インサイドセールスとフィールドセールス|違いや連携の重要性を解説
更新日:2025-01-14 公開日:2024-10-07 by SEデザイン編集部
「効率良く営業を行う方法が知りたい」「インサイドセールスとフィールドセールスの違いや役割について理解を深め、成約率を上げたい」
上記のようにお考えの方は多いのではないでしょうか。営業活動全体の効率を高めるには、営業担当者が1人で行っている業務を社内で分業することが一つの手です。
効果的な例が、インサイドセールスとフィールドセールスの分業です。インサイドセールスとは、外出せずに電話やメールを使って行う営業手法のことです。一方フィールドセールスは、見込み客に訪問する対面営業を指します。
ただし、せっかく分業してもチーム間で連携がうまくいかなければ、成約率が落ち込むことになりかねません。この記事では、インサイドセールスとフィールドセールスを連携させる際の注意点や役立つツールをご紹介します。
営業活動を効率化し、受注と売り上げを向上させたい方は、ぜひ最後までお読みください。
「インサイドセールス」とは
インサイドセールスとは、外出を伴わず自社内のオフィスで行える営業のことで「内勤営業」とも呼ばれます。インサイドセールスの役割と強み、KPIをご紹介します。
インサイドセールスの役割
インサイドセールスの役割は、営業担当者が従来行っていた業務の一部を担い、営業活動全体の効率を上げることです。電話やメール、Web会議ツールなどを用いて、見込み客とのコミュニケーションの初期段階を担当します。
広告や展示会などのマーケティング活動で獲得したばかりの見込み客は、まだ自社のことをよく知らず、信頼関係も深くない状態です。この段階の見込み客は数が多く、自社との取引につながる可能性にも差があるため、1to1で対応するのは効率が悪いといえます。
そこで大勢の見込み客にアプローチして信頼関係を構築しつつ、受注確度が高い見込み客を抽出する役割を、インサイドセールスが担います。これによって、フィールドセールスの活動が効果的に行えるようになるのです。
インサイドセールスの強み
大勢の見込み客にスピード感を持ち低コストでアプローチできることが、インサイドセールスの強みです。従来のように対面営業が主である場合、見込み客と接触するための日程調整に時間がかかっていました。また、営業担当者が1日に接触できる見込み客数には限りがあるため、大勢の見込み客がいる場合、最初の接触までに期間が空いてしまいがちです。
一方、インサイドセールスであれば、見込み客の連絡先を取得した当日からアプローチを開始できます。メールや電話、Web会議ツールであれば、利用コストもあまりかかりません。見込み客を訪問する際の交通費と比べれば、その差は大きいでしょう。
また、インサイドセールスはSaaS企業との相性がとくに良いといえます。インサイドセールスで、継続的に使い続けてくれる確度の高い見込み客が集められれば、サブスクリプション型サービスの解約率の低下につなげられるでしょう。
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インサイドセールスのKPI
架電数やメールの送信数をKPIとして設定することで、チームとして日々の業務で行うべきことが明確になります。フィールドセールスに受け渡す見込み客の数も、KPIとして適切です。
ただし、こうした稼働数や行動数ばかりをKPIとしていると、見込み客の受注確度を引き上げるという目的を忘れてしまう恐れがあります。そのため、フィールドセールスに受け渡した後の成約率や売上額など「見込み客の質」も確認することが望ましいです。
「フィールドセールス」とは
フィールドセールスとは、見込み客を訪問するための外出を伴う営業のことで「外勤営業」とも呼ばれます。フィールドセールスの役割と強み、KPIをご紹介します。
フィールドセールスの役割
フィールドセールスの役割は、案件を成約させることです。担当者が見込み客を訪問する点は従来の営業と同じですが、受注確度を高める段階をインサイドセールスに任せている点に違いがあります。
1人の担当者が営業の全ての工程をカバーする場合と比べると、フィールドセールスは成約率を高めることに専念しており、より専門性が高いといえます。
対面の商談で初めて見込み客の細やかなニーズを聞き取れることが少なくありません。見込み客のニーズに対して、商談の場で適切な提案を行い成約の確度を高めることも、フィールドセールスに期待される役割です。
フィールドセールスの強み
見込み客から信頼を得やすいことが、フィールドセールスの強みです。Web会議ツールは便利ですが、信頼関係を構築するためには、対面のほうが効果があります。
営業担当者の人柄や熱意を感じてもらうことは、信頼感を得る大きな要素の一つです。とくに金額が大きい商談であるほど、見込み客は発注の決定に慎重になりやすいため、フィールドセールスの重要度が増します。
フィールドセールスのKPI
フィールドセールスのKPIは、成約数や売上額を設定します。フィールドセールスの成果は売り上げに直結するため、担当者にはプレッシャーがかかります。そのため、目標達成のために成約数にこだわりがちです。
