの注意を引き付けられます。また、ボタンの文言は「送信」や「申し込む」など、明確で簡潔なものにしましょう。曖昧な表現や長すぎる文言は、離脱率が高まる原因となりかねません。
さらに、送信ボタンはその位置も重要です。フォームの最後や、ユーザーの目に留まりやすい場所に配置することで、スムーズに送信を促せるでしょう。
スマートフォンでプレビューを確認する
現在、PCよりもスマートフォンでWebサイトを閲覧するユーザーが増えています。そのため、HubSpotのフォームがスマートフォンで正しく表示され、使いやすいことを確認することが重要です。
フォームの作成後は、必ずスマートフォンでプレビューを確認しましょう。文字の大きさや配置、ボタンの位置などが、スマートフォンの画面サイズに適しているかどうかを確認します。
また、スマートフォンでの操作性も重要です。タップしやすいボタンのサイズや、スクロールせずに入力できるくらいのフォームの長さなど、ユーザーが快適に入力できるかどうかを公開前にチェックしましょう。
一度公開すると非公開にできない点に注意する
HubSpotのフォームは、一度公開すると非公開にできない点に注意が必要です。フォームを非公開にしたい場合は、Webページからフォームを削除する必要があります。フォームの設定・編集画面では、非公開にするオプションがありません。
フォームを公開する前には、必ず十分にテストを行い、内容を確認することが大切です。また、フォームを削除したい場合は、関連するサイトやページからもフォームのリンクを取り除く必要があります。
まとめ:HubSpotのフォームを活用してCV率を上げよう
HubSpotのフォームは、リード獲得率・CV率向上につながる強力なツールです。フォームを活用する際は、作成方法やCTAボタンデザインのポイントを押さえ、適切に運用することが重要です。
しかし、HubSpotの機能を最大限に活かすには、導入から運用まで、専門的な知識が必要です。SEデザインでは、HubSpotの導入支援から、マーケティング・営業活動の最適化まで、トータルでサポートいたします。HubSpotを活用し、ビジネスの成長を加速させたい方は、ぜひ当社にご相談ください。
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