しかし目標を達成しようとして、むやみに成約を取ってしまうと、受注後にトラブルが発生しやすくなります。そのようなことがないよう、ニーズに合った的確で丁寧な営業を心がけることも大切です。
インサイドセールスとフィールドセールスの違いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
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インサイドセールスとフィールドセールスの位置づけ
インサイドセールスとフィールドはどちらも、営業活動全体の一部です。それぞれが営業活動全体のなかでどのように位置づけられているのかをご紹介します。
顧客へのアプローチの流れの全体像
営業活動を効率よく行うため、従来はひとりの営業担当者が行っていた工程の分業化が進んでいます。顧客にアプローチする流れは、以下の4つに整理できます。
補足するとカスタマーサクセスとは、取引を継続してもらい良い関係を構築するために、契約後の顧客をフォローする活動です。このように営業活動を分業して行う体制を「The Model型」と呼びます。
インサイドセールスとフィールドセールスは、セットで扱われることもありますが、どちらもこのような4工程の流れの一部であると考えたほうが理解しやすいでしょう。
インサイドセールスのフェーズが追加されるケースが多い
インサイドセールスを担当するチームが、社内にないケースは多くあります。なぜなら、マーケティング活動で獲得した顧客にすぐに営業をする企業も多いためです。
しかし、すぐに営業をしたのでは、受注につながらない商談が増え、効率が悪くなります。このことに気づき、インサイドセールスのフェーズを導入して「The Model型」に移行するというのが、よくあるパターンです。
あなたの会社の営業チームで思うような成果が得られていない場合は、インサイドセールスを導入することで、改善できるかもしれません。あまり意味のない見込み客への訪問を行っていないかを検証すると、インサイドセールスを導入すべきかが判断しやすくなります。
インサイドセールスとフィールドセールスの分業による効果
インサイドセールスとフィールドセールスを分業することで、さまざまな効果が期待できます。どのような効果が得られるのか、具体的にご紹介します。
営業の効率を上げられる
インサイドセールスでは、電話やメールなどを使って繰り返し見込み客とコミュニケーションを取り、購入意欲を引き上げます。そうして意欲が高まった見込み客のみと商談をすることで、成果につながらない商談が減り、成約率が高まることが期待できます。
商談1件を行うためには、数時間の人的リソースが必要です。インサイドセールスによって受注確度が高い見込み客を抽出し、不必要な商談を減らすことで、効率良く営業が行えるでしょう。
メンバーが得意なことに専念できる
インサイドセールスとフィールドセールスでは業務内容が異なるため、向いている人も違います。分業することで、メンバーが自分の得意なことに専念しやすくなることも、大きな効果です。
たとえば、人と対面で話して交渉することが苦手な人がいます。従来の営業体制であれば、こうした人でも対面営業は避けられませんでした。苦手なことをするのは本人が苦労するだけでなく、営業で成果を得にくいため自社にとっても損失となります。
しかし、分業されていればそうした人でも、対面営業は避けてメールや電話などの得意な業務を担当して、活躍することが可能です。メンバーと自社の双方にとって良い状態が実現できます。
データに基づいてPDCAを回しやすい
営業の全工程を1人の担当者が担当した場合、成約まではほかのメンバーが関わることがほとんどありません。そのため、データが記録される機会が少なく、PDCAを回せないままになってしまうことがあります。
一方、分業化されている場合は、インサイドセールスからフィールドセールスへの案件の引き継ぎが必須です。その際に「見込み客と何回接触したか」「どのようなやり取りをしたか」といったデータを整理することが必要となります。また、責任の範囲が明確であるため、目標が達成できたかの判断も容易です。
蓄積したデータに基づいて判断することで、PDCAが効果的に回しやすくなります。見込み客へのアプローチの方法を改善し、長期的に成約率を高めていけるでしょう。
インサイドセールスとフィールドセールスの連携のポイント
インサイドセールスとフィールドセールスのチームを作っただけでは、営業の効率が上がるとはいえません。営業効率を上げるために、両者を連携させる際のポイントをご紹介します。
役割分担を明確にする
営業活動全体のうちでどこまでをインサイドセールスが担当し、どこからフィールドセールスに引き継ぐのか、明確にしておくことが大切です。なぜなら、役割分担が明確になっていなければ、見込み客へのアプローチで漏れや二度手間が発生してしまうからです。
また、インサイドセールスがフィールドセールスに見込み客を引き継ぐタイミングも、明確にする必要があります。せっかく見込み客の購買意欲が高まっているのに、商談が数日遅れれば、先に他社との商談が進み失注してしまうかもしれません。逆に購買意欲が低い見込み客にフィールドセールスが営業をしても、無駄が発生してしまいます。
どのタイミングで引き継ぐかは、客観的に評価できる条件を定めて、双方のチームで合意しておくことが大切です。
情報共有を密に行う
従来は1人の営業担当者が行っていた業務を複数人で分業すると、どうしても、情報が分断されやすいという弱点が生じてしまいます。この弱点を補うためには、インサイドセールスとフィールドセールスのチームが、情報共有を密に行うことが重要です。
インサイドセールスのメンバーが引き継ぎは不要と感じる情報であっても、フィールドセールスのメンバーにとっては、商談の場での話題として有用かもしれません。インサイドセールスではできるだけ多くの情報を記録して、フィールドセールスに引き継ぐべきです。
とはいえ、大量の情報が乱雑に保存されていては、対面での商談時に効果的に利用できません。多くの情報をすぐに使える形で整理しておく必要があります。
部署間で連携しやすいツールを導入する
営業活動における情報共有を効率的に行うには、専用のツールを導入することが有効です。ツールを使うことで情報の整理方法のばらつきをなくして、誰でも目当ての情報をすぐに探し出せるようになります。
ツールを導入する際には、インサイドセールスとフィールドセールスの両方のチームで、同じツールを使う必要があります。なぜなら、違うツールを使っていると意思疎通が難しくなるからです。たとえば、データの名称や保存場所に共通認識がなければ、スムーズに情報共有や情報管理ができないことがあります。
こうした問題が起こるのは、インサイドセールスとフィールドセールスに限った話ではありません。営業活動の効率を高めるためには、営業に関わるすべての部署で共通のツールを使うことが望ましいでしょう。
連携したセールスに役立つツール「HubSpot」の特徴
インサイドセールスとフィールドセールスの連携を強化するのに適したツールが「HubSpot」です。HubSpotはほかのツールにはない特徴を備えているため、詳しくご紹介します。
1つのツールで完結できる
HubSpotは営業活動のすべての領域をカバーできるツールです。まず基盤として「HubSpot CRM」という顧客管理ツールを使います。これに「Hub」と呼ばれる専門的な機能を備えたツールを組み合わせて使う仕組みです。
インサイドセールスとフィールドセールスの連携に使う際には、セールスに特化した「Sales Hub」を利用します。また、マーケティングに特化した「Marketing Hub」やカスタマーサクセスを担当する「Service Hub」も利用可能です。
ちなみに弊社では全社的にHubSpotを導入し、マーケティングやCMSの機能も活用しています。営業だけでなくマーケティングからカスタマーサクセスまですべてのチームでHubSpotを使うことで、情報共有が円滑になり、成果につながりやすくなるでしょう。
高度な機能が利用できる
HubSpot Sales Hubはセールスに特化したツールであるため、現場で求められる高度な要求に対応しています。
たとえば、見込み客に送ったメールの開封状況や営業資料の閲覧履歴が記録され、誰でも確認可能です。また、顧客との通話の音声を自動的に記録できる機能もありデータを社内メンバー全員に共有できます。
こうした機能があるため、インサイドセールスで得た情報がフィールドセールスのチームに伝わらないという心配がありません。現場のメンバーの負担を大きく増やすことなく、チーム間の連携がスムーズに進められます。
無料で利用を始められる
基盤となるHubSpot CRMは無料で提供されています。各専用ツールの利用にのみ料金が発生し、金額は自社内の利用者数によって変動する仕組みです。専門ツールにも無料プランが用意されているため、費用負担なしで利用を始められます。
インサイドセールスとフィールドセールスを連携させる目的であれば、HubSpot CRMとSales Hubを導入するのがおすすめです。まずは無料で利用してみて、どれだけ役に立つかを確認してみるとよいでしょう。
まとめ:インサイドセールスとフィールドセールスを連携して成約率を上げよう
見込み客へのアプローチをインサイドセールスとフィールドセールスで分業することは、営業活動の効率を高めるために有効です。とはいえ、両者をうまく連携させられなければ、アプローチに漏れや二度手間が発生してしまいます。
連携を進めるためには、インサイドセールスとフィールドセールスの双方で同じツールを使って、密に情報共有することが重要です。1つのツールで営業活動全体をカバーできて、高度な機能も備えているHubSpotは、最適なツールだといえます。
HubSpotは無料で利用を始められるので、ぜひ導入し、成約率の向上と売り上げアップにお役立てください。SEデザインでは、HubSpotの導入支援・活用支援を行っています。導入目的に合ったプランをご提案し、社内でHubSpotを活用できるようにサポートさせていただきます。
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